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大沼ヒロシ

Author:大沼ヒロシ
大沼ヒロシと申します。ブログはじめたての初心者です。どうぞよろしく。

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マルぼん、まだ霧の中
ナウマン象「おーい、マルぼん」


マルぼん「ナウマン象じゃないか。えらく久しぶりだな」


ナウマン象「実はおまえにお願いがあるんだよ」


マルぼん「ナウマン象には何度も命を助けていただいたからね。マルぼんでお役に立てることなら、なんでも言えよ」


ナウマン象「実は最近、子供が生まれてね。ゲンキな男の子。キヨシって名前なんだけど、それはもうかわいくてかわいくて。んで、今日もその子にお土産として絵本を買ってきたんだよ」


マルぼん「はいはい」


ナウマン象「ところが俺、色々トチってね。息子は生まれたばかりだってのに、5歳児向けの絵本を買ってきてしまっんだ。せっかく買ったんだし、この絵本をいますぐ息子に堪能してもらいたいんだよ。そこで色々考えた。おまえ、便利な道具を持っているんだよな? その道具で息子が5歳児向けの絵本を理解できるようにしてほしいんだよ」


マルぼん「読解シール』。このシールの半分を本に貼り、もう半分をその本を読む人の頭に貼る。シールを貼った人は、本がどんなに難解なものでも内容を理解し、心の底から楽しめるようになる。あ、でも、シールの効果は永遠に続くんだよ。あ、でも、息子さん、まだ赤ん坊でしょ? それなのに5歳児向けの絵本を理解できるようになるなんて、不気味じゃない?」


ナウマン象「天才ベイビーとして世に売り出すから大丈夫だよ。そのシール、もらうぜ。おい、五郎太」


五郎太「あい」


 ナウマン象ゴンザレス先輩は、うしろに控えた男に声をかけました。この五郎太という男は、ナウマン象の召使です。オツムがちょっと足りませんが、ナウマン象の言うことはなんでも黙って聞きます。ナウマン象が「椅子になれ」と言えば椅子になり、「1日でいいから自分より長生きして…。一人ではもう生きていけそうにないから」と言えば1日長生きします。


ナウマン象「今の話、聞いていたよな。先に帰って本とキヨシにシールを貼るんだ。俺は今から、マルぼんと飯でも食いに行くから」


五郎太「あい」


 ナウマン象から『読解シール』と絵本の入った本屋の紙袋を受け取ると、五郎太は駆け出していきました。


ナウマン象「これでひと段落だ」


本屋「あ、いたいた。お客さーん」


ナウマン象「例の絵本を買った本屋の店員じゃないか」


本屋「申し訳ございません。実は違う本の入った紙袋を間違って渡していたんです」


ナウマン象「なんだって」


本屋「これがお客様の買われた、絵本の入った紙袋です」


ナウマン象「じゃあ、俺が受け取った紙袋に入っていたのは」


本屋「『性戯の味方』という卑猥な本でして」


 ナウマン象が急いで自宅に戻ると、そこでは『性戯の味方』を存分に、それはそれは不気味な笑顔で堪能している赤ん坊の姿が。


 その後、マルぼんはナウマン象と会うことはありませんでした。風の噂によると、一家でよい施設のある地方へ引っ越したと聞きます。


 戦後最大の性犯罪者が、その牙を剥くことになるのは、これより十数年後のこと。逮捕され、極刑に処せられた彼の生家がちょっとした観光名所になるのは、それからさらに数年後のことでした。



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日記 | 18:05:32 | Trackback(0) | Comments(0)
お医者さんに相談だ♪
 あれから長い年月がたちました。


ヒロシ(90歳)「ごはんまだー」


マルぼん「ごはんならさっき食べたでしょ」


ヒロシ(90歳)「ワイフはどこー」


マルぼん「貴様のワイフは数年前に先立ったでしょ」


ヒロシ(90歳)「……とうとうワシもボケはじめたみたいじゃな。仕方ないとはいえ、少しでもボケの進行を抑えたいのう」


マルぼん「『ボケ帽子』。未来の世界のお年寄りの間で人気の、被っているだけでボケが防止できる帽子さ。ありとあらゆるボケを防げるんだ」


ヒロシ(90歳)「いいものをかたじけない」


 『ボケ帽子』を被るヒロシ翁。


ヒロシ(90歳)「む。なんだか頭がすっきりしてきたぞ」


マルぼん「これでルナちゃん(90歳)とのデートも完璧やね」


ヒロシ(90歳)「デートねえ。なんか急に興味なくなってきたぞい」


 と、その時。いきなり刃物を持った男が部屋に入ってきました。刃物を振りまわしてヒロシに襲いかかる男。


刃物男「きえー!」


ヒロシ(90歳)「なにをする!」


 ヒロシ、とっさの判断で、たまたま持っていた手裏剣を投げます。それが見事刃物男に命中。刃物男、死去。続いて、窓をぶちやぶって鎖鎌をもった女が入ってきました。


鎖鎌女「きえー!」


ヒロシ(90歳)「なにをする!」


 ヒロシ、とっさの判断で、たまたま持っていた硫酸の入った瓶を投げます。それが見事鎖鎌女に命中。鎖鎌女、死去。続いて、体中にダイナマイトをくくりつけたオカマが入ってきました。


ダイナマイト新人類「きえー!」


ヒロシ(90歳)「なにをする!」


 ヒロシ、とっさの判断で、たまたま身に付けていた念力で、ダイナマイト男を先に爆発四散させます。
やぶられた窓から外を見てみると、武器を手にしたヤバそうな人々がたくさんいて、ヒロシ宅を取り囲んでいるではありませんか。


怖そうな人A「ヒロシ! おまえは、我々、背徳8人衆が殺す」


怖そうな人B「いいや、ヒロシの命を奪うのは、あたしたち、微笑町少年少女老人虐待クラブよ」


怖そうな人C「俺たちマッハ殺害団さ」


怖そうな人D「私たち『ヒロシの死体を駅前に曝しちゃい隊』に任せろ!」


マルぼん「あの方たちは皆、キミの命を狙っているんだ」


ヒロシ(90歳)「いったいぜんたいどうして」


 やがて、ヒロシ殺害権を巡り、争いを始める怖そうな人たち。個人と個人の戦いは、やがて集団と集団の戦いへ。集団と集団の戦いは、やがて地域と地域の戦いへ。
地域と地域の戦いは、やがて国と国の戦いへ。


 さぁ、みんな集まって! 第3次世界大戦はじまるよー!!


マルぼん「『ボケ帽子』は、ありとあらゆるボケを防止する効果があるんだ。天然ボケも、色ボケも、それから平和ボケも」


日記 | 18:19:17 | Trackback(0) | Comments(0)
世界が平和になりますように、って
 微笑町と、敵対している薄笑町の血で血を洗うデュエル(日本語で言うと戦争)が続いておりまして、ここは最前線。いつものバカ共も兵士として絶賛戦線中でありまして。


ヒロシ「わぁ! 薄笑町の連中が発砲してきたー!」


ルナちゃん「ストップザウォー! ストップザウォー! みんな、武器を、鉄砲を捨てるのです。そしてわが教団に入って、全財産寄付せいや! ってギャー!」


ヒロシ「ああ! こんな場面でもカモを探すことに余念がなかったルナちゃんが! ルナちゃんが哀れな肉片に! 隊長、隊長、もうダメでありますー!」


隊長「どうして? どうして人は戦いをやめることができないの? どうして争うの、ねえ、どうして! どうしてー! どうでもいいけど、肉片って言葉卑猥だね。萌えるね。結婚して!」


ヒロシ「すでに壊れてらぁ! マルぼん、もう殺し合いはたくさんだよ。そもそも、敵も味方もこんな鉄砲なんかを持っているのがいけない。世界中から鉄砲なんて無くしてしまう機密道具ない?」


マルぼん「あるよ。『銃よタラバ』。このタラバガニを神と称え、崇めれば、世界中から鉄砲が消えうせる」


 ヒロシは「銃よタラバ」をひしっと抱きしめると、「鉄砲なんて、この世からなくなって! タラバさま、素敵な素敵なタラバさま、おねがい」と念じました。すると、なんということでしょう。敵味方、両軍の兵士の手から鉄砲が消えてしまったではありませんか。


マルぼん「『銃よタラバ』に願いが通じたんだ。無くなったよ、鉄砲が」


ヒロシ「無くなったんだね、鉄砲が。世界中から!」


隊長「大変。大変! 今さっき連絡があったんだけど、うちの町のえらい人が『鉄砲がなくなったんなら、ま、仕方ねえや』と、核ミサイルの発射スイッチを押したらしい」


ルナちゃん(肉片)「う、薄笑町の、偉い人も、か、かくミサイルをはっしゃ…ぐふっ」


ヒロシ「な、なんで、なんでだ! 核ミサイルなんて持ち出したら、世界がやばいことになることくらいわかるだろうに。戦争に勝つしろ、リスクが大きすぎる! なんて、なんて無鉄砲なことを!」

 
 マルぼんは『銃よタラバ』の効果は絶大だと思いました。


日記 | 18:35:32 | Trackback(0) | Comments(0)
グレート無駄
ママさん「まったくヒロくんときたら、朝から晩まで飽きることなくギャルゲーギャルゲー。ほかにやることないの! ゲームばかりやっていてもなにも得るものなどないし、無駄でしょ!」


ヒロシ「無駄じゃないよ! 僕は朝から晩まで飽きることなくギャルゲーで美少女と戯れることで、心を豊かにしているの!」


ママさん「心を豊かにしても、腹はふくれませーん。だから、あなたのやっていることなんて無駄無駄~無駄の極地~」


ヒロシ「く、くやしい! でも確かに、僕の生き方には無駄が多い。マルぼん、僕も無駄のない生き方をしたいよ~」


マルぼん「これを飲みなよ。『飲んだらあらゆる行いが無駄ではなくなる薬』。無駄かと思える自分の行動になんらかの意味ができ、けして無駄ではなくなる薬なんだ」


ヒロシ「わーい」


 さっそく薬を服用するヒロシ。飲み終わった瞬間。


男「さわぐな!」


 猟銃を持った男が、いきなり乱入してきました。


ママさん「きゃー! 命ばかりはオタスケー! 金ならさしあげます! なんなら、この私のはじけんばかりの肉体もっ。抱いて下さい! 赤ちゃん産ませて!」


男「そんなものには興味はねえ! おい、そこの少年!」


ヒロシ「は、はひっ!」


男「俺の目の前で、朝から晩まで飽きることなくギャルゲーをやれ! そして美少女と戯れろ! 俺は、『少年が朝から晩までギャルゲーをやる姿』に、色々と感ずるものがあるんだ。簡潔いうと、萌えるんだ。
もしやらなければ、猟銃(あいぼう)が火を噴き、貴様らの命を焼き尽くす! 助かりたくば、ギャルゲーをやって、俺のもうひとつの相棒に色々なものを噴かせろ!!」


ママさん「ヒロくん! はやくギャルゲーを! そのギャルゲーをやるのよぉ!」


 と、その時。つけっぱなしになっていたラジオから、色々なニュースが流れてきました。


ニュース『微笑町のボツリヌス山ビフィズス郎くんは重い病気です。ヒロシくんが朝から晩まで飽きることなくギャルゲーをやれば、病気は治ります。みなさん、ヒロシくんがギャルゲーを買うための募金をお願いいたします』


ニュース『南ツンデレ村と東ヤンデレ村で、年貢の免除と、ヒロシが朝から晩まで飽きることなくギャルゲーをやることを望む村人による一揆が発生しました。西クーデレ村の一部村人も混ざっているようです』


ニュース『国際テロ組織「マッハ殺害団」が、日本の大沼ヒロシ少年が、朝から晩まで飽きることなくギャルゲーをやらなければ、世界各国の主要都市で、大量の糞尿を撒き散らすテロを行うと表明しました』


 マルぼんは『飲んだらあらゆる行いが無駄ではなくなる薬』の効果は絶大だと思いました。


日記 | 18:39:56 | Trackback(0) | Comments(0)
あざとさに包まれたなら
女教師「皆さんの担任をしていた鼻歌先生が休職されましたので、しばらくの間、私があなた方の担任を勤めさせていただきます~。フェロモン林ともうします~うっふんあっはん」


 ズキューン。フェロモン全開のフェロモン先生に、ヒロシのハートは撃ち抜かれました。


ヒロシ「あのフェロモン教師と僕の血をひく子孫を作りたい! アレな関係になりたい! そのためには、彼女好みの男にならねばー!」


マルぼん「『あざTOY』。これは一見なんの変哲もない玩具に見えるけど実は機密道具なんだ。『あざTOY』を所持した状態で好きな人に好みのタイプを聞くと、体がその『好みのタイプ』に変化する」


 たとえば、相手の好みのタイプが『男』ならば、たとえ『あざTOY』を持っている人が女性でも、体が男性になってしまうのです。


ヒロシ「やほーい!」


 ヒロシ、『あざTOY』を持って女教師のところへ。


ヒロシ「あ、あの先生のその、好みのタイプを教えていただけますか!?」


女教師「私の好みのタイプ? そうねえ。特殊な性癖かと思われるかもしれないけど、死体! 命の残骸って感じが、切なくて素敵! 物言わぬところが、寡黙で素敵! わたし、休日になると、学校の裏にある墓場でボーイハントしてたりするのよ。スコップとか使って! あれ? どうしたの、大沼くん。急に静かになって」」


 マルぼんは、ヒロシを女教師の好みのタイプにしてしまった『あざTOY』の効果は絶大だと思いました


日記 | 10:42:29 | Trackback(0) | Comments(0)
およよ脈あり


今日もまた、ヒロシが泣きながら帰ってきました。


ヒロシ「うわーん、マルぼーん」


マルぼん「どうしたんだい、ヒロシくん。またナウマン象にいじめられたのかい? それとも金歯の自慢話にプライドが傷つけられた? あ、ルナちゃんに嫌われたとか。テストで0点を取って、ママさんに叱られそうとか? それとも、ママさんの彼氏からのしつけ? 近所の野良犬に噛みつかれた?」


ヒロシ「ちがうよー、うわーん」


マルぼん「なら、いったいどうしたの」


ヒロシ「働かなくても一生楽して暮らせる人生を送りたいだけど、このままの人生だったらどうも無理くさいんだよー! うわーん!」


マルぼん「かつて、こんなに欲望に忠実すぎる涙の理由があっただろうか」


ヒロシ「そんなこと言われても、銭が欲しいんだよ、うわーん! 命尽きるその瞬間まで遊んで暮らしたいよー! うわーん! 道具出しておくれよ、うわーん! 道具がないなら銭を出してよー! 多額の銭をよー! うわーん」


マルぼん「やめろよ、やめろよ!」


 泣きながら、「金! 銭!」と叫んでマルぼんにしがみついてくるヒロシ。体に涙とか唾液とかがついて気持ち悪いことこの上ないので、今年一番の暴力を駆使して跳ね除けてやりました。


 跳ね除けられたヒロシは勢いで壁にぶつかり、床に転がったままピクリとも動かなくなったので一瞬焦りましたが、小一時間ほどすると回復して動き出し、二時間後には寝転がったまま手足をバタバタさして「銭やー銭をよこすんやー」と騒ぎ立てる始末。


マルぼん「楽して暮らしたいと言うけれども『働けるのに働かざるもの餓死しろ! そして大地に還れ! せめて肥やしになって、全人類に役立て!』と、昔から言うだろ」


ヒロシ「それでも僕は楽して暮らしたいんだ! 労働で一粒の汗も流すつもりはないと、ここに宣言するっ」


 ゆとり教育ってひどい。だってこんなダメ人間を世に生み出すのだもの。神ちゃまのバカ! 誰が政治しとるのかっ。


ヒロシ「今後の人生で一瞬でも僕に苦労させたら、マルぼん。君を殺す。殺して死体をバラバラにして、ブタに食わす。そして、そのブタをおまえの親に食わせて、完食した後に真実を伝える」


マルぼん「そんなご無体な!」


ヒロシ「僕の言うことが聞けないのかな、マルぼん」


マルぼん「くっ」


 バカなと言っても、マルぼんはヒロシに従うしかありません。なぜならマルぼんは生殺与奪の権をヒロシににぎられているからです。マルぼんの体には創造主によって自爆装置が仕込まれており、この起爆スイッチをヒロシは持っているのです(今回から付け加えられた設定です)。マルぼん爆発による死者は、10万人を超えると、識者は推測しております。


マルぼん「わかったよ。なんとかするよ・・・・・・」


ヒロシ「お願いしますよ、げへへへ」


マルぼん「まぁ、アレだ。楽して暮らすにはやはり銭が必要。いかにして銭を稼ぐか、だね」


ヒロシ「金脈とかを掘り当てるとか、どう?」


マルぼん「あーアリだね。たしか金歯のオヤジさんもそれがきっかけで財を成したんだ」


 今から数十年前、金歯の父親は野良仕事の最中に偶然金脈を発見し、それを元手にして今の地位を築き上げました。微笑町の人間の大多数が金歯の関連会社に勤めています。人々は安い賃金で泥のように働きます。金歯一族のフトコロを温めるため。金歯一族を肥えさせるため。妻を、娘を、恋人を、金歯に取られたとしても、黙っていることしかできないのです。こんな状況許せるか。許しておけるのか。「許せぬ!」と立ち上がった男たちがいました。プライドのため、男たちは絶望的な戦いを始めたのです。でもこの話には関係ないのでかつあーい。


 とりあえずマルぼんは、機密道具をだしてみることにしました。


マルぼん「『脈あり!? キャッキャッウフフ人形』! 近くに鉱脈やら温泉脈やらがあったら『もしかして脈ありかも!?』と思えるよう発言で、知らせてくれる人形なんだ。こいつを使ってみよう」


 さっそく人形の起動スイッチを押してみると


人形『ならアタシ、彼女に立候補しちゃおっかなー。ならアタシ、彼女に立候補しちゃおっかなー』


マルぼん「おお、早速の『もしかして脈ありかも!?』発言! 喜べ、この町のどこかに金脈があるかもしれないぞ!」


ヒロシ「しかし随分とかわいらしい声で言葉を発するね、この人形」


マルぼん「未来の世界の売れっ子アイドル声優が声を担当しているからね。それは可愛いさ。萌えるだろ?『萌え』は開発者のこだわりなのさ」


ヒロシ「こだわっているワリには、なんで外見が討ち死に寸前の侍みたいなの、この人形? 髪は振り乱しまくりだし、矢とかあちこちに刺さっているし、どうみても男じゃないか。アイドル声優声とまったく合ってないよ」


マルぼん「うるさいな。未来の世界ではこういうのが『萌え』とされているんだ スタンダードなんだよ。性の奥深さ、なめんなよ?」


ヒロシ「どうやらオタには相当厳しいことになっているみたいだね、未来」


 マルぼんとヒロシは『脈あり!? キャッキャッウフフ人形』をもって周辺をうろうろしました。鉱脈やら温泉脈やらに近づけば近づくと、より『もしかして脈ありかも!?』発言をしてくれるのです。人形の発言に導かれ小一時間ほどウロウロすると、学校の裏山にたどり着きました。


人形『か、かんちがいしないでよね! 別にあんたのために作ってきたわけじゃないんだから。作りすぎただけなんだから! か、かんちがいしないでよね! 別にあんたのために作ってきたわけじゃないんだから。作りすぎただけなんだから!』


マルぼん「この発言! どうやらこの近くにあるらしいぞ!」


ヒロシ「ここは、母さんが父さん(当時)の保険金をはたいて買ったちょっとした山じゃないか。まさかここの金脈っぽいものがあるとは!」


 微笑町はかつてはたくさんの金脈があり、江戸時代は罪人の流刑地として有名だった町。未発見の金脈があっても不思議ではありません。


マルぼん「早速掘ってみようぜ」


ヒロシ「2人で? 何年かかると思っているのさ」


マルぼん「でも、人を雇う余裕はないし、無償で手伝ってくれる知人もないし・・・・・・あ、そうだ。ルナちゃんとナウマン象に頼んでみようか。金脈の儲けを少し分けるとか言って。ルナちゃんはフランスではカルト認定されている某宗教の幹部だし、ナウマン象はプロのガキ大将。きっと人数を集めてくれるはずだよ」


ヒロシ「むー。それしかないかー」


 そんなわけで2人に連絡。儲け話が三度の飯よりも好きな2人は、たくさんの人数を連れてやってきてくれました。ヒロシの周りには、チンピラみたいな人たちと、頭に怪しいヘッドギアをつけて死んだ魚のような目をしている人たちが溢れかえっています。OH! ファンタスティック!


ルナちゃん「ここの金脈だかなんだかが眠っているのね」


ナウマン象「俺たちに任せろよ! 黄金の夢を見せてやんよ!」


ルナちゃん「貴様ら、ここでがんばらないと地獄に落ちるわよ!」


信者たち「きょえー!」


ヒロシ「うわー、なんて頼もしいんだろ!」


 そんなわけで採掘開始。山に横穴を掘って掘って掘り進めていくことにしました。チンピラが掘り出した岩を、うつろな目をした怪しいカルト宗教の信者が運び出します。普段は接点のない人たちが同じ目標のために、力を合わせているのです。ああ、なんと美しい光景なのでしょう。


ヒロシ「こういうのをパラダイスって言うんだろうね」


マルぼん「言わないな、うん」


 数時間ほどすると、だいぶ掘り進むことができました。横穴は既に、ちょっとした洞窟のようです。


マルぼん「うふふふ。だいぶ掘れたねえ。そろそろなにかしらが出てきてもおかしくないよ」


ヒロシ「なにが埋まっているのだろうね。金かな銀かな。未知のレアメタルかな」


ルナちゃん「温泉とかでもいいわね」


ヒロシ「金脈が銀脈か温泉脈か・・・・・・それ以外の鉱脈か。興味は尽きないね!」


ナウマン象「ぐふふ。感謝しろよ。ここまで順調に掘り進んだのもも俺たちの幅広いアレがあってのことだ」


ヒロシ「アレってなにさ」


ナウマン象「アレだよ、アレ。えっとほら、アレ! 喉元まで出てきているんだけど。じ…じが始まる言葉なんだ。じ…じ……」


 と、その時。突如として烈しい揺れが!


ナウマン象「じしん!?」


マルぼん「ち、ちがう! 掘りすぎて落盤が起こったんだ! 崩れるぞ!」


ヒロシ「逃げろーこのままじゃ生き埋めだー!」


一同「ひょえー!!」


 一斉に逃げ出そうとしましたが、時既に遅し。タイムイズマネー。烈しい落盤のせいで、マルぼんどもは全員埋まってしまったのです。


 すぐに救助隊が駆けつけて救助活動が始まりましたが、難航。助け出された人のほとんどの死亡が確認されました。後、救助活動に参加した地元猟友会の男性は当時のことを次のように述懐しました。


「現場は地獄でしたわ。たくさん人間が穴掘りに従事していたんでしょうね。掘っても掘っても人が出てくるんですよ! 死体で! 軽くひきましたわ。わしは若い頃、金歯さんとこの金山で採掘作業のバイトをしていましたが、アレを思い出しました。まるで人間の鉱脈です。これがホントの『人脈』・・・・・・なんちゃって」


日記 | 19:44:02 | Trackback(0) | Comments(0)
DANDAN気になる
担任の鼻歌先生「こちら、今日からこのクラスの仲間になるアンドリューくんだ」


アンドリュー「アンドリューです。どうぞよろしく」


ナウマン象「ふん。生意気そうなやつだ。一発しめとくか!」


 ナウマン象が愛用の鈍器のようなものを手にした時、アンドリューくんの隣にいた黒豹がナウマン象に襲いかかりました。


ナウマン象「ぎゃー」


アンドリュー「こいつは、俺に仕える黒豹のタイガー号。俺に危害を加えようとするものには、容赦なく襲いかかるぞ」


 タイガー号は、アンドリューが「喉がかわいた」と言えばどこからともなくお茶を持ってき、アンドリューが「ヒマだ」と言えばどこからどもなく携帯ゲーム機を持ってき、アンドリューが「腹がへった」と言えばその身を炎の中に躍らせて焼けた自分の体を差し出すなど、アンドリューに尽くしまくります。


 その後、自分が食べた肉が、愛するタイガー号と知ったアンドリューくんは、世を儚んで、静かに学校を去りました。数年後、学校の裏山で発掘された人骨の近くに、豹のものと思われる骨があったそうです。「あれはアンドリューくんとタイガー号だと思うんだ」と、ヒロシは後に述懐しております。


ヒロシ「うらやましい。僕も、タイガー号のように尽くしてくれる存在がほしいなぁ」


マルぼん「『尽くしんぼ』。これは一見、単なるツクシに見えるけど、頭につけておくと、周りの人が全力をもって自分に尽くしてくれるようになるの」


ヒロシ「やたー」


 さっそく『尽くしんぼ』を頭にひっつけるヒロシ。つけた瞬間、卒倒してしまいました。


マルぼん「しまった! 副作用だ! 救急車よんでー」


 町内にある病院に搬送されるヒロシ。病院の処置室の前でマルぼんが待っていると、ドクターがやってきて


ドクター「最善を尽くしたのですが……残念です」


マルぼん「最善を尽くしたなら仕方ない。気にスンナ!」


 マルぼんは、医者までヒロシに尽くしてくれるようになった、『尽くしんぼ』の効果は絶大だと思いました。



日記 | 20:20:31 | Trackback(0) | Comments(0)
ヒロシくんの家の家庭の事情
 ここは微笑小学校。時は昼休み。教室では、ヒロシがイスに座って脂汗を流しております。


ヒロシ「……」


ルナちゃん「あら、どうしたのヒロシさん。まだ給食を食べ終えていないのね」


ヒロシ「今日の給食、ぶどうパンだから……うぷっ(吐きそう)」


 ヒロシは干しぶどうを親の敵のごとく嫌っていて、干しぶどうを使った料理は一切食べることができません。「俺、死んだら干しぶどうを開発したやつに会いにいくんだ。そして暴力をふるう!」が口癖なくらいです。


ルナちゃん「でも残すことはできないわ」


 ヒロシたちの今の担任は、「おのこしは許しまへんで!」が口癖で、少しでも食べ物を粗末にようとした人の命を粗末にしてしまう豪の者です。「そんなことしてもいいの?」と詰問されても、鼻歌交じりで聞こえないふりをしたりします。意気地なしのヒロシが干しぶどうを残すことができるはずもなく、とにかく時間をかけてがんばって食べるしかないのです。


ヒロシ「うぷっ」


ルナちゃん「なにか特別な事情があれば、残しても怒られないんでしょうけどね」


ヒロシ「うぷっ(特別な事情か……」


マルぼん「そんなわけで、干しぶどうを残しても怒られない『特別な事情』を作る機密道具がほしいと」


ヒロシ「うぷっ」


マルぼん「『事情製作機』。この機械は『事情』を作ることができるんだ。こいつを『干しぶどうを残しても怒られない特別な事情』を作ろう」


 そんなこんなでマルぼんとヒロシが学校から帰宅すると、誰かが訪ねて来ていました。


ヒロシ「ルナちゃんじゃないか」


ルナちゃん「あらお帰りなさい」


ママさん「アンドルギャモン」


ヒロシ「は?」


ルナちゃん「アンドルギャモンとは、私たちの宗教の言葉で『わが子よ、おかえりなさい』という意味なの」


マルぼん「ママさんがルナちゃんのとこの宗教の言葉を使うってことは」


ルナちゃん「マインドコン……いえ、あなたのお母さんがついに私たちの宗教のすばらしさを理解してくれたのよ。当然、あなたも入信がきまったわん」


ママさん「さぁ、ヒロシ。私たちもいよいよ出家して、次のステージへ向かう時が来たわ。さぁ、命の次のステージへ!」


ヒロシ「ついにしてやられた!」


ルナちゃん「当然、ヒロシさんも私たちの仲間よ。これ、うちの宗教の教義をまとめた本だから、きちんと読んでね」


ヒロシ「ちくしょう」


 くやしなさに身を委ねながら、渡された本をめくるヒロシ。『わが宗教に入った者の子は、偉大なる教祖さまのお住みになる聖なる城の建築に参加し、ボロ雑巾のようになるまで働かなくてはいけない。固いパンと泥のようなスープだけが食事です。ありがたく食さねば、ポア』『わが宗教に入った子供は、受取人が全偉大なる教祖さまになっている生命保険に加入しなければならない。加入しなければ、ポア』『わが宗教に入った子供がなんらかの事情で怪我をした場合、それはすべて事故。事故だからしかたない。しかたなくないとか言ったら、ポア』という教義にまじって、次のような文章がありました。


『われらが宗教は脳みそを神とあがめている宗教です。脳みそっぽいシワがあるものは全て神に天使であり、これらのものを食べたり壊したりすることは最も愚かな行為であります。天使に該当する食べ物とは、たとえば干しぶどうとかそういうものです。干しぶどうを食べてはいけません。食べてはいけませ。食べたら、ポア』


 最近では宗教上の理由で食べられないものがある人にも配慮したレストランなんかがあるそうです。学校給食でも配慮してくれたりするとか。ヒロシもおそらく、干しぶどうを残しても大丈夫でしょう。マルぼんは『事情製作機』の効果は絶大だと思いました。


日記 | 19:19:19 | Trackback(0) | Comments(0)
ヒロシVS野球
 ナウマン象と金歯の率いる草野球チーム『エレファンズ』。ヒロシはこのチームに所属しています。スポーツと名のつくものは、「アニメや特撮の放送を休止させる憎むべき存在」と、観るのもやるのも嫌いな筈なのに、なぜか。


 実はそれには深い理由があるのです。『エレファンズ』結成時、『メンバーの数がまるで足りない。泣くほど足りない。呻くほど足りない』という悲劇が起こりました。ナウマン象はヒロシに拳を振り上げて、「入団しないと、俺の拳が濡れる。君の血でね」と脅し、金歯は札束でヒロシの頬を叩いて「おまえんとこの親父、うちのパパの経営する会社に勤めているんだって?」と脅しました。


 ヒロシは泣く泣く、『エレファンズ』に入団し、なぜかピッチャーになったのです。ヒロシなんかをピッチャーにするもんだから、『エレファンズ』は連戦連敗。


「ヒロシのせいです。次の試合で負けたら、俺は(ヒロシを)死なせます。懲役刑覚悟で」とは、ナウマン象の談。


「ヒロシが死んだら、来世はゴキブリになるように、知り合いの邪僧たちに祈祷させるつもりです」とは、金歯の談。


ヒロシ「ぼかぁ、死にたかないよう!」


マルぼん「がんばって練習しろ……言いたいところだけど、次の試合は明日だ。そんな時間はないね。こうなったら、機密道具の力を借りるしかないな。よし、今から君の肩に灸を据えるよ」


 『変化灸もぐさ』。このもぐさを使って肩に灸を据えると、変化球を投げられるようになります。その変化球は魔球スレスレで、たいていの試合なら、勝てます。そんなわけで、ヒロシに灸を据え終わりました。


マルぼん「よし、これでオッケーだ。とりあえずこのボールを投げてみな。適当に投げるだけで、すごい変化球になるから」


ヒロシ「あぱらちゃもげーた」


マルぼん「は?」


ヒロシ「おっきゃんてぃーおっきゃんてぃー」


マルぼん「どうした、ヒロシ」


ヒロシ「えっぱえろっぱどこいししょーこくもこくも」


 マルぼんの声かけに、聞いたことのないような言語で答えるヒロシ。その目は死んだ魚の目のようになっていました。


ヒロシ「まっしぼまっしぼ!」


マルぼん「しもた! 『変化灸もぐさ』の副作用が、脳とかそこらへんにいってもうたんや」


ヒロシ「ネイfんpウェイgd:・;pンwぽえfmpうぇんfpうぇんぽヴぇw。くけー!」


 マルぼんは、ヒロシが会話のキャッチボールでまで変化球を投げられるようにした、『変化灸』の効果は絶大だと思いました。



日記 | 18:18:18 | Trackback(0) | Comments(0)
ヒロシのプロポーズ
  あれから数年がすぎました。ヒロシやルナちゃん、ナウマン象に金歯らいつもの連中も、純粋な子供だった時代は、とうの昔のこととなり、今は立派な大人であります。


 ルナちゃんは、信仰している宗教の青年部でバリバリ活動、選挙前はなぜか大忙し。教団ないでの地位もあがり、「先生」と呼ばれる事も増えたとか。その後色々あって、昨年死去。


 ナウマン象は、自慢の腕力を生かして運送業をはじめました。きめ細かなサービスはなかなかの評判らしいです。その後色々あって、昨年死去。


 金歯は、傾いた父親の会社を見事に建て直し、新社長として大活躍。時代の風雲児の呼び声も。その後色々あって、昨年死去。


 ヒロシですが、普通に生きています。なんと結婚を前提としたお付き合いをしている恋人までいます。


ヒロシ「そんなわけで、いよいよ彼女に、その、プロポーズをしようかと思うんだ。で、この通り婚約指輪も手に入れた!」


マルぼん「決して多くはない収入のキミが、よく指輪を手に入れることができたね」


ヒロシ「実は親戚のおじさんが、結婚祝いとして、999円で売ってくれたんだ」


マルぼん「よかったなぁ。あ、そんなことより彼女が来たぞ」


ヒロシの恋人・広野嫁子さん「ヒロシ、話ってなに?」


ヒロシ「あ、あの実は、実はその。こ、この指輪を受け取って欲しいんだ!」


広野嫁子「え、こ、これはまさか。こ、こ、こ、婚約指輪?」


ヒロシ「受け取ってもらえるかな」


広野嫁子「うん。もちろんだよ……ふつつか者ですが、これからもよろしくお願いします。……大好きだよ、ヒロシ」


マルぼん「ひゅーひゅー」


広野嫁子「ところでね、この婚約指輪。もちろん、給料の三ヵ月分だよね?」


ヒロシ「へ?」


広野嫁子「実は私『給料三ヵ月分の値段の婚約指輪を用意しない、乙女の夢を土足で踏みにじる男の指を容赦なく切断し、どこぞへ送りつける神聖儀式を行う会』の会員なの」


マルぼん「怖っ!」


広野嫁子「もちろん、私の好きなヒロシさんの用意してくれた婚約指輪は、給料の三ヵ月分よね?」


ヒロシ(言えやしないよ。999円だなんて言えやしないよ!)


ヒロシ「マルぼん、なんとか、なんとかしてえ」


マルぼん「『つじつまあわせスイッチ』。このボタンを押せば、なんでもつじつまがあう」


ヒロシ「ポチっとな」


 藁にもすがる思いで、『つじつまあわせスイッチ』を押すヒロシ。すると、ヒロシの勤め先の上司が現れました。


上司「会社つぶれた」


ヒロシ「えー!?」


上司「つぶれただけでなく、のっぴきならない事情で、元社員は全員、某所で強制労働だ」


ヒロシ「ええー!?」


 そんなわけでヒロシは、国内某所の兵器製造工場(おおやけには存在しないことになっている)で、施設内についた放射能を何の装備もつけずに雑巾でふき取る強制労働に従事することになりました。


 わずかながら、給料もでます。その額、1ヶ月で333円。


日記 | 12:29:39 | Trackback(0) | Comments(0)
プレイバック! 「マルぼんと暮らす」
ヒロシ「うわーん、マルぼんー。ナウマン象がひどいんだ。『青酸カリを1リットルくらい飲んでも生きているヤツがみたい。おまえ飲め、そして生きろ。もし死んだら殺す』とか言ってきて」


マルぼん「うるせえ! それくらいてめえでどうにかしろ!」


ヒロシ「え、急にどうしたのさ!?」


マルぼん「もう、機密道具のネタがきれた!」


ヒロシ「ええええ」


マルぼん「きみの問題を解決したいのはやまやまだけど、今回はナシだ」


ヒロシ「ナシって、お話はもう始まっているんだよ。あ、そうだ。こういうときは、回想シーンだよ、回想シーン! 回想シーンでお茶を濁すのだ」


マルぼん「かいそうシーン?」


ヒロシ「古の時代から、『原作に追いつきそうなときや脚本が間に合わないときは、とにかく回想シーン。それでしのげ』と言われているんだ。孫子もそう言っていたらしいし、」


マルぼん「ようわからんが、かいそうシーンとやらでこの場をしのげるのだね、よし、かいそうシーンスタート」


ルナちゃん「こんにちはー。今日はヒロシさんに、すばらしい人を紹介しにきたわ。うちの宗教の偉大なる指導者」


尊師「こんにちは、小生が神です。某宗教の僧侶として修行をして数十年。ついに悟りを境地に達した小生こそ、神です」


ルナちゃん「尊師は、『平成のラスプーチン』『21世紀文観』と呼ばれるほどの人なのよ」


 ルナちゃん、いきなりヒロシを後ろから羽交い絞めにします。動けなくなったヒロシの服を脱がしはじめる尊師。


ヒロシ「な、なにを」


ルナちゃん「ヒロシさんが青酸カリを飲んでも死なない体を欲しがっていると聞いて。尊師なら、あなたにその体を与えることが可能なの!」


尊師「し、小生の、シャクティバッドで、ふ、ふじみの体を、体を。ハァハァ……ハァハァ。ハァハァ。子供の体、ハァハァ。はじけるような子供の体っ。げっへへへ」


ヒロシ「へ、変態だ! 変態! なんでこんな怪しげな坊主がいきなり登場するんだよ!」


マルぼん「怪僧シーンなら大丈夫っていうから」



日記 | 18:57:47 | Trackback(0) | Comments(0)
痛快! 棚からぼた餅くん!
ヒロシ「ぐむぅ。ぐむぅ」


マルぼん「どうした、ヒロシ。珍妙なうめき声など出して」


ヒロシ「ほら、棚の上にダンボールが置いてあるだろ。あれを取りたいんだけど、手が届かないの。あの中には、僕の秘蔵のアレグッズが山のように入っているんだよ」


マルぼん「がんばれば手が届きそうなものだけど」


ヒロシ「ヘタに取ろうとして、ダンボールが落下してきたら大変だ。ダンボールが頭にぶつかって、僕はきっと死ぬ。僕が死んだら、将来、天才である僕が開発するであろうどんな病気でも治癒する薬が完成しなくなり、救われるはずだった命が救われず、やがて人類は滅亡するだろう」


マルぼん「きみがいないと全滅する人類なんて、今ここで滅びてしまえばいいのに」


ヒロシ「棚の上のダンボール箱を安全におろすことのできる機密道具出してー」


マルぼん「これを食え」


ヒロシ「なにこれ。棚みたいな色をしたぼた餅じゃないか」


マルぼん「そいつは『棚カラーぼた餅』と言って、食べたら棚の上にあるものが、たとえどんなものであろうとも勝手におりてくるという機密道具なんだ」


ヒロシ「今日、この日のために生まれたかのような道具だね。ありがとう!」


 ヒロシが『棚カラーぼた餅』を食べると、棚の上に置かれていたダンボール箱がひとりでに動きだし、ヒロシの足元へとおりてきました。


ヒロシ「うわー、こいつは便利だーって、あれ?」


 なんということでしょう。ダンボールの他にも、『昔、大沼家で飼っていたペットの遺体をミイラにしたもの』やら、『ママさんが旅行先で買ってきた、人の体の一部っぽい干物』やら、『ママさんが、かつて交際していた男性から別れ際にもらうなどして集めた、大量の毛を使って編んだチャンチャンコ』やら、棚の上に置かれていた他のものまで、おりてきたではありませんか。


マルぼん「効果が強すぎて、余計なものまで棚から下りてきたんだ」


ヒロシ「やれやれ。とんだ欠陥道具だなぁ」


ママさん「ヒロシーを殺すねー。あなたを殺すねー。包丁で刺し殺すねー」


ヒロシ「なんですって、お母さん」


ママさん「実は10年前、保険金目当てであなたを殺す計画があったの。諸事情で棚上げになっていたんだけど、今まさに、実行に移すわ!」


ヒロシ「ひょえー! 堪忍して! お父さん、お母さんを止めてください」


パパさん「やだいやだい! ヒロシの保険金で、新しい車をかうんだい!」


ヒロシ「とんだクズ人間!」


 と、その時。いきなりですが、微笑町は核の炎に包まれました。その少し前、某国では……


偉い人「ほら、少し前にさ、日本の微笑町ってとこで核兵器の実験をするって計画あったやん?」


その部下「馬鹿げているからと、棚上げになっていた計画ですね。それがどうしました」


偉い人「いまさらだけど、実行に移そうかと思って。というか、もう移した」


その部下「うはっ!」


 マルぼんは、どんなものでも棚からおろすことができる『棚カラーぼた餅』の効果は絶大だと思いました。



日記 | 18:18:18 | Trackback(0) | Comments(0)
シカトは人間のクズの所業 の巻
 子供たちが集い、共に遊ぶいつもの公園。その公園の現れたのは、僕らの大沼ヒロシ。ヒロシは公園の中央にたつと、右手を高くあげ、ひとさし指を立てて叫びました。


ヒロシ「おにごっこする者、この指とーまれ」


 ヒロシが呼びかけても、公園にいる子供たちは無視。


ヒロシ「かくれんぼする者、この指とーまれ」


 やはり子供たちは無視。


ヒロシ「タカオニする者、この指とーまれ。ちなみに、同じ場所に10秒以上いたらダメなルールだぞー」


 無視。


ヒロシ「イロオニするもの、この指」


 むし。ムシ。無視。


ヒロシ「なぜだろう、みんな僕を無視する。遊んでくれないよ。シカトするやつは人間のクズだって、あの国民的キャラが激怒していたのを知らないのか!」


マルぼん「それはキミが、今年で45歳になるおっさんで、しかも今の格好が生まれたままの姿だからじゃないかな」


ヒロシ「45歳無職の僕が公園で遊んではいけないと言うのか! なぜ日本はこんな国になった! 誰が政治しとるのか!! 」


マルぼん「45歳無職なのが悪いのではなくて、全裸なのが悪いの!」


 全人類がやさしくなれば、45歳無職が公園で子どもと遊ぶことだってできるようになるハズなのです。来たれやさしい時代。


ヒロシ「生まれた姿のままでいることがなぜいけないの?」


マルぼん「いけないことはないだろうけど、今は親が子を、子が親を殺す修羅の時代だぜ。白眼視はされるだろうよ」


ヒロシ「遊びたい遊びたい、公園で遊びたい! 遊ぶ相手がほすぃ!」


マルぼん「仕方ないな。いつまでも子供心を忘れないのは、君の長所でもあるし。『この指とまれ棒』。この棒を高らかにあげると、誰かが必ず遊びにつきあってくれる」


ヒロシ「やったー!」


 さっそく、『この指とまれ棒』を高らかにあげるヒロシ。


ヒロシ「これで鬼ごっこやかくれんぼ、タカオニで遊ぶ仲間が集うわけだね。あ、さっそく誰か来たぞ」


近隣住民「おまわりさん、あいつです! 全裸で子供に声をかけている男は、あいつなんです! 早く捕まえてください! 子供たちが傷つくその前に! なんなら殺してもかまわないです。国民はあなたの味方です」


警官「よし、まかせろ! 本官がこの銃で、ただの一発でしとめてやる!」


ヒロシ「うわー、国家権力だ!」


 ヒロシは警官に捕まらないように逃げ出します。追いかける警官。ヒロシは、とっさに近くの草むらに身を潜めました。


警官「どこだ、どこにいる。早く姿を現して、本官に撃たれませい!」


ヒロシ「ガタガタガタ……」


警官「ん。そこいるな。そこにいるんだな。よし、死なす。よし、逝かす」


ヒロシ「うわー!」


 あ! 裸のヒロシが草むらから飛び出してきた! 追いかける警官。ヒロシは近くにあった電柱にとびつくと、ものすごい勢いで、一番高いところまで登りきりました。


警官「むむむ。本官は高い所が苦手なのだ! 降りてこい」


ヒロシ「ごめんこうむるー」


 警官は「降りてこい」と叫ぶのみ。ヒロシもずいぶん無理をして登ったようで、しんどそうです。


 そして10秒後。


ヒロシ「あっ」


 ヒロシはついに力尽き……地面へと。所詮、人生は長い遊びよ。遊びが終われば、眠るだけ。朝が来るまで眠るだけ。朝はいつだ。朝はまだか。そして今日も、夜はあけない。あけない夜はここにある。


日記 | 12:12:12 | Trackback(0) | Comments(0)
落ち葉よ揺れろ! ヒロシの七夕大作戦の巻
 今日は七夕。ヒロシのクラスでも「笹に願いを書いた短冊を吊るそうぜ」という話になり、さっそく笹を探してみたのですが、まるで見つかりませんでした。


 で、なにげにマルぼんの私書箱を調べてみると、立派な笹があるではありませんか。ヒロシたちは早速、短冊に願いごとを書き、笹に吊るしました。みんな、とても素敵な願いごとを書いたようです。


「俺より強い奴と死合いてえ(ナウマン象)」


「世界が平和でありますように(ルナちゃん)」


「心ゆくまで食べ歩きだコレステロール!(フトシ)」


 フトシくんは新キャラです。食いしん坊の太っちょキャラで、テロリストが間違えて送ってきた「スイカに偽装した爆弾」を本物と思って食べたり、反政府ゲリラが間違えて送ってきた「メロンに偽装した爆弾」を本物と思って食べたり、悪の秘密結社が間違えて送ってきた「イチゴに偽装した爆弾」を本物と思って食べたり、食べ物がらみの騒動を巻き起こす、愛すべきおバカです。皆さんも仲良くしてあげてくださいね!


 そんなこんなで帰宅後。


マルぼん「え! あの笹、使ったの!?」


 無断使用の件を話すと、本気で驚くマルぼん。


マルぼん「あの笹は『絶対に願いごとがかなう笹』という機密道具なんだ。いや、正確には『託した願いごとを強制的にかなえさせる』機密道具。つまりどういうことかというと……」


 その時、外から騒ぎ声が聞こえました。見てみると、フトシのヤツが、炊飯器を小脇に抱えて、米を食らいながら爆走していました。それを追いかけるフトシの母。


フトシ母「フトシ。お願いだからやめておくれ! 炊飯器を持ち出してどうするの!」


フトシ「体が! 体が勝手に動くコレステロール! 勝手に! ああ、ご飯おいしいーコレステロール!」


ヒロシ「『食べ歩き』という願いを叶えさせられているのか。歩きとかいいながら、思いっきり走ってるけど」


フトシ母「フトシー!!」


フトシ「もう食べられないコレステロール! お腹…いっぱ……い……ぶひぎぃ!!」


ヒロシ「フトシが爆発四散した!]


はいはい暴食暴食。はいはい七つの大罪七つの大罪」


マルぼん「つまり、ああいうこと。敵わなかったら、織姫と彦星の面子をつぶしたということで、死という罰が与えられるんだ。どんな死かはその時までわからない、ファイナル・デスティネーション形式や」


 あっけに取られていると、今度はクラス委員の三島くんから電話が。


三島くん「ナウマン象の野郎が『ツワモノと戦わせろ! お前ら強いんだろ! 戦わせろや!』と叫んで町のアメリカ軍基地の前で座り込みし、叶わないと知るや割腹自殺を遂げたらしいよ。それから、ルナちゃんが『世界中の戦争している奴は今すぐ止めろ。でないと殺す』とか言って、近所の大学の堂に立て篭もり、放水されまくっているらしいよ」


『永遠の命がほしい』という願いごとを書いた自分はどうなるんだろう。ヒロシは思いました。


日記 | 12:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
憎らしいアイツ!
 近隣住民を追い回し、噛み、食らい、迫りくる保健所を撃退し、多数の犠牲者を出していた野良犬……通称「鎌嵐」が、死んでいるのが発見されました。「鎌嵐」の遺体は解剖され、死因はフィラリア症であることが判明したそうです。


 「鎌嵐」の死体を最初に発見したのはヒロシだったのですが、どうも発見時におかしなことがあったようで。


ヒロシ「鎌嵐の体の中からね、声がしたんだ。女の声。『カタキハトリマシタワー』って」


マルぼん「そうか。そこまで知っているのなら、真相を話さねばならない。その声の主、実はルナちゃんなんだ」


ヒロシ「え!? それじゃ、鎌嵐の死は、ここ数日姿を見かけないルナちゃんと関わりが!?」


マルぼん「一週間前、ルナちゃんのところの尊師が、鎌嵐に殺されただろ」


ヒロシ「布教活動のために町中をウロウロしている時に犠牲になったらしいね」


マルぼん「ルナちゃんは尊師の敵である鎌嵐を討ち取ろうと決意したんだけど、なんせ相手は、熊くらいの大きさ。か弱き少女一人ではどうにもならない。そんなわけで、彼女はマルぼんに相談してきたんだよ。マルぼんは、機密道具『てんてき点滴』で対応する事にした!」


 『てんてき点滴』を投与すると、自分の望む生き物の天敵に変身する事ができます。ルナちゃんはこの点滴の力で、犬の天敵である寄生虫のフィラリアに変身し、鎌嵐に感染し、死に至らしめたのです。『カタキハトリマシタワー』は、ついに尊師の敵をとったルナちゃんの、歓喜の声だったというわけです。


ヒロシ「根性のある女! ところで、その『てんてき点滴』、僕にも貸してくれないか」


マルぼん「いいよ」


 そんなわけで『てんてき点滴』を手中に収めたヒロシ。彼には野望があったのです。


ヒロシ「日本中の子供の天敵になったる!」


 いじめられっ子のヒロシは、いつの間にか、いじめっ子だけではなく、自分を助けない全ての同級生、全ての子供たちに憎しみをむけるようになっていたのです。全ての子供の天敵なり、全ての子供を苦しめてやる。喜んで『てんてき点滴』を己に投与するヒロシでしたが


ヒロシ「おかしいな。何の変化もないぞ」


ナウマン象の母ちゃん「いたわ! ヒロシさんよ!」


金歯の父親「キャーヒロシサーン」


その他無数の大人たち「ヒロシサーン! 抱いてー! 抱かせてー!!」


 突如現れた大人たちが、ヒロシの服を強引に脱がし、その若さ溢れるはちきれんばかりの体にむしゃぶりつこうとするではありませんか。


ヒロシ「やめてくださいー!! 」


 逃げるヒロシ。


無数の大人たち「ヒロシサーン。」


 追いかける大人たち。

 
 鬼ごっこは長くは続きませんでした。


 20××年。この年に発表された、子供の死因ランキング。交通事故や病気という強豪を抑え、見事に1位に輝いたのは、「母親の彼氏、父親の彼女を始めとする『親の恋人』からの暴力」だったそうです。


日記 | 18:03:10 | Trackback(0) | Comments(0)
小さな親切を大切にしたい。小さな親切の積み重ねが、いずれ大きな親切になるから……と彼女は言った。
 前を歩いていた女性が財布を落としました。ヒロシはその財布を拾うと、女性に「もし、財布を落とされましたよ」と、「これでもかっこれがええのんかっ」ってくらい紳士的に声をかけたのですが。


女性「うそつきのド外道! 拾ったなんて真っ赤な嘘で どうせ私からスリとったのでしょ!」


 とか言われる始末。この女性、必要以上に人類に絶望しておられる様子。


ヒロシ「ちくしょう。人に親切にしても、なんもええことありゃしない。なんなのこの世界。なんなの21世紀。腐ってるの? 死ぬの? 多少なりとも見返りがほしいところだよ」


マルぼん「それなら、この人にまかせれば大丈夫だよ」


 マルぼんが連れてきたのは、甲冑に身を包んだ髭面の男。


マルぼん「彼は『見返り武人』。人に親切にした者が損をするご時勢をなんとかするために生まれた武人なんだ。彼に任せたら、人に親切をしてもかならずその見返りを得ることができる」


 たとえば、人に親切にした時、その親切を査定して、内容に見合った金額を相手に請求してくれたりします。ちなみに、さっきの『落ちた財布を持ち主に渡してあげる』という親切は、お金に換算したら1500円くらいなんですって。


武人「こんにちは! 金を払わない人は、この刀で脅してでも払わせますよ。はい、1500円。さっきの女から払わせてきました」


ヒロシ「うわー、なんてボロい商売だろ。こうなりゃ、親切成金を目指すぞー」


武人「あ、そうそう。仮に脅しても金を払わない人がいても大丈夫ですよ。絶対にあなたには損をさせない方法があるんです。実は」


マルぼん「おい、ヒロシ。そこの河で小さな女の子がおぼれているぞ!」


ヒロシ「うひょ! おぼれている人を助けるなんて、めっちゃ儲かりそうだ!」


 ヒロシ、光の速さで河に飛び込むと、女の子を助けます。


女の子「げほげほ。あ、ありがとうございます」


ヒロシ「いえいえ、どうしまして。武人さん、いまの親切はいかほどに?」


武人「人命を救うという最高レベル親切でしたので、750万円ですね」


ヒロシ「シェー! 大もうけザンス!」


女の子「750万円? そんな大金払えないです」


ヒロシ「武人さん、さぁその刀で、そのごつい腕で脅すなりなんなり」


武人「こんな可愛らしい女の子にお金を払わせるなんてそんなひどいことはできませぬ」


ヒロシ「ええええ」


マルぼん「彼の唯一の欠点は、小さい女の子が必要以上に好きということなんだ。ライクじゃなくて、ラブ的な意味で。小さい女の子を見ると全身が震えだし、脳内は萌えという単語で埋め尽くされるんだ」


ヒロシ「近年珍しくない類の変態っ」


武人「さっき言いかけましたが、金を払ってもらえなくても、あなたに損をさせない方法があります。した親切と同じ親切を、相手にしてもらえばいいのです。そしたら損はしないでしょう!」


『見返り武人』はヒロシを抱きかかえると、川に放り込みました。おぼれるヒロシ。掴むワラもなく、ただおぼれるヒロシ。


ヒロシ「うわっぽ、お、おたすけー。溺れるのはルナちゃんの体だけと、硬く心に決めていたのに! おたすけっ」


武人「さぁ、お嬢さん、どうぞ。ヒロシを助けなされ。助けた後は、よろしければ拙者と」


女の子「む、無理です」


武人「あ、そうですよね。あはははは。拙者ときたらー。ところでこの後ヒマですか」


ヒロシ「がぼがぼがぼがぼ。さようならー!!」


 ヒロシは地上に戻らず、武人も社会的によろしくないので排除されました。そして世界につかの間の平和が戻ったのでした。


日記 | 18:18:18 | Trackback(0) | Comments(0)
恋愛フラグをぶち壊せ! の巻
 一説には、煩悩と同じ数だけあると言われるナウマン象の欠点。そのひとつが「異様に惚れっぽい」というところです。恋の対象が女性だけならまだいいのですが、老若男女をはるかに飛び越え、動物植物や無機物にまでその好意は向けられていました。先日など、夕食にでたビーフストロガノフに一目ぼれして、「俺とビーフストロガノフの結婚を認めなければ、死ぬ!」と騒ぎ、その熱くせつない想いで、ついに国をも動かして『人間と食べ物の結婚を認める法律』まで作らせる始末。


 そんなナウマン象の、今度の恋のお相手は、ヒロシの昼飯のカレーライス。


ナウマン象「色っぽいカレーライスだ! 抱きたい!」


ヒロシ「な、なんだよ。カレーは僕の大好物だぞ。ゆがんだ性の捌け口にされてたまるか! 死んでも渡すものか。もぐもぐもぐ」


ナウマン象「あー! カレーライスたんを、俺の大好きな、俺の愛する、俺の子供を産むはずだったカレーライスたんを完食しやがったー! ちくしょう、もう殺す! 放課後空き地で決闘だぁ!」


ヒロシ「とてもじゃなけど勝てないよ! マルぼん、なんとかして!」


マルぼん「時代は不意打ちだよ、ヒロシくん。この『ドリル帽子』を被るんだ。この帽子を被ったら、地下を自由に動き回ることができる。地下を移動してナウマン象のうしろにまわりこみ、この鈍器のようなもので一撃だっ」


 ヒロシは『ドリル帽子』を被ると、さっそく地下に潜り、決闘の行われる空き地へと向かいました。


ヒロシ「ナウマン象のやつ、僕が来るのをいまや遅しと待ち構えているな」


 マルぼんの企てた策のとおり、ナウマン象の後ろへと回り込むヒロシ。そっと地中からでてきて、鈍器のようなものを振り上げ


ナウマン象「うぎゃ!」


ヒロシ「あ、勢い余って、ナウマン象の命を……」


金歯「あ、人殺しでおじゃる!」


マルぼん「人殺しだー! 誰か警察を読んで! 110番! 110番!」


ヒロシ「目撃された! やばい!」


 ヒロシ、ドリル帽子や鈍器のようなものを投げ捨てると、空き地から走り出します。


マルぼん「自首しろ! ヒロシ、自首するんや! 今ならやり直せるさかい!」


ヒロシ「死んでもごめんだ! とんずらー!」


 町には手配写真が貼られまくっていますが、それからヒロシの姿を見た人はいません。夜の繁華街で見た人がいるとかいないとか。関西で働いているのを見るのか。


 マルぼんは、ヒロシを地下に潜ますようにした『ドリル帽子』の効果は絶大だと思いました。


日記 | 18:20:25 | Trackback(0) | Comments(0)
背伸びした君は綺麗じゃない。僕が見たいのはありのまま君。生まれたままの姿の君なんだ。
ルナちゃん「『最近のヒロインならば鉈やら斧やらの凶器で、人様に襲いかからなければいけない』というわけで、近場のホームセンターで日本刀を買ってきたのだけど、重くて使いこなせなーい」


マルぼん「おやおや、それはもったいない。そういうときは、こいつの出番。『身の竹』。この竹の前に、日本刀を持って立ってみて」


ルナちゃん「こうかしら。あら、日本刀が急に軽くなった……」


マルぼん「日本刀が女子小学生用のものに変化したんだ。この『身の竹』の前に立つと、あらゆる所有物がその人の身の丈にあったものへと変化するの」


ヒロシ「あ、ルナちゃん! 普通の女子小学生みたいな格好になっているよ」


ルナちゃん「え? きゃあ! ホントだわ! きゃーきゃー」


 ルナちゃん大騒ぎ。それもそのはず。ルナちゃんの信仰している宗教には『信者ハ死ヌ迄、他人ニ肌ヲ見セテハイケナイ』という教えがあり、それに背いたものは最初に姿を見せてしまった相手を殺すか愛するかしないといけないのです。(『マルぼんと暮らす』開始以来、ルナちゃんがずっとブタの着ぐるみを着ていたのには、こういう理由があったのです)


ルナちゃん「あ、でも、幸いなことに『姿ヲ見ラレテモ、10万円ヲ教団ニ払エバ、神ハ許シテクレル』という教えがあるから大丈夫だわ」


 そう言いながらルナちゃんが自分の財布を見ると、あるはずの10万円はなく、わずかな小銭が入っているのみ。


マルぼん「『身の竹』の効果は、すべての所有物に及ぶ。所持金も『女子小学生がもつのにふさわしい額』に変化したんだ。10万円は小学生にはふさわしくないんだね。高額過ぎる」


ルナちゃん「そんな、そんな、キャー!」


マルぼん「あらら、帰ってもうた。あの焦りよう。ポアでもされるのかな」


ヒロシ「マルぼん、僕にも『身の竹』貸してよ。実は色々あって財布の中がスッカラカンなんだ」


 『身の竹』の前に立った人は、財布の中身は身の丈にあったものになります。ヒロシが『身の竹』の前に立てば、財布の中身は男子小学生が持つにふさわしい額になります。たとえ1円も持っていなくても、財布の中身には男子小学生が持つのにふさわしい額のお金が入っているという寸法です。


 さっそく、『身の竹』の前に立つヒロシ。いそいで財布の中を確認するのですが


ヒロシ「あら、なんか見たことのないお金が入っているよ」


マルぼん「こりゃ、昔のお金だね。江戸時代に使われていた、『文』っていうやつだ。ふむ、全部で六文あるな。六文銭か。あれ、六文銭といえば、たしか三途の河の……」


ヒロシ「……」


マルぼん「おい、ヒロシ、どうした。ヒロシィィィィ」


 ヒロシは急死しました。『身の竹』の前にたつと、所有物がすべて身の丈にあったものになります。女子小学生の所有物は女子小学生にふさわしいものに、男子小学生の所有物は男子小学生にふさわしいものに、死を前にした人の所有物は、もちろん死を前にした人にふさわしいものになります。


日記 | 18:18:18 | Trackback(0) | Comments(0)
明日のアイドルは俺だ

 マルぼんとヒロシが深夜の散歩をしていると、いつもみんなで遊んでいる空き地に女が1人。


ヒロシ「おい、あれ……アイドルの柳下ゆうこちゃんじゃないか」


マルぼん「そうだ。間違いない。柳下ゆうこだ!」


 柳下ゆうこは最近人気のアイドルで、マルぼんとヒロシも当然のように大ファンです。稼いだ金の大半を、グッズ購入につぎ込むほどです。


ヒロシ「ゆ、ゆうこちゃん。こんなところで一体なにをされているのです」


ゆうこ「実は、事務所を飛び出してきたのです」


 柳下ゆうこは、マルぼんたちに事務所を飛び出した理由を語り始めました。
彼女は人気絶頂のアイドルであるが故に、まわりの人間に特別扱いされ、そのことがとても苦痛なのだそうです。


ゆうこ「アイドルになんてなりたくなかったの。普通の女の子として、普通に生活し、普通に学び、普通に遊ぶ……そんな風に生きたいの」


 アイドルを辞めたいゆうこちゃんですが、事務所は当然許してくれるわけもなく、
悩んだ末に家を飛び出し、気がつくと子供の頃よく遊んでいたこの空き地に来ていたとのこと。


ヒロシ「むう。ゆうこちゃんがここまで悩んでいるなんて。その悩み、なんとかしてあげたい」


マルぼん「『イッパンテキーラ』。これを飲むと、世界中の人が自分と同じ状態になるんだ。飲んだ人が殺人鬼であろうが、世界中の人が殺人鬼になる。
飲んだ人が子供の足の裏の皮を好んで食する人間だったら、世界中の人が子供の足の裏の皮を好んで食する人間になる。


 未来の世界に、有名な全裸の男がいました。彼は生まれたときから全裸で、成人しても全裸。当然、社会的にアレなので、なんども逮捕されたのですが、それでもずっと全裸。彼の支援者はなんとかできないかと考えた結果、


『彼一人が全裸なのがいけないんだ。世界中の人が常に全裸だったら、彼の全裸は当たり前のことになる』


という結論に至り、科学者に頼んで完成したのがこの機密道具です。『イッパンテキーラ』の力で未来の世界の人々は、全裸男と同じ状態(常に全裸)になり、全裸男も逮捕されることなく人生を謳歌しています
皆さんも、自分を縛る服なんて脱ぎて、ありのままの自分を誇りながら生きてみたら、案外楽しいかもしれません。マルぼんは絶対に脱ぎませんけど。


マルぼん「こいつをゆうこちゃんに飲んでもらえば、世界中の人がアイドルになる。みんながアイドルになれば、ゆうこちゃんがアイドルであることなんて、特別でもなんでもなくなる」


ゆうこ「ありがとう、見ず知らずのファンの人たち」


 ゆうこちゃんは『イッパンテキーラ』を一気にあおりました。


ゆうこ「ありがとう、ありがとう。本当にありがとう」


 何度も何度もお礼を言うと、ゆうこちゃんは足元からスーッと消えていきました。


ヒロシ「え、あれ、なんで」


 マルぼんが持っていた携帯ラジオから、臨時ニュースが流れてきました。


ニュース『アイドルの柳下ゆうこさんが、自宅マンションから飛び降り自殺を図り、亡くなりました』


ヒロシ「となると、となると、さっきのゆうこちゃんは……幽霊!? 望みがかなえられて成仏をしたんだ。なむあみだぶつ」


マルぼん「『イッパンテキーラ』の効果は絶大だから、たとえ飲んだ人が幽霊でも効果が」


 言い終わる前に、マルぼんとヒロシの体は足元からスーッと消えはじめました。おそらくマルぼんとヒロシ以外の人も。


 世界はえらく静かになりました。


日記 | 10:37:56 | Trackback(0) | Comments(0)