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大沼ヒロシ

Author:大沼ヒロシ
大沼ヒロシと申します。ブログはじめたての初心者です。どうぞよろしく。

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行け! 地球号! ヒロシと僕らを乗せて! 宇宙の彼方まで!
金歯「夏休みは、終始、外国で過ごしていたのでおじゃる。外国で酒池肉林。天国でおじゃった」


ヒロシ「べ、べつにうらやましくなんか、ないんだから……!」


 しかし言葉とは裏腹な本音はヒロシの表情に表れていたのです。「うらやましいの」と。「愛してほしいの」と。


ヒロシ「うわーん、マルぼん、この大沼ヒロシも外国で過ごしたいよ!」


マルぼん「お金を貯めるなりしてちょっとは努力しろや。この、ゆとり教育が生み出した悲しきモンスター!」


ヒロシ「僕は努力とまずい飯は嫌いなの!」


マルぼん「金ナシで外国で過ごせる機密道具ねえ。たしかあったようななかったような。ちょっと待ってて」


ヒロシ「早くだしてよー」


 と、そのとき。屈強な体の外国人男性がヒロシの部屋にはいってきました。


ヒロシ「ど、どちらさまで」


外国人「ミーは大沼ヒロシデス」


ママさん「こちら、ボブさん。『どうしても日本の男子小学生になりたい』とおっしゃるの。長年の夢だったらしいの。かわいそうだから、ヒロくんの国籍を売ってあげたのよ」


旧ヒロシ「えー!」


新ヒロシ「トイウワケデ、ココハミーノ部屋ナノデ、トットト出テイケヤ」


マルぼん「国籍がなくなったということは、君はもう日本人じゃない。つまり君にとって日本は外国だ。やったな、外国に過ごすという夢がかなったよ」


旧ヒロシ「なるほど。つまり僕は国とか人種とかそういうものを超越した、本当の意味の地球人になったというわけだね。よし、小さな宇宙船地球号、出発だっ」


ママさん「よくわからないけど、ちがうと思うなぁ、お母さんは」


警察官「不法滞在している国籍なしの輩がいると聞いて、駆けつけました!」


新ヒロシ「オマワリサン、アイツデス!!」


旧ヒロシ「ひょえー!!」


 その後、ヒロシは警察官に追われて逃走。数年後、マルぼんは、所属しているコーラスグループが定期的に行っている慰安コンサートで訪れた某収容所でヒロシらしき人を見かけました。元気そうでした。元気があればなんでもできる。だからあなたも生き抜いて。おしまい。

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日記 | 18:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
レンタル稼業で大儲け。夢は大富豪。俺って今太閤。

 家に帰ると、マルぼんのヤツが見知らぬ痩せこけた男性と向かい合い、なにやら話しあっていました。感極まったのか、男性はマルぼんの膝にすがりついて泣けるだけ泣き、アタッシュケースと札束を置いて去っていきました。


ヒロシ「今の誰? 衆道の相手かなんか?」


マルぼん「近所に住む末永さんって人。微笑町立陸軍に入隊したいんだけど、死ぬほど胃が悪くて、毎年入隊試験に落ちていたんだって。でも今年、マルぼんの助力でついに合格できたんだ。そのお礼に来てくれたってワケさ」


ヒロシ「へえ。胃を治してあげたの」


マルぼん「いんや、新しい胃を貸してあげたんだ。未来の世界には『カシ』っていう動物がいてね、その『カシ』の肉をダシにつかった汁を飲むと、体のどんな部分も取り外し可能になる。それで胃を用意して、貸してあげたのさ」


ヒロシ「…メチャクチャな効果だねえ」


マルぼん「人体切り離しは未来の世界における医学の基本だからね」


ヒロシ「そうなんだ。でも、あきらかに人間じゃないマルぼんの胃でも大丈夫だったの?」


マルぼん「ん。ちゃんと人間の胃を用意したよ。このアタッシュケースに返してもらった胃がはいっている。あ、はやく元に戻した方がいいよ。切り離してから72時間たつと腐るから」


ヒロシ「僕の臓器かよっ。いつの間に! というか、どうやって元に戻すのさ!」


マルぼん「えっと。外科手術で」


ヒロシ「手術!?」


マルぼん「『カシ』のダシ汁を使った人体レンタルはかなり儲かるんだけどな」


ヒロシ「いいよもう。胃を元に戻す手術で、軽く地獄を見たし。お金なんていらないよ」


マルぼん「ところで、新しいドラク出たね」


ヒロシ「!」


マルぼん「君の大好きなドラマ『ヘルプ! おじいちゃんがライオンに喰われた!』のDVDBOXもでるし」


ヒロシ「う」


マルぼん「そういえばヒロシ、金歯の家の高価な壺を壊して、多額の借金を背負ったんだよね」


ヒロシ「え」


マルぼん「肝臓をレンタルしたいという話があるんだけど」


ヒロシ「…お願いします」


 こうして僕は、人体レンタル稼業に身を染めていくことになったのでした。


ヒロシ「ところで、どうやって肝臓を取り出すんだい?」


マルぼん「えっと。外科手術で」


ヒロシ「手術!?」


 数日後。


マルぼん「はい。あ~ん」


ヒロシ「あ~ん」


 マルぼんに、ごはんを食べさせていただくヒロシ。現在、ヒロシは頭部のみの存在です。内蔵を含む頭部以外の体は、全てレンタルしてしまったのです。


ヒロシ「ところでさ。この前肝臓貸したけど、そろそろ72時間じゃない?」


マルぼん「その肝臓をかした相手の人。いまでは元気に暮らしているんだって。結婚とかしてさ、幸せなんだって。その幸せが永遠に続くといいよね」


ヒロシ「…売ったのけ、僕の肝臓」


マルぼん「胃をレンタルした人は、いまでは大食いチャンピオンだって。素敵だよね。その素敵さが永遠に続くといいよね」


ヒロシ「…売ったのけ、僕の胃も」


マルぼん「自己を犠牲にしても他人の幸せを願う。鬼のように素晴らしい人生だよね。かっこいいよね。ルナちゃんとかも惚れちゃうかもね。人の不幸を悲しみ、人の幸せを喜べる人って最高やね」


ヒロシ「僕の体、全部売り払ったのなー!?」


マルぼん「快傑熟女!心配ご無用。たとえ生身の体がなくなっても、素敵な機械の体がある。ほら、このカタログみてみな」


ヒロシ「えっと。『サンキュー社のメカボディ』だって。ワ! 空も飛べるし、変形だってできるんだ。生身の体よりはるかにいいじゃん」


マルぼん「素敵だろ。夢心地だろ。このメカボディが、いまならこのお値段っ」


ヒロシ「普通に高価やん。さすがに手が出ないな、このお値段。僕の体を売った金はどうしたんだよ。その金でなんとかならないの」


マルぼん「そんなことより、こちら加藤さん」


加藤さん「加藤っス」


マルぼん「加藤さんは、故あって社会から身を隠さないといけない立場なんだ。そこで、新しい顔が必要」


ヒロシ「…唯一残された僕の頭部まで売るの?」


マルぼん「脳があれば、いけそうな雰囲気だし…ほら『メカボディに脳髄だけ入ってる』って、忍者亀が活躍するアメコミみたいでかっこいいじゃん。サワキチャーン。はい、決定。決定!」


マルぼん「ついに届いたよ、機械の体。唯一残った脳を所定の位置にしまうことで、生身の体と大差ない動きができるんだ」


ヒロシ「スゴイヨ、スゴイ。オニノヨウニウゴキヤスイヨ」


マルぼん「しゃべり方がアレだけど、そんなのたいしたことじゃないよね。問題は、燃料だ」


ヒロシ「ネンリョウ?」


マルぼん「この機械の体で動くには、特殊な燃料が必要なのさ。それが高くて高くて」


科学者風の男「こんにちは」


マルぼん「どちら様?」


科学者風の男「某国の者ですが、こちらのヒロシくんが脳だけで生きておられると聞いて。噂によると、体の好きな部分を売っていただけるとか。色々研究したいので、お譲り願いませんか、脳」


マルぼん「そいつはナイス。これで燃料が買えるぞ。脳は、電子頭脳で補えばいいや」


それから。


ヒロシ「ピー。ネンリョウガキレカカッテイマス。ホキュウヲシテクダサイ。ピー。ネンリョウガキレカカッテイマス。ホキュウヲシテクダサイ」


マルぼん「ああ、ヒロシくん。ご飯だね。どう、おいしい?」


ヒロシ「エネルギージュウテンカンリョウ。エネルギージュウテンカンリョウ」


マルぼん「おしかったんだね。よかったよかった。ところでヒロシくん、最近は学校で大活躍らしいじゃない。スポーツも勉強も、人間とは思えない域に達しているとか」


ヒロシ「メールガトドイテオリマス」


マルぼん「マルぼんは、ヒロシくんに人生の勝利者の気分を味わってほしかったんだ。ちょっと無理したけど、機械の体にしてよかったよね。うんうん」


ヒロシ「メールガトドイテオリマス」



日記 | 17:26:02 | Trackback(0) | Comments(0)
みんな大好き! パワフルおばあちゃん


ナウマン象「おい、貴様らかくれんぼしようぜ」


ヒロシ「かくれんぼ?」


ルナちゃん「たまには童心にかえるのもいいものね」


ナウマン象「よし。この書類にサインをしろ」


 人を疑うことを知らないマルぼんたちは、「かくれんぼ参加同意書」にサインをしてしまいました。


ナウマン象「よし。これで貴様らは、俺の借金の保証人だ」


ヒロシ「ええ!?」


ナウマン象「貴様らは、俺とかくれんぼをするんだ。借金地獄という名のな!」


ヤクザという名の鬼「臓器~臓器~」


ヒロシ「ぎゃー!」


マルぼん「ヒロシがヤクザという名の鬼に捕まった!」


ルナちゃん「このままじゃあたしたちも…逃げろー!」


ナウマン象「あははは。みんな道連れだー! あははは」


ヤクザという名の鬼「臓器~臓器~」


ナウマン象「ぎゃー!」


ルナちゃん「このままじゃ、あたいたちも捕まるよ! どうにかして!」


マルぼん「『保護色マント』~。このマントを装着したら、周りの景色と同化できる。こいつで周りと同化して、
やりすごそう!」


 マルぼんとルナちゃんは、『保護色マント』を身に着けてヤクザという名の鬼をやりすごしました。しばらく息を潜めて、恐る恐るマントをとってみると、ちょうどポリスマンがヤクザという名の鬼を取り押さえている
ところでした。


ポリスマン「悪質な取立ては、メッ!ですよ」


ヤクザという名の鬼「臓器~臓器~」


ルナちゃん「なんとか助かったみたいね!」


ママさん「ヒロシ! ヒロシ!」


マルぼん「ヒロシは捕まって、ひどい目にあったようだ。色々取られつくして、皮しか残ってないみたい」


ルナちゃん「おばさま、気を落とさないで」


ママさん「うるさい!」


マルぼん「え」


ママさん「ヒロシを見捨てて2人だけで隠れて! あなたたちも、あのヤクザと同じ! 鬼よ! 鬼の仲間よ!」


野次馬ども「そうだそうだー! きちくーひとでなしーにんげのくずーいきるかちのないろくでなしー」


 マルぼんは、マルぼんとルナちゃんを極悪借金取りと同化させてしまった『保護色マント』
の効果は絶大だと思いました。

日記 | 10:39:12 | Trackback(0) | Comments(0)
恥ずかしながら帰ってきたヒロシ

 今日も児童の明るい笑い声が響く、我らが微笑小学校。


ルナちゃん「ヒロシさん、あなたの腹部を刺してもいいかしら、包丁で」


ヒロシ「なんだよ、唐突に。そんなのいやだよ!」


ルナちゃん「私があなたを刺したら、私は当然逮捕。数年間は豚箱の中。私という人間の自由(数年間分)は、あなたの死を理由になくなるの。つまり私の数年間はあなたのものになるのよ!」


 最近は、被虐願望がひどいルナちゃんさんです。


ヒロシ「包丁をしまってください! ヒロインなんだから、包丁をしまってください! いまどきヤンデレは流行しないですよ」


ルナちゃん「デレてなんかないんだからね! 死ね、いくじなし!」


ヒロシ「ひええええ!」


 包丁片手に追うヒロイン。追われるヒロシ。


ヒロシ「わ! 行き止まり!」


ルナちゃん「もお逃げられないの。さぁ、私に刺されて! 私の自由を奪って! 私が豚箱にぶち込まれる理由になって!」


マルぼん「ヒロシ!」


ヒロシ「あ、マルぼん!」


マルぼん「今すぐ上着を脱ぐのだ」


ヒロシ「で、でも。恥ずかしいよ! 穴があったら入りたくなるよう」
 

マルぼん「脱がぬと、逝くぞ!」


ルナちゃん「包丁で! ヒロシくんのお腹を! ブスッと! 刺すっ! 何度も! 何度も! 執拗に! 念入りに!」


マルぼん「脱げい!」


ヒロシ「ええい、ままよ!」


ヒロシ(さよなら、僕の純潔。少年の日々……)


 ヒロシは、ズボンを脱ぎました。パンツごと。マルぼんは上着だって言ったのに。


ルナちゃん「きゃ!」


 赤面しつつも、ヒロシの下半身をしっかりと拝みつつ、包丁を振り下ろすルナちゃん。包丁は見事にヒロシに突き刺さったのですが。


ヒロシ「え」


ルナちゃん「な、血の一滴もでなければ、傷の少しもつかないですって!」


マルぼん「いまだ!」


ルナちゃん「ぎゃー!」


 ひるんだ隙をつき、マルぼんは『触れると石化するマルぼん唾液』をルナちゃんに浴びせてやりました。石化するルナちゃん。余談ですが、石化したルナちゃんは駅前に飾られて、若者たちの待ち合わせスポットとして余生を送ることになりのでした。めでたしめでたし。


ヒロシ「あ、ありがとう、マルぼん。でも、なんで」


マルぼん「昨日あげた蝶ネクタイあるだろ。あれ、実は『安全地タイ』という機密道具なんだ」


ヒロシ「あ、いまもつけているこの蝶ネクタイが?」


マルぼん「そう。『安全地タイ』をつけている人は、どんな攻撃からも身を守られ、絶対に安全なの。でもまぁ、常に安全というものアレだから、発動条件があって、装着者が痴態を演じ、恥ずかしいと感じているときだけ効果が発動する」


ヒロシ「そうか、それで」


 己の下半身を見つめるヒロシ。


マルぼん「とりあえずズボン履けや」


ヒロシ「もっと『安全地タイ』を出してよ。よい利用方法を思いついた」


 夜の微笑町。


 鎖鎌を持って町を徘徊しているナウマン象。


ナウマン象「ううう。あの御方に怒られて、すげえイライラするぜ。こういうときは、誰かをいじめてストレス解消だ。お、あそこにいるのは金歯!」


金歯「あ、ナウマン象!」


ナウマン象「誕生日にパパに買ってもらった、この鎖鎌の威力を試させろ!」


金歯「ひょえー! おたすけでおじゃるー!」


ヒロシ「大丈夫か、金歯。この『安全地タイ』をつけて(中略)ようするに恥ずかしい気分になれば、刺されても大丈夫」


金歯「本当に?」


ナウマン象「なんだヒロシ、まずは貴様からだっ」


 とっさに全裸になるヒロシ。


ナウマン象「きゃー!!」


ヒロシ「いかがいたしたのかな?」


ナウマン象「いかがって、いかがって、アンタ、ぜぜぜぜんらじゃないの!? いやっ、近づかないで!」


 ヒロシは、『安全地タイ』と靴下をつけた以外は生まれたままの姿。その姿で、ナウマン象に迫ります。


ナウマン象「いやっいやっ! 服を着なさいよ! さもないと、この鎖鎌で殺しちゃうんだから!」


ヒロシ「はははは。僕はいま、無敵さ」


 鎖鎌攻撃も、ヒロシには通じません。


ナウマン象「いやっ来ないで!」


ヒロシ「ほら、ほら、ほら!」


ナウマン象「いや! いや! いや!」


ヒロシ「ほれ、ほれ、ほれ!」


金歯「すごい効果でおじゃるな。朕もズボンを脱いだでおじゃる! 早よう、その『安全地タイ』を」


ヒロシ「300まんえんになります」


金歯「え!」


金歯「銭をとるのか! 人のピンチを商売にするなんて、恥かしくないのでおじゃるか」


ヒロシ「全然っ」


ナウマン象「いやー来ないでー!」


 スコーン。


 答えた瞬間、鎖鎌攻撃ですっとぶヒロシの首。


 「恥ずかしくない状態」ならば、効果がないのが『安全地タイ』なのです。マルぼんは、『安全地タイ』の効果は絶大だと思いました。


日記 | 17:57:24 | Trackback(0) | Comments(0)
魔王が僕たちの空き地を占拠しようとする件について
ヒロシ「あ、隣町の魔王軍の兵士だ」


魔王軍兵士「ドキナ、イエロモンキードモ! コノ空地ハ、イマカラ我々ガベースボールノ練習ニツカウンダ。HAHAHAHA!」


金歯「ひどいでおじゃる。空き地はみんなの(正確には朕ひとりの)ものでおじゃるのに!!」


ルナちゃん「ナウマン象くんはガキ大将で、ガキ大将は地域の子供たちを、たとえ親を殺してでも助けるものなんでしょ。魔王軍のモンスターくらい、指先ひとつでダウンさせなさいよ」


ナウマン象「そんなこと言われても」


魔王軍兵士「ホラホラ、ボールノカワリニ手榴弾ダヨー。HAHAHA! 死ノ千本ノックサー!!」


一同「ぎゃー!!」


ナウマン象「そんなわけで多数の死傷者を出す大惨事になったんだ。みんなを守れなかった俺は、一両日中に処刑されることが学級会で決定した」


マルぼん「そりゃキミが悪い。日ごろから、奪いたいだけ奪い、食いたいだけ食い、眠りたいだけ眠り、犯したいだけ犯し、やりたいだけやるという人生を送っているんだから、いざというときくらい、みんなを守らないと。死んで侘びなよ。死んで。遺族も黙っちゃいないよ」


ナウマン象「あたい……あたい……死にたくないよぉ」


マルぼん「処刑されないためには、みんなの信頼を回復する必要があるね。それにはキミ1人で魔王軍と戦って勝たなきゃ」


ナウマン象「うう……そんな、1人じゃ無理だよぉ……」


マルぼん「1人じゃなかったら勝てるのかい? それならよい機密道具があるよ」


 隣町にある魔王軍駐留基地をナウマン象が滅ぼしたのは、翌日のことでした。


ヒロシ「すげえや、すげえ。さすがナウマン象!! 金歯やルナちゃんも喜んでいるよ。空で」


 金歯とルナちゃんの家を天にかざすヒロシ。写真のなかのルナちゃんの笑顔が素敵。抱かれたい。


ヒロシ「しかし、よく1人で勝てたよね」


ナウマン象「この人たちのおかげよ」


 ナウマン象のうしろには、なんか年も性別も職業も人種もバラバラな、多種多様な人たちが勢ぞろいしていました。


ナウマン象「この人たちはね、あたいの応援団さ。マルぼんに出してもらった『不特定多数の人を自分の応援団にする機密道具』で、応援団になってもらったの。ココロをこめた応援のおかげで、あたいは勇気に満たされた。勇気さえあれば、どんな強大な力にも勝てるものなのよ。あとは愛。愛を信じること」


応援団「なぁ。もう応援することはないの?」


ナウマン象「ん? そうだねえ、もうないわ。一同解散」


応援団「冗談じゃねえ。こっちは仕事を休んできているんだぞ」


応援団「私は死にかけの父を放置してきたわ!!」


応援団「俺だって島に行くはずだったのに」


応援団「もっと応援させろ!!」


ナウマン象「そ、そんなこと言われましても……!!」


応援団「この野郎、なんでもいいか応援させろ!!!」


ナウマン象「や、やめてください!! ひぃ!!」


応援団「それ、人の応援を無視するような輩は放り投げてしまえ」


ヒロシ「ああ、そちらは地雷地帯!! あぶないっ」


 爆音とともにナウマン象が吹っ飛びました。


ナウマン象「あたいを見ないでー!! 死にゆくあたいを見ないでー!!」


 で、病院。ナウマン象が懸命に生きようとしている集中治療室。


ヒロシ「ドクター、ナウマン象死にますか? 死にますよね?」


医師「メチャ危険な状態ですな。超ヤバイ。でも、もう五時で帰る時間だから、僕には関係ありませぬ。ばいばいきーん」


 集中治療室の前では、ナウマン象応援団のみなさんが勢ぞろいし、生きるという戦いを続けているナウマン象にエールを送っています。


応援団「フレーフレーナウマン象!!」


応援団「フレーフレーナウマン象!!」


 この機密道具をだして、本当に良かったとマルぼんは思います。みなさんには、応援するべき人や応援してくれる人はいますか?



日記 | 17:54:15 | Trackback(0) | Comments(0)
子育てマイエンゼル
ママさん懐妊中。お腹の子の父親は、近々開催予定の『ヒロシの弟or妹のパパは、いったいどこの馬の骨!? クイズ』の回答編にて発表予定です。お楽しみに!


ママさん「さぁ、今回は子育てを失敗しないようにしなくちゃ! 英才教育英才教育っ」


ヒロシ「失敗したの? いつ?」


ママさん「(無視)さて、いかなる習い事をさせようかなぁ」


マルぼん「奥さん、最近は習い事とか異様に金かかりますですよ。それよか良い機密道具あるっす」


『わが子エディター』


マルぼん「未来の世界のフリーソフトなんです。『人体USBケーブル』でパソコンと妊娠している人をつなぎ、このソフトを起動させる。すると、胎内にいる子供の性別やら性格やら外見やら才能やらを自由にエディットすることができるんです」


ママさん「んま! さっそくやってちょうだい!」


ヒロシ「ねえ、失敗ってなにさ。失敗って」


『人体USBケーブル』でママさんとパソコンをつなぐマルぼん。


マルぼん「さぁ、これで胎内のお子様を自由にエディットできますよ。どんな子供にします?」


ママさん「性別は男! 将来はタレントデビューが見込めるほどの男前で、しかもその男前の度合いは時代が移り変わっても不変的な美しさ。誰にでも愛される性格で、どんなことでも瞬時にこなしてしまうあらゆる才能の持ち主!」


マルぼん「はいはい」


ママさん「あとは、時代の流れを見極めることができる才能! どんなに有能でも、沈みかけの船に乗っていたらオシマイだから、瞬時に己の乗る船が大船なのか泥船なのかを見極めることができる才能! これが一番重要!」


マルぼん「はいはい。よし。これで理想のお子さんが生まれるはずですよ」


 このやり取りから数年。いまだヒロシの弟さんは生まれる気配はありません。


ママさん「なぜ生まれないの? 早く生まれて、大金もちになって、私を楽して暮らせる身分にしてちょうだい」


 時代の流れを見極める才能を持つ彼は、『大沼家』という究極の泥船のようなファミリーに生を受けることを拒否しているようです。まさに命の奇跡。なんたる才能。


 マルぼんは『わが子エディター』の効果は絶大だと思いました。帝王切開しろとかそこらへんの突っ込みはナシの方向で。

日記 | 11:39:08 | Trackback(0) | Comments(0)
裏切りは君の味、微笑は僕の味

ヒロシ「この間、家族旅行してきたんだ。ほら、あの有名な『斉木しげるロード』。きたろうグッズがたくさん売っているとこ」


ナウマン象「ふん。旅行がなんだい」


ヒロシ「ちなみに列車の旅でさ、なんとあの『エクスタシーエクスプレス』をつかったの!」


ナウマン象「エクスタシーエクスプレスだって?!」


『エクスタシーエクスプレス』は、ゆったりした客席、豪華な車内レストラン、様々なことに使用できる多目的室、清潔なトイレ、天然温泉の露天風呂、映画館、図書室、コンサート会場、病院、墓、体育館、結婚式場、レース場、火葬場、駅、バス停、大阪城、釣堀、森、海など、たくさんの設備がある超豪華列車で、予約を取るのも難しいのですが、たまたま運よくとることができたのです。


ヒロシ「いやー楽しい旅行だったよう」



ナウマン象「それは、夏休みだってのにどこへも旅行できない俺へのあてつけか! エクスタシーエクスプレスに恋焦がれて、よごと枕をせつなさの涙で濡らす俺へのあてつけか! もう怒った、おまえを死なす! いでよ、我が下僕ども」


 ナウマン象が叫ぶと、なんということでしょう。電信柱の影から、マンホールの中から、草むらから、川の中から、民家の軒下から、ナウマン象のズボンのポケットのなから、空から、あなたの家の中から、机の引き出しの中から、過去から、未来から、地下から、海から、空間を捻じ曲げて発生した怪しい穴から、次々と屈強な男たちが現れたではありませんか。


ナウマン象「こいつらは、俺に仕える666人の下僕たちだ。俺の怒りは頂点に達したので、こいつら全員の力を
もって、キサマを死なす!」


ヒロシ「なンだってー!? 助けてー!!」


ヒロシ「いやー死ぬかと思ったよ、ほんと」


マルぼん「しかしまぁ、666名の下僕に襲われながら、よく助かったもんだな」


ヒロシ「とっさに保護色の術を使って、地面と同化したからね。でも、次はうまくいくかどうか」


マルぼん「そういう時こそ機密道具の出番だよ。『裏霧散布機』。この機械は、起動すると裏霧という特殊な気体を辺りに散布する。その気体を吸い込んだ人は、性格が捻じ曲げられて強烈な反骨精神が身につき、仕えている者や自分を信じてくれている者を裏切ってしまうようになるんだ」


マン象の666名の下僕が総集合しているときにこいつを使えば」


マルぼん「666名の下僕は一斉に裏切り、その牙をヤツにむけることになるのさ」


ヒロシ「そりゃあ、最高だ。666名に一斉襲いかかられて、ナウマン象は無残な肉片と化すんだね」


 ヒロシは『裏霧散布機』を持って、ナウマン象と666名の下僕がたむろする、
近所の空き地へと向かいました。


ヒロシ「こいつなら、『裏霧散布機』ならばきっと、ナウマン象をぎゃふんと言わせることができるぞ。うふふふ」


ナウマン象「なんだヒロシ、逝きにきたのか」


下僕ども「ぶひひひひ。この前は殺せなかったから」


下僕ども「ぐふふふふ。今度こそ死なせちゃいますよ」


下僕ども「心臓はオラが食らうズラ」


下僕ども「目玉はワシじゃ」


下僕ども「爪を食うのはアタシよ」


ナウマン象「ハハハハ。ケツの穴は俺に置いておけよ」


ヒロシ「ふん。今に見ていろよ、『裏霧散布機』、起動!」


 起動ボタンを押すヒロシでしたが、『裏霧散布機』はウンともスンとも言いません。故障でした。悲しい事故でした。


ヒロシ「あれ、あれ、あれ」


ナウマン象「なんだかしらんが、者どもかかれえ」


下僕ども「うおー」


ヒロシ「ひょえー!!」


 マルぼんは、自らもヒロシの期待を裏切った『裏霧散布機』の効果は絶大だと思いました。



日記 | 11:30:40 | Trackback(0) | Comments(0)
マルぼんとは暮らさない
 マルぼんとヒロシが町を歩いていると、目の前に牛車が止まりました。牛車から顔を出すのは、町一番の金持ち・金歯。


金歯「おう、2人とも。相変わらず幸薄そうな顔をして」


ヒロシ(相変わらずうざい金持ちだ)


美女「金歯ちゃん、お友達?」


 金歯に続いて、牛車から顔を出すのは見たことないような美女。うろたえまくるヒロシ。


ヒロシ「え、え、え」


金歯「紹介するでおじゃる。珍の姉である、八重歯でおじゃる」


八重歯「はじめまして」


ヒロシ「は、はじめましてええ! おおぬまぁぁぁぁぁぁヒィロシィと申しますぅううう」」


マルぼん(ヒロシ、堕ちたな)


 案の定、ヒロシは八重歯さんにぞっこんで、起きているときも八重歯さん、寝ているときも八重歯さん、メシのときも八重歯さん、風呂のときも八重歯さん、生まれた子供に「八重歯」と名づけるほど八重歯さん、八重歯という名前に改名したいとごねて親に「あんたって子は、あんたって子は!」と暴力を振るわせるほど八重歯さん、
とにかく四六時中「八重歯さんと添い遂げたい添い遂げたい」とうるさいのです。


マルぼん「あのなあ、金歯コンツェルンは、微笑町の社会人の98%が関連企業関連会社に勤めているほどの巨大財閥だぞ。もちろん、キミの父親だって、金歯一族をより裕福にするための歯車のひとつだ。八重歯さんは、そんな巨大財閥のお嬢さま。それに比べておまえは、どこの馬の骨ともわからない男とどこの馬の骨ともわからない女との間に生まれた、どこの馬の骨ともわからない小学生だ。釣り合いがとれるわけないだろう」


ヒロシ「それをなんとかするのがキミの役目だろう。なんのためにメシを食わせていると思ってんだい!」


マルぼん「やれやれ。仕方ないな。『高嶺の孫の手』。ふつうに暮らしていたら、けして手が届かないような存在でも、この孫の手で背中を掻きながら『アレがほしいよう』とひたすら念じれば、きっと手に入る。ひたすら念じるんだ。そしたら八重歯さんは、キミ程度の人間でも手の届く存在に……」


パパさん「会社つぶれた!」


 色々あって、金歯コンツェルンは崩壊。高嶺の花だった八重歯さんはヒロシにも手が届く存在になり、微笑町の大人の98%は昼間からなにをするでもなくぶらぶらするようになりました。


 マルぼんは『高嶺の孫の手』の効果は絶大だと思いました。


日記 | 17:40:56 | Trackback(0) | Comments(0)
地球はでっかいビックリ箱
 家に帰ってくるなり、号泣するヒロシ


ヒロシ「実はかくかくしかじか」


 回想シーンのはじまりはじまりー


ヒロシ「今日は愛読している漫画『虫けら兄弟キッチとガイン』の単行本第44巻の発売日だぞ。本屋急がねば」


ナウマン象「おう、ヒロシ」


ヒロシ「なんだ、ナウマン象じゃないか。なんのようさ」


ナウマン象「ほら、おまえの嫌いな猫の死骸だ」


ヒロシ「ひょえー!!」


ナウマン象「はははは。ヒロシが驚く姿は、実にこっけいだ」


 回想シーンおしまい。また、次の機会に!


ヒロシ「ナウマン象がいきなり見せてきた猫の死骸に、僕は気を失ってしまうほどビックリさせられたんだ」


マルぼん「たちの悪いいたずらだなあ」


ヒロシ「僕もナウマン象の野郎を、泡ふくくらいビックリさせて復讐を遂げたいよ。なにかいい機密道具はない?」


マルぼん「あるよ。『魔法のビックリ箱』。この箱を開けると、中から、箱の前に立っている人間が、この世で一番ビックリするものがでてくる。こいつをナウマン象の前で開けて、ヤツを死ぬほどびっくりさせてやろう」


 そんなわけで、マルぼんとヒロシは『魔法のビックリ箱』を持ってナウマン象の家へ。


ナウマン象「な、なんだよ。マルぼんか」


マルぼん「この箱はキミへのプレゼントだよ」


ヒロシ「とくと中身をごらんアレ!」


 マルぼん、『魔法のビックリ箱』を勢いよく開けました。


ナウマン象「ぎゃー!!」


 箱の中から飛び出してきた……ヒロシにおそろしいほどそっくりな人形を見て、
驚きのあまり卒倒するナウマン象。


マルぼん「??? なんでナウマン象のこの世で一番ビックリするものがヒロシなんだ」


ナウマン象「成仏してくれ、成仏してくれよ、ヒロシ!」


 錯乱したのか、ヒロシ人形に向かってひたすら手を合わせるナウマン象。


ナウマン象「あんなにビックリするとは思わなかったんだ! ビックリしすぎて転ぶとは思わなかったんだ! 転んだ拍子にアスファルトにしこたま頭をぶつけるとは思わなかったんだ! 頭をぶつけたくらいで……死ぬとは思わなかったんだ! たのむから呪わないで……成仏してくれよ! 救急車も呼ばずに逃げたのも謝る! 自首するから! 許してくれえ!!」


マルぼん「おいおい、ヒロシが死んだって、なんの冗談さ。現にヒロシはここに」


 マルぼんの横に立っていたはずのヒロシは、いつの間にか姿を消していました。家に帰ると、町内の救急病院から「すぐに来て欲しい」という電話がありました。


日記 | 14:32:19 | Trackback(0) | Comments(0)
熟す。あの子が熟すっ
ヒロシ「今夜の夕食はカレーライス。僕、カレーって大好きなんだ。もぐもぐもぐ。ああ美味しい。もぐもぐもぐ。ああでも、悲しくなってしまう」


マルぼん「なんで好物を食べているのに悲しくなるんだい」


ヒロシ「ほら、もうすぐカレーがもうすぐなくなってしまうだろう。なくなってしまったら、明日はカレーを食べられない。作って2日目のカレーは熟してさらに美味しくなるというのに、食べられなくなってしまう。それが悲しいんだ。おーいおいおいおいおい」


マルぼん「やれやれ。涙もろい子猫ちゃんだこと。涙をお拭き。この粉をカレーにまぶすといい。『熟念離根』という木の根を煎じて作った粉で、こいつをまぶしたものは、どんなものでも熟してしまうんだ」


ヒロシ「わぁ。カレーが2日目の味になったよー。この粉を使ったら、いつでも熟したカレーが食べられるね」


ママさん「たいへんよ。パパが小豆相場で大失敗して多額の借金ができちゃったわ」


ヒロシ「それはたいへん!」


ママさん「でも、お金を借りた消費者金融が、社長の誕生日にお金を返済したら、ちょっとまけてくれるんだって。その誕生日はもうすぐなの」


ヒロシ「へー」


ママさん「ヒロシの入っている生命保険の会社、創業ン十年とかで『どんな不審な死に方でも調査なしで保険金を全てあげちゃうキャンペーン』を実施中なんだって」


ヒロシ「……」


ママさん「微笑町の家庭裁判所、離婚夫婦10万組達成突破記念とかで『失踪者、速攻で死亡認定キャンペーン』を実施中なんだって」


ヒロシ「……」


ママさん「ご近所の皆さん、ちょうど揃ってお出かけ中で、今この辺り、誰もいないんだって」


ヒロシ「……」


ママさん「あと、今、お付き合いしている人が、『ガキさえいなけりゃ、お前サイコーなんだけどな』って言ってるんだ」


ヒロシ「……」


 ママさんが、胸元から出刃包丁を取り出しました。マルぼんは機まで熟してくれた『熟念離根』の粉の効果は絶大だと思いました。


日記 | 13:31:31 | Trackback(0) | Comments(0)
ヒロシ、夢のまた夢
マルぼん「今年は食の安全神話がもろくも崩れ去ったね」


ヒロシ「そうなの?」


マルぼん「『そうなの?』って、新聞とかで散々騒がれているだろうに。産地偽装とか、そういうのが」


ヒロシ「僕はね、新聞は4コマ漫画とテレビ欄と人生相談と週刊誌の広告しか読まない主義なの。
仮に読んでいたとしても、身近でそういうことが起こったわけでもないし、なんか別の世界の出来事のように遠く感じちゃうんだ。まてよ、ひょっとしたら、僕は本当に別の世界の住人なのかもしれないぞ。本当の僕は、どこか素晴らしい世界で勇者として称えられ、幼馴染やらお姫様に好かれていて・・・・・・きっとそうだ!、僕は勇者。勇者なんだ。今いる世界は全て夢。悪夢! 夢でござる夢でござる夢でござーる!!」


 このままでは、ヒロシが夢と現実の狭間をさ迷う旅人になってしまうので、マルぼんはなんとかしようと思いました。


マルぼん「『実体験セロテープ』~」


 マルぼんは、今朝の新聞から『食品の産地偽装発覚』の記事を切り抜くと、『実体験セロテープ』を使ってヒロシの背中にぺたりと貼り付けました。


マルぼん「『実体験セロテープ』で紙を貼り付けられた人は、その紙に書かれていることを実体験することになるんだ。たとえば『空を飛ぶ』と書かれた紙を貼られた人は、空を飛ぶ羽目になる。食品の産地偽装発覚の切抜きを貼ったから、キミは食品の産地偽装発覚を実体験することになるだろう」


ヒロシ「実体験といってもなぁ」


 と、その時。寝室から絹を裂くようなママさんの悲鳴。マルぼんたちが急いで駆けつけてみると、パパさんが鈍器のようなものをママさんに振りかざしているところでした。


マルぼん「やめなさい。こんな女、殺す価値もない」


パパさん「だって、だって! この女は嘘をついていたんだ。俺以外にも付き合っている男がいたんだよっ。ヒロシはそいつの子供で、俺の血なんて引いていなかったんだっ。殺してやる。
殺して埋めて掘り起こしてまた殺して埋めて掘り起こして殺して埋めてむすんでひらいてそーのーてーをむーねーにー」


マルぼん「なるほど。『食品の産地偽装発覚』の記事を貼ったから、ヒロシの産地の偽装が発覚したんだ」


ヒロシ「たしかに産地の偽装は発覚したけど、僕は食品じゃないよ」


マルぼん「……」


ヒロシ「マルぼん?」


マルぼん「今まで黙っていたんだけど、実はマルぼんの好物、人間の子供なの」


ヒロシ「さ、さわるな、来るな。わ、わ、わ、ひょえー!!」


マルぼん「もぉガマンできなーい」


 ぱくぱくむしゃむしゃ。


マルぼん「うまいっ!!」テーテッテレー


 マルぼんは『実体験セロテープ』の効果は絶大だと思いました。



日記 | 18:39:35 | Trackback(0) | Comments(0)
土産話に花は咲かない
 しばらくの間、行方をくらましていたママさんがついに、ついに帰宅。(家庭放置期間、約3か月)


ママさん「実は、隣町に出来た『世界まんじゅう墓場』へ行ってたの」


マルぼん「『世界まんじゅう墓場』といえば、世界中のまんじゅうが集う食のテーマパークじゃないですか」


ヒロシ「たしか、ワッフルがお土産として人気なんだよね。もちろん、買ってきてくれたんだよね?」


ママさん「……」


マルぼん「買ってきてないご様子」


ママさん「いや、その、いや、あの。やはりねえ、思い出が一番のお土産だと思って。忘れていたわけじゃないのよ。おほほほほほ」


ヒロシ「思い出なんか受け取りようがないじゃないか! 僕はね、物欲を満たすために生きているんだよ。そんな僕に、思い出でお土産だなんてひどいや。あんまりだ。爆発しろっ」


マルぼん「あ、受け取れるよ。思い出。ママさん、この手袋をはめて、ヒロシの頭を触ってくれません?」


ママさん「こう?」


 ママさん、手袋をはめた手でヒロシの頭を触ります。


マルぼん「その手袋は、自分の思い出をそっくりそのまま、他人にあげることができる手袋なんです。貰った思い出は、くれた人と同じ視点でそっくりそのまま楽しむことができます」


 たとえば、美味しいものを食べていたらその味を、温泉に入っていたらその気持ちのよさを、そっくりそのまま楽しめます。


ヒロシ「思い出もらったけど、別になんともないよ」


 マルぼんは懐から鈍器のようなものを取り出して、ヒロシを殴り倒しました。「きゅう」とか言いながら気絶するヒロシ。頭から血しぶきが。まるで噴水。きれーい。ちょうきれーい。


マルぼん「もらった思い出は、寝ているときに夢として再生され、楽しめるのです」


ヒロシ「う~ん、むにゃにゃ。まんじゅうウメェ。むにゃむにゃ」


マルぼん「思い出が夢として再生されはじめたみたいですよ」


ママさん「これで旅行に行っても『お土産は思い出です』とか言って乗り切れるから、無駄金を使わずにすむわ。ありがとう、マルちゃん」


マルぼん「うへへ、それほどでも。ところでママさん、旅行は1人で?」


ママさん「ううん。ネットで知り合った、夫以外の男性と2人で。そりゃもう。桃色極まる旅行でしたとも。げへへへ。彼ってば強引だけど、そこがまたよくて。げへへへ」


ヒロシ「うう、むにゃむにゃ。な、なんだオマエ。くるな、こっちにくるなよ。触るな、おい。やめ、ちょ、ちょ……やめ、い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁ! そんなの入らないー」


 マルぼんは『思い出をそっくりそのまま、他人にあげることができる手袋』の効果は絶大だと思いました。


日記 | 18:16:19 | Trackback(0) | Comments(0)
「マルぼんと暮らす」は、父と子の絆を応援します。まかせろ! まかせるんだ!
パパさん「やぁ、マルぼん」


マルぼん「あらパパさん。夜、近くの小学校に侵入して無言のまま鉄棒を8時間握り続けているところを発見されて逮捕され、『ほら、子供たちの手のぬくもりが鉄棒にまだ残っている。あったけえ、あったけえよ』と供述したパパさんじゃないですか」


パパさん「実は相談があるんだ。ヒロシくんのことなんだけど」


マルぼん「まだパパさんのことを『お父さん』と呼んでもらえないんですか。仕方ないですよ。あいつはまだ、パパさんのことを父親と認めていないから」


パパさん「私はね、親子3人が川の字になって寝ることができる。そんな家庭を夢見ているんだ。そのためにもなんとか、なんとかヒロシくんに認めてもらいたいんだ」


マルぼん「それはご自分の努力でなんとかしていただきたい。でもまぁ、川の字になって寝るってのは可能ですよ。ここに『書いたことが現実になるノート』があります。これに『親子3人で川の字になって寝たい』と書けばいい。なんならマルぼんが書いておいてあげましょうか」


パパさん「マルぼん、川という漢字知っているの?」


マルぼん「む。失敬な。それくらい知っていますよ」


パパさん「はははは。ならお願いするよ。今から寝るから、それじゃあ、よろしく」


 パパさんは笑いながら部屋から出て行ってしまいました。


マルぼん「ったく、人を馬鹿にして。まぁ、いい。さっさと書いちまおう」


 マルぼんは、「書いたことが現実になるノート」に『大沼親子が3人で川の字になって寝る』と書いたのですが


マルぼん「あ、待てよ。マルぼんを小ばかにしていたパパさんに、少しは学があることを教えてやらにゃならんな。もっと難しい漢字も書けることを教えてやろう」


 マルぼんは『川』の部分を消して、『河』と書き直しました。


マルぼん「『大沼親子が3人で河の字になって寝る』、と。マルぼん、すごくお利口ー」


 と、その時。寝室のほうから悲鳴が。マルぼんが急いで駆けつけてみると、寝室には『河』の字になって永遠に寝ている大沼親子の姿。ああ、人間の体は、あんなところも曲げようと思ったら曲げられるのか。曲がってしまうのか。


日記 | 18:23:12 | Trackback(0) | Comments(0)
この子あり、この親あり
 マルぼんが帰宅すると、家にたくさんの男たちがいました。その男たち、なんだか口論しまくっております。


マルぼん「なにやら見知った顔もいるなぁ」


ヒロシ「そりゃそうさ。歴代のお父さんが勢ぞろいしているんだ」


マルぼん「あ、なるほど」


 『マルぼんと暮らす』では「フリー・ダーリン・システム(略してフリンシステム)」を採用しており、毎回、ママさんの夫が変わります。そのため、ヒロシには複数のお父さんいるです。
お父さんの職業も多種多様です。会社員、公務員、医者、宮大工、ゲタ職人、左官屋、大臣、総書記、小説家、漫画家、殺し屋、タレント、テレビ関係者、旅館経営者、宗教関係者、墓守、銀行員、ラーメンオタク、戦争請負人、灯台守、プロレスラー、無職、自称芸術家、福祉施設職員、カレー大好き人間、戦士、メイド、自由人、風、あまんと、夢追い人、夢旅人、愛たずね人、電柱、犬、猫ちゃん、蟲、石、ドロ、砂……。そんな多種多様なパパさんどもがなぜか一同に会しているのです。


マルぼん「いったいぜんたいどうして」


ヒロシ「ほら、この前、僕がちょっとしでかしたじゃない」


マルぼん「ああ。多数の死傷者をだした、歴史に残るあの事件」


ヒロシ「あれの責任をおしつけあっているんだよ。『ヒロシが、あんな事件を起こす人間に成長したのは、育ての親であるおまえらが悪いんだ』『いや、産みの親であるあんたが悪いんだ。ヒロシは生まれついてのそういう人間なんだ』って」


マルぼん「すると、ほかの人たちに問い詰められているのが、ヒロシの実父さんか」


パパさんA「おお、マルぼんじゃないか」


マルぼん「あ、どうも」


 マルぼんに話しかけてきたのは、見知った顔のパパさん。


パパさんA「ちょうどいいや、ちょっとお願いがあるんだ。ヒロシの実父のやつ、俺らに責任転嫁しようとしているんだ。口がたつから、俺らが劣勢なんだよ」


 未来の世界では、とんでもないことをしでかした人が出た場合、『そんなことをしでかしたヤツを、この世に産み出したやつが悪い』という考えが一般的。子供が罪を犯した場合、親が罰を受けるという法律もあります。罰から逃れんとする者も多く、そういった人への対策のために作られた機密道具がありました。


マルぼん「『コドモノインガガオヤニム杭』。この杭にはボタンがついていて、ボタンを押した人がもし罪を犯していた場合、その人を産み出した人が罰を受けることになります。その罰は、例外なく死刑。産み出した人が海外にいようが地球外にいようが異世界にいようが、罰から逃れることはできない。いきなり死ぬんだ」


ヒロシ「それくらい当然だね」


 マルぼんは、ヒロシをだまくらかして「コドモノインガガオヤニム杭」のボタンを押させました。これで、ヒロシを産みだした者は死ぬっ。


パパさんA「たいへんだ。怒り狂ったやつが、ヒロシの実父を撲殺してしまったぞっ」


ヒロシ「ボタンを押す前に死んだみたいだよ。その場合、どうなるんだよ」


マルぼん「その場合、さかのぼっていくんだ。ヒロシを誕生させたものを、誕生させたもの。つまりは君のおじいさんとおばあさんが死ぬ」


ヒロシ「僕の祖父母は、全員故人だけど」


マルぼん「その場合は、君の曾祖父とかが」


ヒロシ「それも死んでる」


マルぼん「曾祖父の親は?」


ヒロシ「死んでる」


マルぼん「その親」


ヒロシ「死んでる。いったいどうなるの」


マルぼん「どんどんさかのぼる、さかのぼってさかのぼって……」


 甚だ突然ではありますが、地球は爆発しました。ようするに、地球は全ての命の産みの親という話でして、「みんな! 地球を大切にね! 僕らの宇宙船地球号」ということです。めでたしめでたし。


 


 

日記 | 18:31:28 | Trackback(0) | Comments(0)