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大沼ヒロシ

Author:大沼ヒロシ
大沼ヒロシと申します。ブログはじめたての初心者です。どうぞよろしく。

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「男の子なんてイチコロよ」の巻
ニュース『20××年には、人類が絶滅するそうです』


ヒロシ「うへ、うへへへ…おしまいだ、地球はおしまいだ…うへ、うへへへ(号泣)」


ニュース『20××年には、日本の人口は一億人をきるそうです』


ヒロシ「うへ、うへへへ…おしまいだ、地球はおしまいだ…うへ、うへへへ(号泣)」


ニュース『20××年には、俺がおまえでおまえが俺なのだそうです』


ヒロシ「うへ、うへへへ…おしまいだ、地球はおしまいだ…うへ、うへへへ(号泣)」


マルぼん「しかしまぁ、きみは些細なことですぐ泣くね」


ヒロシ「泣くのは僕の、最大の特技だからね。人望がなかった人の葬式や通夜に行っては、泣きまくって悲しんでいる人を装い、報酬を貰ったものさ」


マルぼん「どうせなら、もっと簡単にその特技を生かさない?」


ヒロシ「と、いいますと」


マルぼん「『真珠の涙目薬』。この目薬をさすとね、流した涙が全て真珠になるの」


 欲望に目を輝かせたヒロシは、さっそく『真珠の涙目薬』を目にさしました。で、愛読書の『かわいそうな象』を取り出し……


ヒロシ「ああ! 本当に涙が真珠になった!」


 ヒロシの涙が真珠になりました。


ヒロシ「でも、なんか小粒の真珠だね」


マルぼん「目薬の量を増やせば、大粒になるよ」


 ヒロシは何度も目薬をさします。


マルぼん「あ! そんなにさしたら、薬の効果が全身にまわってしまうよ!」


ヒロシ「全身にまわったら、どうなるのって、ああ!」


 ヒロシが驚くのも無理はありません。鼻から真珠が零れ落ちたのです。


マルぼん「涙以外の体液やらなんやらも真珠になってしまったんだ。汗とかも真珠になってでてくるぞ」


ヒロシ「むしろいいことじゃないか。これで大金持ちだよ.……ちょっとトイレに行ってくるよ」


 しばらくすると、トイレからヒロシの悲鳴が聞こえました。尋常じゃないレベルの苦痛に襲われたと思われる、悲鳴。マルぼんは、涙以外の体液やらなんやらも真珠に変えてしまう『真珠の涙目薬』の効果は絶大だと思いました。

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日記 | 21:16:35 | Trackback(0) | Comments(0)
「彼が法律よ!」の巻
ナウマン象「ういー酒うめー」


ナウマン象ママン「ナウマン象! あんた、毎日毎日パチンコor 酒! 遊んでばかり遊んでばかり! 少しは勉強でもしたらどうなん! もしくは定職に就く!」


ナウマン象「うぜえ。毎日毎日あきもせず『勉強しろ勉強しろ定職に就け』。これじゃ俺、勉強しすぎで死んでしまうよ! あー勉強なんてこの世からなくなればいいのに。勉強するヤツも死刑とか、処刑後は遺族に無許可で遺体があやしげな展覧会に出品されて世界中をまわるとか、そんな法律があればいいのに。……そうだ! マル公、『勉強したら死刑』という法律が作れる機密道具だせ!」


マルぼん「ええー!?」


ナウマン象「町中を絶えず政府の手のものが監視していて、勉強をしているヤツを見つけ次第射殺するとか、そんな法律がいい。おい、承知しないと殺すぞ!」


 ナウマン象に脅されたマルぼんは、国のえらい人たちを機密道具で洗脳して『勉強したら死刑』という法律を作りました。町中には、「勉強しているやつを見つけたら即射殺員(公務員)」が配備されました。早速、隣の浪人生の家から銃声。効果はばつぐんだ!


ナウマン象「がははは。頭のイイヤツは死刑! 勉強するヤツも死刑! すなわち、勉強嫌いな俺様のパラダイス!」


 パラダイスを満喫すべく、さっそくいつものパチンコ屋へ向かうナウマン象。


ナウマン象「うは。出る出る! 大あたりや!」


 しかし大勝ちも長くは続かず、その後はずっと負け続け、ナウマン象は結局とほほほ。


ナウマン象「ちくしょう。あの時やめておけばなぁ。やはり人間、引き際が肝心だ」


 大負けはしたけれど、大事なことを学んだナウマン象。直後、響く銃声。人生、いつどこでどんな勉強をしてしまうかわかりませんね。

日記 | 19:24:20 | Trackback(0) | Comments(0)
「雨」の巻
パパさん「ひそひそ」


ママさん「ひそひそ」


ヒロシ「ただいまー。あ、おとうさまおかあさま、いったいなにを話しているのー」


パパさん「え、あ、なんでもないよ?」


ママさん「そうそう、なんでもないなんでもない。あわてないあわてない」


ヒロシ「気になるなぁ。なんぞ、僕に隠し事をしているのではなかろうか」


マルぼん「そう来るだろうと思って、一部始終を録音できる盗聴器を仕掛けておいたよ。さっそく録音テープを聴いてみよう。以下、録音」


パパさん「まったくヒロシときたら…雨は全てを洗い流してくれる。哀しみも。涙も。


ママさん「ほんとロクでもないんだから。いっそのこと雨は全てを洗い流してくれる。辛さも。汗も


パパさん「そう思って昨日、裏ルートで雨は僕を見守って、雨は僕らを助けてくれるを買ってきたよ」


ママさん「さっそく今日の夕食に混入して、ヒロシを雨は僕らのおとうさん。雨は僕らのおかあさんしましょう」


パパさん「きちんと保険金を雨は僕らのおじいさん。雨は僕らのおばあさん


ヒロシ「会話の途中に、珍妙な詩が入って、肝心なところが聞こえない!?」


マルぼん「あ、これ、『一部始終を録音できる盗聴器』でなくて『一部、詩集が録音される盗聴器』だった」


ヒロシ「もう、マルぼんてばードジなんだからー」


マルぼん「あはははは」


ママさん「ごはんよー」


日記 | 21:17:26 | Trackback(0) | Comments(0)
「パパさん、金がほしい」の巻
パパさん「いそいそ。こそこそ」


マルぼん「パパさん…それ、消費者金融のチラシじゃないですか! なんで家族を破滅の追い込むマネをするんです!」


パパさん「きょ…きょうは結婚記念日で、ママと飯を食いに行くんだよ! でも、俺、先だつものがないだろ…だから借りてこようと…」


マルぼん「それならマルぼんに言ってください! ほら、昨日、みらいのせかいのリサイクルショップで買ってきてた『打ち出のハンマー』。欲しい物の名前を叫びつつこいつを振れば、一回だけ、望むものが出てくるんです。こいつを振って、先だつものを出してください」


パパさん「これはすばらしい機密道具だね!」


ママさん「あなたーそろそろ行きましょー」


パパさん「ちょっと待って。さっそく『打ち出のハンマー』を振るから。よし、『先だつもの』!」


『打ち出のハンマー』を振るパパさん。ハンマーが一瞬光り、先だつもの…ではなく、パパさんが外国人風の女性と戯れている(裸で)写真がたくさんでてきました。


パパさん「ああ!?」


ママさん「あなた、死にましょう。ねえ、死にましょう」


 懐から取り出した硫酸入りの小瓶を片手に、パパさんに迫るママさん。


 パパさんは『先だつもの』と言おうとして『殺気立つもの』と言ってしまったのでした。バイバイパパさん。あちらでも元気でね。ヒロシの教育は、次のパパさんに期待するね。



日記 | 20:51:52 | Trackback(0) | Comments(0)
「立ち話好きの立花氏が語るヒロシは二十歳でタチ」の巻
 大沼宅の前が、主婦の社交場と化しました。近所の主婦の皆様方が、立ち話に次ぐ立ち話。他人の会話=自分の悪口と思ってしまうヒロシ、これはたまらない。


ヒロシ「悪口は止めろ。悪口は止めろ。悪口は止めろ。悪口は止めろ。悪口は止めろ。悪口は止めろ。」


マルぼん「こりゃいかん。立ち話をなんとかする道具を用意するよ」


 しかし。道具を用意する間もなく、ヒロシは凶器を持って主婦たちのところへ。しかし、たまたま主婦の1人が銃で武装していたので、反撃されて死亡。享年二十歳。現場検証で、国家権力の皆さんに事情を説明する主婦たち。代表格の、立花氏の奥さんが、国家権力と話しています。


国家権力「で、相手はどんな凶器で武装していたのです」


主婦「あれは日本刀でした! 刀身は1メートルあるかどうかってところでした!」


 凶器について語り合う一同。これがホントの太刀話。
 

 

日記 | 16:21:30 | Trackback(0) | Comments(0)
「飛翔かリターンズ」の巻
パパさん「仕事辞めてきた!」


ヒロシ「だからこんな人が父親になるのはいやだったんだ!」


マルぼん「仕事を辞めて、なにをなさるおつもりで?」


パパさん「良くぞ聞いてくれました! 会社をつくる! シャッチョさんになって、うはうはだ、うはうは!」


マルぼん「して、その会社の目標は?」


パパさん「そうだな『つぶれない』が目標だ」


マルぼん「へちょい目標だなーもうすこし、『会社を飛躍させる』くらいの目標をたてたらいかがです?」


パパさん「この不景気。『会社をつぶさない』という目標がどれだけ大変かわからんか。それに、おれは石橋を叩いて渡る性格なんだ」


ヒロシ「もうちょっと、望みは高く果てしなくわからんちんどもとっちめちんな父親が欲しかっただす」


マルぼん「『飛躍する秘薬』。この秘薬を飲めば、気分が高揚し、『俺はやる。俺という名の翼を広げ、世間という名の空を縦横無尽に飛び回る』という気持ちになって、飛躍を目指すようになる」


 マルぼんとヒロシは、いやがるパパさんに『飛躍する秘薬』を飲ませました。


ヒロシ「どう?」


パパさん「私の会社は人類の平和のために戦う組織とします。社会に巣食うブタどもを殺して殺して殺しまくる予定です。がんばります! まずは、いつも『テレビの音がうるせえ』と言ってくる、隣の家のブタ一家におそいかかります。おそいかかります!」


 話まで飛躍させてしまう『飛躍する秘薬』の効果は絶大だとマルぼんは思いましたが、刃物片手に家を飛び出すパパさんを止めるのに必死だったので、口にはしませんでした。


日記 | 09:18:22 | Trackback(0) | Comments(0)
「尊師の兵法、ヘイヘイホー」の巻
 マルぼんとヒロシが町を歩いていると、ひげ面で半裸の男が座禅を組んだまま宙に浮いていました。「キャー、カリスマよ!」「奇跡の人だわ!」道行く人々が、半裸男を見て黄色い声をあげます。


半裸男「こんな感じで空を飛べます。あと、病気とかも治せます」


民衆「キャー、現人神!」


ヒロシ「ああやって人智のおよぶところではないことができるようになれば、一人前のカリスマだね」


ルナちゃん「キャー! 現人神ーこっち向いてー! あ、今、私のほうを見たわ! 絶対私のことを見たんだから!」


マルぼん「あれ、某宗教の熱狂的な信者であるルナちゃんまで、半裸男に黄色い声を……」


尊師「はう~」


ヒロシ「ルナちゃんの信仰していた宗教の指導者さん(以下、『尊師』と呼びます)じゃないですか。そんな道の端っこでなにを泣いておられます」


尊師「うううう」


 尊師は、涙ながらに事情をマルぼんたちに話してくれました。なんでも、宙を舞うという人智のおよぶところではないことをした半裸男に、信者の大半を取られてしまったらしいのです。最近では、毎月開かれる説法会にも、誰ひとり来ないとか。人は神秘的な現象に魅せられます。100回の説法よりも1回の奇跡のほうが、人々の心をより強くつかんでしまうのです。


マルぼん「尊師もなんぞ人智のおよぶところではないことを起こしたらどうです。半裸男よりもすごいこと、できないんですか」


尊師「うううう。元々しがないサラリーマンだった私には、人智のおよぶところではないことなんてとてもとても……せいぜい、喉を軽く叩いて声をかえ『ワレワレハウチュウジンダ』と言う位しか」


ヒロシ「宴会芸以下やないですか」


尊師「私だって努力したんだ。『奇跡が起こせないなら……!』と、この某人気アニメヒロインのフィギュアをご本尊にして、オタクを釣ろうとしたり」


マルぼん「多方面に失礼ですよ、それ」


 某人気アニメヒロインのフィギュアを持ったままうなだれる尊師。


尊師「このままじゃ、我が教えは廃れる一方だ! なんでもいいから人智のおよぶところではないことを起こしたい!」


マルぼん「う~ん、なんとか尊師の宴会芸以下の技を人智のおよぶところではないことに仕立て上げられればいいんだけど」


ヒロシ「あ、そうだ。逆転の発想だよ。人々をみんなバカにすればいいんだ。簡単なことも理解できない程度のバカに。そうすれば、尊師の宴会芸以下の技もみんな理解できなくなるから、人智のおよぶところではないことになるんじゃないかな。なんてね」


マルぼん「それだ! さっそく、この『全人類発狂ウイルス散布装置』を起動しよう」


ヒロシ「わー、冗談だよ、よせ。よせ! 止めろ!」


マルぼん「ちっ。でも、まぁ、キミの発言で色々閃いたよ。尊師、行きませう」


尊師「ほえ?」


 「ほえ?」なんて気味の悪いことを口走る尊師(56歳。男性)をつれて、どこかへ去っていくマルぼん。ヒロシのところに戻ってきたときは1人でした。


ヒロシ「あれ、尊師は」


マルぼん「タイムマシンで、太古の昔……人類がまだ全裸で石器を振り回してウホウホ言っていた頃に連れて行って、そのまま置いてきた。あの時代の人なら、尊師の宴会芸以下の技も理解できないだろうし、みんな信者に……」


ヒロシ「えらいことしでかしたな、貴様!」


 と、その時、電器屋の店先に置かれていたテレビから、臨時ニュースを伝える声がしました。


ニュース『太古の昔……人類がまだ全裸で器を振り回してウホウホ言っていた頃
のものと思われる地層から、たくさんの石器とか骨とかと一緒に某人気アニメヒロインのフィギュアが発見されました。なぜ、そんな昔に某人気アニメヒロインのフィギュアがあったのかは謎また謎で、学会は上へ下への大騒ぎです』


マルぼん「そういや、尊師、あのフィギュアを手にもったままだったな。置いていくときも」


 その後、『なぜか太古の昔に存在した某人気アニメヒロインのフィギュア』という人智を超えた存在は、瞬く間にたくさんの人々の心をつかみました。尊師も本望だと思います。

日記 | 17:49:17 | Trackback(0) | Comments(0)
「エロゲ原先輩の甘い誘惑」の巻
エロゲ原先輩「ギャルゲーの公式サイトから壁紙を落として、パソコンのデスクトップの背景にしてみた」


ヒロシ「うらやましいなぁ。僕もお気に入りのキャラクターの壁紙でデスクトップを桃色でそめたいや」


マルぼん「ちょっと努力すれば、すぐにかなう夢だろ。がんばりな」


ヒロシ「そんじょそこらでは見られない、レアな壁紙が欲しいよう。ステキな背景にしたいよう」


マルぼん「仕方ないなぁ。たしか、みらいのギャルゲーのミニゲームでゲットできる壁紙がある。これを背景に」


ママさん「ヒロくん」


ヒロシ「あ、母上」


ママさん「ママは今日から、魔法少女よ。これからは、勉強しないと、魔法の力で貴様を蛆虫にしちゃうから! カエルにしちゃうから! 鯖にしちゃうから! 空からオタマジャクシを降らしちゃうから!」


ヒロシ「は、母上…?」


パパさん「ヒロシ」


ヒロシ「父上」


メスゴリラ「うほうほ」


パパさん「父さんは、このメスゴリラを愛してしまったんだ。これから、このゴリラを母と呼ぶように。母と慕うように。甘えるように。ちなみにそこの自称魔法少女とは別れたからな」


メスゴリラ「ウホーン」


ヒロシ「こ、こんなの家族じゃない」


 数年後。某裁判所。


弁護人「被告人・大沼ヒロシの背景には、このように悲惨な少年時代がありました。大沼被告が、今回のような犯罪を犯すまでに至ったのは、この背景が…悲惨な少年時代が与えた影響が大きく…」


 ヒロシの人生にまでステキな背景をもたらしてくれた、『みらいのギャルゲーのミニゲームでゲットできる壁紙』の効果は絶大だと思いました。

日記 | 17:30:33 | Trackback(0) | Comments(0)
「徹底的に手足っ」の巻
 微笑町では悪い風邪が大流行しています。だというのに、ヒロシといえば「主役の僕が死ぬかよ!」と、外から帰ってきても手すら洗いません。


 そこでマルぼんは、機密道具『手を洗王』を用意しました。



『手を洗王』は、パーに広げた両手を高々とあげている愛らしい少女の人形なのです。スイッチを押すと、これまたかわいらしい声で『手を洗おー手を洗おー』と叫び続けます。叫び続けることで、手を洗うことを頑なに拒否する者の心を、いつか必ず変えることができる道具なのです!


『手を洗王』ならば、きっとヒロシを洗脳…改心させることができるでしょう。


 マルぼんは、眠っているヒロシの枕元に『手を洗王』をセットしました。


ヒロシ「うーんむにゃむにゃ」


手を洗王「手を洗おー手を洗おー」


ヒロシ「うーんむにゃむにゃ」


手を洗王「手を洗おー手を洗おー」


ヒロシ「うーんむにゃむにゃ」


手を洗王「手を洗おー手を洗おー」


ヒロシ「うーんむにゃむにゃ」


手を洗王「手を洗おー手を洗おー」


ヒロシ「うーんむにゃむにゃ」


手を洗王「手を洗おー手を洗おー」


ヒロシ「うーんむにゃむにゃ」


手を洗王「手を洗おー手を洗おー」


ヒロシ「うーんむにゃむにゃ」


手を洗王「手を洗おー手を洗おー」


ヒロシ「うーんむにゃむにゃ」


手を洗王「手を洗おー手を洗おー」


ヒロシ「うーんむにゃむにゃ」


 8時間後、ヒロシの表情がこわばってきました。洗脳…ではなくて改心していることでしょう。


ヒロシ「…」


 ようやく目覚めたヒロシ。枕元にある『手を洗王』を見て


ヒロシ「この悪魔の人形め!」



『手を洗王』に一撃を加えてしまったのです! ぐしゃ、っと潰れて肉塊と化す『手を洗王』。「おかあさーん!!」という断末魔の声が、マルぼんの耳から離れません。『手を洗王』は人形ですが、人間とおんなじ素材でできていて、内蔵もあれば血も流れているのです。恋もすれば、友達もいる。飯も食えば、アレもして、呼吸だってしているし、戸籍もあるし、家族もいるのです。生活があるのです。夢だってあるのです。それをヒロシときたら!!


ヒロシ「あ…血が」


『手を洗王』の血で真っ赤に染まった己の手をみて、洗面所に向かうヒロシ。水道で、ジャブジャブと手を洗いはじめるヒロシ。


ヒロシ「とれない…血が取れない!」


 血は、とっくに取れています。それでもヒロシは、「血が取れない」「血が取れない」と手を洗い続けていました。ジャブジャブと。洗い続けていました。ジャブジャブ。ジャブジャブ。マルぼんは『手を洗王』の効果は絶大だと思いました。

日記 | 16:44:06 | Trackback(0) | Comments(0)
「逝去させるといわれた日」の巻
ヒロシ「マルぼん。人を殺しても罪にならない機密道具だして」


マルぼん「統計をとってみたら、君がマルぼんに要求した機密道具で一番多いのは、人の生き死にに関係するものが大多数。どうかと思う」


ヒロシ「でも、殺らなきゃ殺られるんだ! ナウマン象が僕を殺そうとしているんだ!」


マルぼん「へえ。『おまえを死なす』とか言われたの。いやな世の中~」


ヒロシ「ひ…ひひ…死にたく…死にたくない……ひひひ」


マルぼん「落ち着いて。壁に頭を打ち付けるのをやめて。さぁ、餅つきセットで餅を作って落ち着くんだ」


ヒロシ「ふざけんな、殺すぞマル公!!」


マルぼん「騙されたと思って、餅をつけ、餅を!!」


ヒロシ「うう。餅を作るよう…」


ぺったんこぺったんこぺったんこ……


ナウマン象「殺しにきたぜ」


ヒロシ「ひぃ」


ナウマン象「死ねよ。この拳銃でな」


ばきゅーん


ヒロシ「ひ…え、撃たれてない…」


ナウマン象「俺が殺したのは…お前の弱い心さ。じゃあな」


マルぼん「この餅つきセットは機密道具なんだ。こいつで餅を作ると、あらゆる事柄に『オチ』がつく。名づけて『オチつきセット』」


ヒロシ「うへー最高の機密道具!」


ママさん「…ヒロくん」


パパさん「そろそろ行くぞ…」


ヒロシ「そうだ、今日は家族で出かける予定だったんだ」


マルぼん「今回はマルぼんも参加できるんだよね」


パパさん「乗って…車に」


ヒロシ「遊園地と遊園地へ行って、おいしいもの食べて、最後は富士山の近くに行くんだよね」


マルぼん「よくそんなお金あったね」


ママさん「……」


パパさん「……」


 さぁ、楽しい旅行のはじまりです。どんな素敵なオチがつくのやら!

日記 | 20:38:11 | Trackback(0) | Comments(0)
「備えあればうれしいな」の巻
ヒロシ「ひいふうみい…うう。クリスマスまで、まだまだ日にちがあるよ」


マルぼん「なんぞ素晴らしいプレゼントでもいただけるのかね」


ヒロシ「あのね、クリスマスはね、お母さんがね、コンビニ弁当ではない手作りの夕食を作ってくれるって。あったかくておいしいごはん。一年に一度だけ、ごはんを作ってくれるんだ!」


 マルぼん、涙が止まりませぬ。そんなわけで、早期のクリスマスを望むヒロシのために、機密道具をだしてあげることにしました。


マルぼん「『記念日前倒しシール』。このシールをカレンダーに貼れば、直近の祝祭日や記念日が前倒しになって、シールを貼った日がその祝祭日・記念日になるの」


ヒロシ「なるほど、一番近い記念日はクリスマスだから、クリスマスが今日になるんだね」


 ※12月23日は普通に祝日ですが、忘れてください。あれですよ、あれ。パラレルワールド。パラレルワールドな! 


 そんなわけで、ヒロシは『記念日前倒しシール』をカレンダーに貼りました。


ヒロシ「おう」


 そう呟くと、ヒロシは卒倒しました。


マルぼん「逝去している。なんでや?」


 軍の演習で飛行中だった戦闘機が大沼宅に墜落したのは翌日のことでした。


 マルぼんは命日まで前倒しにしてしまった『記念日前倒しシール』の効果は絶大だと思いました。

日記 | 20:13:58 | Trackback(0) | Comments(0)
「ぶつぶつ名物うまいものアリ」の巻
ヒロシ「連休を利用して、家族でクワトロ温泉へ行ってきたんだ。はい、お土産の『クワトロまんじゅう』」



ルナちゃん「いいな。クワトロ温泉ということは、名物の『シンタトクム鍋』を腹いっぱい食らってきたんでしょうね」


ヒロシ「は? シンタトクムナベ?」


ルナちゃん「え。シンタトクム鍋を知らないの? ということは、シンタトクム鍋を食べていないの? 信じられない!」


ヒロシ「えっと、えっと」


ルナちゃん「信じられない。信じられない。信じられなーい!」


ヒロシ「うええええん、マルぼん、その土地の名物を必ず食べることができる機密道具出してー!!」


マルぼん「仕方ないなぁ、ヒロシくんは。『名仏像』。この手のひらサイズの仏像を所持していたら、その土地の名物を必ず食べることができるんだ」


ヒロシ「わーい。さっそくだけど、わが微笑町の名物を食べてみたいなぁ」


マルぼん「微笑町は、昔は流刑地で、今はたんなる工業地帯だから、名物とかそんなのはないハズなんだが」


お兄ちゃん「きょー!!」


ヒロシ「わ!?」


 奇声をあげて部屋に飛び込んできた男が、突然、ヒロシの首を腕で絞め始めました。ヒロシは相手の腕を噛むなどして、必死で抵抗。絞める男と噛むヒロシ。


マルぼん「よく見たら、あの男、『お兄ちゃん』じゃないか」


『お兄ちゃん』は、平日の昼間から町をウロウロしている人です。たいていはぶつぶつとなにかを呟きながら歩いていて、常に裸足。たまにトランクス一丁です。ヒロシのクラスでは彼の『お兄ちゃん』の似顔絵と「この人要注意」と書かれたプリントが配布されたりしています。


 十年位前から同じ感じでウロウロしているので、もはや町の名物と化しています。そういえば、「地球はボクのおかあさんだから、この家もぼくのおかあさんなんだ」と言って、人の家に勝手に入り、トラブルを起こしていたという話を聞いたことがあります。絞めるお兄ちゃんと噛むヒロシ。絞めるお兄ちゃんと噛むヒロシ。絞めるお兄ちゃんと噛むヒロシ。ヒロシがお兄ちゃんの腕の一部を食いちぎったのと、お兄ちゃんがヒロシを逝去させたのは同時でした。司法解剖されたヒロシの異からは、食いちぎった腕の一部が見つかったそうです。


 マルぼんは、食べ物の名物がなければ、人間の名物を食べられるようにしてくれる『名仏像』の効果は絶大だと思いました。

日記 | 13:08:08 | Trackback(0) | Comments(0)
「ヒロシの100点」の巻
少年愛(担任)「よくやったな、大沼。100点だ。100点満点だ」


ヒロシ「マママママママジですか!? こ、この僕が。テストが近づくと発作的に手首にカミソリをあててしまうほどテスト嫌いな僕が…100点ー!!」


みんな「おめでとう!!」


ヒロシ「ありがとう。ありがとう!! 僕、100点とったよー!!」


ヒロシ「ありがとう。ありがとう!! 僕、100点とったよー!!」


ヒロシ「ありがとう。ありがとう!! 僕、100点とったよー!!」


ヒロシ「ありがとう。ありがとう!! 僕、100点とったよー!!」


ヒロシ「ありがとう。ありがとう!! 僕、100点とったよー!!」


ヒロシ「ありがとう。ありがとう!! 僕、100点とったよー!!」


ヒロシ「ありがとう。ありがとう!! 僕、100点とったよー!!」


ヒロシ「ありがとう。ありがとう!! 僕、100点とったよー!!」


ヒロシ「ありがとう。ありがとう!! 僕、100点とったよー!!」


ヒロシ「ありがとう。ありがとう!! 僕、100点とったよー!!」


ヒロシ「ありがとう。ありがとう!! 僕、100点とったよー!!」


ヒロシ「ありがとう。ありがとう!! 僕、100点とったよー!!」


ヒロシ「ありがとう。ありがとう!! 僕、100点とったよー!!」


ヒロシ「ありがとう。ありがとう!! 僕、100点とったよー!!」


ヒロシ「ありがとう。ありがとう!! 僕、100点とったよー!!」


ヒロシ「ありがとう。ありがとう!! 僕、100点とったよー!!」


ヒロシ「ありがとう。ありがとう!! 僕、100点とったよー!!」


ヒロシ「ありがとう。ありがとう!! 僕、100点とったよー!!」


ヒロシ「ありがとう。ありがとう!! 僕、100点とったよー!!」


ヒロシ「ありがとう。ありがとう!! 僕、100点とったよー!!」


ヒロシ「ありがとう。ありがとう!! 僕、100点とったよー!!」


ヒロシ「ありがとう。ありがとう!! 僕、100点とったよー!!」


ヒロシ「ありがとう。ありがとう!! 僕、100点とったよー!!」


ヒロシ「ありがとう。ありがとう!! 僕、100点とったよー!!」



ヒロシ「僕はね、100点をとったという事実をみんなに忘れて欲しくないんだ。末永く、できれば孫の代まで語り継いで欲しい」


ヒロシ「だから、口をひらけば『ありがとう。ありがとう!! 僕、100点とったよー!!』と言い続けていたんだ。その成果で、下校時間にはみんな空ろな目で『ヒロシハ…100点…トッタ…』とブツブツつぶやいてくれるようになったんだよ。すごい勢いで髪の毛とかかきむしりつつ]



ヒロシ「それが学校側連中、精神科医やカウンセラーを呼んで『できるだけ早くみんなの心のケアを』とか言って、僕の100点の件を忘れさそうとする」


ヒロシ「そんなの絶対ごめんだ。だからさ、みんなの心に『僕が100点をとった』という事実を刻み付けることのできる機密道具、出しておくれよそれこそみんな語尾が『ヒロシ100点』になるくらい刻み付けて欲しいんだよ。生まれた子供にヒロシ100点と命名するとか、そんなレベルで刻み付けて欲しいんだよ」


マルぼん「うーん。なら、こいつの出番だな。『脚ショック機』」


 『脚ショック機』。なんでもいいので、好きなものにこの機密道具でショックを与える。すると、ショックを与えられたものに関するちょっとしたエピソードがおきます。

 
マルぼん「この『脚ショック機』をキミの100点の答案に使い、エピソードを起こす。そのエピソードがドラマチックだったら、ちょっとした逸話になるだろ。逸話がみんなに広まれば、キミが100点をとったという事実も末永く語られると思うんだ」


 この機密道具を使って『最近不思議な言動の多い近所のおじさんの家のゴミ箱から発見された使用済みの注射器』が『飢餓で苦しむある国の子供たちを救った無敵のアイテム』に早変わりしたこともあります。マルぼんのこの意見に、ヒロシも大賛成。


ヒロシ「調整機能で、起こすエピソードの規模も選べるんだね。よし、こいつを僕の答案に使おう!!」


 さっそく『脚ショック機』を答案に使用するマルぼん。使用した瞬間、答案は窓から外へと飛んでいってしまいました。


ヒロシ「きっと、どこかで、みんなの心に残るような素敵なエピソードを生み出してくれるんだね。ああ、楽しみ!!」


 数週間後、微笑町にある廃工場で、町のカルト教団が集団自殺を図っているのが見つかりました。信者たちの遺体の口には、ヒロシの答案のコピーがグシャグシャにして詰め込まれていました。 ヒロシが警察に拘留されたりしたので、100点の答案は微笑町で末永く語られることになり、ヒロシの望みはかないました。その後、大沼家は苗字を変え、逃げるように微笑町を去りました。残された家は買い手がつかず、放置されています。


日記 | 17:13:21 | Trackback(0) | Comments(0)
「ヒロシと未来魔王の対決 6」の巻



 事切れた未来魔王に駆け寄る、部下のナグリコロスさん。


ナグリコロス「しっかりしてください! 魔王サマ! 未来魔王サマ!」


 未来魔王は反応しません。絶望に捕らわれ、泣き叫ぶナグリコロスさん


ナグリコロス「ま、魔王サマ……しっかり……ま…お、お父様!」


 なんと、ナグリコロスさんは、未来魔王の娘さんだったのです。僕は、泣きじゃくるナグリコロスさんに上着をかけ、事情を聞いてました。


ナグリコロス「お父様は不治の病で、余命わずかの状態だったんです。
それなのに無理をして今回の遠征の準備で働いたらから……寿命を縮めてしまったのでしょう。
私…私は……未来魔王の娘。でも、いわゆる妾の子供で……表向きは
部下の子供として育てられました」


 なにやら、しんみりした話になってきました。


ナグリコロス「でも…父は……私を他の子供と同じように扱ってくれました。
私はそんな父が大好きでした。そして父の誕生日、お小遣いを貯めて剣をプレゼントしたんです」


 ナグリコロスさんは、未来魔王の遺体が握りしめていたボロボロの剣に視線を送り、


ナグリコロス「ずっとずっと、その剣を大切にしていてくれて……うれしかった」


……


ナグリコロス「今回の遠征も、子供ころ、私が小さい頃『21世紀の地球欲しい』って言ったのを
父が覚えていてくれたからなんです。自分の命がわずかと悟った父は無理をして……」


 魔王といえど、親子の絆は深いのです。そしてその深さゆえ、魔王は自分の命を縮めることになってしまったのでした。


ナグリコロス「この剣は、思い出がたくさん詰まっている、私と父の絆の証なのです」


 良い話です。うん? 思い出?


マルぼん「あ。抽出しちゃったよ」


・抽出された思い出パワー→1500OP(飲酒運転の車が登校途中の小学生の列に突っ込んだのと同じくらいの殺傷能力)


『キャハ♪ エミちゃん』に蓄積された人の想いの力の累計10億OP(地球上の全生物が一瞬で溶ける程度の殺傷能力。『キャハ♪ エミちゃん』に蓄積することができる人の想いの力の容量オーバー)


 容量オーバー→『キャハ♪ エミちゃん』暴発


人類の歴史・完 (次の人類にご期待ください)


日記 | 19:17:27 | Trackback(0) | Comments(0)
「ヒロシと未来魔王の対決 5」の巻
 前回、前々回のようなことを執拗に繰り返した結果、『キャハ♪ エミちゃん』には、抽出できる限界ギリギリの人の想いの力が集まり、余裕で未来魔王の人生にピリオドをうてるほどの殺傷力が備わったようです。その数値、9億8500OP。


 よくよく考えたら、そこまで殺傷力が高まったら、地球環境もシャレにならない被害を被る(未来の世界でも生物の3分の2が死滅したらしいですし)ような気がしたんですが、マルぼんは目をそらしながら「限界突破して暴発しない限り大丈夫~」「犠牲になった人も、笑って許してくれる」「便利な道具でマルぼんとヒロシは助かるから」「自然は長い時間をかけて元に戻ることができる」とか言うだけで、僕の質問には答えてくれませんでした。


 そんなわけで「僕らの宇宙船地球号乗務員のみなさん、ごめんなさい。みなさんの分まで生きちゃいます」と、僕は、心のなかで地球上の生きとし生けるものに謝罪したりしていたのですが、唐突に空間が歪みだしたんです。


 そして、空間の歪みから出てくるコスプレみたいな衣装の少女!


少女「私は未来魔王が第一の部下、その名もナグリコロス! この時代は、未来魔王サマのものだ! さぁ、未来魔王サマ、いまこそ、そのお姿を!」


 ナグリコロスに続き、大きな影が歪みのなかから現われました。こいつ……こいつが未来魔王!


ドサッ


 未来魔王は、歪みから出てくるなり地面に倒れこみ、ピクリとも動かなくなってしまいました。


ナグリコロス「み、未来魔王サマ?」


 未来魔王は、息を引き取っていました。

日記 | 19:13:59 | Trackback(0) | Comments(0)
「ヒロシと未来魔王の対決 4」の巻
間近に迫った手術が怖くて仕方がない少年。


偶然にもその少年と知り合った、某球団の引退寸前の投手。


投手は少年に勇気を与えるため、次の試合での完全試合を約束し、そしてその約束を果たす。


その時のボールは、無事手術を終えた少年のと投手の「勇気の印」として、今も少年の宝物だそうだ。


・抽出されたこのボールの思い出パワー→320OP(三十路になっても働きもせず家に篭ってばかりの男が、晩飯が自分の気に入らないものだったことに腹をたて、
年老いた母親に食らわしたパンチと同じくらいの殺傷力)

・このボールを奪い取る時に僕が負った精神的ダメージ→下痢がとまらなくなる程度



綺麗な懐中時計を持つ夫と美しい髪をもつ妻。夫は妻の紙を整える櫛をプレゼントするため懐中時計を売り、
妻は夫の懐中時計に合う高価な金のチェーンを買うために自慢の髪を売ってしまう。


互いのプレゼントは無駄になってしまったけれど、それ以上にすばらしいものが、2人には残ったのだった。


その櫛とチェーン。


・抽出された思い出パワー→310OP(保険金欲しさに、妻が夫の食事に毎日少しづつ入れている農薬
と同じくらいの殺傷力)

・この櫛とチェーンを奪い取る時に僕が負った精神的ダメージ→「返せ!」という幻聴がきこえるように



病気で入院した子供に寄せられた、クラスメートの心のこもった寄せ書き。


・抽出された思い出パワー→270OP(自分の生徒がいじめられているのも知らずに、
その生徒に「おお。なんか今日は明るいなぁ」と無神経な発言をした教師が、その生徒に追わせた
心の傷と同じくらいの殺傷力)


・この寄せ書きを奪い取る時に僕が負った精神的ダメージ→拒食症と過食症のヘビーローテーション。


死んだと想っていた初恋の女の子との再会のきっかけになった天使の人形。


・抽出された思い出パワー→300OP(木から落ちるのと同じくらいの殺傷力)


以下省略


日記 | 19:11:23 | Trackback(0) | Comments(0)
「ヒロシと未来魔王の対決 3」の巻
公園で楽しげに遊ぶ子供たちを、ベンチに座ったおばあさんがニコニコと笑いながら眺めています。おばあさんの手には、古い懐中時計が握られていました。

 
 ねえ。おばあさん。その懐中時計には、どんな思い出があるんですか?


おばあさん「これはね、死んだおじいさん……私の夫の形見の品なの」


大切なものなんですね。


おばあさん「ええ。これにはたくさんの思い出が詰まっているの。忘れもしない、あの戦争の最中、あの人と私は結婚したの。無口だけどマジメで、約束は必ず守る人だったわ」


おばあさんは優しい目をして、思い出話を聞かせてくれました。


おばあさん「でもね、新婚生活は1週間で終わってしまったの。徴兵でね、あの人はラバウルへ行くことになったの」


……


おばあさん「出征の日、親戚や近所の人の万歳三唱の中、あの人は宝物の懐中時計を私に渡してこう言ったの。『必ず帰ってきますから。それまで預かっていてくれませんか。ネジを巻いていてくれませんか』って」


……


おばあさん「あの人の死亡報告が、遺骨の入った箱と一緒に届いたのは、戦争が終わって半年経った頃。箱には遺骨じゃなくて砂と『英霊』と書かれた紙だけがはいっていたわ。周りの人は私に再婚を勧めたけど、私はあの人は生きていると信じていた。だって、あの人は『必ず帰ってくる』って私に約束してくれたんですもの」


 それから、それからどうなったんです?


おばあさん「さらに半年後、あの人は帰ってきたの。まるでちょっと近所に出かけていたみたいに『ただいま戻りました』って普通に帰ってきたの。だから私も……」


おばあさんも?


おばあさん「『おかえりなさい』って普通に出迎えたのよ」


 信じあう心。僕はその素晴らしさを、おばあさんに教えてもらえたような気がしました。


マルぼん「おばあさん。これを」


横で黙って話を聞いていたマルぼんが、『キャハ♪ エミちゃん』をおばあさんに手渡しました。その瞬間、懐中時計は一瞬で燃え尽き……


おばあさん「あ! ああ!? 約束が! あの人との約束が! あああっ!」


おばあさんの絶叫が公園に響きました。ごめんなさい! ああごめんなさい!


マルぼん「この懐中時計から抽出された想いの力は……350OP(思い出パワーの略)! 『16歳の高校生男子が、出会い系サイトで知り合った年上の女の連れ子が自分の言うことを聞かないのに腹が立ち、冬場、その子供をパンツ一丁でベランダに放り出す』という行為と同じくらいの殺傷能力だ!」


 ああ。おばあさんの思い出が、そんな生々しい程度の殺傷能力に変換されるなんて……


マルぼん「よおし。この調子でどんどん想いの力を集めるぞ! 行こうぜヒロシ! 戦いは始まったばかりだ!」


おばあさん「返してぇ。あの人を返してぇ」


 すがりつくおばあさんを振りほどき、その悲鳴とも怒号とも判断がつかない声を背中に受け、
力いっぱいかけていくマルぼん。たしかに、戦いはまだはじまったばかりのようです。僕と良心の呵責との戦が。


日記 | 19:04:30 | Trackback(0) | Comments(0)
「ヒロシと未来魔法の対決 2」の巻
 ヒロシです。人の想いの力を殺傷力に変換する超絶殺傷兵器『キャハ♪ エミちゃん(開発者の娘から名称を拝借)』は想いの力をたくさんあつめればあつめるほど殺傷能力が高まるらしいんで、僕とマルぼんは
想いの力を収集することになりました。


 僕は人の想いの力なんて抽象的なものをどうやって集めるのか疑問に思っていたんですが、
マルぼんによると『キャハ♪ エミちゃん』には、人の想いのつまったアイテムから、想いの力を抽出して吸収する能力があるそうなのです。


 人の想いのつまったアイテムというものがよくわからんかったので僕はマルぼんに聞いてみたんですが、
マルぼんは質問に答えず、ギャクに壁に飾ってる表彰状はなんなのか聞き返してきました。


 その表彰状は、去年、僕が市の作文コンクールで入選したときに貰ったもので、僕にとって唯一といってもいいほどの「人に誇れる」ものでした。


 マルぼんは無言で壁から表彰状をはずすと、『キャハ♪ エミちゃん(実は手のひらサイズ)』を近づけました。表彰状は一瞬で燃え尽きました。僕の誇りは一瞬で灰になってしまったんです。



 どうもこれが『人の想いのつまったアイテムから、想いの力を抽出する』ということのようです。『キャハ♪ エミちゃん』の殺傷能力を未来魔王を惨殺するくらいまで高めるにはまだまだ人の想いの力が必要らしいので、僕とマルぼんは人の想いのつまったアイテム求めて町へ飛びだす事にしました。



日記 | 19:02:32 | Trackback(0) | Comments(0)
「ヒロシと未来魔王の対決 1」の巻
 ヒロシです。学校から帰ると、マルぼんが深刻そうな顔で黙りこんでいました。


 話を聞いてもマルぼんはダンマリを決め込んだままだったので、僕は力技(鈍器で頭部を殴打、自白剤にご足労を願う、など)でマルぼんの口を無理矢理割り、事情を聞いてみました。なんと、未来魔王が21世紀侵略を企んでいるというのです。


 未来魔王は名前どおり未来の魔王で「よくわかんねえけど、魔王というからに強いんだろ。たぶん」と専門家に言われているほど恐ろしい存在なんだそうです。


 まさか、そんな未来魔王が21世紀の世界に、その汚らわしく、トイレから出ても洗ってなさそうな、親の顔が是非とも見てみたくな程どす黒い魔の手を伸ばしてくるなんて!


 今回はさすがに、僕も動揺が隠し切れませんでした。


マルぼん「安心して。長い地球の歴史で、悪が栄えたためしはないんだ(勝ったほうが正義になるから)。想いが、人も想いの力が、必ずや未来魔王をぶちのめしてくれるよ」


 力強く語るマルぼんの姿は、僕に勇気を与えてくれました


 そう。そうなんです。人も想いの力は、奇跡を生み出す無限のエネルギー!


 世界中の人々が想いをひとつにすれば、必ずや未来魔王を小指ではじけるほどの奇跡のパワーが生まれることでしょう!


 まずは、世界中から争いをなくさなければ! 僕は心にそう誓いました。


マルぼん「よし。丁度ここに、未来の世界では核に代わる兵器として重宝されたものの、その威力でおよそ地球の生物の3分の2を死滅させ、生き残った者や環境に途方も無い悪影響を残したため世界規模で永久封印された、人の想いを殺傷力に変換する超絶殺傷兵器『キャハ♪エミちゃん(開発者の娘から名称を拝借)』がある!こいつで未来魔王をやっつけちまおうぜ!」


 ロマンの欠片もねえ。説明口調で嬉しそうに語るマルぼんを見て、僕はそう思いました。

日記 | 19:00:05 | Trackback(0) | Comments(0)
「明日から出張です。みなさん、一週間ほどさようなら」の巻

担任のデモシカ先生「おろかもーん! 廊下に立っとれ!」


ママさん「この愚か者! やはりあの男の子供だよ! あの男の子供だよ!」


警察官「こんな時間に外を出歩くなんて、なんて愚かな子供だ!」


ヒロシ「以上のような感じで、ここのところ怒られっぱなしな僕です」


マルぼん「少しは自分の人生のあり方とかを考えてみてはいかがかな」


ヒロシ「僕はよく言えば純真な人間なんだ。だからドジもする。まわりはもっと気をつかって、僕が失敗をしても笑って許してやるべきだ」


マルぼん「なら、許されてみるか。『仏の顔マスク』。このマスクを被った人は、三度まで、どんなことをしても
許されるんだ」


ヒロシ「わーい、僕、かぶりゅー」


 そんなわけで『仏の顔マスク』を被ったヒロシ。


ヒロシ「さて、どうせ許されるのなら、すごいいたずらをやってみたいなぁ。……そうだ」


 ヒロシは、ひきこもり生活で部屋に溜まった、大量のゴミ袋のひとつを抱えました。抱えたまま、窓のほうに向かい……


ヒロシ「一度、二階から色々なものを投げ捨ててやりたかったんだ!」


 最高の笑顔を見せながら、ゴミ袋を投げ捨てました。


???「ギャー!!」


 悲鳴と、人の倒れる音。外ではナウマン象が倒れていました。近くには、ヒロシが投げ捨てた巨大なゴミ袋。


マルぼん「直撃したんだ!」


 霊安室。顔に白い布をかけられて横たわるナウマン象を、ヒロシは呆然と見つめています。取ることを忘れたのか、『仏の顔マスク』もつけたままです。「こんなこと、するはずじゃ…するはずじゃあ…」と、呟いています。


女性「あなた!」


 霊安室に駆け込んできたのは、被害者の奥さんです。



奥さん「ああ…う、あああ。あなたぁ…あなたぁぁぁぁぁぁ」


 ナウマン象の遺体にすがりつき、泣き叫ぶ奥さん。


ヒロシ「あ、あの」


奥さん「!」


 ヒロシが話しかけると、奥さんは一瞬ビクッとして


奥さん「あなたは、悪くありません……」


といいました。


奥さん「だれも悪くない。これは、うちの人の運命なんです。悪く…あなたは悪く…う。う…あ、ああああああ」


 後半は、言葉になっていませんでした。


ヒロシ「う。あああああ」


 突然、髪をかきむしり始めるヒロシ。そのまま走り出し、霊安室を出ます。


ヒロシ「僕を許さないでくれ!」


ヒロシ「僕を憎んでくれ!」


ヒロシ「ああああああああ」


 自分の犯した罪を誰もが許し、自分を責める人がいない。責める人がいないのなら、自分で自分を責めるしかない。自責の念は、被害者の分までヒロシの心を攻め立てます。激しく。激しく。他の誰かが「人殺し」と罵ってくれるほうが、「死ね」と罵声を浴びせてくれるほうがどんなに楽か。ヒロシは、意味のわからないことを叫びながら、走り続け、そして消えました。


 マルぼんは、『仏の顔マスク』の効果は絶大だと思いました。

日記 | 18:57:05 | Trackback(0) | Comments(0)
「惚れて! 山男」の巻
金歯「朕の従兄弟が山登りが趣味でね『今度登山に行くけど、もしよかった皆さん一緒にどうですか』って」


ナウマン象「わーお」


ルナちゃん「いくいくー! いっちゃうー!!」


ヒロシ「この僕も、大沼ヒロシも行くぞ!」


金歯「悪いね、目的地の山は4人用で、5人以上が同時に入山したら、山の神から天罰が下るんだ。第一、体力のないヒロシには登山なんて無理無理。夢のまた夢ぇ!!」


ヒロシ「くやしいー!」


マルぼん「陰険なやり口だ! かまうことはねえ、マルぼんたちも登ってやれ!」


ヒロシ「でも、金歯のおっしゃる通り、僕には体力もないし」


マルぼん「ここの未来の世界の登山靴がある。この靴を履いて登山をすると、体力の消耗が普段の三分の一になる。これなら登山も可能さ」


 さっそく、マルぼんとヒロシは、金歯どもが山登りを満喫している山へ向かいました。ちょうど金歯とその従兄弟、あとナウマン象とルナちゃんの4人が山に登るところでした。


ヒロシ「よし、我々も行こう!」


マルぼん「おうよ!」


金歯「あ、貴様ら! 来るなと言ったのに、来るなと言ったのに!」


 そのときでした。


ナウマン象「う、うわー!」


金歯「土砂崩れでおじゃるよ!」


金歯の従兄弟「こ、これは天罰!? 5人以上が山に入った天罰だっ!」


 マルぼんたちは、土砂に巻き込まれました。数時間後に救出され、近くの病院に搬送されたのですが、全員、虫の息。


医師「今夜がヤマですね」


 いまだ意識が戻らないヒロシを前に、医師が言いました。


医師「今夜さえ、今夜さえ乗り切ればなんとか…あとは気力の問題です」


 マルぼんは、ヒロシにヤマ登りを満喫させてくれている『みらいのせかいの登山靴』の効果は絶大だと思いました。

日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「キズミーベイベー」の巻
 ママさんの浮気が発覚(3日ぶり398回目)。温厚で名を馳せた、現在のパパさんもこれには激怒。


パパさん「まさかワシの財産目当てだったとは! この女狐!」


ママさん「ちがうの、ダーリン! 誤解なの、ダーリン! 愛しているわ、ダーリン! だから、その刃物のようなものをしまって!」


パパさん「貴様の体を掻っ捌き、どこに愛があるのか確かめてやる! 胃か!? 腸か!? 胆のうか!?」


ママさん「ぎにゃー!!」


パパさん「この女の血をひく貴様も、だ!」


ヒロシ「ぎにゃー!!」


マルぼん「ヒロシー!! 今助けるぞ!」


 マルぼんは機密道具『完治包帯』を取り出すと、包帯でヒロシをグルグルまきにしました。しばらくして包帯を取ると、パパさんに刺された傷が完治!


マルぼん「この包帯で体を巻かれた怪我人は、包帯を外すとありとあらゆる傷が癒えているんだ」


ヒロシ「なるほど。さすが機密道具だね。実は僕、目の前で父親が母親を刺すという光景をみたのに、命が奪われる瞬間を目撃したのに、別になんの感情も湧かないんだ。むしろ『やった。保険金ゲット!』『やった! ついに死におった!』『やった。これからあれこれ言われなくなる!』『やった! 明日から、付き合っている女性を家に連れ込める!』なんて、嬉しくてしかたがないくらい! 全然悲しくなかったのも、涙ひとつ流れなかったのも、心うきうきわくわくだったのも、『完治包帯』の効果で心の傷が癒えたからなんだね! 哀しみの源である心の傷が癒えたからなんだね! 心の傷があったら、悲しくて泣きじゃってくるはずだものね!!」


マルぼん「『完治包帯』に心の傷を癒す効果は、ない」


 その後、ヒロシは虫の死骸とか集めだしたりし、怖くなったマルぼんは、その手のお医者さんに色々託すことにしました。めでたしめでたし。


 


日記 | 10:56:30 | Trackback(0) | Comments(0)
「平和のためなら女房もなかす」の巻
 平和な世界を築くためならば、傷害も辞さない、殺人も辞さない、戦争も辞さない、人類滅亡も辞さない女。その名はルナちゃん。兵器の存在は(特定の国の所持しているもの以外は)断固として許さないルナちゃん。「争いの原因は武器にあり。武器を作るやつをなんとかする!」と、昨日は米軍基地、明日は死の商人の秘密基地。そして今日は微笑町の包丁を製造しているメーカーへ!!


ルナちゃん「人殺しの道具になる包丁を作るなー作るなー」


メーカーの人「悪いのは包丁じゃなくて、包丁を悪事に使うやつだろうがー」


ルナちゃん「聞く耳を持たないわね。平和を愛さぬ悪の使途め! 腐れ外道め! でも安心。マルぼんからがめてきた、武器を消滅させる機密道具があるわ。これを使って、包丁を消す!」


 しかしこの道具。対象の物に近づいて使わねばなりません。包丁のしまわれているところは、メーカーの男性社員がいて入れそうもないです。


ルナちゃん「仕方ない」


 ルナちゃん、おもむろに服を脱ぎだして


ルナちゃん「汗ばむわぁ」


 色仕掛け開始。しかし男性職員は「なにしてんだこいつ」という反応。よかった! ロリじゃなくて!


ルナちゃん「むせるわぁ」


 焦って、さらに服を脱ごうとしたその瞬間。ルナちゃんの体がいきなり変化。胸がしぼみ、代わりに下半身の一部が膨らみ、全体的に大柄になり、肩幅が広くなり、喉仏が隆起し、髭が生えて、声は野太くなり……ようするに男体化! 


ルナちゃん「こ、これはどういうこと!?」


マルぼん「機密道具の力で武器が消えたんだな。女の武器が」


新作 | 16:44:17 | Trackback(0) | Comments(0)
「花だ。花を植えてくれ」の巻
 最近はぶっそうな事件ばかり発生し、親が子を子が親を、夫が妻を妻が夫を金で売るという暗黒な微笑町。


 そんな微笑町を救うべく、マルぼんは立ち上がったのです!!


マルぼん「花の種を撒くんだ。町中を花でいっぱいにする!!」


花はいつだって、荒れた心をいやしてくれるのです。


ヒロシ「でも、花の種を買うにも先立つものがない」


マルぼん「心配めさるな。花の種など、未来の世界から持ってきておる。なんの花かはわかんないけど」


ヒロシ「げぇ!? 撒いたそばからさっそく芽がでた!?」


マルぼん「成長早いね」


 一瞬ですくすくと成長する種。やがて花となり、実ができ、実からは…怪物が生まれました。


怪物「きけーきけー!!」


 怪物は奇声をあげて、火を噴きながら人々を襲い始めました。


マルぼん「すごい! 怪物だ、怪物!」


 マルぼんは夢中で、デジカメのシャッターを押しまくりました。その後、微笑町は灰になりました。 翌日、避難先の体育館。


ヒロシ「結局、何の種だったんだろう」


マルぼん「特だ」


ヒロシ「はい?」


マルぼん「特の種。特ダネだよ」


 微笑町の惨状を伝える記事と暴れる怪物の写真の載った新聞、それから新聞社からの謝礼の入った封筒を見て、マルぼんは言いました。

日記 | 16:18:05 | Trackback(0) | Comments(0)
「エスカレーター」の巻
金歯「この度転校することになったでおじゃる。エスカレーター式で、大学まですんなり上がれる学校にね。一般庶民ども、おさらばでおじゃるー」


ヒロシ「くやちい! 僕もエスカレーター式で大学まで楽にあがりたい!」


マルぼん「『エスカセーター』。こいつを着れば、今すぐにでも入れるエスカレーター式の学校が見つかり、そこに入学することができる」


 ヒロシは『エスカセーター』を着て、関西の学校へと入学することになりました。そして数年後。マルぼんは久しぶりにヒロシと再会しました。


ヒロシ「日本はなぁ、日本国民はなぁ、とにかく全世界に謝罪しなきゃならんのだよぉ! というかこんな国、ぶっこわれたらいいんだ。国と言う枠をぶっつぶせ! そして平等で平和な世界を作らなきゃならん。平等と平和を望まないやつは、死んだらいいんだ。というか死ね」


マルぼん「えらく片方に偏りまくった思想になっているじゃないか。いったいどうして……あ、そういえば聞いたことがある。たしか」


 関西のエスカレーターは、左側通行。

新作 | 17:25:17 | Trackback(0) | Comments(0)
「受け継がれる意志」の巻
パパさん「なに、腹が減ったとな。よしよし。これでもお食べ」


ママさん「もがもがもがー!!」


ヒロシ「いま、母さんの口に札束を押し込んでいる老人が、新しい父さんなんだ。なんでも凄まじい大金持ちで、
しかも死にかけなんだって」


マルぼん「死にかけの金持ちって、ママさんの好みタイプ直球ど真ん中だね。そりゃ、結婚までこぎつけるわけだ」


ヒロシ「でも、問題があって。父さんには前妻や側室との間に佃煮にするほど子供がいてさ……」


マルぼん「我々に入ってくる遺産はすずめの涙程度というわけか。それは問題だねえ」


ヒロシ「税金とかでも引かれるだろうし、なんとか財産をそっくりそのまま頂く方法はないかな」


マルぼん「『世襲契約書』。この契約書にサインをもらえば、サイン主の財産を、親族も税金も関係なく、そっくりそのままいただけるんだ」


 マルぼんとヒロシはさっそく、新しいパパさんをだまくらかして、『世襲契約書』にサインをもらうことに成功しました。


ヒロシ「あははははは。財産ゲットォ! あははははは」


マルぼん「ヒ、ヒロシ! 鏡を見ろ!」


ヒロシ「え…ええ!?」


 びっくりするのも無理はありません。ヒロシの顔はいつの間にかすっかり老いていたのです。その顔は……


ヒロシ「新しい父さんそっくりじゃないか…うっ。げほげほ。なんだ、体がだるい。思うように動かない。胃が痛い。目も見づらい。腰が痛い……」


マルぼん「そういえば最近は、小学生がお小遣い欲しさに自分の臓器を売り払ったり、秋葉原に中古臓器の店ができたりして、『体も財産の一部』であるという風潮だったっけ。親の肝臓をどちらが譲り受けるかを巡って、兄弟が争ったりもしている。新しいパパさんの体が財産とみなされて、みごとに受け渡されたんだ」


ヒロシ「げほげほほっ。昼飯まだかぁ…昼飯まだかぁ……ばあさんどこだー」


 マルぼんは『世襲契約書』の効果は絶大だと思いました。

日記 | 18:23:13 | Trackback(0) | Comments(0)
「大江戸マルぼんと暮らす」の巻
ヒロシ「うわーん、マルぼーん!!」


マルぼん「どうしたでござるか、ヒロシ氏


ヒロシ「金歯の家の石垣の修繕を、我が大沼家が命じられたんだけど、参勤交代などで慢性的に財政難の我が大沼家では、とてもじゃないけどそんな費用を工面できないないんだ! このままじゃ、僕切腹だ!」


マルぼん「そいっつは大変でござる。ニンニン。こいつを使ってみるでござる!」


ヒロシ「なにこれ。球体?」


マルぼん「そいつは『丸』という機密道具でござるよ、ヒロシ氏。お、ちょうど家の前をナウマン象が歩いているでござる。『丸』をナウマン象にぶつけてみるでござる」


 ヒロシは窓から『丸』を投げ、ナウマン象にぶつけました。するとナウマン象の表情が一変。


『石垣の修繕費用が必要なので、臓器売ります。すぐに迎えに来てください』と手紙にしたためると、伝書鳩に持たせてどこかへ飛ばしてしまいました。


 その後、ナウマン象の臓器は無事に売却され、石垣修繕の費用となりました。大沼家は救われたのです。


マルぼん「『丸』は面倒なことをすべて、ぶつけた相手に丸投げできる機密道具なのでござる。ニンニン」


ヒロシ「すごいや! よし、これでなんでもかんでも人に丸投げしてやろう!」


 あるだけの『丸』を持って家を飛び出すヒロシでしたが、運悪く、そこに暴れ馬が……。


 ヒロシは駆けつけた救急車によって、近くの微笑病院へと搬送されました。


医師A「…これは…あはは。私には治せませんね、医師B先生、よろしく」


医師B「私にも無理ですなぁ。医師Ω先生どうぞ」


医師Ω「俺にも不可能です。そうだ。隣町の薄笑い病院ならいけるのでは?」


医師A「ですね。薄笑い病院へどうぞー」


 さすが『丸』。使用者のヒロシも丸投げです。マルぼんは『丸』の効果は絶大だと思いました。

日記 | 13:45:37 | Trackback(0) | Comments(0)

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