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Author:大沼ヒロシ
大沼ヒロシと申します。ブログはじめたての初心者です。どうぞよろしく。

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「夜の腹話術。俺が人形、おまえも人形」の巻
 テレビをつけると演芸番組がやっていて、女腹話術師が芸を披露していました。


女腹話術師『キクオちゃん、今の気分はどう?』


人形のキクオ『初めての舞台で頭が真っ白といいましょうか……』


女腹話術師『キクオちゃん、大きい声で。目を見て!』


ヒロシ「うへー上手なもんだなー。こういう芸、憧れるよ~」


 さっそく感化されたヒロシは、10年くらい前にUFOキャッチャーで取ってきたソニック・ザ・ヘッジホッグのぬいぐるみ(目とか取れてボロボロ)を使い、腹話術の練習を始めたのですが、そこは素人の悲しいところで、
カケラ程度も上達しないのでした。口を動かしているのとか、嘘みたいにはっきりしているのです。


ヒロシ「ううう。実はナウマン象たちに『今、僕は腹話術の練習をしているんだ。あと少ししたら神の如き腹話術を披露できると思うよ。え? できなかったらどうするかって? そ、そうだね。生まれたままの姿になって飢えた狼の群れにこの身を晒そうかな』とか言ってしまったんだ! どうしよう!」


マルぼん「ここに未来の世界の腹話術用の人形があるから、これを使えばいいよ。この人形は持ち主が思ったことをそのまましゃべってくれるんだ。思うだけなら口を動かさないで済むだろう」


 ヒロシはさっそく腹話術人形を抱えました。すると


人形『人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり』


ヒロシ「本当だ! 僕が今思ったことをしゃべったよ、この人形!」


マルぼん「これなら大丈夫だね。めでたしめでたし。じゃあ、レンタル料の3万円よこせ」


ヒロシ「銭いるのん!?」


マルぼん「ボランティアじゃねえんだよ! 銭ねえなら、親の財布からでもとってきなYO!」


ヒロシ「ううう。仕方がない」


 ママさんの部屋に忍び込むヒロシ。財布を盗もうとすると、そこに運悪くママさんが。



ママさん「なにをしているの、ヒロくん」


ヒロシ「いや、これは、その」


ママさん「バカ息子! バカ息子!」


 泣きながらヒロシを叩くママさん。


ヒロシ「やめ、やめておくれよ、!」


 ヒロシ、思わずママさんを突き飛ばしてしまいます。ママさん、吹っ飛ばされて、タンスに頭をぶつけて、動かなく……。数時間後、救急車とパトカーのサイレンの音が微笑町に響きました。病院に運ばれたママさんは意識が回復しませんでした

 
所かわって微笑警察署の取調べ室。刑事がヒロシを取り調べております。


刑事「きみがお母さんを突き飛ばしたんだな」


ヒロシ「……」


刑事「黙ってないではっきり言ったらどうだ」


ヒロシ(母さんが『息子に突き飛ばされた』と言ったらおしまいだ! 少年院行きだ!ううう、おしまいだ。おしまいだ。僕はもう、おしまいだ。誰か、僕に優位になる発言をしてくれないものか)


刑事「今、病院から連絡が入ったぞ。お母さん、意識を取り戻したそうだ」


ヒロシ(おわった!)


刑事「お母さんな、事情を話すと『私、転んだだけです。転んだ拍子に頭をぶつけただけなんです。ヒロシに突き飛ばされただなんて、とんでもない……』と言ったそうだ」


ヒロシ「……」


刑事「泣きながら『あんなやさしい子が、突き飛ばすだなんてするわけありません。私がドジなだけで……だからヒロシを家に帰してください』と言ったそうだ。」


ヒロシ「う……」


刑事「ヒロシくん。君が、やったんだね?」


  その話を聞くと、ヒロシは涙をポロポロ流しながら、消えそうなほどかすれた声で「僕が母さんを突き飛ばしました」と言いました。


  マルぼんは、ヒロシの思ったことをママさんがしゃべってくれるようにした『未来の世界の腹話術人形』の効果は絶大だと思い……いや、人形の効果などではありません。そんなものはなくても、ヒロシとママさんの心は通じあっていたのです。子を想う母の心は、どんな便利な道具よりも、絶大な効果を持っている。マルぼんはそう思いました。



(微笑町では親に逆らった罪は『たとえ総帥であっても免れることは出来ない』と言われるほど重いので、ヒロシはきちんと極刑に処せられました。ご安心ください)

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日記 | 21:49:38 | Trackback(0) | Comments(0)
「フードファイター金歯、その生き様死に様狂い様」の巻
 ヒロシのクラスに転校生が! ヤツは小学生にして大食い野郎で、近い将来、大食い界でその名をとどろかせ、テレビにでまくる存在(後、ブームの最中に太りすぎが原因で死亡。享年34歳。喪主は妻のエツコさん)。その食いっぷりはさすがに見事で、クラスの女子は彼に血眼!


金歯「ぐむむ。あの大食漢め! まんまと盗みおって(女子の心を)! マルぼん、朕も大食いになって、その見事な食いっぷりであの娘やこの娘をモノにしたでおじゃる!」


マルぼん「テレビに出ているような大食いの人は、胃が大きかったりとか胃酸が人よりたくさんでたりとか、特別な胃を持っているらしいよ。この『素人でも簡単に40%くらいの成功率で人体改造ができるキット』で胃を改造しよう」


金歯「そ、そのキットの使用以外で大食いになる方法ないでおじゃるか?」


マルぼん「う~ん、そうだなぁ。あ、そうだ。いいこと思いついた」


  マルぼんは機密道具の力で税金をバカ高くしました。年貢で例えると、六公四民が九公一民になるくらいのノリです。そしてしばらく後、金歯宅では……


金歯「ものすごい増税でおじゃる。朕たち金持ちには屁でもないでおじゃるが、大多数の庶民は食うこともままならぬことになるのでは!?」


マルぼん「それですよ、それ! 
『税金があがる→
貧困広がる→
貧しくなって食事の量を極端に減らさなければならない人がでてくる→
そういう人がめっちゃ増える→
少数の金持ちは金あるから従来の食事量を維持できる→
従来の食事量でも、食べる量が減った人から見ればすごくたくさんの食事量に見える→
すごくたくさんの食事量の人=大食い!』ということになる」


金歯「金持ちだから食事量が維持できる朕=大食いというわけでおじゃるな! バンザーイ! バンザーイ!」


 そのとき、手に鍬や鋤を持ったやせ衰えた暴徒たちが金歯宅に押し寄せてきました。
増税のせいで飢えた民衆が、ついに怒り、その矛先を腹いっぱい飯を食える金持ちに向けたのです。
その騒動で、金歯は命を落としました。


 数年後、町内会の福引で当てた六道(仏教における死後に転生するとされる世界)観光ツアーに出かけた俺、蘭、おっちゃんの3人は、地獄道や畜生道を巡ったあとに訪れた餓鬼道を回っている、見慣れた人物がごちそうをたくさん食べているのを発見。


見慣れた人物「うまいうまい。でもお腹がいっぱいにならない……もっと食べたいもっと食べたいでおじゃる」



ガイドさん「あれは多財餓鬼という餓鬼の一種で、なにをしても永遠に満たされることがない哀れな存在なんです。ああやってたくさん食べても、満たされることはないのです」


見慣れた人物「あいむはんぐりーでおじゃる!」


マルぼん「よかったな、大食いになれて……」


 信じれば夢は必ずかなう。めでたしめでたし

日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「イノシシ女とカリスマ坊主」の巻
 マルぼんが歩いていると、若い男女が路上で「どうしようどうしよう」と悩んでいる様子。女性のほうはお腹か大きく、どうも妊婦さんのようでした。困っている人を見過ごすことができない性分のマルぼんは、「いかがしました」と話しかけてみました。


男「じつは嫁がもうすぐ子供を産みそうなのですが、お金がなく、産婦人科とかに行けないのです」


マルぼん「マルぼん、助産婦をやっていたことがありまして、そのときの知り合いがすべて無料の産婦人科を経営しておりまして、よければそこを紹介しましょうか」


男「マジっすか! ぜひともお願いします!」


 マルぼんは噂の無料産婦人科へ夫婦を連れていきました。ちょうど着いたところで、奥さんの陣痛がはじまりました。


男「うう。がんばれ、がんばるんだ、里美」


マルぼん「大丈夫です。おくさんは、里美さんはゲンキな子を産みますよ」


男「しかしなんでこの産婦人科は無料なんですか」


マルぼん「最近、無料のコピー機とかジュースの自動販売機があるでしょ。あれと同じです。スポンサーに商品の代金をもってもらうかわりに、こちらは広告スペースを提供するという」


男「広告スペースって、いったい」


「おぎゃーおぎゃー」


男「あ! 生まれたらしい!」


院内放送「ただいまの出産は、『ふたりの営みを応援するラブホテル ふれ愛YOU!』の提供でお送りしました」


 数日後、マルぼんが件の産婦人科を訪れると、あの夫婦が子供を連れて定期健診に訪れていました。


マルぼん「おやどうも。お子さんの様子はどうですか」


男「おかげさまでゲンキです。これもマルぼんさんのおかげで」


看護師「山川ふれ愛YOU! ちゃん、山川ふれ愛YOU!ちゃん、診察室へどうぞ」


男「ああ、うちです。それじゃあ、また」


 男はふれ愛YOU! ちゃんを抱きかかえると、同じタイミングで呼ばれた、山田死霊のえじきちゃんや、鈴木淫乱小姑くんずほぐれつちゃん、田中ラーメン刑事の事件簿16美人OL温泉ミステリーツアー連続殺人事件ちゃん、中村もしものときは慌てずにやすらぎシティホールほほえみちゃんとともに診察室へ入っていきました。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「ジュラ紀から来た未亡人!」の巻
 さわやかな青空が広がるとある昼下がり。微笑町にある大沼家の一室で起こったお話です。


ルナちゃん「だからね、全財産を私たちに預けて、何も考えずに一日中、私たちの間に伝わる奇跡の呪文『ガッシャドガッシャリグシャッコー』を唱えていればいいのよ。唱えるだけで幸せになるの! 健康になってお腹が減らなくて体も汚れなくなる! 健康になるから病院へ行く必要がなくなって医療費を寄付できるし、食事を食べなくてもお腹が減らなくなるから食費も寄付できるし、お風呂に入らなくても体が汚れないから風呂代も寄付できるの!」


 ルナちゃんがヒロシを自分たちの宗教に入信させるべく、朝から押しかけてきているのです。ためになるのかならないのかよくわからない話をひたすら語り続けるルナちゃん。


ルナちゃん「奇跡の呪文『ガッシャドガッシャリグシャッコー』さえ唱えれば、来るべきハルマゲドンだって乗り越えることができるのよ!」


ヒロシ「ご、ごめん、僕ちょっとトイレへ」


 なんとか部屋を抜け出すことができたヒロシ。部屋の外には様子を伺っていたマルぼんがいました。


ヒロシ「マルぼん、ルナちゃんの話、長くてうざいんだ。おまけに当分終わりそうにない。とてもじゃないけど聞いていられないよ。耳栓とかない?」


マルぼん「あるけど、前に同じようなことがあったときも耳栓を使って、それがルナちゃんにバレたじゃないか。
ルナちゃん、末代まで祟りそうな形相で怒っていたぜ」


ヒロシ「あ、そういえばそんなことがあったね……あの後、僕の顔写真が貼られた藁人形が、神社の裏にある木に五寸釘で打ちつけられていたっけ……」


マルぼん「まぁ、その時の失敗を踏まえて、ここに『絶対に使っているのがバレない耳栓』を用意しているわけだけど。この耳栓をつけたら、どんな小さい音であろうと完全に聞こえないのさ」



ヒロシ「うわー、ありがとうマルぼん! ありがたく使わせてもらうよう」



 ヒロシはマルぼんから受け取った『絶対に使っているのがバレない耳栓』を耳につけると、部屋に入っていきました。


マルぼん「あ、しまった。今の『絶対に使っているのがバレない耳栓』じゃなくて、『相手の言うことをなんでも鵜呑みにしてしまう補聴器』だった。間違って渡してしもうた」


 マルぼんが過ちに気づいて数時間後。ルナちゃんは満面の笑みを浮かべて帰宅。


マルぼん「おい、ヒロシ……」


ヒロシ「(死んだ魚のような眼をして)ガッシャドガッシャリグシャッコー」


 それからヒロシは、食事は食べないし風呂には入らないし一歩も外にもでないし一日中『ガッシャドガッシャリグシャッコー』と口走るしで、えらいことに。


ヒロシ「ガッシャドガッシャリグシャッコー」


ママさん「ヒロくん、ごはんを食べなさい! もう5日も何も食べていないでしょ!」


ヒロシ「ガッシャドガッシャリグシャッコー」


パパさん「ヒロシ、いいかげん風呂に入れ、風呂!」


ヒロシ「ガッシャドガッシャリグシャッコー」


マルぼん「ヒロシ、少しは外に出ないと」


ヒロシ「ガッシャドガッシャリグシャッコー」


ママさん「私たちの言うことが聞こえないの!?」


ヒロシ「ガッシャドガッシャリグシャッコー」


 家族がなにを言っても聞く耳もたないヒロシ。マルぼんは家族の懇願まで聞こえなくしてしまった『絶対に使っているのがバレない耳栓』の効果は絶大だと思いました。


日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「ヒロシの愛ー(まなー)モード、いまだ浸透せず」の巻
 授業中、突然ナイフを振り回して暴れ始めた大脳。


大脳「学級を崩壊させる前に、悪魔の水を飲み悪魔の煙を吸う貴様らの人生を崩壊させてやるでヤンスー!!」


ヒロシ「なぁ、ナウマン象。昨日『どれいバトラー・カケル』観た?」


大脳「私語は慎め!!」


ヒロシ「ギャース!!」


 そんなわけで、重傷を負ったヒロシちゃん。


マルぼん「君は、しゃべってはいけない時に、くだらないことをしゃべる癖があるな」


ヒロシ「直したいんだけどねえ。自分ではどうにもならないんだ。」


マルぼん「『マナーモード指輪』。この指輪をつけていると、しゃべってはいけない時がきたら、体が勝手に口をつぐむようになる」


女の子「たすけてください!」


ヒロシ「わ、なんですか、どちらさまですか」


マルぼん「おい、ヒロシ、この子の腕を見ろ」


 そこには金歯一族の奴隷の証である焼印が。金歯一族が多くの奴隷を使役しているのは公然の事実。しかし、住民の90%が金歯の親父に関係する会社に勤めている微笑町では、金歯関係の黒いことには目をつぶらねばならぬのです。暗黙の了解なのです。


金歯「おお、ここにいたでおじゃるか」


女の子「おたすけー!!」


ヒロシ「……」


女の子「おねがいです! たすけて!」


ヒロシ「……」


 装着していないのに、ヒロシの口をつぐませることに成功した『マナーモード指輪』の効果は絶大だと思いました。


金歯「そんなことはないと思うでおじゃるが、今見たことを、誰かに洩らしたら…わかっているでおじゃろうな」


ヒロシ「!」


 金歯の発言を聞いて、震えだすヒロシ。


 バイブ機能もないのに、ヒロシを震えさせる『マナーモード指輪』の効果は絶大だと、マルぼんは思いました。

日記 | 19:00:10 | Trackback(0) | Comments(0)
「背景おふくろさま」の巻
 ヒロシが漫画を読んでいます。なんか、ベレー帽を被ったおっさんが巨大なGペンを振り回して、背広で眼鏡の男に襲いかかっている漫画です。


ヒロシ「少年ボボンゴで『熊とYシャツと私』を好評連載中の、宇奈木ノボル先生の最新刊だよ。『熊とYシャツと私』のつくられるその裏側であった、宇奈木先生との担当編集者のダケイ記者との愉快なやりとりが漫画になったんだ」


マルぼん「なるほど。楽屋ネタの漫画か。おもしろいやつ、けっこうあるよね」


ヒロシ「色々な作品の楽屋ネタとか見てみたいな」


マルぼん「そうだな、この眼鏡をかけて、なんでもいいから本とか読んでみな」


 言われるままに眼鏡をかけて、部屋に転がっていた『贖罪』という子供向け絵本を読み始めるヒロシ。


おっさん『仕事へ行ってくる』


おばさん『仕事て…ヒサシが風邪ひいて寝込んでんのやで!」


おっさん『風邪は寝てたら治るやろ』


おばさん『仕事と自分の息子、どっちが大切やの』


おっさん『仕事や。ええか、ワシの描いた絵本で、たくさんのこどもさんが笑顔になる。ワシはその笑顔はすばらしい宝物やと思う。その宝物のためやったら、わが子の1人や2人、喜んで死なせたる!』


ヒロシ「絵本を読んだら、珍妙な三文芝居が見えたよ!」


マルぼん「この眼鏡は『みとおし眼鏡』。『みとおし眼鏡』をかけると、あらゆる物の裏側(製作過程でおきたドラマとかそんなの)を見ることができるのさ。キミが見たのは、おそらく『贖罪』の作者。この人はこんなカンジで、『贖罪』を完成させたんだ」


ヒロシ「なるほどなぁ。楽屋裏や舞台裏といっても、愉快なものばかりではないんだなぁ。それにしてもこの眼鏡はすごいね。どんなものでも裏側を見ることができるの?」


マルぼん「うん」


ヒロシ「へえ、どれどれ……!」


赤ん坊『おぎゃーおぎゃー!!』


母親『ふう。とおとお、生誕したか、望まれない命め』


赤ん坊『おぎゃーおぎゃー!!』


母親『おうおう。にてやがる。あたいを捨てたあの男に。にくらしい、ほんとにくらしい』


赤ん坊『おぎゃーおぎゃー』


母親『おぎゃーおぎゃーうるいさよ! 赤ん坊は泣くのが仕事というけれど、仕事なら1円も稼いでみなよ』


赤ん坊『おぎゃーおぎゃー』


母親『あたしが飢えているっていうのに、まるまると太ってやがる。今にも、ボンっと爆発しそうだな、おい。
そうだ。あんたはマルぼんだ。マルぼん』


赤ん坊『おぎゃーおぎゃー』


母親『マルぼん。あたいはあんたをここに捨てていくよ。誰も来ない、この山奥の廃屋に。あんたは死ぬよ、確実に。でも仕方ない。あんたはあの男の子供だもの。あの男があたしにしてきたことのむくいを、あの男の子供であるあんた受けるんだ。はははは。親の因果が子に報い! あはははは』


赤ん坊『おぎゃーおぎゃー』


母親『あたいが憎いか、憎いか。憎むなら、世間から愛されない自分を、自分を愛さない世間を憎みな! あはははははは』


赤ん坊『おぎゃーおぎゃーおぎゃー』


ヒロシ「……」


マルぼん「どうしたのん、マルぼんのほうをじっと見て?」


ヒロシ「マルぼん」


マルぼん「うん?」


ヒロシ「今度ね、酒おごるよ」


日記 | 18:20:30 | Trackback(0) | Comments(0)
「ヒロシ、重いでの糸車」の巻

「大きいことはいいことだ」という考えが蔓延する微笑町で、「巨大野菜コンテスト」が開催されることになりました。より巨大でより重い野菜を生み出した者が優勝で、優勝者には町でのいかなる無法も許されるのです。


マルぼん「はい、頼まれていた農薬。この農薬をつかえば、野菜はアホほど巨大になる。まぁその代わり、食せば確実に死が待っているわけだけど」


ヒロシ「大きさを競うだけだからかまわないよ」


 そんなわけで、ヒロシは未来の世界の農薬を使用して超巨大なカボチャを生み出すことに成功したのです。


 そしてコンテスト当日。ヒロシの巨大カボチャは見事優勝しました。


司会者「では、優勝したヒロシさんの巨大カボチャをみんなで食いましょう」


ヒロシ「え」


司会者「ルールにも『優勝した巨大野菜は、みんなで美味しく食しましょう』とあります。さぁ、そこの調理場にカボチャを運んでください」


ヒロシ「え、あのあの」


司会者「まさか、食べられないような野菜を作ったんですか? 農薬アホみたいに使ったとか。もしそうだとしたら、ルール違反ですよ。死刑ですよ! 死んだあと、その遺骸を切り刻んでやりますよ!」


ヒロシ「大丈夫です、大丈夫です!」


司会者「それならはやく、調理場にカボチャを運んでください」


 有害な農薬をたっぷり使って生み出した死をよぶ巨大カボチャを、ヒロシは運び始めました。ゆっくりと、ゆっくりと、重い足取りで。


司会者「ヒロシのあの重い足取り、重い表情。よほと重いんだな、あのカボチャ」

日記 | 19:25:17 | Trackback(0) | Comments(0)
「もうがまんできなーい。ヒロシは一匹の野獣と化した」の巻
ルナちゃん「我がギュルペペ教開祖のギュル山ペペ三郎さまの即身仏が期間限定公開されるというから見にいったんだけど、7時間も待たされて、見るのは一瞬だったわ! ギュルペペ教のために、染めたくもないのに、手を紅く染めまくっている私を待たせるなんて!」


ヒロシ「僕もルナちゃんに付き合って見に行ったんだけど、待ち時間はひどいものだったよ」


ルナちゃん「信者の務めとして、もう一度くらいは見に行くつもりなのだけど、あんなに待つのはごめんだわ」


マルぼん「『マッチ時間』。このマッチに火をつけると、約一年間、人生において『待ち時間』というものがなくなる。病院へ行けばすぐに診察してもらえ、某有名テーマパークへ行けばどんな乗り物もすぐに乗せてもらえる」


ヒロシ「夢のような機密道具じゃないか!」


ルナちゃん「是非とも所望したいわ!」


マルぼん「残念ながら一本しかなくて」


ヒロシ「僕がもらう!」


ルナちゃん「私がもらうんだから!」

 性別の枠をこえて、殴りあう二人。もはや男と女ではなく、獣と獣。そんな獣の戦いを制したのは


ルナちゃん「勝ちました! 『マッチ時間』ゲットですっ」


マルぼん「あの、ヒロシが動かないんですけど、ピクリとも。息もしてないんですけど」


ルナちゃん「あちゃー。息の根とめちゃったみたいだねー。首筋を鋭利な刃物で刺しちゃったしなー。めんごめんご。反省してまーす」
 

通報で駆けつけた警察官により、ルナちゃんは連行されました。


 裁判では、弁護側が「事故だって! 殺意なんてなかったって! いや、マジで。裁判長! ドゥーユーアンダスタン?」と訴えた甲斐もなく、懲役28年の刑が言い渡されました。なお、執行猶予はつきませんでした。


 マルぼんは、刑の執行を待ってくれる時間までなくしてしまった『マッチ時間』の効果は絶大だと思いました。

日記 | 19:00:01 | Trackback(0) | Comments(0)
「ぬくもりのなかで……ふたりはひとつになって……」の巻
 マルぼんとヒロシが家に帰ると、台所のテーブルには、冷え切った夕食が置かれていました。ママさんの姿はどこにも見えませんでした。


ヒロシ「家庭の味って、おふくろの味って、冷たいんだね」


 ヒロシを不憫に思ったマルぼんは、『あたためライト』という機密道具を用意しました。このライトの光を浴びたものは、どんなものでも適温に温められてしまうのです。


マルぼん「このライトで冷えきった夕食を温かくしたよ」


ヒロシ「うわーおいしいやー」


ママさん「あら、帰ってたの」


ヒロシ「母さん」


ママさん「あ、そうだ。ヒロくん、外車と国産車どっちが好き?」


ヒロシ「え…外車、かな」


ママさん「わかったわ。じゃあ、外車にする。あなたのおかげで手に入るお金だし」


マルぼん「ママさん、その包丁は! その保険の契約書は!」


ママさん「さーらーばいばいさーらばい。げんきにさーらーばーい」


 襲いかかる一児の母にビビったマルぼんは、思わず『あたためライト』をママさんに照射してしまいました。すると、鬼の形相だったママさんがころりとかわり、やすらかな顔つきで去っていくではありませんか。


ヒロシ「きっと、心のぬくもりを取り戻したんだ」


 マルぼんは『あたためライト』の効果は絶大だと思いました。


ママさん「こんなやり方だと、すぐ保険会社にばれちゃうわね。もっと完璧な方法を考えないと。 がんばれ、私! この計画はもう少し……3年くらいは温めておかないとね」


日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「豚」の巻

ヒロシ「近い将来、ルナちゃんと秋芳洞へデートに行くつもりなんだけど、どの交通手段を使うのが1番最短ルートなのかわからないよ!」


マルぼん「インターネットに頼れと言いたいところだけど、それじゃ話が進まないから、機密道具をだしてあげよう。『最短ルー豚』。この豚の生き胆を食べた人はあらゆる局面で、もっとも短期間で事態を収束させる方法を自動的に実行するようになるの。ルナちゃんとの秋芳洞デートへ行く際も、体が勝手に最短ルートを選んでくれるだろう」


ヒロシ「それなら一安心。それじゃさっそく、生き胆を」


ルー豚「ぶひー! ぶひー! ぶ、ぶひー…ぶー(断末魔の声)」


 生き胆を勢いよく喰らうヒロシ。と、その時。


金歯「おいヒロシ。昨日貸した35万円、いつになったら返してくれるのでおじゃるか」


ヒロシ「あ、金歯! あ、あのお金は分割払いで返そうかと。1年に1万円ずつの、35年払いで」


金歯「ふざけるなでおじゃる。すぐ返せ今返せ」


ヒロシ「そう申されましても……って、あれ? 体が勝手に動くぞ」


マルぼん「『最短ルー豚』の効果だよ。体が自動的に、最短の借金返済方法を実行しようとしているんだ」


 ヒロシは懐から携帯電話を取り出すと、どこかへ電話をかけました。


ヒロシ「!? こ、この番号は! ダメだ、よせ、ストップ! ストップだ、僕の体ー!」


 しかし体はヒロシの言うことを聞きません。しばらくすると、黒い車が走ってきて、車内から……


¥臓器密売組織の人「おひさしぶり。まさか君が自分自身で連絡してくるとは思いもよらなかったよ。はい、
これ前払いの35万円ね。」


金歯「あ、その35万円はこちらに」


いつもの臓器密売組織の人「では、行きましょう。新しい臓器を待ちわびる人の元へ! 怖がることはないのです。君は生き続けます! 新しい臓器を待ちわびる男性(57歳。不動産会社社長。他人のことなど屁とも思わない下衆さに定評がある)の中で」


ヒロシ「いやー! せめて美少女のなかで生き続けたいっ! たーすーけーてー!」


 ヒロシを乗せて、黒い車は去っていきました。こうしてヒロシは短期間で借金を返済できたのでした。完。


日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「ヒロシは平成のやるっきゃ騎士」の巻
ヒロシ「最近、ルナちゃんがなにものかに襲撃されたりすることが多いんだってさ。靴に硫酸を入れられたり、使っている井戸の水が硫酸にそっくり替えられていたり、コンサート中に顔に硫酸をかけられたり……ほら、この前、対立する宗教団体の事務所を焼き討ちにして、多数の死傷者・行方不明者を出しただろ、彼女。その残党による報復らしいんだけど…心配なの! ルナちゃんが心配なの! 僕は騎士になりたい。ルナちゃんの騎士に!」


マルぼん「なればいいじゃないの。人は、自分が望めばなににでもなれるんだ」


ヒロシ「法律で、ルナちゃんの半径10メートル以内に近づいたらいけないことになっているから無理なの」


マルぼん「そこで機密道具ですか。ようがす。『盾シールA・B』。このAとBの2枚シールをそれぞれ、別の人に貼る。Aのシールを貼った人がなんらかの攻撃を受けた場合、そのダメージはBのシールを貼った人が受ける。ようするに、ダメージの肩代わりをすることができるの」


ヒロシ「生粋のマゾとして名を馳せた僕の欲望も満たせるし、一挙両得な機密道具だね」


 マルぼんはAシールをルナちゃんに貼り、Bシールをヒロシに貼りました。


ヒロシ「はははは。これで僕はルナちゃんの騎士! ははははは! あれ!?」


マルぼん「どうした」


ヒロシ「財布から、お金が消えていくんだ!」


黒服「ちわーす。お仕事の時間ですー。発電所に行きましょうね」


ヒロシ「またもや発電所内部の掃除!? なんで、借金はすべて払い終えたはず」


マルぼん「そういえば、焼き討ちで崩壊した宗教団体が、ルナちゃんに損害賠償を求めたとか」


 マルぼんは、経済的ダメージまで肩代わりさせてしまう『盾シールA・B』の効果は絶大だと思いました。


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「なぐってハニー」の巻
ヒロシ「ナナナナナナナナナウマン象の野郎と殴り合いをすることになっちまったよう! ヤツは僕がパンチを一発かます間に、こちらに三発のパンチをぶち込んでくるんだ! とてもじゃないけど勝ち目がないよう!」


マルぼん「あちらが一発のパンチをぶち込んでくる間に、こちらが百発のパンチをぶちこめば勝てるわけだ」


ヒロシ「それができたら貴様の存在意義など皆無だよ!」


マルぼん「『連射ハンドクリーム』。このハンドクリームを手に塗れば、その手には『連射効果』がつく」


ヒロシ「連射効果?」


マルぼん「簡単に説明する。このハンドクリームを塗った手で、誰かを一発殴る。殴られた相手は一発しか殴られていないのに、二発殴られたのと同じダメージを受けるんだ。ようするに、このクリームを塗った手は、実際には連射していなくても『連射した効果』だけを発揮できるようになるんだ。しかも、ハンドクリームを塗り重ねることで、効果も重ねられていく。がんばれば、一発のパンチで千発分のパンチのダメージを相手に与えることも可能なの」


ヒロシ「よ、よし。このハンドクリームで、『一発で千発パンチ』を生み出してやるぞ」


 翌日、ヒロシが喜んで帰ってきました。


ヒロシ「やたー! 僕の一発千発パンチでナウマン象のヤツ、再起不能だ!」


マルぼん「おめでとう!」


ヒロシ「この勝利をルナちゃんに捧げよう。さぁ、早速電話だ」


 ルナちゃんに連絡すべく、携帯電話を操作しはじめるヒロシ。


 翌日、ルナちゃんは山奥にある窓のない病室がある白い病院へ入院しました。かなり精神的に疲弊しているとのことです。


 ルナちゃん曰く、「ヒロシの野郎が、一日に千回も同じ内容の電話をしてきたのが原因」とのことですが、通話記録は一度だけだったので、ヒロシは罪に問われませんでした。


 マルぼんは『連射ハンドクリーム』の効果は絶大だと思いました。


日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「人助けしないやつは、生きる価値がないんだ」の巻
 町人のモラルの低下が問題になっている微笑町。ついに「1日に最低1回人助けしないと死刑。そのかわり、1月で一番人助けをしたMVPの人にはステキな賞品が!」という「それダメだろ」と言いたくなる法律が施行されました。偽善者のヒロシも、老人ホームを慰問してギャルゲーの二次創作小説(自作)なんかの朗読をしたり、保健所で処分直前の犬や猫の前でギャルゲーの複数ヒロイン同時攻略の模様を披露したり、病院のICUでお気に入りヒロインのコスプレを披露したりとせこく点数を稼いでいますが、なぜかこれらの行為は『人助け』にカウントされませんでした。


マルぼん「キミの行為は贔屓目に見ても人助けじゃないよ」


ヒロシ「僕は生まれてこのかた、人助けなどしたことがないのだが。当然、やりかたもわからん!」


マルぼん「『人助けワッペン』。これをつけな」


ヒロシ「つけたよー」


ママさん「ああー買い物行かなくちゃー」


ヒロシ「あ、体が勝手に…動く」


マルぼん「このワッペンをつけていると、誰かが困っている状況に出くわすと、勝手に体が動いて人助けをするようになるんだ」


 マルぼんの貸した『人助けワッペン』の力で、ヒロシは見事、月間MVPの栄光に輝きました。


ヒロシ「賞品はなんと、『豪華客船に乗って1人で行く、世界一周の旅』だってさ」


マルぼん「よかったなぁ」


 ヒロシは1人、豪華客船で旅にでました。


ヒロシ「いやー船旅は最高だなー」


船長「お約束で、氷山に激突しました! まもなく沈みます!」


ヒロシ「えええ!?」


 急いで救命ボードに乗り込むヒロシら乗客たち。


船長「あ。救命ボードの定員は10人なのに、このボードには11人いる!」


乗員「このままじゃ沈む。あーあ。だれか1人、降りてくれたら助かるんだけどなー」


船長「ほんとほんと」


ヒロシ「え、あ、ちょ、ちが……」


ドボン


乗員「いま、少年が海に飛び込みました」


船長「おお。なんと自己犠牲の精神に溢れた少年なんだ」


 マルぼんは『人助けワッペン』の効果は絶大だと思いました。

日記 | 12:51:52 | Trackback(0) | Comments(0)
「このボイン、誰のもの」の巻

ルナちゃん「儀式でオリジナルブレンドの薬を服用して以降、やたらと虫がたかるようになってきたの。ほら、ここにもそこにもここにもそこにも。腕から離れろ、虫! 離れろ、離れろ! 私の前から消えてなくなれ! 消えてなくなれ、この世界から!!」


ヒロシ「ルナちゃん、虫なんてどこにもいないよ」


ルナちゃん「いるわ虫。なんで他の人には見えないの? なんで、なんで」


ヒロシ「ルナちゃんが極限状態になっているわけだけど、ここでルナちゃんを助けたらウハウハじゃないだろうか。ヒーローじゃなかかろうか。おっぱいとか、触らせていただけるのではなかろうか」


マルぼん「未来の世界の殺虫スプレーがあるよ。このスプレーを撒けば、どんな虫でも…たとえ他人には見えない妄想の虫でも殺虫できる」


ヒロシ「よし、さっそくスプレーを撒こう(おっぱいのために!)」


 さっそくスプレーを撒くヒロシ。


ルナちゃん「あ。虫が消えた。死んだわ!」


ヒロシ「へへ…ルナちゃん、すべて僕のおかげだよねえ。だから、僕におっぱいをだね。げへへ。げふっ(吐血)」


 未来の世界の殺虫スプレーの力で、ルナちゃんに言い寄ろうとしていた悪い虫も殺虫されました。マルぼんは『未来の世界の殺虫スプレー』の効果は絶大だと思いました。

日記 | 09:41:20 | Trackback(0) | Comments(0)
「ヒロシ、思うままわがままに旅を続けたい!」の巻
ママさん「マルちゃん! 歩くたびに、なんか体から変な液がたれているわ! 拭きなさい!」


ママさん「ヒロくん! 庭の雑草を抜くの面倒だから、あんたがやりなさい!」


ママさん「ダーリン! 休日に家でゴロゴロされたら不快なので、一日出かけてきなさい! はい、小遣い!(100円を投げる)」


マルぼん「なんだいなんだい。ママさんってば、上から物を言ってさ」


ヒロシ「まぁ、わが家のエライさんだから仕方がないよ。ああ、僕も一度でいいから、人様に上からものを言って、優越感にひたりたいなぁ」


マルぼん「人と話すとき、自然と卑屈になり、最終的に相手の靴まで舐めだしてしまうくらい小心者のきみが、上から物を言うなんて無理だよ」


ヒロシ「それをなんとかするのが君の仕事、生きる意味だろう」


マルぼん「しかたないな。『思うままリップ』。こいつを唇に塗ると、自分の思うままに話をすることができる。たとえ悲しい場面でも『明るく話したい』と思えば、小粋なギャグのひとつやふたつは余裕で話すことができるよ」


 ヒロシはさっそく『思うままリップ』を唇に塗ると、人様に上から物言うべく、出かけて行きました。


ヒロシ「それじゃ、行ってくるね」


マルぼん「行ってらっしゃい」


 しばらくして、病院から電話がかかってきました。


マルぼん「え、ヒロシが!? ダンプカーに跳ねられて!? その短い生涯を!?」


 ヒロシ亡き後、マルぼんは大沼家の養子になりました。学校に、職場に、がんばっています。そもそもマルぼんは人間じゃないので色々苦労することもありますが、そういうときは空を見上げます。


「がんばれよ、マルぼん」


 ヒロシが、空の上からマルぼんを励ましてくれているような気がして、元気になれるからです。


 マルぼんは、ヒロシがものすごい上から物を言えるようにしてしまった『思うままリップ』の効果は絶大だと思いました。

日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「あにめか」の巻
ヒロシ
「ルナちゃんとこの尊師の考えたお話がアニメになるんだって。
タイトルは『アース・オブ・プラチナ~光あふれる世界へ~』だって。
人気声優を金に糸目をつけずに起用して、
それ目当てに映画を観に来たファンを引きずり込むのが目的だとか。羨ましい! 僕の考えた
お話『俺の彼女と幼馴染と妹が俺を守る女剣士と険悪なんだが』も、アニメにならないかなぁ」


マルぼん「『大作家ベレー帽』。こいつをかぶると、
一番最近執筆したものが、どんなくだらない作品でも
必ず映像化されたりする」


ヒロシ「さっそくかぶってみるよ。かぶったよ?」


マルぼん「どのチャンネルでも構わんので、テレビをつけてみな。
さっそく、君の執筆作品が映像化されて放送されているから」


 テレビをつけるヒロシ。


ほのぼの家族アニメ ヒロシくん


ママさん『ただいまー』


男『あははは』



ヒロシ『この方は?』



ママさん『わたしのだんな様よ。今夜ひと晩だけの、ね』



男『あははは』



ママさん『はい、お小遣いあげるから、今夜はどこかよそで過ごしてね』



男『あははは』



ママさん『さぁ、ヒロシ。はやく行きなさい』



男『あははは』




マルぼん「これは…」


ヒロシ「昨日書いた日記と同じ内容っ」



 マルぼんは、日記まで映像化してしまう『大作家ベレー帽』の効果は絶大だと思いました。



日記 | 09:47:33 | Trackback(0) | Comments(0)
 町のやっかいものが多数所属していた弱小ラグビーチームが
常勝ラグビーチームへと進化を遂げたそうです。


マルぼん「なんでもラグビーチームの監督になった人がすげえヤツで、
光の速さでクズ選手どもを更生させ、スーパーラグビーチームにまで育て上げ
たみたいだね


ヒロシ「うらやましいなぁ。僕にもすげえ名監督がついて、
みんなが羨ましがる超人物に育て上げてくれないかしら」


マルぼん「『ご指定ベル』。このベルを鳴らせば、
自分の望む人物が、いつか必ず来てくれる」


ヒロシ「よし。さっそく『ご指定ベル』を鳴らそう。僕をいい感じで導いてくれる人が現れますように」


ちりんちりん…


包丁を持った隣人「うるせー! ぶっころす!」


ヒロシ「きゃー!」
 とっさに包丁を隣人から奪い取るヒロシ。さぁ、反撃だっ。ブスっとな! 以下省略。


 裁判の結果、ヒロシは豚箱行きだけは勘弁していただけることになりました。少年法に感謝。すべての未成年にありがとう。


ヒロシ「まぁ、よしとするかー」


中村「こんにちは」


ヒロシ「あの、どちらさまで」


中村「あなたの保護司をすることになった、中村土門です。
大丈夫。きみは必ず、社会に復帰できる。必ず、だ! 共にがんばろう!」

 今、ヒロシは中村さんの観察の下、朝の公園の掃除なんかをしています。「なぜ人を傷つけてはいけないか」なんてことも学んでいます。
いつかどこかで、皆さんとお会いできる
こともあるでしょう。そのときは、事件のことを伏せてあげてください。お願いします。悪気はなかったんです。本当なんです。
信じてください。

 マルぼんは、ヒロシに素敵な監督を遣わしてくれた『ご指定ベル』の効果は絶大だと思いました。




日記 | 09:45:10 | Trackback(0) | Comments(0)
「箔」の巻
ナウマン象「おいヒロシ。おまえの国籍、知り合いの不法滞在者に10円で売ってやったぞ」


金歯「いじめの一環でおじゃるの」


ヒロシ「ひどいやひどいや。あまりにひどいや。おまえたち、絶対に死なせたる」


ナウマン象「死なす? 弱虫ヒロシが、俺たちを? ぷははははは。笑わせるなよ」


マルぼん「きみはなめられまくっているから『死なす』とか言っても、相手の心にトラウマのひとつも残りやしないよ」


ヒロシ「くやしい……!」


マルぼん「もっと貫禄があったらねえ。たとえば、君が好きな女の子を殺して死肉を食らうヤツだったら、『死なす』という言葉の説得力と攻撃力は高くなると思うんだ」


ヒロシ「そんな人間になりたかないよ!」


マルぼん「まぁ、待て。実際にならなくても、貫禄だけゲットすることは可能さ。『箔シール』。このシールを貼ると、中身が伴ってなくても箔がつく」


 たとえば、金持ちでもなんでもない人が『金持ち箔シール』を貼ると、まるで金持ちのような貫禄がつきます。
ヤクザでもなんでもない人が『ヤクザ大親分箔シール』を貼ると、まるでヤクザの大親分のような貫禄がつきます。


マルぼん「好きな女の子を殺して死肉を食らうヤツでもなんでもない君が『殺人鬼箔シール』を貼れば、まるで好きな女の子を殺して死肉を食らうヤツのような貫禄がつくわけさ。そうすれば『死なす』の一言でナウマン象や金歯はビビって失禁するだろ。その様子を撮影すれば、その手のマニアに売れてお小遣いもゲットだ」


ヒロシ「実際に殺してなくても、殺したことがあるかのような貫禄をゲットできるのか。よし、そのシール貼るよっ」


 さっそく『殺人鬼箔シール』を体に貼るヒロシでしたが


警察官「大沼ヒロシくんですね」


ヒロシ「そうですが」


警察官「昨日の夜7時頃、なにしてました」


ヒロシ「家でゲームを」


警察官「証明できる人は」


ヒロシ「いないです。同居人のマルぼんは出かけていたし」


警察官「そうですか。実は、夕べこの近辺で殺人事件がありまして」


ヒロシ「ええええ!?」


警察官「署までご同行願います」


ヒロシ「ぼ、僕は殺してません。本当です。マジです!」


警察官「ご近所の皆さんがこぞって『大沼さんとこの息子は人とか殺しまくってそうな雰囲気あるよ』と言ってますよ」


ヒロシ「たすけてぇぇぇ」


金歯「えらいことになったでおじゃるな。『箔シール』さえ貼らなきゃ、疑われることもなかったろうに。」


マルぼん「『箔』なんて下手に転んだら悪いレッテルと変わらないからな。ないほうがいいんだ」



日記 | 09:36:31 | Trackback(0) | Comments(0)
「ぶるわぁ! 完全体」の巻
ヒロシ「ああー! ネットで注文していて本日ようやく到着した『わんぱく容疑者 シドロとモドロ』の
最新刊、帯がついていない! ちくしょう、苦情だ、苦情の電話だ!」


マルぼん「帯くらいいいじゃないの。きちんと読むことさえできれば」


ヒロシ「いいものかよ! マニアにとっては、帯は本そのものよりも大切な場合があるんだぜ! 帯があってはじめて完全なんだ! 帯がなきゃ、不完全さ! 激しく不完全さー!」


マルぼん「不完全こその美しさもあるんじゃないカナ? あるんじゃないカナ?」


 マルぼんが心のこもった説得をしたものの、「帯がない、帯を返せ、いっそのこと殺せ」とヒロシが騒ぎます。「私、もう、限界! この子のこと愛せない!」と思ったマルぼんは機密道具を出すことにしました。


マルぼん「『完全判』。この判子を押したものは、なんでも完全になってしまう。たとえば、半分食べてしまったケーキに押すと、食べた部分が復活して完全な状態になる」


 マルぼんが、『わんぱく容疑者 シドロとモドロ』の単行本に『完全判』を押すと、失われた秘宝こと帯がいきなり湧いて出ました。


ヒロシ「すごいや、これでマニア仲間に『貴様の単行本、帯がないじゃないか。ぷっ(笑)』とバカに
されずにすむぞう!」


 喜んでいたヒロシ、じっと『完全判』を見つめます。


ヒロシ「これを自分の体に押せば、もしかしたら僕は完全な人間になれるのではなかろうか」


 自分の体に『完全判』を押すヒロシ。しかし、なにも変わったことはナシ!


ヒロシ「さすがにそんな虫がいい話はないか。ふう。あきらめて、『わんぱく容疑者 シドロとモドロ』
の最新刊でも堪能するかぁ。どれどれ。って、痛っ」


 さすが新刊本。紙の端がするどくなっていて、ヒロシは指先を少し切ってしまいました。


ヒロシ「あれ?」


 なんということでしょう。切り傷がすごい勢いで広がっていきます。ヒロシは声ひとつ出せません。
傷はあっというまヒロシの指を裂き、手のひらを裂き、腕を裂き、体を裂き、ヒロシの体を完全に2つにひき裂いてしまいました。そう、完全に。マルぼんは、切り傷まで完全にしてしまう『完全判』の効果は絶大だと思いました。


日記 | 15:11:05 | Trackback(0) | Comments(0)

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