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大沼ヒロシ

Author:大沼ヒロシ
大沼ヒロシと申します。ブログはじめたての初心者です。どうぞよろしく。

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「スリルは恋、ショック、サスペンス」の巻
 僕たち平成生まれのニュージェネレーション(ノーフューチャー)が、空き地(持ち主の近所のおっさんが、諸事情で山奥の病院で治療中なので、野ざらし状態)でカードゲーム(必勝法=金を積んでレアカード買え!)に興じていると、金歯がやってきました。


金歯「やぁ愚民ども。必死に生きているでおじゃるか?」


ルナちゃん「こいつポアしたいひとー」


一同「はーい! はーい!」


金歯「おやおや(笑)それはそうと、今日はそちたちにおいしいお話があるんでおじゃるよ。今年も『金歯宅 人が演じるお化け屋敷 チコタン』を開催するのでおじゃる」


ヒロシ「はぁ? お化け屋敷ィ?」


ルナちゃん「クーダラナイ! やっぱりポアね、ポア!」


金歯「話は最後まで聞くでおじゃるよ。お化け屋敷にお化けをやってもらうため、朕は役者50人を呼んだのでおじゃる。ところが、庭の井戸から役者の1人が遺体で発見されたのでおじゃる。遺体は全ての髪の毛をむしり取られているという悲惨な状態…」


一同「……」


金歯「ところが、1人死んだはずなのに役者の数は50人のまま。で、ニュースとか見ると『相手の髪の毛を全てむしりとる連続殺人鬼』が服役中の刑務所から脱獄、このあたりをうろついているという情報」


一同「……」


金歯「本当のスリルが味わえるお化け屋敷。いかがでおじゃるかな?」


ナウマン象「お、俺は行くぞ!」


ルナちゃん「あたいも!!」


ヒロシ「僕も!」


金歯「ヒロシは無理。悪いでおじゃるな。このお化け屋敷、3人用なんでおじゃる」


ヒロシ「というわけで、僕もスリルを堪能しまくって、今頃殺人犯と遊んでいる金歯どもにギャフンと言わせて報復したいよ! 土下座さ、土下座!」


マルぼん「スリルなんてね、無理して堪能するものじゃ…」


がしゃーん!!


 マルぼんがヒロシと話をしていると、部屋に何かがを投げこまれてきました。催涙弾でした。



マルぼん「う、ごほっごほっ…い、いったいなんなんだ!?」


ヒロシ「きっと金歯の野郎だ。あいつ『ヒロシにはスリルと味わう権利(あと、生きる権利)はないでおじゃる。朕が決めたでおじゃる。だから、それ関係の会話をしてはいけないでおじゃる。わかったな! 常に監視しているでおじゃるからな!!』とか言っていたし」


ママさん「大変よ、今、どこの誰かもわからない人から『それ以上スリル関係の話をしたら死なす』という電話が!」


ヒロシズグランドファーザー「ヒロシ、今電話があって『諸事情で、お宅にはガスも電気も水も供給できなくなりました』って……」


タバ子(妹)「お兄ちゃん、下校中、なんかたくさんの人に後をつけられたよ!」


シン奈(妹)「お兄ちゃん、外回りに出ていたパパが、黒塗りに車に無理矢理連れ込まれたって連絡が!」


ヒロシ「あースリル味わいてー」


 鈍感さんなヒロシに軽く萌えつつ、マルぼんは、身に着けるだけで誰でも簡単にスリルを味わうことのできる機密道具アクセサリー『スリリング』を用意することにしました。


ヒロシ「装着したよ『スリリング』」


マルぼん「OK。これで君は、馬鹿でもスリルを味わうことができる。さっそく町へと繰り出そう。欲望渦巻く町へと」


 そんなわけで町…欲望渦巻く町へと繰り出したマルぼんとヒロシ(愚か者)でしたが、しばらく歩いてもスリル溢れるような事態は起こりませんでした。


ヒロシ「んだよっ! またカス道具か! 役に立たない居候だな! 生活費、来月から納めてもらうよ!」


マルぼん「おかしいな…おかしいなって…おい!」


 マルぼん超びっくり。なぜなら、ヒロシが大量の財布を手に抱えていたんですもの。「それはいったい」と尋ねてみると


ヒロシ「通行人とすれ違うたび、手が勝手に動いて…いつのまにかこんなにたまっていたんだ」


マルぼん「あ! この『スリリング』、同名だけど違う効果のヤツだ! これは…装着した人がスリになる『スリリング』! 今すぐ外せ!!」


ヒロシ「いや、結構」


マルぼん「え?」


ヒロシ「財布をとる瞬間、なんか背筋がゾクゾクして、体験したことのないような快感が僕を包んだんだ。最高さ、このスリルは最高さ…!!」


マルぼん「目を覚ませー!!」


 とっさに、ヒロシの首筋に注射(中身は「こういう時に使う、効果抜群のお薬。でも副作用で三日三晩死ぬほどの痛みに襲われるの。注意してね」)をするマルぼん。ヒロシは気絶したので、引きずって家まで帰りました。


 すれから数日後。


 ヒロシは今、拘束着+口に猿轡という出で立ちで、部屋の片隅に転がっています。別に「新たな快楽に目覚めた」とかそういうワケではなく、そうしないと、自ら死をえらんでしまうのです。


 注射のチカラで我にかえったヒロシは、自分のしでかした罪(スリ)の重圧に耐えられず、壊れてしまったのです。


 病院に連れて行こうと思ったんですが、近場にはすぐにロボトミー手術を勧めたり、「先生、メスが足りません!」「いけねっ、忘れてた。患者の中に」「もう、ドジな先生!」「あっははー」というやりとりをする医師と看護師が佃煮にするほどいる病院しかないので、無理です。


 なんかこう、将来に絶望的になったマルぼんは、気晴らしにテレビをつけました。ちょうどニュースが放送されていました。


ニュースキャスター『A国とB国が緊張状態に…』


ニュースキャスター『相次ぐテロにより…』


ニュースキャスター『包丁を持った男が…』


ニュースキャスター『発がん性のある物質が大気中に…』


 なんだ。


マルぼん「『スリリング』なんて使わなくても、世界に溢れかえっているじゃん。スリル」


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日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「夏休み、もうあかんか。もう終わりか」の巻
ヒロシ「ワ! 夏休みの宿題を全然やっていないよ!? ペスト(担任)に折檻される! 折檻だけではなくて、宿題やらないやつ用テストを受けさせられる! そんなのはいやだ!」


マルぼん「『いいわ毛』。この毛を植毛すると、口が勝手に言い訳をしてくれる。これでペスト(担任)をだまくらかしなよ」


そんなこんなで新学期。


ペスト「宿題を忘れた!? 理由をいってみろ! 笑えない理由だったら死なすぞ!」


ヒロシ「ラジオから『宿題をするな』という指令が下ったのです。宿題は宇宙人による地球植民地化計画の一環で……」


 その後。


医師「(黄色の紙をみせて)これ、何色に見える? 青?」


ヒロシ「黄色です」


医師「2×3は? 5?」 


ヒロシ「……6です」


医師「(子供たちが遊んでいる写真をみせて)これを見てどう思う? この人たちがこの世から消え去って欲しいとか思いませんか? 幸せな他人をみると、危害を与えたくなったりしませんか」


 しばらくの間、宿題はやらずによくなりましたが、結局、毎日のようにテスト(別の意味)を受けるハメになりました。ヒロシのようになりたくなければ、よいのみんなは、夏休みの宿題をきちんとやろうね! マルぼんとの約束だよ(約束してくれる人にはマルぼん特製血判状をお送りいたします!)


日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「ネタ切れだ! トーナメントだっ」の巻
 夏休みも終わりが近い本日、ヒロシは一日中部屋で過ごすことにしました。ネットにゲームに漫画。外出するつもりは微塵もありません。「若いうちからそんな生活、将来は『生活習慣病→死♪』のコンボで確定だな!」と人は言いますが、ヒロシは「今さえよければ、未来なんて他人事」な現代っ子なので、無問題です。


「大沼の坊ちゃん! 今日はなんの日かを忘れてしまわれたのですか!?」。素敵なヒロシの休日を邪魔する声。例の居候未来怪生物・マルぼんです。言葉遣いが変なのは、主人と従者の関係をはっきりとさせるべく行なった、当然の処置の結果です。


ヒロシ「うるさいな。僕は外も一歩もでないぞ。ついでに始業日は学校も休んでやる」


マルぼん「今日は『おじいちゃんがライオンに喰われた』の16巻の発売日ですよ」


ヒロシ「あ」


 不覚不覚。なんたる不覚。そう、今日は『ボロボロコミック』で好評連載中の超人気漫画『おじいちゃんがライオンに喰われた』最新16巻の発売日。僕としたことが、すっかり脳内か発売日のことを削除していました。


 15巻のラストで、おじいちゃんを喰ったのはライオンではなくクマだったことや、喰われたのはおじいちゃんではなくおばあちゃんだったことが判明。さらには、かつて主人公と対立していたコズミック番長とアトミック総長が助けに来たけど即死亡するなど、大盛り上がりしだったのです。16巻にも期待せざるをえません。


ヒロシ「いけないいけない! ちょっと本屋さんへ行ってくるよ!」


マルぼん「マルぼんも読みたいから、いそいでくださいよ」


 家を飛び出し、これからの人生でもお目にかかれなさそうなスピードで走るヒロシ。
しばらくすると、通行人が全員土下座しているという光景に出くわしました。遠くからは「下にぃ下にぃ」という声。金歯の大名行列です。載っていた籠から顔を出す金歯。




金歯「ようヒロシ。どうせ『おじいちゃんがライオンに喰われた』の16巻を買いに行くんだろ。無駄だからよしとけよ」


ヒロシ「なんでだよ」


金歯「世界中の『おじいちゃんがライオンに喰われた』の16巻は、朕が買占めたからさ!」


 な、なんだってー!


 金歯の大名行列に参加している従者・奴隷を見てみると、皆さん、本が大量に入った袋を持っています。


金歯「あの本は全て、『おじいちゃんがライオンに喰われた』の16巻さ」


僕「同じ本を大量に買って、何に使うんだよう…」


金歯「今日の10時に読む用。これは今日の11時読む用。(中略)あっちは、今日の10時の保存用。こっちは雪山で遭難した時にたき火の燃料にする用。それは、朕が死んで墓に入るとき殉教者と一緒に入れる用。キミら庶民に行き渡る余裕はなさそう」




ナウマン象「そんな馬鹿な!」


 いつのまにか、ナウマン象やルナちゃん、大脳やパラサ伊藤(新キャラ。たぶん二度とでません)といった、お馴染みの面々が揃っていました。みんな、驚いた表情です。


ナウマン象「金歯、貴様…細切れにしてホルマリンに漬けにして、大学の医学部に寄贈してやるぞ!」


ルナちゃん「そんなそんな。『おじいちゃんがライオンに喰われた』の16巻だけが、私の生きる希望だったのに! 明日への糧だったのに! 」


大脳「金持ちは金持ちらしく、札束をホチキスで留めて本みたいにしたのでも読んでおけばいいでヤンス!」


金歯「はん! 愚民ども叫ぶだけ叫べ!」


ナウマン象「なんだと!?」


 そしてはじまる、いつもの連中VS金歯親衛隊の、血で血を洗う地獄の乱闘。ヒロシもネット通販で買ったバタフライナイフ片手におお暴れです。


マルぼん「な、なにをやっているんです。やめてください、皆さん、やめてください!」


 駆けつけたマルぼんがなにか叫んでいましたが、皆さん、余裕で無視です。



マルぼん「ケンカはよして! 争わないで!」


 マルぼんの、乙女の悲鳴にも似た悲痛な叫びも、ドラッグとロックンロールにまみれて生きてきた現代っ子たちには通じません。


マルぼん「仕方がない。機密道具『異臭発生装置』!」


マルぼんの機密道具メモ

『異臭発生装置』は異臭を発生させて、不特定多数の人間を困らす道具だよ。発生した異臭をすったら、異様に鼻毛が伸びた上に1ヶ月くらい鼻血が止まらなくなるよ。



 ヒロシたちの抗争は、全員入院という平和的解決で幕を閉じたのでした。で、1週間後。微笑町総合病院の病室。


マルぼん「なるほど。『おじいちゃんがライオンに喰われた』16巻を、金歯君が買い占めたのが原因か」


金歯「金が腐るほどあるんだ! 使ってみて悪いか!」


ヒロシ「僕らみたいなちっぽけな存在にだって、漫画を読む権利はあるさ」


マルぼん「話はわかったよ。よし。だれが『おじいちゃんがライオンに喰われた』16巻を読むのに相応しい人間か、トーナメントで決着をつけよう!」


マルぼんの機密道具メモ『トーナメン兎(と)』

どんなケチな戦いも壮大な戦いも、あっという間にトーナメントにして解決してしまう、素敵なウサギさんタイプの機密道具だよ。みらいのせかいでは、100年以上に渡る宗教戦争(地球の人口の3分の2が死滅)が、こいつのおかげで2分で終わったこともあるんだ。あと、トーナメントでの戦いは、テーマや賞品にちなんだものになるんだ。例えば、ハサミに関するトーナメントなら、ハサミ使いを競いあうトーナメントになる。



 マルぼんの出した機密道具で、『おじいちゃんがライオンに喰われた』に関する争いは、トーナメントで決着をつけることになりました。


 トーナメント戦の内容は、当然、『おじいちゃんがライオンに喰われた』に関する知識のひけらかしあいです。


 戦いが始まった! そして終わった!


司会「優勝は、微笑町にお住まいの、田所新一さん(24歳・浪人生)です」


 小学生ばかりのところに1人だけまじってた大人の人(24歳・浪人生)の優勝で、トーナメントは幕を閉じました。


「おじいちゃんがライオンに以下略」トーナメントは残念な結果になってしまったわけですが、「トーナメン兎」という機密道具の存在を知ったヒロシの心は、いつになくギラギラしていました。


ヒロシ『トーナメン兎』さえあれば、この世界のありとあらゆる諍いや争いを、トーナメントバトルで解決することができ。そうすれば、紛争に無関係の人が巻き添えで死ぬことなどなくなるはず。
『トーナメン兎』の力で世界に永久の平和をプレゼント。僕にはそれができる。僕は救世主になれる。というか、もう既に救世主。いやいや、かなり前からずっと救世主」


ヒロシ「マルぼん、僕は救世主だったよ」


マルぼん「そうかいそうかい。大丈夫。今はよいお薬があるから」


ヒロシ「ママ、あなたは救世主の母親です」


ママ「ママの知り合いに、かわいそうな人の面倒をみてくれるえらい先生がいるから大丈夫よ」


 ママもマルぼんも何を言っているんだと、ヒロシは色々と準備をしている2人をおいて、「トーナメン兎」をもって外へととび出しました。


ヒロシ「今現在、誰かと争っているかたはおられませんか。遺産を巡って親族と血みどろの戦い(IN法廷)を繰り広げている人とかおられませんか。僕は救世主なので、皆さんをお救いすることが出来ますよ」


見知らぬ女性「僕ちゃん、こんなところでなにをやっているの?」


 駅前で救世主活動を行なっていると、見知らぬおばさんが僕に話しかけてきました。ヒロシが「トーナメン兎」とそれを使用した作戦の概要を説明すると、おばさんは哀しい目をして、僕を抱きしめました。


見知らぬ女性「大丈夫。あなたは悪くない。そう、あなたは悪くないの。悪いのは世間。あなたみたいに純真な子供のココロを汚す、世間なのよ」


ヒロシ「なにがなんだかさっぱり理解できないのですが」


見知らぬ女性「あなたは天使。白い翼の天使。汚れた21世紀では飛ぶことのできない天使なのっ。安心して、私は味方。あなたみたいな子供を何人も世話しているから」




 状況を把握できないでいると、ママとマルぼんがこれまた見知らぬ中年女性を連れてやってきました。


マルぼん「いたいた」


ママ「ヒロちゃん、こちら、財後先生よ」


財後「はじめましてヒロシくん。私はキミのような子を何人も診ている医者なんだ。安心してくれたまえ。さあ、一緒に行こう」


見知らぬ女性「何を言っているんですか。この天使ちゃんは、私の施設で面倒をみています」


財後「アマチュアが軽々しく手を出さないでもらおうか」


見知らぬ女性「な、なんですって! ムキー!」


ヒロシ「ケンカはやめて! 2人をとめて! 私のために争わないで!」


 ヒロシは発作的に「トーナメン兎」を発動させていました。



トーナメン兎「機動だニンジン。機動だニンジン」


 起動した途端、これ以上ないくらい兎らしいしゃべりかたをしたトーナメン兎。光の速さで駅前にコロシアムを設置し、観客を連れてきました。


トーナメン兎「これより、第一回『かわいそうなヒロシを救済するトーナメント』を開催するだニンジン。参加者は2名だけどよろしくだニンジン。まずは赤コーナー『この道一筋32年。休日は役所前で抗議活動』でおなじみの見知らぬ女性氏」


見知らぬ女性「他人の幸せが私の幸せ。自国の不幸も私の幸せ~!」


トーナメン兎「青コーナー『ひきこもり千人切り。休日は各地の大学で講義活動』でおなじみの財後先生」


財後先生「原因はゲームです。まちがいない!」


トーナメン兎「ルールは簡単。かわいそうなヒロシくんを、よりしあわせにしたほうが勝ちです。それでは試合開始!」


見知らぬ女性「ヒロシくん。さぁ、これを食べて。今まで五百人以上のアウトドア生活者の皆さんに炊き出してきた、特性豚汁よ」


ヒロシ「熱いよ。マズイよ。なんか臭いよ。これ…この肉って豚ではないですよ?」


見知らぬ女性「人の善意を踏みにじるなんて最低!」


財後先生「ヒロシくん。遊び相手だよ」


土佐犬「グルルルル…」


ヒロシ「闘犬とかよく見る種類の犬だ…」


財後先生「アメリカの少年院では、服役している少年たちが動物との触れ合いで命の大切さを学んでいるんだ。さあ、鬼のように触れ合いたまえ」


土佐犬「グガァァァァァッ」


ヒロシ「いやぁぁぁぁぁぁぁっ」


トーナメン兎「この勝負ドロー! 2戦目突入!」


見知らぬ女性「ヒロシくん。飲んだら光のはやさで病気が治った奇跡の水(ワンセット35000円也)を飲むのよ。お金は後でいいわ!」


財後先生「ヒロシくん。手術だ。このマイクロチップを脳に埋め込んだら、怪行動がでなくなったという報告が」


トーナメン兎「この勝負ドロー! 続いて第14戦目!」


 選手の実力が拮抗し、鬼のように白熱する『かわいそうなヒロシを救済するトーナメント』。見ているほうは楽しいでしょうけど、巻き込まれているこちらにしては正直体がもちません。続く14戦目も、結果はドローでした。


トーナメン兎「むうう。このままではいけないだニンジン。2人の実力は、ヒロシというゴミのような物差しでは量りきれないだニンジン。ここでルール変更、救済する対象の『かわいそうな人』を増やしますニンジン」


 トーナメン兎は配下の者に命じ、観客の中からいかにもいかわいそうな人生を送っていそうな人々を、リングに集めてきました。


集められた人A「なんで私がかわいそうな人間なんです。私、愛する妻と新婚生活に勤しむ毎日で、それはもう、幸せ真っ最中なのですよ」


トーナメン兎「この写真見てください。奥さまがラブホテルから出てくるところですニンジン。あ、奥さまはこのホテルで働いているんですかニンジン? 一緒に写っている男性は同僚かなニンジン」


集められた人A「げげぇ!?」


集められた人B「健康の代名詞みたいな私がどうしてかわいそうなの? 会社の健康診断だって、余裕でクリアだし」


トーナメン兎「残念。健康診断にきた医者が悪かったんですねニンジン」


集められた人B「なに、それ、どういうこと!? 目をそらさないで答えてよ!」


ママ「素敵な旦那様とかわいい息子、役に立つペットに囲まれた私がかわいそうだとでも!」


マルぼん「え。ペット?」


トーナメン兎「奥さま、目が笑っていないだニンジン」


 選抜されたかわいそうな人々をもってしても、見知らぬ女性と財後先生の決着はつきませんでした。


トーナメン兎「く。タマ切れだニンジン。このままではトーナメントが順調にすすまない…それだけは避けないといけないだニンジン。ちょっと、そこの人、リングまで来て!」


そこの人「え。僕、かわいそうな人ですか。自覚ないんですけど」


トーナメン兎「そんなことないだニンジン。幸せな人生を送っているだニンジン」


そこの人「じゃあなんで」


トーナメン兎「かわいそうな人がいなくなったんだニンジン。いなくなったら、作るしかないだニンジン。……今、あなたの会社に辞表届をだしてきたニンジン。あなた名義で」


そこの人「げげぇ!?」


トーナメン兎「ドロー! この勝負もドローだニンジン!」


 わざわざかわいそうになってもらった人たちをもってしても、見知らぬ女性と財後先生の救済バトルには決着がつきません。


トーナメン兎「よく見たら会場には人が全然いないニンジン」


 観客のほとんどは救済バトルの犠牲となって露と消え、会場には試合に出ている2人とヒロシ、ゲームに夢中で試合に興味のカケラもなさそうなマルぼんがいるのみです。


トーナメン兎「この2人の力量を測るには、もっともっと大量で壮大なタマが必要だニンジン。…そうだ。むむむむぅ」


ヒロシ「どうしたのさ。真剣な顔して」


トーナメン兎「今、みらいのせかい名物の超特殊電波を駆使して、世界中の軍事施設のミサイルを同時発射させたニンジン。もちろん、各国の迎撃システムもバグらせ済みだニンジン」


ヒロシ「な、なんだって! そんなことしたら、世界中焼け野原じゃないか! 世界中にかわいそうな人が溢れかえるよ!」


トーナメン兎「それが願いだニンジン。最終試合は『焼け野原と化した世界で、より多くかわいそうな人々を救済したほうが勝ち』というルールだニンジン。それでは試合開始……」


 その日、地球はかわいそうな星となったのでした。

日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「看板女その名はルナちゃん」の巻

ルナちゃん「ここね、看板娘を募集しているという居酒屋は」


 最近、『看板娘』という言葉に憧れているルナちゃん。『看板娘になるような美人のバイトさん』を募集している居酒屋を見つけて、なんとかここでバイトをしたいと思い、マルぼんに泣きついてきました。マルぼんは『絶対採用履歴書』という機密道具を用意。この履歴書を使えば、どんなところでも絶対に就職できるのです。そのかわり、鬼のように高価です。


ルナちゃん「ようし、私の看板娘伝説が今始まるのよー。すいませんー、バイトの面接に来ましたー」


ヒロシ「ちょっと、ちょっと待って! 『絶対採用履歴書』を返してくれよ! それ、僕が小遣いをはたいて買った
やつなんだ!」


ルナちゃん「うるさいわね。これは私がマルちゃんから貰ったものなのよ。近づかないで」


ヒロシ「返せよ、返せよ」


 もみ合いになる2人。そこで悲劇が。もみ合いの末、ルナちゃんの右手が誤ってヒロシの胸を貫いてしまったのです。ズシャァァっと。素敵! まるでヒロシの背中から腕が生えたかのよう。


ヒロシ「無念。きゅう」


 ヒロ死。


 小学生殺害の犯人であるルナちゃんはもちろん、市中引き回しの上、打ち首。首は町に晒されまして、その横にルナちゃんの罪状を説明した看板(打ち首を担当した人の顔写真と来歴、『私が斬り落としました』という直筆メッセージと、ファンレターの送り先なども掲載)が立てられました。こうしてルナちゃんは本当の看板娘になったのでした。完。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「ところがあるんだムキフムキ」の巻
ヒロシ「だから、本当にUFOに拉致されたの! だから遅刻したんだって!」


ルナちゃん「うそおっしゃい! どうせまた、ギャルゲーに夢中だったんでしょ! くやしい! 二次元に負け申した!」


ヒロシ「ギャルゲーじゃねえよ、UFOに拉致されたの!」


ルナちゃん「なにさ! なにさ!」


マルぼん「まぁ、2人ともムキになるなよう。ムキになったらなるだけ、争いが長引きますよ? そうだ、あれだ『ムキム器』。これを使えば、ムキになる場面でもムキにならなくなる」


ヒロシ「え? なにか言った?」


 包丁を持って立っているヒロシ。ヒロシの足元に倒れている血まみれルナちゃん。そして


裁判長「判決! 被告人大沼ヒロシは、無期懲役のところをサービスで死刑! カモン、ギロチン!」


 こうしてヒロシは、無期にならなくなりました。

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「フリルの服を着た大人を見ると悲しくなる」の巻
 ここは町内にある空き地。子供たちが集まり、カードゲームや携帯ゲームに興じる場所。ナウマン象と金歯とルナちゃんが集まって、なんか話しています。


ナウマン象「昨日、暇つぶしにヒロシをぶん殴ったんだ」


金歯「またなんでそんなことを」


ナウマン象「ガキ大将の仕事だからなぁ」


ルナちゃん「ガキ大将も大変ねえ。でもヒロシさんがマルちゃんに頼って復讐でも企むのでは……」


ヒロシ「その通りさ」


金歯「あ、ヒロシ! そ、その格好はなんでおじゃるか」


 金歯が驚くのも無理はありません。空き地に現れたヒロシは、可愛らしい女の子もののフリルの服を着ていたのです。


ナウマン象「なんだその格好は。俺を喜ばせようとでも……はぁはぁ……無駄だぜぇ……うっ」


ヒロシ「今だっ! あちょー!」


 ヒロシ、奇声とともに大きくジャンプすると、そのままナウマン象に蹴りをかまします。「ぶげらっ」とか叫びながら吹っ飛び、壁にぶつかって動かなくなるナウマン象。


ルナちゃん「今の動き、どこぞの拳法家みたいだったわ! ヒロシさんは拳法のケの字も知らない、弱さが服を着て歩いているような人物! 短期間で拳法の使い手になるなど、無理な話のはず」


マルぼん「すべては、ヒロシが着ているあのフリルの服の力さ」


 ヒロシの着ている服は実は機密道具。着ると「ふりをするだけで本物になれる服」なのです。たとえば、ちっとも強くない人がこの服を着て強いふりをすると、マジで強くなります。頭なんてちっともよくない人がこの服を着て頭がいいふりをすると、マジで頭がよくなります。可愛い女の子でもなんでもない男がこの服を着て可愛い女の子のふりをすると、体がマジで可愛い女の子に変化します。


金歯「つまりヒロシは、あの服を着て強いふりをしているからナウマン象を圧倒していると」


マルぼん「今のヒロシにとって、ナウマン象は敵でない」


ルナちゃん「あ、あんなところに熊が!」


金歯「近所のおっさんが飼っていたヤツが逃げ出したのでおじゃる! うわー、こっちに来る!」


マルぼん「みんな、死んだふりだ!」


ヒロシ「熊の相手は分が悪いので、続かせてもらうぜ」


 とっさに死んだふりをする、マルぼんと、ルナちゃんと、金歯と、「ふりをするだけで本物になれる服」を着たヒロシ。完。


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日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「努力、報われしとき」の巻

ヒロシ「実は僕、あることをずっと練習してきたのだけれど、その練習の成果を発表する場がないんだ」


マルぼん「それは嘆かわしい。なにを練習していたかは知らないけれど、みんなにその成果を見てもらえないのは悲しいねえ」


ヒロシ「ぜひとも、多くの人に練習の成果を見てもらいたい」


マルぼん「『練習の青果』。これを食べたら、練習の成果を発表する場に必ず恵まれる」


ヒロシ「これはいいものを、感謝します」


 さっそく『練習の青果』を食するヒロシ。


マルぼん「ところでなんの練習をしていたの」


ヒロシ「靴をきちんと揃えて置く練習だよ。いつも汚い置き方しかできなかったから、僕」


マルぼん「なるほど。君がきちんと揃えて置いた靴をみんなに見てもらえる場が必ずできるから安心しなよ」


ママさん「ヒロくん、ごめん! すごい借金負った!」


 数日後、自殺の名所として有名な岬に、『遺書』と書かれた手紙が置かれているのが見つかりました。遺書の横には、女性ものの靴と子供ものの靴が置かれていました。子供ものの靴は、かなりきちんと揃えて置かれていて「かなり練習したんだろうなぁ」と、調べに来た警察官たちが感心していました。完。

日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「日本全国ロボまみれ」の巻
 金歯の野郎、金にものをいわせてロボットを大量に集め、それらを戦わせて遊んでいます。


ヒロシ「ちくしょう、うらやましい! うらやまC-!!」


金歯「うらやましくても、朕が金にものをいわせて集めたロボット軍団のようなもの、うぬに用意できるはずがなかろう」


ヒロシ「なんだとう! そ、それくらいのロボット軍団、僕だって簡単に用意できるさ! 勝負だぁ!」


 はい、口からでまかせ。そんなわけで、ヒロシはありもしないロボット軍団で、金歯の金にものをいわせて集めたロボット軍団で戦うことに。当然、泣きついてくるわけで、マルぼんに。


ヒロシ「ロボット軍団だしてえ!」


マルぼん「そういわれても、すぐに用意できないよ、ロボット軍団なんて」


ヒロシ「すぐ用意しておくれよう!」


マルぼん「しかたない、『発光ダイヨード』。この機密道具を使えば、すぐに手に入らないものでも、その代用になるものがすぐに手に入る」


 マルぼんは『発光ダイヨード』のスイッチを入れました。ピコンピコンと音を鳴らしはじめる『発光ダイヨード』。


マルぼん「これでロボットの代用品が来るはずだよ」


 しばらくすると、サラリーマン風の男がやってきました。携帯電話で誰かと話しているサラリーマン


サラリーマン「あ、部長。どうも……え、今度の日曜日、仕事をしてほしい? わ、わかりましたー!」


マルぼん「なるほど、上司の命令で動くロボットか」


 次は小さい女の子。


女の子「これから歌のレッスン。それが終われば踊りのレッスン。ママがね、『私の夢だったアイドル歌手、あなたが叶えてね』って」


マルぼん「なるほど、親の命令で動くロボットか」


 次は刃物を振り回す顔色の悪いおっさん。


おっさん「見ていてください、神様! あなたの指令通り、欲望にまみれた愚民ドモを粛清します!」


マルぼん「なるほど、神の命令で動くロボ……ぎゃー!!」



日記 | 11:35:31 | Trackback(0) | Comments(0)
「エクスタシー三銃士登場」の巻
ヒロシ「マルぼん、こちら、僕の友人である徳里さん。『全日本公衆電話愛好者友の会 夢がりんりん 恋がりんりん 心はるんるん』の微笑町支部の代表を務めておられるんだ」


徳里「はじめまして、ヒロシさんからお話を聞いています」


マルぼん「はじめまして」


ヒロシ「徳里さん、実はマルぼんに相談があるんだって」


マルぼん「ほおほお」


徳里「携帯電話の普及のせいで、町内の公衆電話の数が激減しているのです。こうしている間にも、次々と公衆電話が撤去されています。なんとかならないでしょうか」


マルぼん「携帯電話を持てばいいじゃないですか」


徳里「無理です。私は公衆電話を愛しているのです」


マルぼん「は?」


徳里「愛美、愛子、愛奈、愛真、愛江、愛矢、愛太、愛ン、愛沙、愛姫、愛悠、愛無限大、愛攻、愛愛、愛星、愛生、愛居、愛珍、愛青、愛次、愛、愛太、愛五郎、愛愛愛愛おさるさんだよ、愛してるの響きだけで強くなれ太……すべて、私が町内の公衆電話につけている名前です。私は町内の全ての公衆電話と愛し合いました。愛し合ったのです。そんな愛し合った恋人たちが、次々と撤去されるのはしのびない! わが身が削られるかのような想いだ!」


マルぼん「ヒロシくんは、どこでこのような変態さんと知り合うのん?」


 そんなわけで、マルぼんとヒロシと徳里さんは町内の公衆電話を盛り立ててゆくため、義兄弟の杯を交わしたのでした。


三人「我ら生まれた日は違えども、死す時は同じ日同じ時を願わん」


ヒロシ「とりあえず、平日の昼間から駅前をうろうろしていた若者3,500人から『携帯電話のどこがいいんだよ。話してみろよ』とアンケートをとってきたよ。ライバルとはいえ電話は電話。携帯電話の良いところも、きっと公衆電話に活かすことができると思うんだ」


徳里「うわー」


ヒロシ「アンケートの結果、携帯電話の人気の秘密がわかったのさ。それは安心感、携帯電話を通して誰かと繋がっているという安心感さ。人間関係が薄っぺらいものになっている昨今、携帯電話を使った繋がりは、重要なコミュニケーションなんだね。人と人とのつながりを確認する手段なんだね」


マルぼん「ようするに、公衆電話で人と人とのつながりが実感できるようになればいいんだね、よし。そんな感じで公衆電話を改造しよう!」


 そんなわけで


マルぼん「これが改造した公衆電話さ」


ヒロシ「ごく普通の公衆電話に見えるけど」


マルぼん「誰かに電話をかけてみればわかるよ」


徳里「では、私の知っている未亡人の家に……はうあ!?」


ヒロシ「どうしたの!?」


徳里「受話器が少しずつ、温かくなってきたの! これ、このぬくもりは……あの時触れた、あの未亡人の手のぬくもり!」


電話先の未亡人「もしもし…どちらさま……もしかして、またあなたなの!? 徳里さんでしょ、いいかげんにしないとまた警察に」


徳里「ああ! 受話器から臭いが。これは、あの未亡人の口臭! ああ、ああ、あああ!」


マルぼん「この公衆電話は、電話相手のぬくもりや臭いなどを感じることが出来る公衆電話なの。受話器伝いに、相手の手のぬくもりや、においを感じることができる」


徳里「うわーすばらしい! 今すぐ町中の公衆電話をこれに改造しましょう!」


 その後、公衆電話は利用者増加。でも利用者のほとんどが、口の臭いなどにエクスタシーを覚える心に闇を持った人々だったために、『公衆電話』ならぬ『口臭電話』になってしまい、法律にひっかかり、速攻で撤去。微笑町から公衆電話は消え去りました。徳里さんもショックで死にました。チーン。でもマルぼんとヒロシは生きている! そして明日も生きる! 完。

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「かーなーしみーのー」の巻
ヒロシ「こないだの休みに、1人で某有名テーマパークへ行ってきたんだ。ほら、某有名テーマーパークの有名マスコットと一緒に写った写真だよ」


ナウマン象「これが有名マスコット? 単なる着ぐるみじゃねえか」


ヒロシ「着ぐるみじゃないよ。実在する、有名マスコットだよ! 人々に夢を与える有名マスコットだよ」


ナウマン象「いんや、これは着ぐるみだね。中に人が入っている着ぐるみだね!」


ヒロシ「き、着ぐるみじゃないもん! 中に人などいないもん! 子供たちの夢を壊すな!」


ナウマン象「うるせえ、この永久の夢追い人! 暴力をふるってやる」


ヒロシ「げふっ」


マルぼん「なんだいなんだい、騒がしい」


ヒロシ「実はかくかくしかじか。ねえマルぼん、有名マスコットに中の人などいないことを証明できる機密道具だしてよ!」


マルぼん「そんな機密道具ないなぁ」


ナウマン象「中に人がいないことを証明できねば、ヒロシは一生俺のどれい」


金歯「そういう展開になると思って、金の力で有名マスコットをここに連れてきたでおじゃる」


有名マスコット「ハハッ金歯さん、マジやばいです。こういうことしたらダメなことになっているんスよ。マジ勘弁してくださいよ。もうちょっとお金のほう、くださいよ。金。金。銭。マネー」
 

 子供たちに夢を与える有名マスコットらしからぬことを口走る、有名マスコット。中の人の存在を疑わざるを得ません。


ナウマン象「この場でこいつから着ぐるみをひっぺがしてやんよ。そしたらヒロシも納得するだろう」


金歯「夢はいずれ終わるものでおじゃる。終わらない夢などないのでおじゃる。終わらない未来を目指す意味などないのでおじゃる」


ヒロシ「マルぼん、僕は、僕はいい。でも、有名マスコットの実在を信じて疑わない子供たちが、子供たちの夢が、このままでは大変なことになってしまう!」


マルぼん「むうう。子供たち夢を壊してはならぬ、なんとかしないと……そ、そうだ」


 マルぼんはとっさにとある機密道具を出して、ナウマン象たちに見つからぬよう、有名マスコットの中の人に使用しました。


ナウマン象「ほら、着ぐるみはいだるでえ!」


 有名マスコットの着ぐるみを力まかせに無理やりに剥ぎ取るナウマン象。中からでてきたのは……普通のおっさん!


ナウマン象「ほれ見てみろ、中に人がいた」


マルぼん「いや、それは人なんかじゃない」


ナウマン象「何を言って」


 ナウマン象の言葉はそこで途切れました。有名マスコットの中にいったおっさんの舌がいきなり伸びて、ナウマン象の頭を貫いたからです。倒れて動かなくなるナウマン象。


金歯「た、たすけ」


 金歯の言葉はそこで途切れました。おっさんは口から熱線を発し、それをまともに浴びた金歯は消滅。おっさんは金歯の消滅を見届けると、大きくジャンプ。近くの民家の屋根に座り、遠吠えをあげました。


マルぼん「とっさに、『人が化け物になる薬』を中の人に使ったんだ。これで有名マスコットの中にいたのは人ではなくて人っぽい化け物ということになっただろ」


ヒロシ「なるほど、これで夢は守られた!」


マルぼん&ヒロシ「バンザーイ! バンザー…」


 ヒロシとマルぼんの万歳三唱はそこで途切れました。おっさんが2人に向って熱線を放ったのです。2人は消滅しました。


 こうして人類と化け物になったおっさんとの、種の存続をかけた果てしないバトルがはじまったのでした。完。

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「また会えるきっと会える」の巻
 学校の裏山には、地主が経営するちょっとしたテーマパークがあります。小動物と触れ合うコーナーや性の奥深さに触れることができる秘宝館など、子供から大人までが楽しめる施設が盛りだくさんです。森に囲まれた立地条件もいい感じです。


 ヒロシとマルぼんはこのテーマパークが好きで、年間入場パスポートまで買っているほどです。今日もさっそく遊びに来たのですが


地主「もう閉めようかと思っているんだ、このテーマパーク」


ヒロシ「えええ、なんでですのん!」


地主「客が来なくてねえ。全然来なくてねえ。いままでよくしてくれてありがとうね」


ヒロシ「マルぼん、このままでは僕らの憩いの場所がなくなってしまうよ。なんとかならない!?」


マルぼん「テーマパークは、初めて来た客をいかにリピーターにするかがポイントらしいから、そこらへんをなんとかしたらいいかも。はい、『リヒーター』」


 この『ヒーター』から発せられる暖かさに包まれた人は、ヒーターのある場所に何度も来たくなるんだ


マルぼん「これさえあれば、来る客来る客、みんなリピーターになるの」


ヒロシ「よし、こいつをさっそく設置しよう。僕、あっちの森のほうに置いてくるよ」


強盗「や、やい貴様、かかかか金を出せ!」


ヒロシ「わぁ、刃物を持った強盗! オタスケー!」


強盗「さささ騒ぐな、こら、騒ぐな! ぶっち殺すぞ!」


ヒロシ「ひょえー!」


強盗「し、し、しまった。刺しちゃった! 刺すつもりなかったのに、刺しちゃった! と、とりあえず死体をなんとかしなきゃ。とりあえず、埋めよう!」


 数日後。学校の裏山テーマパーク。


地主「で、ヒロシくんはまだ見つからないの」


マルぼん「そうなんです。いったい、どこで油を売っているのやら」


男「……」


地主「あ、あの人また来てる。最近、毎日のように来てくれている人なんだ。来ても、あっちの森のほうをうろうろしているだけだけど」


マルぼん「なんかそわそわしてない?」


地主「そう言われてみると……あの、もしもし」


男「ひっ! 埋まってません! ここにはなんにも埋まってませぬ! 俺はただ、この場所が気に入っているだけで毎日来ているだけで、なにかが気になって来ているわけじゃないです。ほんとですぅ!」


 こうして学校の裏山テーマパークにリピーターができました。丸ぼんは『リヒーター』の効果は絶大だと思いました。


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「手を挙げて横断歩道を渡って、そしてアタシを抱きしめて!」の巻

担任「大沼、また遅刻かっ。『僕は遅刻しましたバカやろうです。皆さん、どうぞ「豚野郎下衆野郎」と僕をなじってください。言葉のナイフで』と書かれたこのプラカードを持って、廊下に立っていなさい!」


ヒロシ「そんなわけで今日はずっと廊下に立たされていたんだ」


マルぼん「しかしなんでキミは、毎日毎日あきもせずに遅刻を繰り返すんだい」


ヒロシ「家の前の道路のせいだよ。車はガンガン走るくせに、横断歩道がまるでないんだ。渡ることができるのを待っているうち、1時間たち2時間たち……そして遅刻さ」


マルぼん「ようするにあの道路に横断歩道ができたらいいんだな。よし、この地図を使おう」


 マルぼんが取り出したのは、ヒロシの家近辺の地図。


マルぼん「この地図は実際の場所とリンクしているんだ。地図上で起こった変化と同じ変化が実際の場所にも起こる。そしてこれが、地図を自由に書き換えることができるペン」


 たとえば、地図上でヒロシの家となっている場所をこのペンで『前人未到のジャングル』と書き換えれば、
実際のヒロシの家も前人未到のジャングルになるのです。


マルぼん「地図上で例の『ヒロシの家の前の横断歩道のない道路』はここだ」


 地図上の道路の部分に「横断歩道」と書き込むマルぼん。ヒロシが窓から道路を眺めると


ヒロシ「あ! 道路に横断歩道ができているぞ」


マルぼん「これで遅刻しないですむね」


業者「申し訳ない。例の地図と書き換え用のペンなんですが、体に有害な物質が含まれていることが発覚したので
回収でス!」


マルぼん「なんだって。いったいどんな有害物質が含まれているっていうんだい」


業者「肝臓やら胆道やらが悪くなります。ああ、あなたも既に影響を受けている。ほら、鏡を見てごらんなさい」


ヒロシ「うわ。目や皮膚の色がえらいことになっているっ黄色い!」


 これがホントの、黄疸歩道。


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「美しさは罪微笑さえ罪判決は死刑」の巻
 金歯は今日も、鏡で自分の顔を見てうっとり(ナルシストなのです)。


金歯「鏡よ鏡よ鏡さん、なんで朕はこんなに美しいのでおじゃろう」


鏡『甘いですよ、美しさの定義は日々変わっていくのです。今日美しくても明日醜いってのはよくある話。金歯さん。あなたは明日は美しいのでしょうか醜いのでしょうか』


金歯「言われてみたらその通りでおじゃる! 美容整形する! 腕のいいドクター呼んでっ」


鏡『整形して新しい顔になっても、その顔が明日も美しいとは限らないわけで』


金歯「言われてみたらその通りでおじゃる! マルぼんを呼べ!」


マルぼん「へへ、金歯の坊ちゃん、お久しぶりです」


金歯「実はかくかくしかじか」


マルぼん「へへ、それなら大丈夫ですよ、金歯の坊ちゃん。未来の世界には、『自動更新整形手術』ってのがあるんです」


 未来の世界は、21世紀以上に美の定義がかわりやすく、午前中の美しいとされていた人が午後には醜いとされて石を投げられていたりします。美の探求人の皆さんはどうするかというと、この『自動更新整形手術』を受けるのです。


マルぼん「この手術を受けると、美の定義が変わった瞬間、顔が自動的変化するんです。たとえば世間で『ソース顔』が美しいということになったら顔が自動的に『ソース』顔になり、『しょうゆ顔』が美しいとされたら自動的に『しょうゆ顔』になるといった具合」


金歯「その手術を受けたら、どんなに美の定義が変わっても、常に美しくいられるというわけでおじゃるな! 受ける、その手術うけるでおじゃる!」


 そんなわけで、『自動更新整形手術』を受けるべく、金歯とマルぼんはタイムマシンで未来の世界へ。
手術は無事成功したのですが。


金歯「な、なんでおじゃるか、この顔は!」


 金歯の顔は、なんか豚のごとく化していたのです。


マルぼん「未来の世界では、今、この豚顔が一番美しいとされているの。だから、ほら、『自動更新整形手術』の効果で」


金歯「こんな顔、朕は耐えられないでおじゃる。さよなら、現世!」


 ショックをうけた金歯は、高層ビルから身を投げます。


金歯(朕はただ、永久に美しくありたいだけだったのに。美しくなり続けたかっただけでおじゃるのに。なぜこんなことに、ああっ)


 果てました。


 そして10年後。とある居酒屋。集まって酒を飲んでいるのは、ヒロシ・ナウマン象・ルナちゃん。


ヒロシ「みんなで集まるのも久しぶりだねえ」


ナウマン象「そうだなぁ。お互い、仕事が忙しくなって会う機会も減っちまって」


ルナちゃん「最後にこうやって集まったの、金歯さんの7回忌の時だね」


ヒロシ「金歯、かぁ。あいつが逝って、もう10年か。早いもんだね」


ナウマン象「そうだな」


ルナちゃん「いいヤツ、だったよね」


ヒロシ「うん。新しく買ったゲームを僕にだけやらせてくれないとかあったけど、今思えば、『人に頼ってばかりではいけない』ということを僕に教えるためだったんだろうね」


ナウマン象「自分がヒロシに嫌われるのを承知でな」


ルナちゃん「そういえば、こんなこともあったわ。海で遭難したときに……」


 こうして3人は亡き金歯の思い出話に華を咲かせました。思い出はいつだって美しい。たとえ元は醜くても、美しくしてしまう。こうして金歯は、永遠に美しくあり続けることができるようになりました。完。


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「クイズ! 100人が生きました」の巻
 最近はなんかクイズが流行していて、テレビをつければクイズ番組、本屋へ行けばクイズ本、とにかくクイズクイズクイズ。


ヒロシ「クイズはおもしろいなぁ、おもしろいなぁ。テレビや本がなくてもクイズに浸りたいなぁ」


マルぼん「でもキミ、ほとんどのクイズに答えられていないじゃないか」


ヒロシ「そうなんだ。そのせいで、周りからアホ扱いされていて……どんなクイズにでも答えられるようになる機密道具ない?」


マルぼん「『クイ豆』。この豆を食べると、クイズの答えが頭に浮かぶようになっているから安心して。クイズだけでなく、ありとあらゆる問題の答えもわかるし」


ヒロシ「どれどれ、まずは1粒。あ、本当だ。昨日本で見たクイズの答えが頭に浮かんできたぞ。なるほど。答えは『坊やだから』か」


ルナちゃん「ヒロシさん、いるー?」


ヒロシ「おやルナちゃん」


ルナちゃん「あのね、今日、素敵な法話の会があるからお誘いに来たの。テーマは『命とは? 生きるとは? 死ぬとは?』」


ヒロシ「『命とは? 生きることの意味とは? 死ぬことの意味とは?』ねえ……は!? 答えが、答えが頭に浮かんだぞ!」
マルぼん「『クイ豆』の効果だね!」


ヒロシ「人はいずれ死にます。必ず死にます。死ぬのになぜ生きるのでしょう。死ぬために生きるのならば、
生きることに意味はあるのでしょうか。意味はないのでしょうか。死が命の行き着く先ならば、生きることにはなんの意味もないのではないしょうか。生きることとは、死ぬこととはいったいなんなのでしょう。その答えは、とても暖かくて、それでいて冷たいものああ、とてもじゃないけど口じゃ説明できない。わかる、僕にもわかるぞ。
全ては始まりであり、終わりだったんだ。いや、むしろ、なにもはじまっていない。終わっていない。全ては幻であり現なんだ! うひ、うひひひひひ」


 その後ヒロシは、生きることの意味・死ぬことの意味の答えをまとめた本『馬鹿でもわかる生老病死(全1500ページ)』を自費出版し、数人ながら信者もゲットしたのですが


ルナちゃん「命や生きること死ぬことの答え……そんなものは神だけが知っていればいいことなの。人間なんかに導き出せるハズはないわ。仮に導き出されたとしても、その答えの奥深さに人の心は耐え切れない。きっと壊れてしまうわ。耐え切れるのは、そう、我らが尊師くらいよ! 尊師以外の人が耐え切ってはいけないの!」


 という具合でルナちゃんに刺殺され、信仰に捧げた短い生涯を終えました。しかしその死に顔は、どこか幸せそうだったといいます。マルぼんは導き出さなくてもいい答えまで導きだした『クイ豆』の効果は絶大だと思いました。


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「乗り物集まれ。人間ども集まれ」の巻
 ある休日。ここは微笑町内にある、ショッピングセンターのフードコート。時刻は13時。


ヒロシ「今日もヒマやな。なんぞおもしろいことはあらへんやろか」


マルぼん「おいヒロシ。あそこに電車の時刻表とにらめっこしている奴がおるで」


ヒロシ「あれは同僚の調部くんやないか。彼は時刻表チェック専門の鉄道マニアなんや。おーい、調部くーん」


調部大冶「あ、大沼くん。奇遇やね」


調部 大冶(しらべ だいや) 株式会社 ポンポコ仏具 社員 28歳独身


ヒロシ「なにしてるん」


調部「色々な鉄道会社の時刻表と睨み合って、オリジナル乗換案内を作ってたんや」


ヒロシ「ほうほう」


調部「たとえば、大阪梅田へ行きたいとするやろ。僕らの場合やと、微笑電鉄の『微笑駅』から特急に乗って『床擦れ南口駅』まで行って、そこからJRに乗り換えるのが普通やろ?」


ヒロシ「そやな。2時間くらいかかるわ」


調部「例えば今から梅田へ行くと仮定するやろ。『微笑駅』の13:09発の『床擦れ南口駅』行きの電車に乗って、途中の『股ズレ林駅』に13時15分に着くからそこで下車する。『股ズレ林駅』のすぐ目の前にはファンタジー電鉄の『フェアリー駅』があって、そこから13:20分発の『ゴブリン駅』に乗り、途中の『エクスカリバー北口』に13時34分に着くから下車して、目の前のもっこり鉄道の13:43分発『うっふん駅』行きの乗り換えると、13時55分に『もっこり鉄道梅田駅』に着く。14時までに大阪へ行けるのや」


ヒロシ「乗り換えを駆使すると1時間も時間が短縮できるんか」


調部「まぁ、こんな感じで、あらゆる鉄道のあらゆる時間帯のあらゆる乗換を駆使して、あらゆるところへ最短時間でいける『オリジナル乗換案内』を作るのが、僕の趣味。で、つい今しがた、『オリジナル乗換案内』がようやく完成したんや!」


ヒロシ「おめっとさん。でもなんか、あんまり嬉しそうやないね」


調部「……燃え尽き症候群や。全力で作った分、最大の目標を終えてしまったむなしさがどうしようもないんや。ほかに趣味もないし、休日にやることものうなる」


マルぼん「ようするに、また新たな目標があればいいんだ。別の『オリジナル乗換案内』を作りましょ。鉄道以外の乗り替え案内を」


調部「鉄道以外の乗り換え案内?」


マルぼん「ヒロシ、君らのとこの職場、派閥争いがすごいんやろ」


ヒロシ「うん。会長の長男が社長で、次男が副社長やねんけど、この二人がすごい仲悪いんや。会長一族以外にも会社の覇権を狙う輩もけっこういて、その他にも部署毎に細かい覇権争いなんかもあってぐちゃぐちゃや」


調部「うちの部署も、課長と係長がいがみあっとる」


ヒロシ「うちは、この前まで力もっとった部長が女子社員に総スカンくろうて、今は課長の天下や。部長派やった連中は涙目」


マルぼん「そう。君ら平社員は、どの派閥が力を持ちどの派閥が衰退しているかを常に把握して、場合によっては所属している派閥から別の派閥へ乗り換えをする必要があるわけや。この乗り換えの時期を見極めるのは非常に重要なわけや……」


ヒロシ「そうそう。それが大変で……僕もえらい目にあっとる。派閥の乗り換え時期がわかる案内でもあれば……あ!」


マルぼん「そう。会社の派閥を電車に見立て、派閥から派閥へのオススメ乗り換え時期を知らせてくれる案内を作る。おもしろそうだろ」


調部「一時期鉄道以外の交通機関の乗り換え案内を作ろうかと考えたけど、いまいち燃えんかったんやけど、派閥乗り換え案内はおもしろそうや。でも、僕、自分の部署以外の人間のことはようわからん。鉄道と違って時刻表もあらへんし、乗り換え案内なんか作るの無理や」


マルぼん「心配すんな。実はな、金になるかなと思うて、君らの会社の全社員の個人情報を機密道具で集めておいたんや。ほら、このファイルみてみ」


ヒロシ「えっと、なになに。副社長派のナンバー2である山田部長が実は重篤な病気!? あんなに元気そうなのに!? 山田部長がいなくなったら、副社長派は大打撃や!」


調部「今まで日陰の身だった、第1営業部の田中課長、ひそかに外資系の大手とパイプを作っとるんか! これが判明したら、新たな派閥が出来て社内の勢力図が変わるで!」


マルぼん「そのファイルには、そんな感じの情報がたくさん載っとる。いつ、だれが、どんなことになるかが記されとる。それを使えばどの派閥がいつ力を持ち、いつ力を失うのか。わかるはず。調部さん。あんたならその情報を使って、いつどのタイミングで派閥を乗り換えたらよいかを記した『派閥乗り換え案内』を作ることができるんとちゃうかな」


調部「できる! 僕ならできるはずや! これ、借りてええか!? 鉄道の乗り換え案内を作るより面白そうや!」


マルぼん「もちろんええよ。楽しい休日を送ってや」


 そんなこんな数日後。ポンポコ仏具社内。


調部「大沼くん『派閥乗り換え案内』の試作が出来んや! このノートがそうや!」


ヒロシ「ほんまか! ちょっと見せてみぃ」


調部「僕の作った案内が正しければ、今日は絶好の派閥乗り換え時期なんや」


ヒロシ「ほうほう。うちの課長がセクハラで女子社員の信頼を失い、部長が復権するんか」


調部「『課長電車』から『部長電車』への乗り換え時期! 僕の予想通りに来ているのか!」


女子社員A「課長逝け! 女の敵!」


課長「ひょえー」


女子社員B「部長最高! 抱いて!」


部長「がはははははは!」


調部「よっしゃ!! 案内通りうまくいったでぇぇぇぇ! 最高やー!!」


ヒロシ「よかったな! よっしゃ。今夜は酒奢ったるわ。マルぼんも呼んだるさかい」

 
 その夜、某居酒屋。


マルぼん「よかったよかった。趣味が充実したようで、ほんまよかった」


調部「これもマルぼんはんのおかげや」


マルぼん「マルぼんとしてもファイルを貸したかいがあったわ。あ、でも、ひとつ約束してほしいねえやけど」


調部「なんですか」


マルぼん「そのファイルを貸したのはな、あくまで調部くんの趣味にかける情熱にほだされたからやねん。だからそのファイルの使うのは趣味の範疇に留めておいてほしいんや。会社の派閥争いをしている連中を電車に見立てただけの、単なるお遊び。実益のために使うのは止めてほしいんや。趣味と実益を兼ねへん、きっぱりと分けると約束してほしいんや」


調部「もちろんや。僕、派閥争いとか興味ないし。自分の作った案内通りにことが運べば、それだけで幸せなんや。約束なんか何ぼでもしたるわ」


マルぼん「ほな約束や。約束は破らんといてや。どうなってもしらへんで」


 数日後。


調部(ふふふふ。鈴木常務が失脚して、社長派が盛り返したみたいやな。僕の作った案内の通りや)


先輩「おい調部。なにノートを見てにやにやしてんだよ。おもしろいことでも書いてんのか? どうせまた電車乗り換え案内とか作ってるんだろ。見せてみろよ」


調部「あ、先輩困ります」


先輩「!? おい、このノートって……! いや、でもまさか」


調部「返してください! 返してくださいよ!!」


先輩「し、調部。このノートに書かれた情報、売ってくれないか!? 1ページ3万! いや、5万だす!」


調部「え!?」


先輩「お願いだ! この通り!!」


調部「だ、だめなんです。約束があって」


先輩「なんならもっと出しもいい! ほら、前に言ってたろ。『自分の作った鉄道の乗り換え案内に従って、日本一周するのが夢』だって。そのノートを売ってくれたら、その費用を全額だしてやってもいいぞ!」


調部「え!」


調部(あの『乗り換え案内』は、最短ルートのみを考慮して、運賃のことは二の次やった。だから実際に日本一周を行おうとしたら莫大の費用がかかるからあきらめとった。かなうんか。夢が。夢。夢が。夢っ)


先輩「どや!?」


調部「わ、わかりました」


 その夜。調部の自宅前。


調部「ふひひひ。新しい旅行鞄買っちまったわ」


マルぼん「調部くん」


調部「あ、マルぼんはん……」


マルぼん「約束破りはったね」


調部「あ、あれは! ご、ごめんなさい! もう二度と破らへんから」


マルぼん「もう遅い。言ったはずやで、どうなってもしらんて。君の趣味と実益はひとつになるんや」


調部「どういうことや」


マルぼん「君の鉄道趣味は、君の実生活と一体となる。会社の派閥を電車に見立てたお遊びも、君の実生活混ざり合うのだ。遊びが遊びではなくなる。遊びが現実となるのだ!!」


調部「な、なな」


 気が付くと、調部大冶は自宅ベッドにいた。昨夜のことはなんだったのか。新調した旅行鞄は部屋にあったので、夢ではなさそうだ。ぼーっとしながら時計を見てみると、時刻は朝8時。


調部「やばい! 遅刻や」


 あわてて準備をして職場へと向かう。ポンポコ仏具になんとか着いて、急いでタイムカードの置かれたところへ向かう。慌てていたので、副社長が自分の派閥のメンバーを引き連れて歩いてきていることに気が付かなかった。出会い頭に正面からぶつかる副社長と調部。副社長は思わず尻餅をついた。


副社長「いてて、誰だ! 廊下を走るやつ……って、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


 副社長が驚くと同時に、周りにいた社員たちも悲鳴をあげた。無理もない。自分とぶつかった相手が、自分たちの目の前にいた者の肉体が、いきなりバラバラとなり肉片と化したのだから。


 実況見分にきた警察たちは、いわゆる『全身を強く打った』状態の調部の遺体を見て首を傾げて言った。「まるで電車に正面からぶつかったみたい」、と。



新作 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「かげかげかげかっかーかげすたー」の巻
ヒロシ「ぎゃー」


ルナちゃん「ヒロシさんてば、またマルちゃんの機密道具でひどいめにあっているわ」


ナウマン象「あいかわらずだな。ガハハハ」


大脳「そうでヤンスね」


金歯「……誰?」


ルナちゃん「どちらさま?」


大脳「え」


ナウマン象「見慣れねえ顔だな」


大脳「あっしでヤンスよ、あっし。大脳でヤンス」


 大脳は、ヒロシの友人として創ったキャラですが、使うのがめんどくさく、次第にフェードアウトさせてしまったやつです。


金歯「知らないでおじゃるなぁ」


大脳「そんなバカな!」


マルぼん「ひさしぶりの登場だから、みんな忘れてしまっているんだよ、大脳くんのことを」


大脳「しばらくでない間に、そんなにあっしの影が薄くなっていたなんて!」


ヒロシ「ぎゃー」


ルナちゃん「あ、今度はヒロシさんが爆発四散したわ」


ナウマン象「かつてヒロシだった肉片に野良犬が群がっているぜー!」


金歯「記念写真~記念写真~」


大脳「くっ。ヒロシばかり目立ちやがって」


マルぼん「一応主人公ですからねえ」


大脳「ヒロシの存在感があっしにあったら」


ヒロシ「ぎゃー」


ルナちゃん「あ、爆発四散して天に召されたヒロシさんの魂が蛆虫に転生したわ」


ナウマン象「前世の行いが響いたね。響いたね!」


大脳「うらやましい!」


「ぎゃー」しかセリフのない人のなにがそんなにうらやましいのか知らないですが、マルぼんは大脳くんのために機密道具をだしてあげることにしました。


数日後。


 ヒロシがなにをするでもなく、ただ道の真ん中で(死んだ魚のような眼をして)立ちつくしていたときのこと。


ルナちゃん「あ! 大脳さんが四つん這いになって地面をなめている! あれはまさか、大昔から伝わる幻の技『地球キス』じゃないかしら?! 『地球キス』は大いなる地球の力をキスによって己が体に蓄える秘術」


 ヒロシのうしろ、ちょうど彼の影がさしているあたりの地面を大脳が舐めているのです。


マルぼん「地球キスとかじゃないよ。大脳は『影リップ』という機密道具を唇に塗っている。こいつを塗った唇は、影をなめとることができる。奴は地面ではなく、ヒロシの影を舐めとっているのさ」


ルナちゃん「大脳さんが舐めれば舐めるほど、ヒロシさんの影が薄くなっているわ」


 ヒロシの影が薄くなると同時に、大脳の影が濃くなります。


マルぼん「舐めとった影は自分の影となる。影が薄くなった人は存在感がなくなり、濃くなった人は存在感が大幅アップする。ようするに、他人の存在感を奪い取ることができるんだ」


ルナちゃん「さっきから大脳さんが気になって気になってしょうがないのは、存在感が増したからなのね」


 大脳は、目立つヒロシへのいやがらせを果たすと同時に、存在感を増したいという自分の願望をかなえたのです。


 ヒロシの影はどんどん薄くなり、やがて


ヒロシ「ぎゃー」


 影が完全になくなったのと、ヒロシが叫んで倒れたのはほぼ同時でした


マルぼん「影が薄くなることで存在感がなくなり、影が完全になくなることで存在感も完全になくなった。この世から、ヒロシという存在がなくなったんだ」


大脳「ふふふ。これで明日から、あっしが主人公の『大脳一口メモ~僕が彼女を好きなわけ~』が始まるでヤンスよ」


 ヒロシの亡骸は、故人が好きだった海の見渡せる丘に埋葬されました。


 ヒロシの影を奪い取った大脳は存在感が増し、2人分の存在感をもつことでみんなに注目されて、あっというまにバラ色の人生に突入。


 得意絶頂の大脳。


マルぼん「大脳に手紙が届いているよ」


大脳「手紙? ファンからでヤンスかね。どれどれ……って、ぎゃー!!」


 手紙はなんとカミソリレター。大脳は指を切ってしまいました。


大脳「いてて、なんだこの手紙は。ひどいでヤンスひどいでヤンス。いったい誰がこんなものを送りつけてきたでヤンスか」


マルぼん「大変だ、注文した覚えのない大量のピザや蕎麦が届いてきたぞ。ものすごい支払になる」


大脳「ええ?!」


マルぼん「大変だ、大脳の夜のマル秘画像がネットにばらまかれている!」


大脳「えええ?!」


マルぼん「あと、玄関のドアに『大脳は人殺し』と書かれたビラが貼られていたよ。いったいぜんたい誰の仕業だろう。うん、どうした大脳。顔色が悪いよ」

大脳「まさか、まさか」


 大脳、突然、家を飛び出します。行き先は、ヒロシの埋葬されている海の見えるあの丘。


大脳「あ!」


 ヒロシの埋葬された場所は、掘り返されていました。いや、掘り返されたというよりも、埋められていたものが這い出してきたといったほうが妥当でしょうか。当然、ヒロシの亡骸はそこにはありません。


大脳「あいつ、あいつ生きているんだ!」


 と、そのとき、大脳のうしろのほうから物音がしました。


大脳「ヒロシかっ」


 大脳が振り向いても、誰もいません。


大脳「隠れていても無駄だ、いるのはわかっているんだ。でてこい、でてこい!」
<

 近くに落ちていた木の枝を拾って振り回しながら、叫ぶ大脳。


大脳「でてこい! でてこい! ヒロシでてこい! あはははははっ」


 大脳の眼は、常人のそれとはあきらかに違う色になっていました。


 マルぼんは、ヒロシの影を薄く、大脳のまわりにかすかにチラつく程度にまで薄くしてしまった『影リップ』の効果は絶大だと思いました。

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「ガーデニングはこりごりザンス」の巻
金歯「一揆勢が屋敷に攻め込んできたのでおじゃるが、庭で育てていた化け物植物が『浴びると溶ける液』で撃退してくれたのでおじゃる。一揆勢は皆、苦しみながら溶けていきおった! これもウチの庭を管理してくれている
カリスマ庭師のおかげ」


ヒロシ「うらやましい! 僕の家の庭も、ステキにガーデニングして、カスタマイズしたいな」


マルぼん「でもほら、ママさん、大の植物ぎらいだろ。この前も、アスファルトの隙間から生えている花を踏みつけて『あたしはね、こういういかにも「けなげに咲いています」と自己主張している花がね、この世で一番大嫌いなんだよ! 枯れろ! 枯れてしまえ!』とか叫んでいたし」


ヒロシ「スコップを見て『これは穴を掘るものではなく、人を殴るもの』とか言っていたしね。なんとかならんかね?」


マルぼん「『必然キャンディー』。このキャンディーをなめると、この世で一番やりたくないことを必然的にやらなくてはいけなくなる。みらいのせかいでは、おもに嫌いな人へのいやがらせに使用される機密道具なんだ。これをママさんになめさせてみよう。ママさんは、ガーデニングが嫌いなはずだから、あるいは…」


ママさん「あんだって? また悪巧みか」


ヒロシ「ゲェー!? おかあさん」


ママさん「このバカ息子! クズ居候!」


 びしっ


ヒロシ「ばたんきゅー」


マルぼん「きゅー」


 はい、この世にさようなら。来世にこんにちは。


ママさん「え、そんなバカな。この程度で……死ぬなんて! 隠さなきゃ! そうだ、あそこに」


 数日後、大沼宅の庭の一角に花壇ができていました。


ルナちゃん「きれな花壇ですねー咲いている花も、なんだかとてもきれい」


ママさん「よ、良い肥料を使っているから」


ルナちゃん「ところでヒロシさんは」


ママさん「いま、入院中なの。外国の病院だから、見舞いも不可能。いつ退院するか、めぼしもついていないの


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「人類への宿題」の巻
ヒロシ「よし。そろそろ夏休みの宿題を終わらせないと」


マルぼん「やってないの!?」


ヒロシ「えっと。まずはこれから…えっと。え、ガンダムはまた総集編なの!?」


マルぼん「集中力皆無!!」


 ヒロシの将来に絶望したマルぼんは、彼をなんにでも集中できる人間にすべく、機密道具を用意することにしました。


マルぼん「さぁ、このクスリを飲め!」


ヒロシ「また機密道具ですか!! おぐ…おぐぐ」


マルぼん「飲み干したな? こいつは『一心不乱ZZZ』。飲むとなんにでも一心不乱に取り組むことのできる薬だ」


ヒロシ「おおおお。チカラがみなぎってきおる…宿題に終止符をうつ!」


 机に向かい、宿題に取り組み始めるヒロシ。


マルぼん「その意気だよ、その意気」


エリザベス「ダーリン」


マルぼん「あ、エリザベス!」


エリザベス「ダーリン、イツニナタラ、エリザベスノパパ&ママニ対面シテクレルカ?」


マルぼん「あ…うん。なんなら今からでも…」


エリザベス「ホントカ! サッソク、エリザベスノ国ニイコウヨ!!」


 そのままマルぼんは、エリザベス(源氏名)と共にフィリピンへと旅立ちました。『一心不乱ZZZ』は、「目的の物事に一心不乱に取り組んでそれを終わらせない限り効果が切れず、食事や排便など他のことを一切しなくなる」ということをマルぼんが思い出したのは、三ヵ月後のことでした。


 三ヶ月の間に生まれたわが子のチャーリーをエリザベスに託し、急いで帰宅するマルぼん。家は尋常ではないことになっていました」


 案の定、宿題を終わらせる前に餓死していたヒロシ。机の前に突っ伏した状態で腐っていました。それはもう、恐ろしい臭いでした。


ママさん「この子は生きているんです。じきに生き返るんです」


 なにかに感化されたママさんが近くで、なんかブツブツ言っていました。シャクティパッドで死人が生き返るなんて嘘だぜ、嘘。


マルぼん「残念な結果だ…って、ああ!!」


 マルぼん超びっくり。腐ったヒロシの、鉛筆を握っていた手が微かに動いていたからです。とっくの昔に命の炎が消えたと言うのに、『一心不乱ZZZ』の効果は、腐ったヒロシに宿題をさせていたのです。そう、これが本当の『一心腐乱』

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「偶像崇拝うっちゃれヒロシ」の巻
 ヒロシがいつものように、なんの捻りもなく泣きながら帰ってきました。なんでも金歯のヤツが「テレビ局のプロデューサーをやっているおじさんから貰った芸能人のサイン」を見せびらかしてきて、それがきっかけで、ヒロシは有名人のサインなど一枚も持っていない自分に生きる価値が見出せなくなってしまったのだそうです。


「芸能人のサインだして!」「というか芸能人だして!」「というか芸能人にして!」と泣きついてくるヒロシを、マルぼんは金色夜叉のように蹴飛ばしました。マルぼんの「他人は他人、自分は自分」という人生哲学が炸裂したからです。


ヒロシ「でも、僕だって金歯みたいに『貴美野鳥子』のサインが欲しいよ!」


 マルぼんの説教にも関わらず、泣き言をいうヒロシ。……うん? 『貴美野鳥子』…『貴美野鳥子』!?『貴美野鳥子』。今、人気絶頂のアイドル歌手。その人気たるや、デビューシングル『恋愛泥棒判決死刑』の売上げと狂ったファンによって勝手に役所に提出された婚姻届の枚数が共に200万枚を突破したほどです。


 マルぼんももちろん、『貴美野鳥子』の大ファンで、ファンクラブに入っていたり、有線に『恋愛泥棒判決死刑』をバカみたいにリクエストしたり、知り合いの団体職員(音楽をガンガンかけながら車で走るのが主な仕事)
に「これをかけながら走りなよ」と『恋愛泥棒判決死刑』のCDを渡したり、肝臓の調子が悪い『貴美野鳥子』のお父さんのために己の肝臓を差し出したりしました。


 そんな『貴美野鳥子』のサインを金歯が持っている。いてもたってもいられなくなったマルぼんは、人間を蛆虫にする光線銃片手に金歯の家に向かおうとしましたが、「やばいって!」とヒロシに止められました。


マルぼんは「サインを奪って、金歯は死なす。一族郎党、皆死なす」


ヒロシに「他人の貰ったサインなんて無価値だよう。偽物かもしれないだろ。本人から直接もらわないと意味ないよ。」


マルぼん「たしかにそうだ。その通りだ」と考えを改めました


 マルぼんは、あまり接点のない『貴美野鳥子』からどのようにして直接サインを頂戴するか考え、最適な機密道具を思い出しました。


『ハッとしてグッ刀』。人も殺せる日本刀型の機密道具で、叶えたい願いを入力した後、この体で己の体を傷つけたら願いが叶うのです。その傷が致命傷に近ければ近いほど、よいカタチで願いは叶います。


 マルぼんは早速、『ハッとしてグッ刀』に「貴美野鳥子のサイン欲しい」と入力。『ハッとしてグッ刀』をヒロシに渡し、


マルぼん「今から切腹するから、これで介錯して」と言いました。


ヒロシは泣いて拒否しましたが、マルぼんは「マルぼんは生き返ることができるから」「生き返らなくても魂は不滅だから」「ヒロシは小学生だからたいした罪にならないって」と説得し、実行に移させました。


平成25年 8月某日 マルぼん、永眠(享年0歳)




 夕方頃。「そろそろ晩御飯だね」と生き返ってみると、誰かがママさんを訪ねてきていました。
『貴美野鳥子』でした。

 
 ママさんを訪ねてきた『貴美野鳥子』。『ハッとしてグッ刀』の恩恵だというのは分かるのですが、いったいなぜ? マルぼんは首を傾げざるをえませんでした。


ヒロシ「最近、母さんがパートで闇金融を始めたからそれの客みたいよ」


 なんと『貴美野鳥子』、ママさんに豚扱いされても仕方ない額の借金をしていて、今日は借金の上乗せをお願いしに来ていたのです。そうなると新しい借用書が必要になり、借用書には当然……直筆のサイン!


 こうしてマルぼんは、世にも珍しい「貴美野鳥子の直筆本名サイン入り借用書」を手に入れたのでした。


「ワーイワーイ」と飛び上がらんばかりにマルぼんが喜んでいると、ヒロシがニヤニヤと笑いながら立っていました。その手には『ハッとしてグッ刀』がしっかりと握られていて……


「欲しいゲームがたくさんあるんだ。車とかもほしいし、お願い死んで♪」と、ヒロシ。


「自分を刺せば? 自分を斬れば?」と、マルぼん。


「それやったら死んじゃうよ」と、ヒロシ。


「マルぼんも生きているから、斬ると死んじゃうよ」と、マルぼん。


「でも生き返れるじゃん」と、ヒロシ。


「そりゃそうだ」と、マルぼん。


「色々ゲットしたら、色々貸すから」と、ヒロシ。


「頼むぜ、ヒロシ!」と、マルぼん。


「まかせなよ」と、刀を振り上げるヒロシ。


平成25年 8月某日 マルぼん、永眠(享年0歳)




 というわけで、今夜は徹夜でゲットしたゲーム三昧です。翌日。


 マルぼんとヒロシが『ハッとしてグッ刀』で手に入れた外車を『ハッとしてグッ刀』で手に入れたプロのレーサーの運転してもらって町を走っていると、自宅の奴隷に引かせた人力車でふんぞり返っていた金歯と出会いました。


「貴様ら生きる価値もない虫けらがなぜ外車に」と驚きを隠せない金歯に、聖母のような慈愛をその瞳に宿しているマルぼんは、親切にも『ハッとしてグッ刀』のことを教えてあげました。


『ハッとしてグッ刀』をヒロシからもぎ取った金歯は、なにやら入力すると奴隷の1人を突然斬りつけました。


「金歯がずっと探していた『リンゴ飴で300人殺した猟奇殺人犯の使用済みタオル』が、酒の席でのイザコザで相手をしに至らせて服役中だったナウマン象から届けられた』という連絡が入ったのは、その5秒後でした。


金歯「その道具、朕に売れよ」。


マルぼんたちに札束の入ったトランクを投げつけて、金歯が言いました。「水の代わりに石油を飲むよ」のキャッチフーレズでお馴染みで、欲しいものはなんでも手に入る金歯にも手に入らないものがあったのです。それは地球。この地球です。


「地球だって朕のものだー!」と言いながら、残っていた奴隷を斬りつける金歯。しばらくすると金歯は、「今、妖精さんが現われて、地球も宇宙も朕のモノだって! ウヘ、ウヘへ…」と叫び、服を全て脱ぎ捨て裸になってどこかへ走っていってしまいました。


『ハッとしてグッ刀』でも、あんまりな望みは叶えてくれないようです。


 犠牲者もでたし、『ハッとしてグッ刀』はそろそろ使い納めということになりました。


ヒロシ「ねえ、マルぼん。使い納めの前に、どうしても叶えたい願いがあるんだ」


なんでもヒロシは『貴美野鳥子』との絆が欲しいそうなのです。


 アイドルとそのファン、金を借りた人と貸した人の息子、借金のカタに臓器を差し出す人と「臓器出せや」と要求する人の子供、借金のせいで親類縁者にまで無言電話がかかる人と親類縁者の家に無言電話をする人の子供、借金を返さないことで中傷ビラを撒き散らされる人と借金を返さないことに腹を立てて中傷ビラを撒き散らす人の子供、〇〇される人(『マルぼんと暮らす』は親と子が笑って見られるサイトを目指しているので自主規制)と〇〇される人が〇〇されるように仕向けた人の息子(『マルぼんと暮らす』は親と子が笑って見られるサイトを目指しているので自主規制)というありふれた関係を超えた、血湧き肉躍り小鳥が空を飛ぶような素敵な関係になりたいのだと言うのです。



 ここまで大きな願いだと「マルぼんに代わりに死んでもらって、デヘへ」というワケにはいかないのですが、
「僕は軽く命をかけてもいい!」とヒロシの決意は変わらない様子。ヒロシの決意に感じるものがあったマルぼんは「死んでも死なない傷薬」を用意してやることにしました。
というわけで……


平成25年8月某日 大沼ヒロシ永眠(享年24歳)


 復活後、「『貴美野鳥子』と桃色な関係になるよ。きっとなるよ」とワクワクなヒロシ。「関係が深まるきっかけはきっかけはそこらへんにゴミのように落ちているのさ」と朝から出かけっぱなしです。


 その間、マルぼんはゲットしたドラクエに夢中だったんですが、夕方頃、近所の市民病院から「ヒロシくんが車に跳ねられて息を引き取りました」との連絡が。


 駆けつけてみると、ヒロシを跳ねたあと逃げ出すもすぐに逮捕されたという車の運転手の女性が「弁護士と相談したんですけどぉ、とりあえずぅ、一生かけて償いますぅ。遺族の皆さん、セカンドシングル『命の尊さ』もよろしくぅ。あ、写真集もでますよぉ。アッハハー!」と泣いていました。
お察しの通り『貴美野鳥子』でした。


 こうしてヒロシは憧れのアイドル『貴美野鳥子』と、アイドルとそのファン、金を借りた人と貸した人の息子、借金のカタに臓器を差し出す人と「臓器出せや」と要求する人の子供、借金のせいで親類縁者にまで無言電話がかかる人と親類縁者の家に無言電話をする人の子供、借金を返さないことで中傷ビラを撒き散らされる人と借金を返さないことに腹を立てて中傷ビラを撒き散らす人の子供、〇〇される人(『マルぼんと暮らす』は親と子が笑って見られるサイトを目指しているので自主規制)と〇〇される人が〇〇されるように仕向けた人の息子(『マルぼんと暮らす』は親と子が笑って見られるサイトを目指しているので自主規制)というありふれた関係を超えた、加害者と被害者という血よりも濃い法律も絡む関係になったのでした。


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「プリン体……敵。倒すべき、敵」の巻

 ヒロシが帰ってくるなりマルぼんに泣きついてきました。なんでもナウマン象のヤツに散々に自慢話をされて、雀の涙程度だけどたしかに存在する自尊心が陵辱されたというのです。



 ついこの間まで、ナウマン象は隣町のガキ大将・ヘクトパスカル3世と抗争状態にあったそうです。ヘクトパスカル3世はナウマン象の隠れ家のひとつを策略で奪い取ってしまったとか。ところが、ナウマン象は隠れ家に自爆装置を仕込んでおり、それを起動して隠れ家ごとヘクトパスカル3世を吹き飛ばして哀れな肉片にしてしまい、抗争に勝利することができたらしいです。



ヒロシ「ナウマン象のヤツ、『しょぼい隠れ家ひとつで、ヘクトパスカル3世の命を奪えた。エビでタイを釣るとはまさにこのことだ。ガハハ』とか一日中言っているんだ…畜生。僕だって、エビでタイを釣りたいよ。マルぼん、エビでタイを連れる道具を出してよ」



 ヒロシを「色んな意味で可哀相な人」だと思ったマルぼんは、エビの形をしたネクタイタイプの機密道具『海老タイ』を使うことにしました。これを装着した人は、なにかを捨てることによりより大きな何かを手にすることができるようになります。



ヒロシ「うわー(感嘆の声)。さっそくいらないものを捨てるぞ!」




 喜んで部屋を飛び出して行くヒロシ。パパさんが事故にあい、多額の保険金がおりることになったのを
マルぼんが知ったのは、半日後のことでした。




 そんなわけで、今、マルぼんとヒロシの目の前にはパパさんの保険金2500万円が置かれています。みたこともないくらいの大金に、マルぼんもヒロシも瞳をギラギラさせることしかできませんでした。


ヒロシ「すごい。『海老タイ』の効果は絶大だね、マルぼん」



 いつになく良い結果をもたらした『海老タイ』がえらく気に入った様子のヒロシ。


ヒロシ「僕は『海老タイ』を使って、どんどんエビでタイを釣りまくる。そして、将来は『銃で襲撃されても胸元に分厚い札束を入れていたので助かった』というエピソードもてるくらいの金持ちになるんだ。そのために、この2500万円だって簡単に捨ててみせる!」


 2500万円をもエビ扱いしようというヒロシの懐の大きさに、マルぼんは正直ビックリです。


ヒロシ「さぁ、『ヒロシのエビタイ伝説』の始まりだっ!」



そう叫ぶとヒロシは2500万円を抱えて庭へと飛び出しました。そしてどこからか取り出したライターで、あっという間に札束を燃やしてしまったのです。その瞬間、空は曇り、どこからか声が響いてきました。


神『こんにちは。神です。情より欲が上回る事が多い昨今、札束を自ら灰にするなんて、正直素敵です。褒美に、金では買えないスゲエものをプレゼントしますよ。さぁ、部屋へと戻ってみなさい。


ヒロシ(よしっ。タイゲット!)


 マルぼんとヒロシは急いで部屋へと戻りました。部屋には、死んだはずのパパさんが生れたままの姿でたっていました。


神『さぁ。死んだあなたのお父さんを復活させましたよ。存分に甘えなさい」


『ヒロシのエビタイ伝説』の第1歩は大失敗です。



 せっかくのエビ(2500万円)で最悪なタイ(パパさん復活)を釣ってしまったヒロシですが、
こんなことではめげない様子。


「僕はこんなことで終わる人間じゃないよ」と言い残し、1人町へと繰り出していったかと思うと、帰ってきた頃には運転手つきのリムジンに乗っていたのです。しかも、右手にワイングラス膝の上にはクロネコという出で立ち。



 ヒロシは、エビでタイを釣るを繰り返した結果、微笑市の市長に就任していました。いったいどんなエビを使用したのか不思議に思ったマルぼんは色々聞いてみたのですが、ヒロシは黙して語りません。


 しばらくすると、数人の中年女性がヒロシを尋ねてきました。皆さん不気味な笑顔を浮かべており、なにやらありがたい話の会だかなんだかにヒロシを誘っています。なんか某有名女性芸人も来るとかそんな感じです。自分たちの発行している新聞にインタビュー記事を載せるとか言っています。



 よく見ると、中年女性の皆さんは胸元に某有名宗教のピンバッジをつけていました。どうやらヒロシはエビ(信仰心)でタイ(社会的地位)を釣る事に成功したようです。



 エビ(信仰心)でタイ(社会的地位)を釣り、ウザいくらい調子にのっている
大沼ヒロシくん(約11歳)



「まぁ、あれですな。僕くらいエビでタイを釣る達人になれば、もう他人が『どんな感じでエビでタイを釣るか』しか興味がなくなる訳ですよ。というわけで、他人がエビでタイを釣る様を見ようと思うワケ」などと言い出し、道でゴミ箱を漁っていたナウマン象に『海老タイ』をあげてしまったのです。



ナウマン象「よくわかんねえけど、コレつけたら欲しいものが手に入るのか? そうだな。俺は強くなりてえ。今よりも強大な力が欲しいんだ」



 そう言って『海老タイ』を装着した瞬間、ナウマン象の体が変化を始めました。気がつくと彼の体は巨大化し、雄たけびを上げながら町を破壊。どうもエビ(人間であるということ)でタイ(強大な力)を釣ってしまったようです。



ヒロシ「町が! 微笑町が!」



マルぼん「ヒロシ、今こそ地位だけでなく名誉を手に入れるときがきた」


ヒロシ「め、名誉!?」


マルぼん「そう。ヤツを倒せばみんなが感謝し、君を崇め奉る。エビ(ちょっとしたバトル)でタイ(名誉)を釣るんだよ!」



ヒロシ「よ、よし!」


 ヒロシは予備の『海老タイ』を装着すると、マルぼんの用意した『犬でも操縦できます』でお馴染みの未来戦闘機で発進しました。


ヒロシ「攻撃開始。って、操縦桿が動かない。だ、脱出装置もあらへん。マ、マルぼん!」



マルぼん「ごめん、それ中古でしかもワゴンセールのヤツなんだ」


ヒロシ「ど、どうすれば。どうすればいいよー!?」



マルぼん「こうなったら、エビで…」


ヒロシ「エビで!?」


マルぼん「エビ(自分の命)でタイ(町の人々の命と平和)を釣れー!」


 未来戦闘機には『もしもの時に相手を道連れにできる自動特攻型自爆装置』がついているのです。こうして『ヒロシのエビタイ伝説』は、無事にグランドフィナーレを迎えたのでした。




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「ヒロシのクソくらえリサイクル」の巻
ヒロシ「このタンスいらないな、捨てよう」



警察「チミ! こんな巨大なものを無料で捨てようなんて、ムシがよすぎるですぞ。ちょっと来たまえ!」



ヒロシ「てなことがあって、警察に連行され『アジトはどこだ!』『仲間は何人いる!』『首謀者は!?』と尋問されたんだ! 僕は、ゴミを自由に捨てる権利がほしい! ほしいんだ!」



マルぼん「あきらかに別件逮捕されているよ! これに懲りたら、爆弾作っている人たちと付き合うなよ!」



 しかしまぁ、小学生にして警視庁に指紋が記録されてしまったヒロシを不憫に思ったマルぼんは、なんでも自由に捨てることができる機密道具『捨てるハット』を用意しました。



マルぼん「この帽子を被っていれば、なにを捨てようが誰にもとがめられない。怒られない。許してもらえる」



ヒロシ「うわーよい機密道具だね」



ママさん「ヒロくん」



ヒロシ「あ、母さん。どうしたの」



ママさん「おばあちゃん、今日が誕生日で…70歳になるの」



ヒロシ「あ…」


 食糧難の続く微笑町では、人は70歳になると学校の裏山に行かねばなりません。そこで、なにも食べずなにも飲まず、ただ死を待つのです。



ママさん「おばあちゃんね、一番可愛がっていたヒロシに、山に連れて行ってほしいって」



ヒロシ「う…ん」


 ヒロシは、玄関で待っていたおばあさんを背負い、家を出ました。



ヒロシ「ばあちゃん、寒くない?」



ばあちゃん「ヒロシの背中があったかいから、大丈夫だよ」



ヒロシ「ごめんよ、ばあちゃんごめんよ」



ばあちゃん「気にするでねえ。気にするでねえ」



 おばあちゃんは、にっこりと微笑んでいました。ヒロシや、周りの人への恨み言もなく、微笑んでいました。マルぼんは『捨てるハット』の効果は絶大だと思いました。


 やがて、学校の裏山が見えてきました。



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「シャレになんないよロックンロール」の巻
マルぼん「あ。貴様! そのジュースを飲んだな」



ヒロシ「え、ダメだったの?」



マルぼん「それは『ダジャレ現実化ジュース』。飲んだ人がダジャレを言うと、そのダジャレが現実になる機密道具だよ」



ヒロシ「ダジャレが現実化?」



マルぼん「そう。『ふとんがふっとんだ』と言ってみな」



ヒロシ「ふとんがふっとんだ」



ぶわっ。ヒロシの部屋にあったふとんが、まるでツバサを持っているかのように窓をぶち破り、吹っ飛んでいきました。



ヒロシ「なるほどな。これはなかなかいいじゃない。……よし!」



マルぼん「どうしたの?」



ヒロシ「これで、いつも僕を人間扱いしないナウマン象を仕置きしようかと思って」



ナウマン象「なんだ、俺様を呼んだのか!」



ヒロシ「ナウマン象」



ナウマン象「あ?」



ヒロシ「キミはきみが悪い」



 その瞬間、ナウマン象の体に異変が。腕とか足とかがたくさんになり、ツバサが生え、周囲にたくさんのハエがたかり、とにかくきみが悪い返信を遂げたのです。



ナウマン象「モウオヨメニイケナーイ!」



ヒロシ「あははは。やった。やったよ。あははは」



パパさん「おい、ヒロシ。デジカメ買ってきたぞー1枚どうだー」



ヒロシ「あ、お願いします。今なら、最高の笑顔が撮れると思いますし」



 ヒロシ、ピースサインをしてカメラに向かい



ヒロシ「イエーイ!」



 最高の笑顔でポーズを決めました。





 その夜、ヒロシは急死しました。遺影には、「イエーイ!」とポーズを決めたときの写真が使われました。なにせ、最高の笑顔だったので。



 マルぼんは『ダジャレ現実化ジュース』の効果は絶大だと思いました。




日記 | 20:03:03 | Trackback(0) | Comments(0)
「恐竜に玉乗り仕込みたい? 動物虐待や!」の巻
 今日もナウマン象が大暴れ。自分より幸せな人間が許せない! 生きとし生けるものすべてを認められない! とかで、八つ当たりでそこいらの物を壊しまくっています。それを口惜しそうに見ているのは、アメリカ出身の2代目、新大沼ヒロシ!。


新ヒロシ「ナンテヤツダ! コノママジャ、微笑町ハメチャクチャダ! ヤメルンダ、ナウマン象。物ヲ壊シタラ罰ガアタルゾ!」


ナウマン象「罰だと? あてられるもんならあててみな!」


新ヒロシ「アンナコト言ッテラァ! マルぼん、ナウマン象ヲ懲ラシメルコトガデキル機密道具ダシテ!」


マルぼん「『たたり鰯の煎じ汁』。未来の世界の汚染された水にだけ棲むことができる『たたり鰯』という魚を汁にしたもので、この汁を飲んだ者は、物や他者にひどいことをした場合、かならずその報いを受ける」


新ヒロシ「ソイツハ素晴ラシイ機密道具ダネ!」


 マルぼんは『たたり鰯の煎じ汁』をなんとかナウマン象に飲ませました。その効果などまるで知らないナウマン象は、相変わらず大暴れで、町の電柱に蹴りをいれております。すると、いきなり電柱がナウマン象にむかって倒れたではありませんか! ナウマン象、電柱の下敷きに。


ナウマン象「うぎゃー!」


マルぼん「蹴られた電柱の報復さ。蹴っただけなのにあんなにひどい報いなのは、汁が濃かったから。飲んだ汁が濃ければ濃いほど、やりすぎと言っても過言ではないひどい内容の報いとなるんだ」


ナウマン象「ちくしょう、なんだってんだ!」


 口惜しいナウマン象は、近くの家の塀をぶん殴りました。殴った直後、


ナウマン象「うぎゃー!」


 塀が崩れてナウマン象下敷き。塀の報復です。


ナウマン象「ちくしょう、なんだってんだ!」


 口惜しいナウマン象は、ものすごい勢いで地団駄を踏みまくっています。地面を踏む、地面を踏む、とにかく地面を踏みまくる。ものすごい勢いで踏みまくる。


 と、そのとき、ゴゴゴゴゴゴゴッと地響きが。大地は裂け、海は荒れ、空は黒い雲に覆われて、雷鳴が轟き、近所の犬が一斉に吠え出す始末。


新ヒロシ「コレ、ナンテ地球最後ノ日?」


マルぼん「顔を蹴られた地球が怒ったんだ。地球の報復だ!」


新ヒロシ「ワー! ウワー!」


マルぼん「うわー」


ナウマン象「うぎゃー!」


そのほか「ひえー!」
































 そしてその日、大きな宇宙の小さな星から全ての生命が消えたのでした。完。


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「『窓をあけましょーるるるー呼んでみましょー』しかし返事が返ってくることはなかった」の巻

 ルナちゃんが部屋を改装したというので、見学に行きました。



ヒロシ「うわーひどい。部屋中全面ガラス張り!」



 ルナちゃんの部屋は、天井も壁も床も全てガラス張りになっていたのです。



ルナちゃん「私の部屋はね、これ全て窓なの」


ヒロシ「窓」



ルナちゃん「そう、窓。窓から射す太陽の聖なる光が私を四六時中包み込んでくれるのよ」



マルぼん「紫外線とかきつくない?」



ルナちゃん「紫外線は、我が宗教では『死外線』と書くの。浴びれば浴びるほど死から外れるのよ。さぁ、太陽の光よ私を焼いて!」



ヒロシ「インチキ宗教のインチキ教義にはカケラも興味はないけれど、大きな窓は憧れるなぁ」



 ヒロシの部屋には、誰かの肝っ玉くらい小さな窓がひとつあるだけで、日の光などかけらも射しこまないのです。



マルぼん「そうだ。いっそのこと部屋に大きな窓でも作ろうか。『お手軽工事ロボ』。どんな工事でも簡単丁寧迅速にしてくれるロボットなの」



ヒロシ「こいつで僕の部屋に素敵な窓がつくれるってわけだね。やったー!」



 わくわくしながら帰宅すると、家の前に人だかりができていました。



男「あそこいるのは、あの女の息子じゃないか! おい、母親はどこへ行った!」



ヒロシ「な、なんですか。母は一週間前から旅行へ行っています」



男「おまえの母親なぁ、うちの息子をたぶらかして300万も借金させたんや!」



女「私はだまれて母親の形見の着物を取られたわ、あなたの母親に!」



男2「俺は通帳を奪われたぞ!」



男3「俺は希望に満ち溢れた明日を奪われた!」



女2「あたいは家と土地を騙し取られたわ!」



男4「ヤツはとんでもないものを盗んでいきました」



一同「どうしてくれる!?」



ヒロシ「そ、そんなこと言われましても!」



一同「責任とって切腹しろ!! 切腹ー切腹ーぷっぷくぷー!!」


 こうして大沼宅には窓ができました。ママさんに関する苦情を受け付ける、ヒロシという名の窓口が。マルぼんは『お手軽工事ロボ』の効果は絶大と思いました。




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「ひゃっはー! 叩け叩け石橋を叩いちまえー!! そして渡っちまえー!!」の巻
金歯「やいヒロシ、生き胆をよこせでおじゃる!! 食べたら長生きできるのでおじゃるー!!」

ヒロシ「長生きしてもいいことないって!!」



近所のおかしいおばあさんが飼っている目がうつろで足取りがおかしくて涎を垂らしている犬「ガウガウガウガウガウ!!」

ヒロシ「きゃー!!」



ナウマン象「ヒロシィ…はぁはぁ…ヒロシィィィィィ!!(ズボンを脱ぐ。勢いよく脱ぐ)」

ヒロシ「暴力はまだ許せるけど、性的ないじめは勘弁してください!!」



ルナちゃん「選挙!! 聖戦!! 選挙!! 聖戦!! ローラー作戦!!」

ヒロシ「僕は選挙権ないよ!!」



ヒロシ「以上のようなことが、今日一日であったんです。もういやです。人類滅びろです」


マルぼん「キミはとことんアレだね、アレだ」


ヒロシ「危険を予測できる機密道具プリーズです」


マルぼん「こいつはどう? 『転ばぬ先ロッド』。このロッドはだね、手にとって振り回すとだね、あらかじめ危険になりそうなことを予測してだね、その要因を排除する機密道具なの」
ヒロシ「最高です、嬉しさです。それぶんぶんぶん!!」


 ヒロシが振り回した瞬間、爆発する『転ばぬ先ロッド』


ヒロシ「腕が!! 腕が痛いです!! 痛いです!! 血が!!赤き血潮が!!」


『転ばぬ先ロッド』は、ヒロシが己を使うことで散々な目にあうと予想したのでしょう。
ヒロシを守るために自爆したのです。


マルぼん「泣かせるよな、おい」


ヒロシ「あうあうあう」


 マルぼんは『転ばぬ先ロッド』の効果は絶大だと思いました。



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「気になるあの子にアトミックバズーカ」の巻
ヒロシ「ルナちゃんの部屋に、『たしかに大沼ヒロシがこの部屋に侵入していた!』という痕跡を残してきたよ!
げへ、げへへへ」


マルぼん「おいおい。そんなこと言ったら、またルナちゃんに嫌われるぞ。この前なんて『もう、私の家族に関わらないで!』と泣いて懇願されたじゃないか」


ヒロシ「嫌われて、罵られたいんだ。最近のルナちゃんは僕が近くにいても、そこにはなにもないかのような態度をとる。完全無視なんだ。好きの反対は嫌いではなく、無関心。無関心はいやだ。嫌われているほうが、僕はいい!」


マルぼん「『キニナル光線銃』。この光線銃で撃たれた人は、撃った人のことが気になって仕方なくなる。気になって気になって、結果どうなるのかは今後の関わり方次第だけど」


ヒロシ「この光線銃で撃つんだな。よ、よし。やってやる。やってやるぞ」


 さっそく光線銃片手にルナちゃんの元へと向かう、変態小学生。


ヒロシ「いた! ルナちゃんだ!」


 普通に道を歩いているルナちゃん。変態小学生の姿には気づいていません。


ヒロシ「照準セット。ようし、発射だ!」


 発射される光線。ここで異変が起こりました。撃たれる直前、ちょうどルナちゃんがコンパクトを出して、偶然にも光線がコンパクトの鏡に当たったのです。光線は反射されて、ヒロシを直撃。


マルぼん「おい、変態小学生! 大丈夫か!」


ヒロシ「右腕に、いつのまにかホクロができている。このホクロは癌だ! 僕は死ぬ! 死ぬんだ!」


 頭をかきむしり叫びだすヒロシ。叫びすぎてむせて、咳き込みます。


ヒロシ「げほげほっ! 咳…だ! きっと肺が悪いんだ。僕は死ぬんだ!」


ヒロシ「さっきごはんを食べたばかりなのに、もうお腹が空いてきた。きっと胃が悪いんだ。僕は死ぬんだ!」


ヒロシ「いま、お腹がゴロゴロなった。きっと腸がどうにかなっているんだ。僕は死ぬんだ!」


ヒロシ「影が人のものより薄くなっている。きっとこれは僕の寿命がなくなっている証拠だ。僕は死ぬんだ!」


ヒロシ「あそこを歩いている人、僕に顔が似ている。きっとドッペルゲンガーだ。ドッペルゲンガーを見た僕は、死ぬんだ!」


ヒロシ「なんか暗い気分だ、きっと気が沈んだ僕は色々と世間様に迷惑をかけて、最後は法によって裁かれて処刑されるんだ」


ヒロシ「なんだか足が痛い。よくみたらひざシミがある。なんだか顔に似ている。これはいずれ人面瘡になるんだ。僕は死ぬんだ!」


ヒロシ「今、ぼくの家から見慣れない子供(注1)が出て行った。あれはきっと座敷童。座敷童が出て行ったんだ。座敷童に出て行かれた家は没落する。僕は死ぬんだ」


ヒロシ「あ、黒猫が目の前をよぎった。なにが不幸がおこって、僕は死ぬんだ」


ヒロシ「ヒロシのシの字は死を表しているんだ。だから死ぬんだ」


 こうしてヒロシは自分のことが気になって仕方なくなりました。マルぼんは『キニナル光線銃』の効果は絶大だと思いました。


注1……出て行った見慣れない子供というのは、ママさんが欲望のはけ口にしようと連れ込んだ子供でした。間一髪で逃げ出したので、大事には至りませんでした。ママさんはのちに逮捕され、処刑。安心してつかーさい。

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「昔、『お風呂でやりたい放題』っておもちゃがありましたが、その名前にエロスを感じるようになったとき、ぼくの中から純粋さが消えたんだなと思います」の巻
ナウマン象「某有名温泉街へ行ってきたぜ! 半日の間、どの旅館どの温泉でも自由に入りたい放題ってのがやっていてさ、もう、お肌もツヤツヤよう!」


ルナちゃん「私は焼肉2時間食べ放題へ信者のみなさんといったわ」


ヒロシ「う、うらやましい。僕もなんでもいいから、『○時間なら、○○し放題』ってのを体験したいよ! 」


マルぼん「『やりたい砲台』。この砲台で砲撃をされた人は、なんでもかんでも『○時間なら、○○し放題』になるの。砲撃されたあとにラーメンを食べに行けば、その店では店の指定する時間の間ラーメン食べ放題。ゲーセンへ行けば、同じくゲーセンの側の指定する時間の間ゲームし放題」


ヒロシ「そいつはいいや。さぁ、そいつで僕を砲撃しておくれ!」


マルぼん「お任せあれ。エネルギー充填120㌫。照準セーット! 3…2…1…シュート!」


 しかしそこで不幸が発生。エネルギーを充填しすぎて、『やりたい砲台』が爆発してしまったのです。幸いにも爆発で死者はでませんでした。が。


マルぼん「あらあらまあまあ。『やりたい砲台』の中にあった有害物質『吸ったら10時間後に問答無用で死亡。解毒剤? ウケるwwwwwんなもんねえよバーカwww命の大切さかみしめなwwww』が町中にばら撒かれたぞ。自分ら、あと10時間の命や」


一同「うわっ儚い!」


 そんなわけで、ヒロシは10時間人生を満喫したい放題となりました。めでたしめでたし。また来世。

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「手作りのぬくもり地獄篇」の巻
 数ヶ月前、マルぼんとヒロシは道路で大の字になって寝転がっている男性と遭遇しました。「死にたい」と漏らすその男性に対して、命の尊さを説きに説いたのですが



ヒロシ「いったいぜんたい、なんで死ぬことなどを考えておるのです」



男性「裏社会が、タンスやテレビに監視カメラを付けてぼくちんを見張っているからです。これらの製品は、作られる過程で監視カメラが付けられるのです。生きとし生けるもの、これ全てぼくちんの敵です」



 言葉じゃ説得しきれないと考えたマルぼんは、機密道具で解決することにしました。



マルぼん「『ハンドメイド軍手』。この軍手をつけると、指先が鬼のように器用になり、材料さえあれば、どんなものでも自分で作れるようになる。必要なものは全て自分で作るようにすれば、監視カメラを付けられる危険もないでしょう」



 男性は『ハンドメイド軍手』を喜んで持ち帰りました。



 そして昨日、「おかげさまで心安らかに暮らしています。毎日がパラダイスです。パーで勝ったら気分はパラダイスです。恩人であるお2人に、パラダイスと化した私の家を是非見て欲しいのです」という手紙が男性から届き、マルぼんとヒロシは男性を訪ねることにしました。町外れの丘にある、男性の家。


ヒロシ「うわあ。見事なログハウスですね」



男性「『ハンドメイド軍手』を使って、全て自分で建てたんですよ」



マルぼん「この立派なテーブルやタンスやパソコンも?」



男性「ええ。全て自分で作ったおかげで、監視される心配もなく、毎日が楽しくて楽しくて楽しくて楽しくて楽しくて」



ヒロシ「それはよかった」



男性「私の人生を素晴らしくしてくださったお2人に、紹介したい人がいるんです。ちょっと待っていてくださいね」



 そう言って、いずこかへ去っていく男性。しばらくすると戻ってきて



男性「ご紹介します。息子の夢太郎です」



 薄汚れた人形を、「息子の夢太郎」として紹介する男性。人形は本当に薄汚れていました。頭部には計30本くらいの髪の毛がまばらに生えています。

夢太郎「……」


男性「あははは。すいません、人見知りするたちで、恥ずかしくて挨拶できないようです」



ヒロシ「あの、これ、人形では」



男性「ちがいますよ。息子です。私の血をわけた息子です」



マルぼん「え」



男性「この子の髪の毛は、引き抜いた私の髪の毛を植えたものです。今は少ないですが、いずれフサフサにしてやるつもりです」



 マルぼんたちがあっけに取られていると、どこからか電話がかかってきました。
対応する男性。



男性「もしもし。ああ、微笑小学校さん。え、やはり人形を通わすのは認められないですって? 夢太郎は人形ではありません。私の血をわけた息子です。今は人形に見えるでしょうが、いずれ人間としてきちんと生きはじめます。実際、私の夢のなかではもう生きています。魔術書に書かれている通り、毎晩きちんと私の血を分け与えているのですから、近い将来、必ず生きはじめますよ、夢太郎は」



 男性の手首に真新しい傷跡があることに気づいたマルぼんとヒロシは、一目散に逃げ出していました。マルぼんは、子供まで手作りにしてしまった『ハンドメイド軍手』の効果は絶大だと思いました。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「また逢う日まで」の巻
ヒロシ「人生をやり直す機密道具だして」


マルぼん「あまりにもストレートすぎないかい、ヒロシくん」


ヒロシ「こんな甲斐のない人生、僕は認めたくないんだ。やり直したい。やり直したい!!」


マルぼん「それならこいつだな『基礎味噌』。この味噌を食せば、どんなことでも基礎からやり直すことができる」


ヒロシ「もがもがもがっウンマーイ!!」


マルぼん「もう食しやがった!!」


ヒロシ「な、なんだか、眠くなってきた…」


マルぼん「目覚めたとき、キミは人生のスタートラインに戻っているはずだよ。人生をやり直せるんだ。その人生で、キミとマルぼんが再び会えるかは分からないけど」


ヒロシ「そう…か。それは…ざんね…ん。また…会えたら…友達に……」


マルぼん「おやすみ、ヒロシくん。良い人生を」



 気がつくと、ヒロシはなんだか、とても暖かいところにいました。



女の子「競争しない?」


ヒロシ「きみはだれ?」


女の子「私はあなたのお姉さん。もしかしたら妹かもしれない。双子かもしれないわね。ねえ、競争しない?」



ヒロシ「競争?」


女の子「よく見てごらんなさい。まわりには、私以外の兄弟姉妹がたくさんいるわ。みんなで競争しましょう。ゴールはあそこ。あそこに辿り着いたら勝ちよ」


ヒロシ「???」


女の子「よーいドン!!……あは、ゴール!! 私がいちばーん」


ヒロシ「ちくしょう、もう一回だ!!」


女の子「無理なの。この競争はね、一度きりの競争なの」


ヒロシ「…え?」








そば彦「うどん子!!」


うどん子「そば彦さん」


そば彦「ついに…ついに生まれたんだな、僕たちの子供が!!」


うどん子「うん。女の子。女の子だよ」


そば彦「女の子か。実はな、名前は考えているんだ。ヒロ子。ヒロ子さ。男だったらヒロシにしようと思っていたんだけど」




日記 | 20:10:57 | Trackback(0) | Comments(0)
「人間は、自分一人が座れる場所があればいいんだ」の巻
ヒロシ「あああああああ」



マルぼん「やめるんだ、やめるんだヒロシ! ボールペンで自分の手の甲を何度も何度も、狂ったように刺すのは止めるんだ!!」



ヒロシ「ネットで知り合った女の子を部屋に招待して来ていただいたら、その後、メールの返事が返ってこなくなったーああああああ」



マルぼん「悪い夢を見ていたとあきらめる他ないね」



ヒロシ「すべては僕の部屋が悪いんだ。よくわからない気持ち悪い生物がすんでいる僕の部屋が」



マルぼん「長年、水と魚のような交わりをしてきた相棒にむかって
、なんていい草!」



ヒロシ「僕専用の個室が手に入る機密道具だして!」



マルぼん「出さないよ、ぷんぷん!」



ヒロシ「出せよ。あるんだろ。出しちまいなよ!」



マルぼん「きゃ!? どこをさわっているんですか、やめてください! 大声をだしますですことよ!?」


ヒロシ「はぁはぁ。ここけ、ここけ」



マルぼん「いや、誰か! 誰か助けてー!!」



ヒロシ「こ、声をだすな! この…!」



マルぼん「きゃー!!」



時は流れて



看守「おい、作業の時間だぞ」



ヒロシ「僕を家に帰らせてください。全人類もそう思っています」



看守「むりー」



ヒロシ「なんだとこのやろう!」



看守「うわ、こいつ!」



看守B「独居房行きだ!」



 畳一畳ほどの広さ。窓なし。白い壁の独居房。



ヒロシ「ぼ、僕だけの部屋だ。僕だけの部屋。ありがとう。ありがとう、マルぼんー」




日記 | 20:05:28 | Trackback(0) | Comments(0)
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