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大沼ヒロシ

Author:大沼ヒロシ
大沼ヒロシと申します。ブログはじめたての初心者です。どうぞよろしく。

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「もちの時代、終わる」の巻
 マルぼんと大沼ヒロシが町を歩いていると、突然、軍服姿のじいさんが銃剣を構えて目の前に飛び出してきて


「貴様ら、ぶっちコロス!」


 ヒロシは大きく飛び上がると「きえー!」とじいさんにとび蹴り一撃。ヒロシが老人と子供等弱者には圧倒的に強いことを知らなかったことが、じいさんの不幸でした。


 マルぼんとヒロシはおじいさんを介抱すると、「じじい、貴様、俺らを誰だと思っている。ここと次第によれば、大海原で魚の餌になっていただくぜ?」とやさしく事情を尋ねてみました。


ヒロシ・マルぼん「柿泥棒?」


おじいさん「そう、柿泥棒ですじゃ」


 じいさんの家に庭には柿の木があるのですが、せっかく生った実を盗むたわけ者がいるそうなのです。マルぼんたちは、そのたわけ者に勘違いされたのです。


ヒロシ「なぁ、マルぼん。おじいさんを助けてやれないか」


マルぼん「そうだな、ここいらで人助けでもしねえと、地獄に堕ちそうだし」


 マルぼんは機密道具『縄針』を取り出しました。


マルぼん「この針で自分の家の刺す。すると家は自分の『なわばり』になり、『なわばり』の中にあるものはそこから取り出せなくなる。取り出すことができるのは、『なわばり』に住む人のみ」


 じいさんが自分の家を『縄針』で刺します。しばらくすると、ほら貝を吹く音と、ワーッという叫び声が聞こえてきました。マルぼんたちが外を見ると、刀や槍、弓なんかで武装したたくさんの屈強な男たちが、じいさんの家を取り囲んでいるではありませんか。


じいさん「柿泥棒どもだ! 柿泥棒どもが、この家を取り囲んだ!」


やせ細り、うつろな目をしている人たちが、じいさんの家を取り囲んでいるではありませんか。


じいさん「柿泥棒どもだ! 柿泥棒どもが、この家を取り囲んだ!」


ヒロシ「よくみると柿泥棒どもは弱っている感じだな」


マルぼん「ありゃ、この前の隣町との戦争で出た落ち武者だな」


柿泥棒「うう…腹が、腹が減った…」


柿泥棒「おかあさん、アイムハングリー。アイムハングリー、おかあさん」


柿泥棒「あそこに、あそこに柿がある柿がある…ううう」


じいさん「薄汚い柿泥棒どもめっ」


ヒロシ「じいさん、性格悪いなぁ」


 柿泥棒たちは、じいさんの庭の木になる柿に手を伸ばしますが、柿は取れません。『縄針』の効果です! 柿に生きる望みを託していた柿泥棒のみなさんは、絶望のあまり力尽き、バタバタバタと倒れていきました。


じいさん「やたっ! 柿を守りきったぞ、宴じゃ、宴じゃ。酒を持ってまいれ」


ヒロシ「僕が取ってくるよ。酒は台所に置いてあるんだね。って、あれ?」


 ヒロシが、酒を持って来ようとしたのですが、酒瓶を台所から出すことができません。


マルぼん「『縄針』の効果が絶大すぎて、じいさんの家にある部屋のひとつひとつが『なわばり』になってしまったんだ。だから、台所という『なわばり』にある酒を持ち出すことができなくなっているんだ! 『縄針』は三時間ほど効果が続くから、しばらくは不便になるよ」


じいさん「まぁ、いいや。それなら、守りきった柿を食べよう」


 じいさんは木から柿をもぎ取ると、おいしそうに食べ始めました。


じいさん「もぐもぐ。うまい…うま…うっ!」


 突然、喉のあたりを押さえてのた打ち回るじいさん。顔色は真っ青。どうも、柿が喉に詰まってしまったらしいです。マルぼん、じいさんの背中を叩きながら


マルぼん「じいさん、柿を吐き出して!」


 無理らしく、じいさん首を振る。


ヒロシ「思い切って、飲み込んでしまって!」


 無理らしく、じいさん首を振る。


 マルぼんとヒロシは、なんとか柿を取ろうとがんばったのですが、喉に詰まった柿は取れません。


 マルぼんは、じいさんの喉まで「なわばり」にしてしまった『縄針』の効果は絶大だと思いました。



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日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)

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