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大沼ヒロシ

Author:大沼ヒロシ
大沼ヒロシと申します。ブログはじめたての初心者です。どうぞよろしく。

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「ヒロシを偲んで大晦日」の巻
 ヒロシの同級生である情報屋さんの撮った写真が、新聞に掲載されました。


情報屋「町をうろついていたら、たまたまひったくりを目撃して。たまたま持っていたデジカメで現場を撮影!」



ヒロシ「それが掲載されたんだね。うらやましい! 僕も自分の撮った写真がいきなり新聞に掲載されないかな」



マルぼん「『決定的瞬間撮影カメラ』。このカメラで撮った写真はどんなに適当に撮っても、かならず決定的瞬間になるの」


ヒロシ「やほーい!」


 さっそく写真を撮るヒロシ。


ナウマン象「うがー!!」


ルナちゃん「むきー!!」


ヒロシ「わぁ! 人々が武器を手にとって僕に襲いかかってくるよ!」


マルぼん「『決定的瞬間撮影カメラ』のフラッシュは、人の脳を破壊して、発狂させてしまうんだ。人が獣となる決定的瞬間を撮れるというわけさ!」


 パシャパシャ


ヒロシ「しかも勝手に撮影しているよ、このカメラ」


マルぼん「決定的瞬間を逃さないためのオート機能が発動したのだ」


一同「きゅえー!!」


ヒロシ「ぎゃーぎゃー!!」


 ヒロシの処女作であり遺作である『私を殺している人々』は、色々な賞を総なめにしました。ご冥福を。あと、よいお年を。



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日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「夢」の巻
ヒロシ「あれれ、このスイッチはなんだろう。よし、なにごともチャレンジだ。押してやるぞ。ポチっとな」


大統領「ソレヲオシテハイケマセーン!! 核ミサイルノ発射スイッチデース!」」


ヒロシ「ええええ!?」


 こうしてヒロシの指先ひとつで、多くの尊い命が失われたのでした。


ヒロシ「やべえ。僕、とんでもないことしでかしちゃった! さすがにやべえ!」


マルぼん「世論はすごいことになっているぞ! ヒロシ死すべしって!」


ヒロシ「どどどどどどうしよう! どうすれば! マルぼん、なんぞこの事態をなかったことにできる機密道具ない!?」


マルぼん「『夢オチスイッチ』。このスイッチを押せば、その日一日のことが、前の晩に見た夢ということになる。夢オチになる。起きたら全てが『ああ夢だったのか』で済むんだ」


 ヒロシがポチっと、『夢オチスイッチ』を押すと、そこはもう、翌朝の世界。核ミサイルは発射されず、全てが平穏な世界。


ヒロシ「これは、もしかしてすごい機密道具なんじゃないのか。日ごろは世間体を気にしてできないことを散々やって、こいつを使えば……すごいストレス解消になるかも。うざいアイツや大嫌いなアイツや幸せそうなカップルをアレして……うひひひひ!」


 ヒロシは夢オチスイッチと刃物のようなものを持って、外へととび出していきました。


中略


ヒロシ「ああ、たんのうした。あんな感触なんだなぁ」


警官「あいつが通り魔だな。よし、射殺!」


ヒロシ「ああ、やばい。死んだらスイッチが押せないぞ。さっさと押さないと!」


 ヒロシは『夢オチスイッチ』を何度も何度も押しました。ものすごい勢いで。


マルぼん「よせ、そんなに激しくしたら壊れちゃうよお! 壊れたら、どんなことになるかわからないわよ!」






???「おい、6998号、6998号! どうした、どうした!」


6998号「う、あ、ううう! あ、か、看守さん…?」


看守さん「どうした。えらくうなされていたぞ」


6998号「ゆめ、夢を見ていたのです。あの時の。僕がとんでもないことをしでかしてしまった、あのときの」



看守さん「……」


6998号「僕の罪を、なかったことにしてしまう夢でした。全てを夢の中であったことにしてしまって、変わらぬ日常を送る夢です」


看守さん「都合のいい夢だな。変わらないよ。オマエの犯した罪はまぎれもない事実。夢であるはずがない。
おまえがたくさんの人の命を奪ったことが夢であるはずがない」


6998号「あ、ううう」


 マルぼんは、全てを夢オチにしてしまった『夢オチスイッチ』の効果は絶大だと思いました。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「ヒロシ、ニューゲーム」の巻
ママさん「自己破産しちゃいました(笑)」


ヒロシ「はぁ?」


ママさん「いまこそ、家族が一致団結して、この難局を乗り切るときじゃないかしら!? ときじゃないかしら!?」


ヒロシ「うざい」


ママさん「とにかく、全てを捨てて、1から……いえ、ゼロからスタートしないといけないわ」


マルぼん「自己破産だからなぁ。ゼロどころか、マイナスからのスタートだ。こりゃ」


ヒロシ「マイナスからの人生か。想像だにできないや」


マルぼん「なら、体験してみるか。『なんでも体験機』。どんなことでも3分間の間だけ体験できる、魔法のゲーム機」


ヒロシ「よし、これからの悲惨な人生を歩む僕だ。景気づけにちょっと体験してみるか! まずは『ゼロからのスタート』!」


マルぼん「では、このスイッチを押します。さすれば、『なんでも体験機』が起動しますん」


 マルぼんはさっそくスイッチを押しました。するとどうでしょう。ヒロシが赤ん坊になってしまったではありませんか。赤ん坊ヒロシは3分間泣き続けると、元に戻りました。


ヒロシ「なるほど。人生がゼロからスタートしたわけだね。じゃ、続いてマイナスからのスタートを体験しよう。ポチっとな」


 すると、ヒロシは蛆虫に姿を変えました。


マルぼん「蛆虫? そういえば、どこぞの占い師が『ヒロシの前世は蛆虫』とか言っていたっけ。なるほど。人生がマイナス(前世)。からスタートしたわけかー」


 マルぼんは、人生までマイナス(前世)からのスタートにしてしまった『なんでも体験機』の効果は絶大だと思いました。


 寒さにやられたのか、蛆虫はやがて動かなくなりました。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「ヒロシ、ツケいる隙を与えない」の段
ヒロシ「あ」


マルぼん「どうした」


ヒロシ「あのね、財布忘れた」


マルぼん「なんですとー!?」


 マルぼんとヒロシが財布を忘れたことに気が付いたのは、ちょうどお勘定を支払う直前のことでした。


 マルぼんたちを「社長サン」と呼んでくれる外国人女性たちと、顔のいかついお兄さんたちがたくさんいるお店なので、理由を尋ねても許してくれそうにありません。


店員「臓器販売コースと、マグロ漁船コースの二種類の支払い方法がございますが」


ヒロシ「いやだよ。僕、マグロ漁船はいやだよ。最近妙に腹が痛いし、マグロ漁船は酷だよ」


マルぼん「心配めさるな。この薬を体に塗ってみるんだ。『ツケたい時にツケる薬』。この薬を塗ると、どんなところでもツケが利くようになる」


「本当!?」と体に薬を塗るヒロシ。


マルぼん「塗れば塗るほど、支払期限は先になる」


店員「計15万円のお支払いです。ツケですか。わかりました。16年後までにお支払いください」


ヒロシ「本当だ! 凄い機密道具だね! うっ」


マルぼん「いかがいたした」


ヒロシ「腹の痛みが激しくなってきて…いてて」


 病院へ搬送されたヒロシ。診断は慢性腹膜炎。医師により、薬が投与されたのですが


医師「おかしい。まるで薬の効果がでない!」


ヒロシ「痛い…痛い…!!」


『ツケたい時にツケる薬』はとても優秀な薬で、金銭的なもの以外もツケにしてくれます。たとえば部屋に異臭がしたときも、感じるハズの臭さや不快さがツケになるので、その場では何も感じないのです。おそらく、そのせいで薬の効果もツケになっているのでしょう。


医師「こうなれば手術だ! うおおおお! 光って唸れ、俺のメスゥゥゥゥゥゥ! ああ!? メスを入れたのに、体に傷がつかない!!


『ツケたい時にツケる薬』はとても優秀な薬で、怪我などしたときの痛みやダメージなどもツケにしてくれるのです。おそらく、そのせいでメスを入れても傷がツケになっているのでしょう。


ヒロシ「うううう…」


『ツケたい時にツケる薬』はとても優秀な薬なのですが、ただひとつ難点があって、薬を塗る前にかかった病気による症状や苦痛なんかには、まるで効果がないのです。


看護師「先生、脈拍が!!」


 マルぼんは、ちょっと抜けたところがあるけど、『ツケたい時にツケる薬』の効果は絶大だと思いました。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「全力投球大沼ヒロシです」の巻
ヒロシ「僕は生きる価値のないろくでなしの人間です」


マルぼん「よくぞそこに気がついた。もう貴様に教えることはなにもない…で、今度はいったいどうしたのさ」


ヒロシ「何事に対して手を抜いている自分に気がついたんだ。僕は、僕はもっとなにごとに対しても全力を尽くすべきなんだ!」


マルぼん「『全力投灸』。このお灸をすれば、なにごとも全力でとりくむ人間になる」


 マルぼんはさっそく『全力投灸』をヒロシに使用。腐った魚のようだったヒロシの目は輝き始め、顔には生気が
みなぎっています。


ヒロシ「俺は今から、なにごとにも全力投球で立ち向かうぞ!」


 頼もしい言葉を吐き、外へととび出すヒロシ。数時間後、バカみたいにたくさんの漫画を買い込んできました。



ヒロシ「全力投球で買い物してきた!」


マルぼん「金は!?」


ヒロシ「だから、全力投球で! 家も土地も家財道具も臓器も全てを売り払って、財力総動員で買い物してきた! もちろんマルぼんも!」


マルぼん「ええええ!?」


 マルぼんは、財政面でも全力を尽くしてしまうようにしてしまった『全力投灸』の効果は絶大だと思いました。搬送中に荷馬車から見える空を眺めながら、思いました。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「ヒロシ、使えないと言われなれている」の段
ヒロシ「たまには贅沢をということで、家族でちょっと小じゃれたレストランへ行ったんだ。でも楽しみにしていた名物料理が『予約がないと無理ですー』とか言われて出してもらえなかったの。なんとかならないかなあ」


マルぼん「ちょっと待って。レストランって、マルぼん知らないよ?」


ヒロシ「それは置いといて、どんなものでも簡単に予約できる機密道具よこせよ」


マルぼん「レストランって。レストランって」


ヒロシ「いいからよこせよー」


マルぼん「うう。豪華ご飯。豪華ご飯…」


 とめどなく溢れる豪華ご飯への欲望をなんとか抑えつつ、マルぼんは『予薬』という機密道具をだしました。液状の薬であるこの機密道具を適当なものに一滴たらすとあら不思議。薬をあびたものは、浴びせた人だけが使える専用アイテムになるのです。


ヒロシ「これはナイスアイテム。よし。これで色々なものを僕専用にしてやろう!」


『予薬』を持って外へと飛び出したヒロシは、数時間後、満面の笑みを浮かべて帰ってきました。



ヒロシ「町の病院に『予薬』を使ってきたよ。これから年末。怪我や病気になっても、僕はいつでも診てもらえるよん」


ママさん「ああ、生まれる! 生まれるー!」


ヒロシ「ママの陣痛が始まった! よし、さっそく病院へ!」


 さっそく病院へと向かうマルぼん。着いてみると、病院の周りには怪我人や顔色の悪い人がたくさん。


病人「治療の途中で…追い出すなんて……ひどい」


怪我人「たすけて…たすけて。血が…血がぁ」


ヒロシ「どうしたんですか?」


怪我人「医者が…『この病院はヒロシさん専用。ヒロシさん以外は使うことができない』とか言って…
診てくれないんです」


医者「ああヒロシさん。診なきゃならない患者はたくさんいますよ。危険な患者もいますけど、この病院はヒロシさん専用。設備も薬もあなた以外は使えません。さぁ、早く治療してください。すでになくなった人もいる…」<
ヒロシ「やった。ママが無事出産したよ。双子の女の子。姓名判断で、タバ子とシン奈と命名したよ。妹よ、元気に育て!」


マルぼん「元気に育て! じゃないよ。どうするんだよ、あの病院」


ヒロシ「昨日の夢、鬼のようにすごかったよう。もう眠れないね、僕。でさ、罪滅ぼしに『予薬』を使った世直しを考えたんだ」


マルぼん「どうせルナちゃんに使って自分以外と結婚できないようにする、とかだろ」


ヒロシ「ちがうよう。今、世界のあちこでは戦争が続いているだろ。戦争には兵器が作られる。その兵器に『予薬』を使うんだ。これで兵器は僕専用になり、ほかの人は使うことができない。兵器が使えないということは…」


マルぼん「そうか、戦争をすることができない! ヒロシにしてはいい案じゃないか。よし、機密道具を駆使して世界中の兵器に『予薬』を使おう」


 こうして、マルぼんとヒロシは地球平和作戦を実行に移し、すべての兵器を仕様不可にすることに成功したのでした。



某えらい人「何? 兵器が使えない? どういうこと?」


某副官「わかんないです。なんかヒロシがどうとかこうとか」


某えらい人「とにかく兵器使えないとはな……例の国の反乱分子掃討どうするよ」


某副官「心配ご無用。使わなければいけない兵器が使えないなら、使わなくても放っておけば効果があがる兵器を使えばいいのです」


某えらい人「?」 


某副官「強力な感染症にかかったヤツを数人、例の国に送り込む。こいつなら普通の兵器より強力だし、建物も壊さずにすみます」


某えらい人「おまえ頭いいなぁ! さっそく国立感染症予防センターから適当な患者を連れてこさそう。いやー。災い転じて福となす、ってやつだねえ」

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「ク、クリスマスが今年もやってきやがる。楽しかったできごとを消し去るように……! ガタガタブルブル」の巻
ヒロシ「僕はもう少し賢くなったほうがいいんだ」


マルぼん「ようやくそのことに気づいたんだね。マルぼん感動」


ヒロシ「で、そのための機密道具をだね…」


マルぼん「OK! みらいのせかいの文部省謹製の教育ロボを用意しよう。こいつにまかせれば万事うまくいくよ」


ロボ「どうぞよろしく!」


ヒロシ「ワ! いったいどんな教育をほどこしてくれるのかな!?」


ロボ「はい、死にかけの人間」


ヒロシ「い、いらないよ! 死にかけの人間いらないよ!」


ロボ「だまらっしゃい。この時代の子供がすぐに人殺しをするのは、命の価値や死の概念を性格に理解していないからだ。大人になってからでは、これらのことは教育できん。お薬の力がないと教育できん! 子供のうちしかないできないんだ。さぁ、この人の死に様を見つめるのだ」


死にかけの人「うう、うう~」


ヒロシ「目から輝きが…輝きがっ」


ロボ「目をそらすなっ」


 ヒロシは今年のクリスマス、ふたつのプレゼントをもらいました。ひとつは命の価値。もうひとつは、一生消えることのない心の傷。今日もヒロシは夢でうなされています。




日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「漏れなくあいつがついてくる」の巻
 今日は雨。激しい雨。マルぼんの心にこびりつく悲しみは洗い流すことができない、雨。今日は雨。


ヒロシ「うわ。雨漏りしているよ!」


マルぼん「本格的にボロくなったなぁ、この家も」


ヒロシ「こんなに雨漏りしたら、僕の大切な漫画が濡れてガビガビになってしまいますよ?」


マルぼん「『漏れ帽子』。この帽子を被っている人の半径10メートル以内では、いかなるもの漏れることはない。さぁ、かぶれ!」


 ヒロシが『漏れ帽子』を被ると、雨は止んでいないのに雨漏りは見事に止まりました。
下の部屋でママさんが介護をしているおじいさん(ママさんが、財産目当てで愛のない結婚をした相手)の失禁も止まりました。


ヒロシ「いいことづくめの機密道具だね。どうしてこんな効果があるの? 僕不思議ー」


マルぼん「この『漏れ帽子』を作った技術者は、実はマルぼんのツレなんだ。そいつから聞いた情報によると、実はこの帽子には」


 ズキューン。


ヒロシ「なにいまの、銃声?」


 倒れるマルぼん。


ヒロシ「どうしたんだ、どうしたんだ、マルぼーん!? しっかりしろ!」


マルぼん「撃たれた、らしい」


マルぼんのツレ「まったく、油断も隙もありゃしねえ。」


ヒロシ「お、おまえがマルぼんを殺したのか! マルぼん殺し! 器物損壊で訴えるで!」


マルぼんのツレ「バーロー。こいつは、俺の作った『漏れ帽子』の企業秘密を漏らそうとしやがったんだ。死んで当然だ!」


 マルぼんは、薄れゆく意識のなかで、情報すら漏らさないようにしてしまう『漏れ帽子』の効果は絶大だと思いました。

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「返品商法で大儲け」の巻
ヒロシ「どうしよう」


「馬券買って来い」とママさんに渡された金で、ゲームを買ってしまったヒロシです。


ヒロシ「使い込みがばれたら、しつけされる! しつけと称して色々される! 寒い夜に裸でベランダに放り出される! どうしよう、マルぼん!」


マルぼん「どうするもくそも、返品するしかねえな」


ヒロシ「でも、散々遊び倒したよ? 全額返ってくるかどーか」


マルぼん「『払い戻しカード』。このカードを店員に見せれば、どんなものでも返品可能。買った時の金額がそのまま返ってくる。このカードを使ってゲームを返品しよう」


 そんなわけで、『払い戻しカード』をゲーム屋の店員に見せてゲームを返品し、お金を取り戻したマルぼんとヒロシ。


ヒロシ「しかし『払い戻しカード』の効果は絶大だねえ。どんなものでも返品可能なんでしょ」


マルぼん「そうだよ。でもちょっと気をつけないことがあって、返品したくないものでも、このカードを店員に見られてしまったら強制的に返品させられてしまうんだ。」


ヒロシ「そこらへんはきちんと気をつけるから。それよかさ、いいこと考えたんだ。ゲームとかを買いまくってさ、散々遊び倒してから返品するんだ。これならいくらでも……」


マルぼん「あ、危ない! トラックが!」


 キキーッドカッ。


 病院へ運ばれるヒロシ。全身を強く打ち、酷い打撲を負っていたためすぐに治療が行われ、なんとか一命は取り留めました。


マルぼん「ああ、よかった。ヒロシが助かって…先生、ありがとうございます。ありがとうございます」


マルぼんは、病院の応接室で治療にあたられた医師と話をしていました。

 
医師「いやあ。はははは。たいしたことないですよ」


マルぼん「いや、ほんと、なんとお礼を言ったらよいか」


医師「いやあ。はははは。たいしたことないですよ」


マルぼん「さっそくですが、こちらは治療費です」


医師「はい、たしかに治療費はいただきました。おや、財布から何か落としましたよ。これは、カード……ですか?」


マルぼん「あ、『払い戻しカード』……」


医師「……返品承りました。治療費は、お返しします」


マルぼん「え」


 医師は、受け取ったはずの治療費をマルぼんに返すと、傍らにおいてあった鈍器のようなモノを手に取り、席をたちました。


マルぼん「ど、どこへ」


医師「返品となったものを、受け取りに」



 鈍器のようなモノを持ったまま、部屋をでる医師。しばらくすると、ヒロシの絹を裂くような悲鳴が聞こえました。


 マルぼんは、目に見えない商品でも返品可能な『払い戻しカード』の効果は絶大だと思いました。




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「テンプレヒロイン・ルナちゃん登場」の巻
ルナちゃん「見て、あの雲、人の顔に見えるわ! あの壁のしみも! これは奇跡よ! 神が起こしたもうた奇跡なのよ、ウキーッ!」


ヒロシ「どうしてうちのヒロインはあんなのなんだろう。『家族か夫になる男以外に姿を見せたら死刑になる』とか言って、常にパンダのキグルミでその身を包んでいるし」


マルぼん「ヒロインがたまたま変な宗教の信者だっただけだ。気にするな」


ヒロシ「僕はありがちなヒロインと恋におちたいんだ。あんなのいやだよ!」


マルぼん「『ヒロイン改造手帳』。たとえば、この手帳に『おしとやか』と書くと、ヒロインがおしとやかな性格になる。この手帳に好きなようにかいて、ルナちゃんを自分好みにしてしまいな」




 『ヒロイン改造手帳』をもらった僕は、迷うことなく『ツンデレ』と書きました。それから数年後。色々あって、僕とルナちゃんは付き合うことになりました。交際を始めた当初は「さぞかしすごいデレをみせてくれるんだろうなぁ」とか思っていたんですが、ルナちゃんはデレるどころか普段よりきつい一面を見せてくるようになりました。


 自分の好みの宗教を押し付けてきたり、怪しげな毛の入った水を1リットル10万円で売りつけてきたり…そんな生活が50年続きました。この生活がまんざらでもないように思い始めた頃、彼女は逝きました。病気で、あっさりと。


 妻が亡くなってしばらくたった後、妻と親しかった女性が「『自分が死んだら夫に渡して欲しい』と預かっていた」と、たくさんのノートを持ってきてくれました。それは彼女の日記帳でした。適当に選んだ一冊を開いてみると



○月×日

ヒロシさんが私の作った料理をおいしそうに食べてくれました。幸せです!



×月○日

ヒロシさんと一緒にお出かけ。ヒロシさんと歩くと、いつもの道もパラダイスに見えちゃいます!



△月▼日

体調が悪いけど、ヒロシさんの顔を見たら元気いっぱいです!




 付き合い始めてから、彼女が入院するまでの間つけられていた日記は、全てが上記と似た内容でした。妻は、ルナは私のことを愛してくれていたのです。私は胸がいっぱいになりました。胸をいっぱいにしたその想いだけで、
私は残りの人生を1人で生きていけるとお思いました。しかしなぜ、彼女は死んでから日記を公開するようにしたのか…それだけが疑問です。



マルぼん「ボンジュール! マルぼんちゃんでちゅわ! あのねーいまさー『ヒロイン改造手帳』を見直していたんだけどさ、ヒロシくんてば『ツンデレ』を『シンデレ』って間違えて書いているよ。これじゃあルナちゃん、シンでからデレるヒロインになっちゃうよ」


 マルぼんは『ヒロイン改造手帳』の効果は絶大だと思いました。



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「アスファルトを裂く花」の巻
 今日はママさんはおでかけしていません。だから、久方ぶりにまともなごはんがでるかと期待してみれば。


ヒロシ「なんだ。今日の晩御飯も硬いパンと泥のようなスープだけか。
もぐもぐ。うう。味がない。味がないよう」


マルぼん「そんな時はこれ!『ランダムふりかけ』」


『ランダムふりかけ』はなぜか無限にでてくるふりかけ。
かけるとどんな食べ物にも味がつき、その味は使用する度に変化するのです!


ヒロシ「うひょ! これなら硬いパンを飽きもせずに食べることができるね!」


 と、そのとき。電話がかかってきました。


ヒロシ「もしもし。僕ヒロシ」


ママさん『ヒロくん…おかあさんよ。おかあさんね、もう帰らないから』


男の声『おい、早く行こうぜ、うどん子』


 ガチャ。ツーツーツー…


ヒロシ「……」


 無言でパンを食べ始めるヒロシ。


マルぼん「ふりかけつかわないの?」


ヒロシ「へ? もう使ったんだろ。味がするよ…しょっぱい味が」


 人間には涙という名の調味料があると、マルぼんは知りました。




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「今日は忘年会です。いやだなー。おうちでゲームとかしたいなー」の巻

 金歯に反発する人々が集い、起こしたデモ活動は、微笑町立軍によって光の速さで鎮圧されて、多くの若者が
微笑刑務所に収容されてしまいました。


 流行に流されやすいヒロシも当然デモ活動に奮って参加していたので、現在収容中。5年の刑期の間、毎日強制労働(10メートルの穴を掘って、すぐ埋める)でいい汗ながしているようです。

 
 マルぼん、ヒロシの面会に行きました。


マルぼん「なにか希望の差し入れはあるかにゃ?」


ヒロシ「えっと、休憩時間が長くなる機密道具とか?」


 基本的に人間扱いされない囚人たちには、労働の合間の休憩はスズメの涙程度しかないそうです。


 マルぼんは『延長ホイッスル』という機密道具を差し入れしました。


マルぼん「なにかやっている時にこの笛を吹く。すると、そのやっていることの時間が長くなる。延長されるんだ。休憩中にこいつを吹けばいい」


ヒロシ「なるほど!」


 で、休憩時間。


ヒロシ「おし。さっそく吹いてみるぞ」


看守「そこ、893番! なにをしている!」


ヒロシ「げぇ!? 看守!」


看守「休憩中のアイテムの持ち込みは禁止だ!!」


 懲罰として、ヒロシの刑期は5年から10年に延長されました。


まぁ、ようするに、一揆や革命もほどほどにね。というお話です。ではみなさん、よい週末を!!



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「人が生きてんねんで!」の巻
 クラス一の秀才と誉れ高い槍杉くんの魅力に、ルナちゃんはもう……もう…!


ルナちゃん「槍杉さんはマラソン大会で一位だったんですって?」


槍杉「まあねー。ヒロシくんはマラソン大会が嫌で家のトイレに立てこもるという騒動をおこしたんだけ?」


ヒロシ「……」


ルナちゃん「槍杉さんは小学生全国模試で一位だったんですって?」


槍杉「まあねー。ヒロシくんは全国模試が嫌で学校を爆破するという書き込みをインターネットの掲示板に書き込むという騒動をおこしたんだっけ?」


ヒロシ「……」


槍杉「毎日がスリリングで、おもしろそうな人生だよね」


ヒロシ「畜生ー!!」


ヒロシ「てなことがあったんだ。ルナちゃんも槍杉も、弱者にたいする配慮がなさすぎる。もう少し気を使うべきなんだ」


マルぼん「たしかいに人生いっぱいいっぱいのヒロシに対しては、あまりといえばあんまりな仕打ちだねえ」



ヒロシ「そこで機密道具なんだけど」


マルぼん「いいのがあるよん。『灰慮』。この灰を浴びせた相手は、どんなことでも配慮してくれるようになる」



ヒロシ「いいねえ。ではさっそく。それ」


マルぼん「って、マルぼんが最初の標的ですか。ゲホゲホゲホー!」


ヒロシ「どう?」


マルぼん「ごめん…」


ヒロシ「え? あ、マルぼん! 壁に己の顔をぶつけまくってなにしているの! 血だらけだよ!」


マルぼん「ヒロシは、古代ローマあたりでは存在しているだけで処刑されそうな不細工なのに、マルぼんはこんなに美しい。マルぼんの存在は、ヒロシの苦悩なんてまるで無視した罪なもの。美しさは罪! 微笑さえ罪! ごめんね、ごめんねヒロシくん。不細工な君のことを考えずに美しく存在してごめんね、今すぐ死にますー!」


ヒロシ「ああー! 僕の秘蔵の青酸カリを飲むなー! のーむーなー!」


マルぼん「生きていてごめん…ごめんね、ヒロシくうん」


ヒロシ「『灰慮』の効果は絶大のようだね。さっそく知人友人の皆さんに浴びせてみよう」


ナウマン象「箸より重いものを持った瞬間、意識不明の重体に陥るおまえのことを配慮せず、いつも暴力ばかりふるってホントごめん。俺、おまえを配慮して出家して、これからは霞を食っていきていくよ…」


ヒロシ「ナウマン象が仏門に!こいつはいいや。よし、いっそのこと高台から灰をばら撒いて、微笑町を、みんなが僕に配慮するやさしさに満ち溢れた町に改造してしまおう!」


 ヒロシは学校の裏山に登り、町全貌を見渡せる崖っぷちに立ちました。


ヒロシ「よし。さっそく灰をばら撒こう。そーれ。町のみんなよ、僕に配慮しろ。僕にやさしくなれ。そーれ。って、うわ、強風が…! あ、あ、あああ…うわーーーーーっ」



警官「オタクのヒロシちゃんが夕べから帰ってきてないという通報があったのですが」


ママさん「結構です。帰ってください」


警官「帰れといわれましても…お子さんが行方不明なんですよ?」


ママさん「近所の人がうるさいんです。連中、家の近くにパトカーが止まっているだけで『あそこの家は人殺しをだした』とか噂するんですよ…おねがいですから、そこらへんの事情をくんで配慮してください。ヒロシはそのうち、帰ってきますから…」


 ヒロシに一番配慮していたのは、ママさんでした。




日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「マルぼんと暮らすX&Y」の巻
 マルぼんの最近の悩みは、ヒロシたちと金歯の不仲です。

 
 昨日など、ヒロシはみんなで写った写真の金歯ところだけを切り取って集めて、ライターで燃やしながら、なぜかアンニュイな雰囲気を漂わせながら「さよなら。金歯。そして少年だったころ」とか呟いていました。


 友情が壊れていくのを進行形でみるのもマルぼんは辛いので、今日は金歯を呼び出して事情を聞いてみることにしたんです。


金歯「これといって心当たりはないんだけど。何? 最近変わったことはないかって? そうだな。ああ。同じのクラスの新條ってヤツがボクの悪口を言ってたとかでむかついてたんだよ。調べていたら、新條のところの親父が、ボクの叔父さんの会社に勤めていたんで、叔父さんに頼んでリストラしてもらったんだ。
そしたら新條の親父、失踪しちゃったらしいんだ。なんでも家族で高級ホテルで豪華な食事をして、
有名遊園地で楽しく遊んで、そこから先の行方がつかめないんだって。不思議だよね。そういえば、叔父さん、肝硬変を患っていたんだけど、どこの誰かも分からない人から肝臓を提供されて助かったらしいよ。不思議だよね。ハハハ。思い出しても笑えるや。ハハハ。そういえば、この笑い話を話をしてからだよ。ヒロシたちの態度が急変したの」




 ※思うところあり、今回の金歯は一人称が「朕」でもないし、語尾に「おじゃる」もつきません。



 結局、ヒロシたちと金歯の不仲の原因は、一般人には理解不能な上流階級の狂った笑いのセンスだったわけなんですが、さすがに金歯がかわいそうなので、マルぼんは仲直りの方法を考えることにし、「やはりヒロシたちに有効なのはプレゼント」という結論に至りました。


 プレゼントされて嬉しいものといえば、この世にふたつと同じものがないレアアイテム。


 マルぼんは金歯にレアアイテムの類を持っていないか尋ねてみたんですが、金歯が持っているのは「大久保清のベレー帽」「阿部定プロマイド」など、上流階級の倒錯した美意識じゃないと、とてもじゃないが理解できないシロモノばかり。


 仕方ないので、マルぼんと金歯はプレゼントになりそうなレアアイテム求めて町へと飛び出しました。


 しかし、そうそうレアアイテムが見つかる筈も無く、すぐにやる気がなくなったマルぼんたちは「もう、変わった形の石とかでいいや」と近くの公園を捜索。


 で、なんとはなしに公園の池を覗いて見ると、なんか体中に目がたくさんついている魚とか、二足歩行で歩くカエルとか、変な生き物がたくさんいるんです。よく考えたら、この公園の隣って、金歯のパパさんが重役を務めている製薬メーカーの工場があるんですよね。


 それに、よく見たら工場から続いているらしきパイプから、池になんか垂れ流しているんですよ。不自然に青い水とか。


 社会の闇を垣間見てマルぼんが暗い気持ちになっていると、横では金歯が二足歩行で歩くカエル手にかかえて大喜び。


 変なところを触られて気がたったのか、カエルは口から変な液体を、金歯の顔に吐き出しました。


「ギャーッ!」


 顔からケムリがふきだし、悶え苦しむ金歯。


 それを見てマルぼんはひらめきました。


「これだーっ!」

 よく探してみると、首が2つある鳩や翼の生えた猫、角と尻尾の生えた人間の赤ちゃんなどが発見され、変な生き物は池以外にも公園のあちこちに生息していることが判明。


 マルぼんは捕獲したこれらの生き物に「フェロモン(極端にフェロモンが多そうだったり少なそうだから)」と命名し、金歯名義でヒロシたちにプレゼントすることにしました。


 最初は「オラたちが汗水たらして作った米さ奪って、たらふく食っている庄屋の息子なんかと仲良くできねえだ! 村から出て行け!」と金歯を拒絶していたヒロシたちでしたが、グロいけど珍しいフェロモンに満足したようで、最後には金歯との永遠に変わらぬ友情を約束してくれました。


「21世紀の子供はチョロいね!」なんてマルぼんが思っていると、異変はおこりました。


 ナウマン象にあげた首が2つある鳩のフェロモンが、他のフェロモンに喰らいつき、あっというまに食してしまったのです。


 すると、鳩のフェロモンの胴体からボディービルダーのような足がニョキニョキと生えてきました。


 進化です! フェロモンは他のフェロモンを食べること進化するようです!


 このことがきっかけで、町の子供たちの間では、フェロモン同士を戦わせて、勝った方が負けたほうを食すことができるという「フェロモンバトル」が流行し始めました。


 さらに公園以外の場所(おもに製薬メーカーや原発近く)から新種のフェロモンが続々と発見され、「戦わせる楽しみ」「育てる楽しみ」の他に「集める楽しみ」ができて、そのスジの大人のあいだでもブレイク。


 町は、気弱な人が見たら石化しそうなくらい異形な進化を遂げた奇形生物で溢れかえるという、
地獄のような状況に突入してしまったのです。


 フェロモンバトルが流行し、町の情勢は一変しました。


 人間の価値が「フェロモンバトル強いヤツ>>>一般市民>>>>>色々と口でいえない方々>>>>>>>>>>フェロモンバトル弱いヤツ」となり、フェロモンバトルのチャンピオンに耀いた金歯など
「フェロモンに強くない者であらずは人にあらず」とか「パンがなければデザートを食べればいいのに」「(工事現場で働くおじさんを指さしながら)あれ、いくら?」なんて暴言を吐いたり、月を見上げて「この世をば我が世とぞ思ふ望月のかけたる事も無しと思へば」なんてパクリ和歌を詠むなどやりたい放題。


 逆にフェロモンバトルに弱いヤツは「わたしは敗者です。負け犬です。あ、負け犬と同じにしたら負け犬に失礼だから、負け犬未満です」と書かれた看板を持ち歩く事を強要され、町を行くセレブに唾を吐かれたりするんなど、あまりと言えばあまりな扱い。


 ということで今日も、ヒロシは「わたしは敗者です。負け犬です。あ、負け犬と同じにしたら負け犬に失礼だから、負け犬未満です」と書かれた看板をもって帰宅してきました。


 帰ってくるなり、「望めば世界だって、大好きなあの娘の愛だって手に入るくらい強いフェロモンだして~」とマルぼんに泣きついてくるヒロシ。


 マルぼんはいきなり強いフェロモンを用意するなんて外道のすることだと思ったので、ヒロシを促し、
一緒に新しいフェロモンを探しに出かけることにしました。


「フェロモンバトルだ!」


 家を出るなり、マルぼんとヒロシにそう話しかけてきたのは、見知らぬ少年でした。


 変な話です。ヒロシは今、フェロモンなんて持っていないんですか。


「そこ。そこにいるだろ。なんかまるくてグロいやつ!」


 え? マルぼんですか?


 マルぼんをフェロモン扱いした、親の顔を見た後その似顔絵を根も葉もない噂とともにネット上にばら撒きたいくらい失礼極まりない少年は、なおもマルぼんたちの前に立ち塞がりました。


 マルぼんは必死で自分がフェロモンでないことを訴えましたが、少年は聞く耳を持ってくれません。


「オイラのフェロモンは無敵さ!」


 マルぼんは、必死で自分がフェロモンでないことを訴え続けましたが、少年は、やはり聞く耳を持ってくれず、手持ちのフェロモンを繰り出してきました。


「フフフ。オイラのフェロモン・ゴロリラはロリ少女の(特定の方向けの)愛らしさと、とゴリラのパワーを併せもったフェロモン。勝てるはずがない!」


「ウホウホ。ゴロリラネ、オニーチャンガダーイスキ。バナナ。ウホウホ」とか気色の悪い唸り声をあげるゴロリラを無視して、挫けずに自分がフェロモンでないことを訴えました。


「うるせえ! オマエみたいにマルくてグロくて気の弱い人が見たら寿命が縮むようなヤツがフェロモンじゃないわけねえだろ! さっさとオイラのゴロリラと戦え!」


 少年がそう叫んだと同時に、マルぼんの意識は途切れてしまいました。


 しばらくして気がついてみると、マルぼんは隠し持っていた拳銃で、ゴロリラを射殺していたのです。


「なんだ。強いフェロモンはこんな近くにいたんじゃないか」


 沈黙を保っていたヒロシが、そう呟きました。
「他のフェロモンい出会う→即発砲・即射殺」という無敵コンボで、マルぼんとヒロシは連戦連勝。
 

 そして、フェロモンチャンピオンである金歯に挑戦するまでに至ったのです。


 今、マルぼんとヒロシの目の前には、自分のフェロモンを従えた金歯が、不敵な笑みを浮かべて立っています。


金歯「ヒロシ。まさかオマエが、ボクに挑戦す……」


 そんな話など聞いていられないので、マルぼんは金歯のフェロモンに速攻で発砲しました。で、金歯のフェロモンは絶命。


 マルぼんとヒロシは、ついに最強の座を手に入れたのです。


「みんな! 新しいチャンピオンを胴上げだ!」試合を見にきていた観客たちが、マルぼんたちに押しかけてきました。


「ありがとうありがとう」宙を舞いながら、涙をながすヒロシ。


 ああ。ひとつのことを極めると言うのは、なんとすばらしいことでしょう。人生に乾杯。


 マルぼんとヒロシが祝杯をあげていると、他の追随を許さないほど変なフェロモンが家にやってきました。


 全長約4メートル。背中かから大きな翼を生やし、妊婦のように膨らんだ腹には人の口のようなものがついていてニヤニヤと薄笑いを浮かべています。


 手が4本に足が6本あり、頭に至ってはなぜか10個近くあり、その全てが、金歯のそれと同じでした。


「久しぶりだな! ヒロシ! そしてマルぼん!」


 マルぼんたちに呼びかけてくる声も、紛れもなく金歯の声です。


「ボクは負けた。貴様らの拳銃という名の友情に負けた! しかし、ボクは(延々と泣き言が続くので中略)だから、ボクは自分自身がなったのさ。最強のフェロモンに!」


 中略したところを要約すると「製薬メーカーの汚水でフェロモンなんてのができたんだから、原〇から垂れ流される汚水ならもっと強いフェロモンができるにちがないゾ! よおし! こうなったらボク自ら原発汚水を飲んじゃうゾー! ゴクゴク。ウンマーイ! アンマーイ!(注・よい子は金歯のマネをして〇発汚水なんか飲まないでネ。目も当てられない惨事が巻き起こっちゃうゾ! でも『俺は世の中に害悪しか与えないロクデナシの中のロクデナシ、キング・オブ・ロクデナシなんだっ! 母さん、なんで俺を生んだのさ!? ねえ、黙ってないで答えてよ! 母さん! おかーさーん!』なんて悪い子は、ひとおもいに飲んでみてもいいかもネ!」って感じです。


「とにかく、ボクは貴様らに再戦を申し込む。ボクを、史上最強のフェロモンを恐れぬなら、明日、いつもの空き地へ来い!」


 そう言うと、金歯は翼をはばたかせ、いずこかヘ飛び去って行ったのでした。


 今日、マルぼんたちの住む町では、今年一番の寒さを記録しました。


 水たまりに氷が張っていたらしいので「とりつかれたように破壊して遊ぼう!」とマルぼんは外へ出たんですが、そこで絶句。


 町は、フェロモンたちの無残な死体だらけだったのです。


 所詮は、垂れ流しの薬品とか、発癌性バリバリのホルモンとか、ダイオキシンとかで誕生した泡のような命。


 フェロモンは、気温が一定の数値以下になると死に絶える儚い生き物だったのです。


 マルぼんは町の人たちと協力して、フェロモンの死骸を一箇所に集めて火を放ったんですが、町中に異臭が漂い、鼻血が止まらなくなって病院へ担ぎ込まれる人が続出。えらいさわぎになりました。


 とりあえず騒ぎが一段落した後、マルぼんは金歯との約束を思い出しました。


 フェロモンになった金歯のことが気になったマルぼんは、いやがるヒロシを強引に引き連れて、約束の地であるいつもの空き地へと向かいました。


 金歯は、立ったまま息を引き取っていました。


 その顔には満面の笑みを浮かべていて、おそらくはマルぼんたちに勝ったと言う夢でもみながら逝ったのでしょう。


 マルぼんは、金歯の遺体を原子力発電所がよくみえる丘に埋葬しました。


 それから十年たちましたが、金歯の墓には真新しい花が絶えたことはありません。


 マルぼん(まだいる)や、ヒロシや、ナウマン象や、ルナちゃんらいつものメンバーのうちの誰かが、暇を見つけては墓参りをしているのです(大脳は詐欺で服役中のため無理)。


 こうして、壊れてしまった金歯といつものメンバーとの友情は、真実の意味で回復したのでした。




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「困ったときのCDデビュー」の巻
ナウマン象「ヒロシが!?」


金歯「黒百合どさん子さんと!?」


2人「コラボレーションCDをだすだとー!?」


ヒロシ「そーなの!」


 黒百合どさん子さんは、微笑町が一部の偏った方々に誇るアイドル声優。そのどさん子さんが、愚民の1人にしか過ぎない大沼ヒロシさんとコラボCDを出すのです!


ナウマン象「貴様、どうせいつもの機密道具だろ!」


金歯「白状しろでおじゃる!」


ヒロシ「こいつのおかげなのさ。機密道具『コラボーガン』。このボーガンの矢で射られた人は、矢を撃った人となんらかの形でコラボレーションできるんだ。僕とどさん子さんの場合はCDだったわけ」


ナウマン象「そいつをよこせ!」


金歯「朕にも!」


ヒロシ「ワ! よ、よせ!!」


 乱闘になる3人。


ナウマン象「とったどー!!」


『コラボーガン』をヒロシから奪い取るナウマン象ですが、つい引き金をひいてしまいました。矢は金歯に的中…


金歯「ぎゃー!!」


ナウマン象「やってもうた!!」


金歯「とほほ。これで朕はナウマン象とコラボレーションする羽目に」


ナウマン象「ちくしょう。おい、ヒロシ…なんとしないと…ああ!!」

 
 もうお分かりでしょうが、乱闘のドサクサで死んでます、ヒロシ。


ナウマン象「どどどどどどどうする!」


金歯「とりあえず、学校の裏山にでも埋めちまうでおじゃる!」


 2人は協力して裏山に穴を掘り、ヒロシを遺棄しました。


 微笑町のガキ大将と金持ちが夢のコラボを果たして掘ったこの穴は、数百年後に発掘され、あまりに掘り方が美しいことから『名のある王族の墓』とされました。


 めでたしめでたし。 


 翌日。


ヒロシ「獣のごときナウマン象と金歯の所業のせいで、僕と黒百合どさん子さんのコラボの話はオシャカ! 僕は1人でCDを出す羽目になってしまったよ! 情けないったらありゃしない!」


マルぼん「いいじゃん。一人で出せば」


ヒロシ「さみしいじゃないか! 僕はデュエットソングでCDをだしたいの!」


マルぼん「ルナちゃんに懇願したらいかが?」


ヒロシ「頼もうと思って家に近づいただけで警察に通報されもうした」


マルぼん「難儀だねえ。よし。こいつを使ってみるか」


ヒロシ「ワ! 大掛かりな機密道具…って、これ、録音スタジオとかにあるやつじゃないか」


マルぼん「いまからこれで、きみの歌を収録しよう」


ヒロシ「僕1人で? デュエットじゃないとダメだぞ?」


マルぼん「よいからやってみな」


 マルぼんの勧めるまま、ヒロシはデビュー曲『だからよそ者を村にいれるのには反対だったんだ…』を収録しました。


マルぼん「この録音セットは、録音したそばからCDにしてくれるんだ。さっそく聞いてみよう」


ヒロシ「あ!」


マルぼん「うふ」


ヒロシ「曲が始まって、1分59秒くらいのとこで、女の人の声がした! 『せんぱぁい…』って言ってた!」


マルぼん「この機密道具を使用していたみらいのせかいのアイドルが自殺したんだって。それ以来、この道具で収録したCDに、かすれた女の声が勝手にはいるように…」




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「完全版」の巻
ヒロシ「ああ!!」



マルぼん「どした?」


ヒロシ「この前、全財産つぎ込んで購入したレアな漫画が、完全版として新たに刊行されるんだって! なんだよこのタイミング! そ、そうか! 出版社の連中、僕を監視しているんだ! 監視して、僕が昔の単行本を買ったのを見てあざ笑っているんだぁ!! 死ぬ! 僕は死ぬー!! こんな世界に死をもって反逆してやるー!!」



マルぼん「まあ、落ち着けって。このシールを貼ってみな」


ヒロシ「本に? ああ! 本にカラーページができてる! これ、雑誌掲載時にカラーだったとこだ! こちらは単行本になるときに削除されたページ!」


マルぼん「これは『完全版シール』。貼ったものは、なんでもかんでも完全版になる」


ヒロシ「ようし! さっそく全単行本にシールを貼ろう!」


ナウマン象「おう。いいモン持っているじゃねえか」


ヒロシ「ナウマン象! 貴様、なぜ僕の部屋に!」


ナウマン象「色々な、はぁはぁ。ヒロシのことを知りたくて、つい。3日前から。ベッドの下にだなぁ。はぁはぁ」


ヒロシ「切実にキモい!」


ナウマン象「それよか、そのシールをよこせ。俺に貼る! それで俺は完全な人間になれるのさ!」


ナウマン象は『完全版シール』を自分に貼り付けました。途端、卒倒するナウマン象。病院へ運んだのですが


医師「数年前に手術して切除した癌がなぜか再発していますな。手術は上手くいったはずなんですけど…」



 雑誌掲載時には載っていたのに、単行本では削除されたページが収録されていたりするんですよね、完全版って。特に手塚治虫先生の作品なんかは削除ページが多くて。仕方ないから掲載を集めて、切抜きで自分オリジナルの単行本を作ったりするのが楽しかった。完全版は素晴らしいとは思いますが、こういった楽しみがなくなってしまうのはさみしいものですよね。とかいいつつも、今日も大好きな作家さんの完全版単行本を買いあさったりしてしまうわけです。人間の欲望はほんと底なし。というわけで、次回はいよいよヒロシが入籍するお話です。

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「ザパニーズ」の巻
 路上で、見知らぬ外国人に話しかけられたヒロシ。


外国人「おじょえffんmsmくぃkうぃ?」


ヒロシ「え、あの、その」


外国人「おじょえffんmsmくぃkうぃ?」


ヒロシ「え、ぼ、僕、日本語しか理解できない生き物でして、申し訳ありません」


外国人「んcうぇfんをえいf!!」


 ドガッとヒロシを殴り飛ばす外国人。ヒロシは日本語しか理解できないため、ひどい目にあいました。


ヒロシ「うえーん、マルぼんー! どんな言葉でも理解できる機密道具がほしいよう!」


マルぼん「『翻訳指輪』。こいつを身につけていたら、どんな言語でも日本語で理解できるんだ」


ヒロシ「さっそく身につけてみた!」


外国人「……!」


ヒロシ「あ、さっきの外国人! さぁ、リベンジだ。今度はあんたの言葉をなんでも理解してやるぞう! も一度話してみ?」


外国人「おじょえffんmsmくぃkうぃ?」


ヒロシ「えっと、『みんなが笑っている。俺見て笑っている。おまえもか?』だって?」


外国人「んcうぇfんをえいf!!」


ヒロシ「えっと、『オレを笑う悪魔の子めっ!』だって? あれ、その包丁はなんですか、ねえ? 危ないですよ、ねえ!」


外国人「ふぇふぇrwgrwrytろ!」


警察官「なんて言っているンだ?」


通訳「えっと『あの時はどうかしていた。悪魔が僕の体に入ってきたんだ。全て悪魔の仕業で、僕は悪くない』ですって」


警察官「ようするに『刑に服したくないですぅ精神鑑定おねがい!』ってことか。最近の犯罪者は、こんなんばっかだな」


 やったね! お巡りさんは名通訳!



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「もったいないからもったいないから」の巻
ヒロシ「僕、死ぬよ」



マルぼん「はい?」


ヒロシ「なんか人生が普通につまらないんだ。だから自決する」


マルぼん「手元の資料によると、ヒロシくんは120歳まで生きる予定なんだけど」


ヒロシ「つまらない120年の生涯なんてあっさり捨てて、素敵かもしれない来世にかけるよ」


マルぼん「寿命がもったいないよ」


ヒロシ「大量消費の時代を生きる小学生に、もったいないなんて感覚、理解できないよ」


『ヒロシスピード死→ヒロシの子孫誕生せず』ということになったら困るマルぼんは、機密道具でなんとかすることにしました。


カキーン ダダダダダダッ ズサー


野球選手たち「俺たちは『もったいナイン』だっ」


ヒロシ「この野球選手のみなさんは?」


マルぼん「この人たちは『もったいナイン』。未来の世界の野球チームさ。この人たちの試合を最初から最後までみるとあら不思議。『もったいない』という気持ちが光の速さで理解できるんだ。さっそく観戦しような」


 試合が始まって五時間。現在一回表。『もったナイン』は23対0で負けています。未来の世界の野球にはコールド負けという制度は存在しません。


ヒロシ「くそつまらねえ」


マルぼん「おやヒロシくん、電話だよ」


ヒロシ「え、あ。お母さんからだ。はい、もしもし……え!? お父さんが危篤だって!?」


マルぼん「そいつは大変だね」


ヒロシ「ぼ、僕かえるよ!」


マルぼん「無理だよ。『もったいナイン』のオーナーは未来の世界でも、かなりタチの悪いやくざ。試合観戦を中断するものには死の制裁が加えられるんだ」


ヒロシ「そんな! じゃあ、このクソくだらない試合が終わるまで帰れないの!? 畜生、時間がもったいない!
あ、そうか…これが、これがもったいないという感覚!」


マルぼん「わかってくれたんだね。マルぼんも今回の作戦を立案し、ポケットマネーをはたいて実行に移したかいがあったよ」


ヒロシ「わかった…わかったよ、マルぼん。僕はいままで、たくさんの物やたくさんの時を無駄にしてきた。僕はなんて愚か者だったんだ」


マルぼん「わかってくれてうれしいよ。でも、パパさんの危篤と帰れない話は本当だから」


ヒロシ「おとうさぁぁぁぁぁん」



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「命の尊さ、気高さ」の巻
ヒロシ「あ! この前買ったデジカメ、不良品だ!」


マルぼん「どうして?」


ヒロシ「撮った写真のほとんどに、見知らぬ女とか見知らぬ手足が映っているンだ!こっちなんか、ルナちゃんの頭部が消えうせて背景が見える状態だよ」


マルぼん「それは酷いなぁ。せっかくヒロシが血反吐を吐いて稼いだ金なのに。ようがす。これを使おう。『返品壷』」


ヒロシ「どんな機密道具なの?」


マルぼん「不良品をこの壷に入れると、その不良品は自動的に製造元に送りかえされ、数日後、無料で修理してもらった状態で返ってくる」


ヒロシ「それはすごいや」


 壷の蓋を開けると、デジカメがものすごい勢いで吸い込まれていきました。『返品壷』は不良品と認識されたものを自動的に吸い込んでくれます。


ヒロシ「これで数日後、パーフェクトな状態でデジカメは返ってくるんだね」


ナウマン象「ヒロシー!!」


ヒロシ「あ、ナウマン象」


ナウマン象「どういうことだ!? 『命の尊さを知りたいから』と言っていたから嫁の出産に立ち合わせたのに、その出産の時の映像がネット上にばら撒かれているじゃねえか!!」


ヒロシ「出産シーンマニアの友人がいたんだよ。たぶん、そいつ関係で流出したものかと」


ナウマン象「挙句、ルナちゃん、無事出産が終わるように祈ってもらったら、生まれてこには角と翼と尻尾が生えているし! どうしてくれんだ!!」


ヒロシ「可愛がってあげてください」


ナウマン象「な、なに~謝罪の一言もねえのか! おまえ、人間としていかがなものかと思うぞ!! 頭おかしいんじゃねえの!?」


 その時でした。ヒロシが『返品壷』に吸い込まれたのは。


マルぼん「ナウマン象の言葉で、ヒロシが不良品と認識されたんだ!」


ママさん「ぎゃー!!」


 1階から、絹を裂くよなママさんの悲鳴。マルぼんとナウマン象が急いで1階へ降りると、お腹が異様に膨らんだママさんが、のたうちまわっていました。


 今まさに、ヒロシは製造元へと返品されたのです。マルぼんは『返品壷』の効果は絶大だと思いました。



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「焚書」の巻
ヒロシ「お母さん、ボクね、勉強して賢くなって将来科学者になる」


ママさん「あらあら。突然どうしたの? 望みは高く果てしなくもいいけど、突然だからわからんちんどもとっちめちんよ?」


ヒロシ「科学者になってパソコンの中にはいる機械を開発して、エロゲーのヒロインとねんごろな仲になって、一生桃色ビンビン状態ですごすんだ」


 懐から取り出したクロロホルムを染みさせたハンカチでヒロシを眠らせるママさん。


ママさん「こいつのせいで、うちの跡取り息子が発狂した!」


 懐から取り出した鈍器のようなものでパソコンを破壊するママさん。ヒロシ秘蔵のDVDやゲームも、すべて燃やされました。


ママさん「こいつらのせいで! こいつらのせいで!」


マルぼん「ゲームやら映像作品やらの悪影響があることは認めますけど、
やっぱり親の教育が肝心なんじゃないかと思うのですが。包丁が悪いのはなくて、包丁を正しく使わない人が悪いのであって」


ママさん「悪いのはアニメ! 悪いのは漫画! 悪いのはゲーム! 私じゃない!マルちゃん、ヒロシをこの世のすべての悪影響から守ることのできる機密道具だして!」


 大家には逆らうことのできない悲しい居候であるマルぼんは、言われるままに機密道具をだすことにしました。


 マルぼんは、パソコンと脳をつなげることができる機密道具『人体USBケーブル』を取り出し、壊されなかったヒロシのセカンドマシンとヒロシ脳をつなげました。


 つぎに、この前買ってきた機密道具『脳ファイアーウォール』のソフトをパソコンにセット。『人体USBケーブル』で、『脳ファイアーウォール』をヒロシの脳にインストール。


マルぼん「このソフトを脳にインストールすることで、精神に悪影響を与えそうなものを目の前から自動的に消去してくれます。はい、セット完了~」


ママさん「これでヒロシはあらゆる悪影響から守られるのね」


マルぼん「あ。ヒロシが目覚めますよ。目覚めた瞬間、『脳ファイアーウォール』の効果は発動します」



ヒロシ「う~んむにゃむにゃ。いつのまにか眠ってしまったようだね。あれ? なんでこんなところに母さんの服が落ちているの? あ、これ、さっきまで母さんが着ていた服だ。ここで着替えたの? 母さんはどこへ」




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「この冬、ヒロシが空を飛ぶ」の巻
司会『で、エリカちゃんには付き合っている男性とかいるの?』


エリカ『いませんよう。でも、気になっている人はいたりします。友達よりも大事な人が』


司会『おう! 今をときめくトップアイドルのエリカちゃんに気になる人がいるとは! で、でで。どんな人なの?』


エリカ『親戚のおばさんに連れて行かれたところで出会った方なんです。髪はボサボサでヒゲはボーボーで、はじめは変な人だと思ったんですけど、話してみるとおもしろくて。心がスッとするんです』


司会『人は見かけによらないという話だねえ』


エリカ『最近では両親よりも尊敬できる人なんです。そうそう。その人には特技があるんです。空中浮遊なんですけど』


司会『はい?』


エリカ『あぐらを組んだまま、宙に浮くことができるらしいんです。ほら、この写真のとおり。
すごいでしょ』


司会『で、ではさっそく唄のほうへ』


エリカ『あのお方こそ神。あのお方こそ真理。あのお方こそ…』


 番組の途中ですが、しばらくの間素晴らしい音楽と映像(花畑)をお楽しみください。



ヒロシ「マルぼん! どんな愚か者でも空中浮遊できる機密道具だして!」


マルぼん「できてもアイドルと付き合えないよ」

 
 己のすべてを捧げても悔いはないくらい大好きなアイドルの理想の人が「空中浮遊できる人」だったことにショックを受けたヒロシは、空中浮遊ができるようになる機密道具をマルぼんに要求し、マルぼんは言われるままにそんな機密道具を用意するのでした。


マルぼん「これが『人体浮遊装置』。これを君の体に接続すれば、空中浮遊できるようになる。でも人が単独で空中浮遊をするには、とてつもないエネルギーが必要なんだ。エネルギーをためる方法はただひとつ
『ひたすら走る』こと。君に、この装置をエネルギーでいっぱいにするという気概はあるのかい?」


ヒロシ「当然の如く! エリカと付き合えるなら、たまに来るヘルパーさんとの会話だけが生きがいの
哀れな独居老人ですら躊躇なく殺すよ、僕は!」


マルぼん「その意気込みやよし。この機密道具をうぬに託そう」


 その後のヒロシは、まさに鬼。学校もなにもかも投げ出して、ひたすら走り続けたのです。その甲斐あって装置はエネルギーで満たされ、ヒロシは空中浮遊に成功したのでした。


ヒロシ「見てよ、みんな。僕浮いている。宙に浮いているー!」


ナウマン象「げ…あいつ…あいつ宙に浮いているよ…」


ルナちゃん「なんか…気色悪いね」


大脳「近寄ったらなにをされるかわからないでヤンス…膝に金属片を入れられたりとか…」


金歯「さわらぬ神になんとやらでおじゃる」


 宙に浮くことに成功したヒロシは、仲間内でも浮くことに成功したのでした。のち、孤独死。うさぎと一緒ですね。



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「今日のマルぼんと暮らすはNTRの話ですよ。嘘ですけど」の巻
ルナちゃん「皆さんに紹介します。彼が私の婚約者・スティーブです」


ヒロシ「ルナちゃんたら、マネキン抱えてなんかほざいているよ」


ナウマン象「放置しとけ。またいつもの奇行だ」


ヒロシ「この前は学校の鶏の首を絞めて『あんたが…あんたが私の子供のせいで…返せ! 私の人生を返せ!』とか騒いでいたね」


ナウマン象「その前は歌舞伎俳優と自分の婚姻届を勝手に役所に提出して訴えられて『その俳優の半径200メートル以内に近づかないこと』という判決を受けていたしな。放置するに限るよ」


ルナちゃん「そんな…マネキンと婚姻する女なんてほかにはいないわ! みんな、私の噂をしてよ」


ヒロシ「『探偵ナイトスクープ』で観たよ。マネキンと結婚する女」


ルナちゃん「いや、いやぁぁぁぁぁぁぁ!」


ナウマン象「うわ! 催涙スプレーを撒き散らしたぞ!?」


ヒロシ「だれか…だれかポリスメンを! ポリスメンをー!」





ルナちゃん「というわけで、ありとあらゆる人たちが私の話題で持ちきりになってしまう機密道具をだして!」


マルぼん「つい先日、『ある程度の罪を犯しても経歴に傷がつかなくなる機密道具』をだしたばかりじゃないか。わがままだなあ」


ルナちゃん「わがままは私の十八番よ! それより機密道具!」


マルぼん「へいへい。『話題鼓』。たたけばたたくほど、たたいた人は話題になる太鼓タイプの機密道具さ」


ルナちゃん「きゃ♪ 素敵な機密道具があるじゃない!」


 ルナちゃんはひたすた『話題鼓』をたたきました。学校をさぼり、家にも帰らず、雨の日も風の日も、ひたすたたたきました。「彼女は狂ったんだ」という人もいましたが、そんな悪評をものともせず、ひたすらたたきました。


 そして一ヵ月後。ルナちゃんは姿を消しました。


ヒロシ「ルナちゃんはどこへ消えたんだろう」


ナウマン象「なんでも家族も一緒に消えたんだとか」


金歯「我が諜報部の力をもってしても発見できないでおじゃる」


大脳「『テレビのチカラ』にでも依頼するでヤンスか」


 町は、ルナちゃんの話題…おもにその消息についての話題で持ちきりとなったのでした。



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「近くの他人も他人は他人」の巻
ヒロシ「うへ…うへへ。ほろべ、滅んでしまえ人類~」


マルぼん「ワ! 危険思想! いったいどうしたのさ」


ヒロシ「世界中に苦しんでいる人がたくさんいるっていうのに、やれクリスマスだやれ子作りだとはしゃいでいる人間がいるという現実に耐えられないんだ。僕というピュアハートの持ち主は」


マルぼん「んなこといってもさ。誰が苦しんでいても、所詮は他人事じゃんかー」


ヒロシ「よくもそんなことを言える! この醜い豚が!」


マルぼん「やれやれまいりました。そうだ。その音色を聞いたものはあらゆる出来事を『所詮は他人事やん』と気にしなくなる機密道具『他人琴』を使ってみるか。そーれ」


ヒロシ「う。なんて素晴らしい音色。なんか、少しづつ、あらゆことがどうでも良くなってきたよ。ふふふ。だれが不幸でもいいや。所詮は他人事。人民は豚だ」


マルぼん「めでたしめでたし」


 このとき、悲劇は起こっていたのです。『他人琴』の音色を聞いたのはヒロシだけではなかったのです。


 たまたまヒロシの家の前を歩いていた、微笑中央病院の医師。


下っ端医師「先生。ラーメン山さんの検査の結果なんですが、どうも胃癌のような…」


医師「大丈夫。胃潰瘍胃潰瘍。仮に癌でも大丈夫。所詮は他人事」


 たまたまヒロシの家の前を歩いていた、警官。


下っ端警官A「『変な男が付きまとってきて困る』という苦情がきていますが」


警官「大丈夫。純愛純愛。仮にストーカーでも大丈夫。所詮は他人事」


  たまたまヒロシの家の前を歩いていた某合衆国大統領。


部下「テロリストがかなり町に潜伏しているようです」


大統領「よし。核で一掃しよう。市民も死ぬけど大丈夫。所詮は他人事」


 たまたまヒロシの家の前を(以下略)



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「トラウマ」の巻
ヒロシ「もしもし。子供電話相談室ですか? あの、楽に死ねる方法を教えてください」


マルぼん「またヒロシの『死にたい』『死んだら楽かも』『というか、死んだ魂が肉体という名の鎖から解き放たれるじゃん。ひゃっほう!』がはじまった。どうしたんだよ」



ヒロシ「実は明日は学校のマラソン大会で」


マルぼん「フムフム」


ヒロシ「だから死にたい」


マルぼん「『生きる廉価版』の異名をとるだけのことはある死生観だけど、遺された者のことも少しは考えなよ。保険だって入っていないのにさ」


ヒロシ「ふん。貴様に運動オンチにとってのマラソン大会がどんなに残酷なものかわかるものか。ゴールしたときに周りの人のしてくれた拍手にこもった『貴様が遅いから帰るのが遅くなるんだ』という怨念がわかるものか。僕の夢はな、将来タイムマシンを開発して古代アテネへ行き、マラソン発祥のもととなったヤツを殺すことだ!」


マルぼん「わかったわかった。この『万能加速装置』をくれてやるから、マラソン大会でひとはなあげてみなよ」


ヒロシ「なんだ、いいものがあるじゃないから。よし。さっそく奥歯に埋め込んで、カチッとな」


マルぼん「ああ、待って。それはあまりに万能すぎて、あらゆるものを加速させてしまうんだ。説明書をよく読まないと、なにがどう加速するのか」


ヒロシ「そんなもの…ふたりには必要ない」


マルぼん「は?」


ヒロシ「僕とマルぼんの間には、愛しかいらない。そうだろ?」


マルぼん「ヒ、ヒロシくん…あたい…あたい!」


ナウマン象「待て!」


ヒロシ「ナウマン象!?」


ナウマン象「マルぼんは俺のものだっ!」


 ヒロシとマルぼん…2人の間にようやく芽生えた、愛。しかしそれを邪魔しようというナウマン象。彼を突き動かすのも、また愛であった。こうして、ヒロシと仲間たちを包みこむ愛という名の迷宮(ラビリンス)は、加速度的にその状況を変化させてゆくのであった。



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「餃子一日数十万個」の巻
 なんか見知らぬデブがマルぼんをたずねてきました。


太「ひさしぶりだマカロニ」


マルぼん「えっと。どこのどなた様でしたっけ?」


太「太だラーメン。デブキャラとして名を馳せる予定だった、太だハンバーガー」


マルぼん「語尾についている食物の名前はなに?」


太「デブキャラ=食いしん坊。この語尾は食いしん坊キャラとしてのアイデンティティーだビーフストロガノフ」


マルぼん「んで、その飽食の権化さんが何用です」


太「太はデブキャラとして『腹が減ったと言っては周りに迷惑をかけ、喉がかわいたといっては仲間の足をひっぱる』と大活躍する予定だったカレーうどん。それなのに、すっかり背景以下の存在だピクルス。
なんとかしてほしいでやきいも」


マルぼん「そうさなあ…んじゃ、これ、『存在缶詰』。この缶詰の中身を食べれば、その人は他人にとって特別な存在になれる」 


太「こいつはナイスだコーラ。太にぴったりだタクアン。もぐもぐ。これで太は他人にとって特別な存在だ鮭のボイル焼き」


ヒロシ「太!」


太「あ、ヒロシだチキン。どうしたでライスカレー、鋭利な刃物なんか持って」


ヒロシ「マルぼんの敵だ、死ね!」


太「ンギャー!」


 特別な存在が必ずしも良いものとは限りません。というかマルぼんを勝手に殺すな。妄想にも限度があります。マルぼんはヒロシを告訴しました。これは嘘ですが、次回から『マルぼんと暮らす 疑惑の法廷編』がはじまります。乞うご期待!

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「思い出には近すぎる。過去には遠すぎる」の巻
警部『いえ、やつはとんでもないものを盗んでいきました。……あなたの』


ママさん「ヒロくん! こんなドロボウのアニメを見てはいけないわ!」


 アニメ=殺人犯を作る原因という思想を持っているママさん(死んでしまえ!)のせいで、名作ドロボウアニメ劇場版を最後まで観ることができませんでしたが、ヒロシは


ヒロシ「僕もなにかをとんでもないものを盗みたーい!」


 光の速さで影響されております。


ヒロシ「ドロボウになれる機密道具をだしてー」


マルぼん「んなこといってもねえ」


外国人A「ココダ」


外国人B「ココダネ」


ヒロシ「なんだ貴様ら!」


外国人A「コノ拳銃ミエナイノ?」


外国人B「カネカネ、キンコ。カネカネ、キンコ。ハヤクダシテ」


ヒロシ「ガタガタ」


マルぼん「ブルブル」


 恐怖から失禁するマルぼんたち。


金歯「ははは」


ヒロシ「貴様は…同級生の金持ち!」


金歯「朕もドロボウアニメに影響されたのでおじゃる~どうせ影響されるなら、金を使ってこれくらいやらないとでおじゃる!」


ヒロシ「ぐむむむ」


金歯「さぁ、ずらかるでおじゃるよ!」 


外国人ズ「アイアイサー!」


ヒロシ「おのれ…おのれ!」




 ドロボウアニメに影響されたヒロシは、同じく影響された金歯によって金と金庫を奪われ、逆上。
勢いで、ドロボウ勝負をすることとなり、マルぼんの膝に泣きついたのでした。


ヒロシ「上手にドロボウできる機密道具だしてー!!」


マルぼん「んなもんないよう。でも、金歯をぎゃふんと言わせることはできる」


ヒロシ「マジで?」


マルぼん「『ひとやまイクラ』~」


ヒロシ「なにこれ。普通のイクラじゃん」


マルぼん「まぁ見てな。こいつにお湯をかける。すると」


ヒロシ「あ!」


 金歯宅。


兵隊A「ココダ」


金歯「な、なんだ貴様らはでおじゃる!!」


兵隊B「ウバイトレ」


兵隊C「スベテヲダ!」


金歯「やめろ! それはすべて朕のアイテム~!!」


マルぼん「うふふ」


ヒロシ「げへ…げへへ」


金歯「うぬらの仕業か!」


マルぼん「『ひとやまイクラ』は、お湯をかけると『ひとやまいくらの命しかもたない兵隊』に変化するんだ。この兵隊はお湯をかけた人の言うことをなんでも聞く」


ヒロシ「昨日、おまえは雇った外国人たちを使ってドロボウ行為をしたわけだけど、『集団でドロボウする』というきみの手口を『盗ませて』もらったよ!」


金歯「うぬっ…」


マルぼん「ドロボウ勝負、マルぼんたちの勝ちだね」


 こうしてマルぼんたちは勝利したわけなんですが…数日後、マルぼんたちは実は負けていたことを知らされるのです。。


ニュース『微笑町内にある金歯コンツェルンの工場から有害物質が数年にわたり排出されており、近隣住民に被害がでています。金歯一族は捕らえられ、全員処刑…』


ヒロシ「やられた! 健康ドロボウめ!」


 病院のベッドで、テレビを観ながら叫ぶヒロシ。



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「永遠はあるぜ、ここにあるぜ」の巻
ヒロシ「うわーんマルぼーん。死が怖いよー老いが怖いよー」


マルぼん「それならこれを使おう。『1UPマタンゴ』。こいつを粉状にして鼻から吸引すれば、1UPするんだ」


ヒロシ「1UPって、ゲームとかでよくある『自機が増える』とかそんな感じのこと?」


マルぼん「そうそう。まさにそれ」


「そいつはいいや」と、ヒロシはさっそく『1UPマタンゴ』を吸引したのでした。するとどうでしょう。ヒロシの右上の方に『ヒロシ×2』という文字が浮かび上がったではありませんか。


ヒロシ「これで僕の命は増えたワケだね」


マルぼん「吸引すればするほど、1UPするわけさ」


 吸引するたびに『ヒロシ×4』『ヒロシ×57』と文字は変化していきます。


ヒロシ「ははは。これで僕は永遠に生きることができるね。よし。ためしに一回死んでみるか」


 マルぼんが止める間もなく、ヒロシは常に所持している睡眠薬を一気飲みしてしまいました。『1UPマタンゴ』には幻覚作用があることを、マルぼんは失念していました。


 それからそれから。


医者「目が覚めましたか」 


ヒロシ「ここは…病院! そうか。『1UPマタンゴ』のおかげで復活したんだな。さすが未来の世界の機密道具」


 ヒロシは永遠に続く存在になったうれしさを隠し切れず、スキップまじりで帰路につきました。


ヒロシ「ただいまー」


ママ「どちらさま」


ヒロシ「あなたがお腹を痛めて生んだ、息子のヒロシです」


ママ「私が帝王切開でこの世に誕生させたヒロシなら今、ごはんを食べていますよ」


変な屈強外国人「ドウシタノ、ママ」


ママ「なんか変な子供がアナタを自称しているみたいなの」


マルぼん「そんな可哀想な子供は政府にまかせて、さっさとごはんを食べようよ」


変な屈強外国人「ソウダネ。サッサト食ベテ、サッキノ機密道具ヲ使オウ」


 バタンとしまる家のドア。『1UPマタンゴ』の効果は「吸引した人の命を増やす」ではなく「吸引した人が死んだら代わりをどっかから連れてくる」という効果だったようです。


『1UPマタンゴ』の効果は確かだとマルぼんは思いました。ちゃんと代わりの人がヒロシとして存在しています。これでヒロシという存在は安泰。永遠に続きます。やったね。


 元ヒロシは、国籍のなくなった子供でもできる仕事を探すべく、夜の繁華街を徘徊するのでした。



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「誉めて伸ばしてそれから先は」の巻

マルぼん「いやーきれいだよ。かわいいよ。なに、そんなこと言われたら照れる? んもー!」


ヒロシ「マルぼん、なに庭の草花に話しかけているの? ついに発狂いたしましたか?」


マルぼん「ちがうよ。早く草が伸びるように『誉めてのばすメガホン』を使って、草を誉めているんだ。このメガホンを通して誉めたものは、どんなものでも伸びる。小学生を誉めたら、その小学生の才能が伸びたりするほれみろ、誉めた草がすごい勢いで伸びているだろ」


ヒロシ「なんで草を伸ばす必要があるの? この間、草むしりをしたばかりなのに」


マルぼん「ママさんが、草むしりをすればするほど、お小遣いをくれるというからさ。伸ばしてむしる、むしって伸ばすを繰り返してお小遣いゲットという寸法さ」


ヒロシ「姑息だなー。でも、この機密道具で一儲けできないかしら」


ナウマン象「なんでも伸ばせるメガホンだって? 謝礼をするから、ちょっと来てくれないか。伸ばしてほしいものがあるんだ」


マルぼん「いくいくー一儲けだー」


 それから1週間、マルぼんは帰ってきませんでした。いいかげん心配になったヒロシはナウマン象にマルぼんのいる場所を聞いて、そこへ行くことにしました。そこは病院の、集中治療室でした。



マルぼん「すごーい。90年もがんばって生きているなんですごーい。すごいよ、すごいよ。かっこいいー! かっこいいー!」



 ベッドの上で色々な機械と繋がった状態で寝ているおじいさん。そのおじいさんにメガホンを向けて、ひたすら誉め言葉をぶつけているマルぼん。おじいさんの眠るベッドとマルぼんの周りには、黒い服を着たガラの悪い男たちがたくさんいます。ナウマン象もその中にいました。


ナウマン象「あれ、うちのオヤジ(盃的な意味の)の上司で、屈強で残忍な男たちをすべる立場にいるじいさんなんだけど、もう虫の息で、非常にやばい状態なの。でも、死なれたらこまるだろ。だからマルぼんにはがんばってもらっているンだ。マルぼんてば、『じいさん死んだら、オマエも死なす』と頼んだおかげで、失禁しながらやってくれているよ」


マルぼん「すごーい。90年もがんばって生きているなんですごーい。すごいよ、すごいよ。たすけてー。かっこいいー! かっこいいー!」


マルぼん「すごーい。90年もがんばって生きているなんですごーい。すごいよ、すごいよ。かえりたーい。かっこいいー! かっこいいー!」


マルぼん「すごーい。90年もがんばって生きているなんですごーい。すごいよ、すごいよ。げほげほげほっかっこいいー! かっこいいー!」


 ヒロシは、死にかけのじいさんの寿命までのばすことができる『誉めてのばすメガホン』の効果は絶大だと思いました。

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「錬金術師現る。者どもたかれーたかれー」の巻
 ヒロシが大量の落ち葉を持って帰ってきて「これみんな、札束! 僕ってば大金持ち! 酒池肉林~」とか、かわいそうなことを言い出したので、マルぼんはなんとかしてやろうと決意しました。


マルぼん「『金銭トン価値』」


ヒロシ「それ、トンカチじゃないか! それで僕をやるつもりか!? 黄泉の国を送るつもりかー! 答えよー!!」


 マルぼんは『金銭トン価値』をふりあげ、ヒロシの頭めがけて振り下ろし…トン価値の先の部分を、ヒロシの髪の毛に軽く触れさせました。


マルぼん「ふふ。これでキミの髪の毛はお金になった」


ヒロシ「はい?」


 マルぼんはヒロシの髪の毛を1本むしり取ると、たまたま近くを歩いていたママさんに渡しました。


ママさん「まぁ、今月の食費? ありがとう」


マルぼん「『金銭トン価値』の触れたものは、1万円札と同等の価値になる。これでキミの髪の毛は1本=1万円札として使用できるんだ。あくまでキミの髪の毛だけだけど」


ヒロシ「それはすごい!」


 ヒロシは自分の髪の毛を大量にむしり取ると、買い物すべく外へと飛び出していきました。


 しかしその幸せも長くは続きませんでした。


ヒロシの髪の毛は、近所のチンピラにすべてむしり取られてしまったのです。他の人には、ヒロシは「頭に大量の1万円札を貼り付けているバカ」にしかみえないのですから、当然の話です。


ヒロシ「安心めされい、われに秘策アリ!」


 残された髪の毛をむしり取ると、それを片手に出かけてゆくヒロシ。


 目的地は、植毛で有名な某企業でした。


ヒロシ「僕に植毛してください!」


「こちらでお待ちください」と応接室に案内されるヒロシ。しばらくすると、役職つきらしい社員が部屋に入ってきました。警察官をつれて。


社員「この人が『偽札をつくれ』と言うんです。なんとかしてください」



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「夢も時間もヒロシを裏切る」の巻
 マルぼんが深夜の町を徘徊して取り込み忘れられた洗濯物を物色している途中、休憩がてら公園に寄ってみると、暗い顔をした男がブランコに座っていました。


 その憂いを秘めた表情を見て「なんかおもしろそう!」と思ったマルぼんは、接触を試みました。


男「現実に夢が負けたのです」


 男には大きな夢があったそうなのですが、家族・仕事などの現実に生活に押され、その夢がいつの間にか自分の中で小さくなっていたのだそうです。そのことが、途方もなくむなしいのだそうです。


男「夢はあきらめるものなのですね」


マルぼん「否! 断じて否! 夢はあきらめるものではなく、かなえるものだ!!」


 マルぼんは懐から霧吹きを取り出して使用し、男に向かって霧を吹きかけました。


『リフォー夢リフォー霧』、夢をリフォームする特殊な霧です。この霧を浴びたものは、抱いている夢を現実にするため、行動するようになるのです。


男「俺、間違っていた!」


 男は希望をその顔に浮かべ、駆け出していきました。


マルぼん「夢をかなえてくださいよ…必ず」


 その背中に、ポツリと呟くマルぼん。




ヒロシ「マルぼん、聞いた?」


マルぼん「なに?」


ヒロシ「市役所に、刃物を持った男が立てこもっているらしいよ」


マルぼん「え」


ヒロシ「なんでも、昔、学生運動でバリバリ活動していた男で『微笑町の町議会の汚物どもは即刻切腹しろ。死んで薄笑町に謝罪せよ。さすれば、微笑町は人々は平等思想に元に公平に暮らすことにできる、夢の太平天国となるのだ。人々よ、我が剣に集え! 我が夢に集え! 夢を実現せよ!』とか、意味のわからない声明を発表しているらしい」


 マルぼんは『リフォー夢リフォー霧』の効果は絶大だと思いました。



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