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大沼ヒロシ

Author:大沼ヒロシ
大沼ヒロシと申します。ブログはじめたての初心者です。どうぞよろしく。

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「今日も定時で帰ったるねん」の巻
マルぼん「ついにゲットしたぞ、『視界デスクトップアクセサリー』! 」


 このデスクトップアクセサリーを脳にインストールすると、視界の片隅でアニメのキャラやらが踊っていたり、誰かが悪口を言っていたら「悪口を言われているよー」とアイドル声優声で脳にお知らせしていただけたりします。


ヒロシ「わーい! さっそくインストールしよう」


『人体USBケーブル』でパソコンと脳を繋ぎ、『視界デスクトップアクセサリー』をヒロシの脳にインストールする
マルぼん。


ヒロシ「あ、視界の片隅で女の子が踊り始めたよ」


マルぼん「『視界デスクトップアクセサリー』の効果がでてきたんだ」


金歯「ふん。うらやましくなんかないでおじゃる」


ヒロシ「はん。いくらお金を積んでも、未来の技術にはかなわないだろ!」


金歯「朕は、生まれ付いてから脳に『デスクトップアクセサリー』がインストールされているのでおじゃる」


ヒロシ「なんだって?」


金歯「朕の視界の片隅には、常に血だらけの女の子とかサラリーマンとかおじいさんが踊りながら朕を見つめ、、脳には『くちおしや~』とか『七代先までたたってやる~』なんて脳が響いているのおじゃる!」


ヒロシ「天然の『視界デスクトップアクセサリー』!? うらやましい!」


マルぼん「ごめん。それたぶん、デスクトップアクセサリーとちがう」



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日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
ヒロシの仲間たち17 校長

 ヒロシらの通う微笑小学校の校長。朝、校門の門扉にまたがって寄生を上げながら、登園する生徒を出迎えるなど奇行が多い。


 業者から大量購入した縦笛を「学校のマドンナ・マリコ先生の使用したものだ」と偽って、教職員や生徒に売りつけたり、動物好きの生徒・畑くんに「あのさーある日を境にさー、鶏を飼わなくなっただろー。あれってさー、鳥インフルのころにさー。上からそういうお達しが来たからなんだけどー。でもさ、そのお達しがくる前日まではさー、飼ってたじゃん、鶏。あの鶏さー。どうしたと思う-? これクイズなー。ヒントはね、ほ・け・ん・じょ」などと吹き込んだり、
さして調べもせずに学校名をいきなりエロゲーメーカーの名前と同じものに改名して被害者面してみたり、「いじめ、かっこいい」というキャッチフレーズの書かれた自分のポスターをあちこちに貼ってまわったり、工事現場のセメントを頭からかぶって「俺が二代目二宮金次郎じゃーい」と叫んでみたり、音楽会で多数の行方不明者をだしたり、運動会の1年生の出し物で自分をたたえるマスゲームをさせたり、そもそも教頭だったり、と奇行が隠し切れないレベルになったため、教育委員会の密命をうけた微笑小風紀委員会に拉致される。


 三日三晩に渡る凄惨な拷問の末に、彼が白状した事実はとんでもないものであった。


 「微笑小には、教師やPTAですらアゴで使う、闇の生徒会が存在する」


 校長は、闇の生徒会の長である、裏生徒会長・花園アリスに傀儡であり奴隷にすぎないのだという。アリスにハイヒールで踏まれるのが、なによりの報酬なのだという。アリスのつばなら余裕で飲めるという。



 実際のところ裏生徒会とかアリスとかは全部妄想で、単なる変態だったことが判明。ほとぼりが冷めたころに退職し、教育委員会のツテで児童ホームの偉いさんポジションに、無事に天下りした。みなさんのお子さんが通う児童ホームに、彼がいないことを祈る。


主な登場回……第18話「学園天国(R指定的な意味で)」、第77話「やつらの足音が聞こえた!」

キャラクター図鑑 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「さよならモンキーまたきてゴリラ」の巻
ヒロシ「ふええ。宿題の国語ドリルが難しいよう」


マルぼん「どれどれ。この未来大学主席卒業のマルぼんにまかせてみ」


宿題『兵庫県に住む、公務員のZ氏は、愛する妻と子供を出刃包丁で刺し殺してしまいました。警官が駆けつけた時は、血の海の中で、Z氏は泣いていました。妻と息子の亡骸を抱きしめて。なぜ…なぜ彼は、愛するもの命を自ら奪ったのでしょうか。50字以内で答えなさい』


マルぼん「むずいな」


ヒロシ「だろ? ねえ、宿題を簡単にできる機密道具をだしてくれよ」


マルぼん「『簡炭』。この練炭を燃やして発生した煙を浴びたら、どんなものでも簡単になる。ほれ」


『簡炭』の煙で、国語ドリルを焙るマルぼん。するとどうでしょう!

宿題『国語はなんと読むのでしょうか』



ヒロシ「うそみたく簡単になった!」


マルぼん「『簡炭』の効果は絶大なのさ。よし。宿題も完了したし、遊びに行こう」


 マルぼんたちは『簡炭』を放置してでかけてしまいました。窓を開けっ放しで。


そして数時間後。家に帰ってみると。


パパさん「ほう、今夜はからあげか。どれどれひとつ」


ママさん「あ、あなた。つまみぐいはだめよ」


 パパさんを包丁で刺すママさん。


ママさん「だってつまみぐいするから」


ヒロシ「簡単に夫を刺しちゃダメ!」


ママさん「そうね、ごめんなさい。謝ってくるわ。地獄で。ぶしゅ」


ヒロシ「簡単に自ら命を絶っちゃダメ!」


警官「殺人事件ですって?」


ヒロシ「実はかくかくしかじかで、犯人である母は、苦しみも悲しみもない世界へと旅立ちました」


警官「そうですか。なら、あなたが犯人でいいです」


ヒロシ「簡単に事件を解決しちゃダメ!」


警官「あ、部長ですか? 犯人捕まえました。はい、今から裁判ですか?。はい、はい。判決は死刑ですね、りょーかーい」


ヒロシ「簡単に判決を下したらダメ!」


警官「はい、この拳銃をどうぞ」


ヒロシ「簡単に死刑執行の道具を決めちゃダメ!」


警官「はい、執行」


ヒロシ「簡単に最後の武器の引き金をひいちゃダメ!」 


マルぼん「ゲームしよう、ゲーム」


ヒロシ(草葉の陰在住)「簡単に思い出にしちゃダメ!」




日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「世紀の恋人・ルナちゃん~赤の章~」の巻
ヒロシ「ルナちゃんが、なんかアリを踏み潰して喜んでいた! 笑ってた! 僕には見せたことのないような笑顔になってた! 心臓とまれ!」


マルぼん「好きな人が自分の理想とちがう人物像だと、異様にむかつくね」


ヒロシ「ルナちゃんを僕の理想の恋人にできる機密道具をだして~!!」


マルぼん「『洗脳睡眠学習セット』。この睡眠学習セットを眠っている人に使用すると簡単に洗脳できる。付属の入力機を使用すれば、どのように洗脳するかを自由に決定できるんだ」


 マルぼんとヒロシは『洗脳睡眠学習セット』に「理想の恋人」と入力すると、ルナちゃんの部屋と忍び込みました。眠っているルナちゃんの脳に、『洗脳睡眠学習セット』を繋ぎ、スイッチオン。


 そのままルナちゃんが目覚めるのを待ちます。


ルナちゃん「う~んむにゃむにゃ」


ヒロシ「あ、ルナちゃんが起きた!」


ルナちゃん「あら、ヒロシさんにマルちゃん。ねえ、町役場へ行かない?」


マルぼん「なんで」


ルナちゃん「微笑町の貧富の差は、年々広がっているの。なぜだと思う? すべては行政の怠慢のせい!」


ルナちゃん「すべての人がその人にもっとも適した職業に就き、同じだけの収入を得ることができる、すばらしい理想の社会を築くためには、腐りきった行政を叩き潰すしかないの! 潰せ!! 潰せ!! 潰せー!!! 立ち上がれ、同志よー!! 」


 叫びながら広報誌(なんか行政の悪口満載)をつくり始めるルナちゃん。マルぼんが『洗脳睡眠学習セット』を確認すると、『理想の恋人』ではなく『理想が恋人』と誤入力されていました。


ヒロシ「ルナちゃん、はい、角材! はい、火炎瓶製作キット! はい、警察にマークされにくアパートの部屋の鍵! はい、ひそかに後援してくれる病院の住所が書かれた紙!」


 なんか速攻で洗脳されているヒロシ。マルぼんは『洗脳睡眠学習セット』の効果は絶大だと思いました。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「保証はどこにもないけど」の巻
マルぼん「今日は大沼さんに耳寄りなお話があります」


ヒロシ「聞きたくありません」


マルぼん「素晴らしい機密道具の話です」


ヒロシ「聞きたくありません」


マルぼん「本当に素晴らしいのです」


ヒロシ「聞きたくありません」


マルぼん「そうですか」


ヒロシ「そうです」


マルぼん「それならば、仕方ありません」


ヒロシ「あきらめてくれましたか」


マルぼん「このナイフで私の腹部を刺してください」


ヒロシ「なんですって」


マルぼん「刺してください。私の腹部を刺してください」


ヒロシ「ご先祖様、申し訳ありません。ヒロシの手は血で汚れます」


 言われるままに、マルぼんの腹を刃物のようなもので刺したヒロシでしたが、神の奇跡か仏の慈悲か、マルぼんは死ななかったのです!


ヒロシ「な、なぜ!? 日ごろの恨みをこめて、えぐるように何回も刺したのに死なないの!?」


マルぼん「そこで、ご紹介したかった機密道具の登場ですよ。『絶対保証書』~! この保証書はどんなもでも使える保証してくれる魔法の保証書なんだ。たとえば、この保証書に『自分の家の床の間にある青色の壷』と書いた後、
その壷を破壊するだろ。すると、破壊された瞬間に保証書の効果が発動して、壷は元に戻っているんだ」


ヒロシ「するとマルぼんが刺されても死ななかったのは」


マルぼん「『保証書』に『マルぼんの命』と書いたのさ。刺されたとき、マルぼんは確実に死んでいたのだけれど、
保証書の効果で即座に命が保証されたの」


ヒロシ「命の保証までしてくれるなんて! すばらしい機密道具じゃないか。それさえあれば不死身?!」


マルぼん「保証書1枚につき、保証の回数は1回だよ。不死身になりたきゃ、こいつを何枚も用意しなきゃならないよ」



ヒロシ「年度末はなにかと忙しくて、命を落とすことも多々あるだろう。その保証書、
いただこうかな。おいくら?」


マルぼん「はい、毎度あり。えっと、上・並・下と三種類あるんだけど、どれにする?」


ヒロシ「上とか並とかで、効果が違うの?」


マルぼん「うん。並だと、壊れたり死んだりする直前の状態で保証されるんだ。下は値段が安いんだけど、以前よりもグレードがダウンして保証される。たとえば、機械だとネジが一本足らない状態、人間だと頭のネジが一本足らない状態で保証されたりする」


ヒロシ「ということは、上だと…」


マルぼん「以前よりもグレードが上がった状態で保証されるわけだね」


ヒロシ「(ということは、あれじゃねえか。『絶対保証書(上)』で自分の命を保証したあと、わざと自らの命を絶つ。
そして保証されて復活。そうすることで、パワーアップ!?)。上を一枚所望します!」


 ヒロシは『絶対保証書(上)』を受け取ると、さっそく『大沼ヒロシの命』と書き込みました。
そして。


マルぼん「今から死ぬだって!?」


ヒロシ「大丈夫『絶対保証書(上)』の力で、以前の僕より素晴らしくなって復活するんだから! じゃあ、
ね!」


 満面の笑みを浮かべて、窓から外へと飛び降りるヒロシ。ここはマンションの13階。


マルぼん「ヒロシィ! 『絶対保証書(上)』は、捺印もしないと効果がでないんだ! 捺印してないぞ、おい、ヒロシィー!」


ヒロシ「(落ちながら)え、マジで!? 僕死ぬやん! でも、まぁ、いいか。もし僕が死んだらね、お墓はいらないよ。でも、死体は学校の裏山に埋めて欲しいな。自然がいっぱいだし。それにあそこなら、町全体が見渡せるだろ。大好きな町が。自然に囲まれながら大好きなものを眺める。最高じゃないか。頼んだよ。バイバイキーン。ぐべらっ」


 マルぼんは、遺言通り、ヒロシの遺体を裏山に埋葬しました。


マルぼん「ここなら、微笑町が見渡すことができるだろ。静かに眠りな、ヒロシ」


 しばらくしてマルぼんが墓参りに来ると、ヒロシの埋めた場所に花がたくさん咲いていました。ヒロシを糧にして咲いた花々です。そう、ヒロシの命は失われたのではなかったのです。自然の一部として、地球の一部として、今も生き続けているのです。


 マルぼんは、ヒロシの命を地球の一部という壮大なレベルにまでグレードアップさせて保証してくれた『絶対保証書(上)』の効果は絶大だと思いました。

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「シャカリキ」の巻

ヒロシ「学校はタルいし、生きることに疲れたから、楽になれる機密道具だして」


マルぼん「なら息を引き取れよ」


 ヒロシのお願いについつい荒い口調で答えてしまうマルぼん。最近、ちょっとしんどいのです。ヒロシと話すの。


ヒロシ「んなこと言わないで頼むよう。楽になる道具。楽になる道具ー!」


「すでに自分の人生はラストスパートにはいった」と公言するヒロシ。うざく思ったマルぼんは、ヒロシの希望とは逆の位置に存在する機密道具を出してやることにしました。


『シャカリ木』。みらいのせかいの木で、これに生る実を食した人はなにごとにも全力投球、努力! 努力! また努力! でシャカリキにがんばるようになるのです。マルぼんは全身を使って拒否するヒロシの口に実を押し込めました。


ヒロシ「ぼ、僕は今までなにをやっていたんだ。こんなことではいけない。頑張らないと。シャカリキに頑張らないと」


 努力の人と化したヒロシはさっそくどこかに電話をしました。


ヒロシ「あ、微笑小学校さん? おたくに爆弾仕掛けました。休み明けから授業はナシの方向で」


 続いてパソコンを起動し……


ヒロシ「OK。爆破予告書き込み完了。マルぼん。教師や保護者の秘密を暴く機密道具だして」

ヒロシ「あ、それよりも、給食に色々混入してみるとか」

ヒロシ「そうだ。いっそ自分で自分をなぐって『暴漢に襲われた』とか」


 『シャカリ木』の効果は絶大のようです。翌日。


ナウマン象「おう。なんかイイ感じの機密道具があるそうじゃねえか。貸してくれよ。おう」


 最近、「唯一の生きがいだ」と公言する絵画に、最近、情熱がまるで持てない(絵の具を見ただけで吐くらしい)というナウマン象。一瞬でヒロシを努力の人へとメタモルフォーゼさせた『シャカリ木』の実を貸して欲しいと、マルぼんに申し出てきました。ナウマン象の描いた絵は見た人の皮膚がただれたり、格闘家や悟りを目指す僧侶の苦行に用いられたりするくらいウザいものなのですが、マルぼんはナウマン象の報復が怖かったので、『シャカリ木』の実をプレゼントしてしまいました。


ナウマン象「モグモグ(実を食したことを表現する音)。む…むむ。俺は、俺様は…!」


『シャカリ木』の実を食べて、ナウマン象の表情が変わりました。


ナウマン象「俺は、俺は絵を愛しているっ。絵のためにどんなことだってしてみせるっ。よしっ。この地球(『ほし』と呼んだらカッコよさそう)の歴史を1枚の絵として描く大作『地獄変』を完成させるぞ!」


 どこからか絵の具を持ってきたナウマン象は、巨大なキャンパスに向かい、一心不乱に絵を描きはじめました。



ナウマン象「だめだっ。どうしてもだめだっ。本物の『地獄』を見ないと、『地獄変』は描けない。描けやしないっ。……なんだ、簡単に見えそうじゃないか。地獄」



 突然、大沼宅に火をつけるナウマン象。マルぼんたちは我先にと逃げ出したのですが、ナウマン象は炎に包まれ、笑いながら絵を描き続けました。


 

数時間後。完全に焼失した大沼宅の跡地。その跡地にはナウマン象の姿はなく、描き上げたと思われる絵が、焦げ目ひとつなく残っていました。


マルぼん「ナウマン象は自分の命と引きかけに絵を守ったんだ。なあ、ヒロシ」


ヒロシ「ンなことどうでもいいから、ナウマン象の家族に慰謝料もらおうよ。弁護士。弁護士呼んでー!」


 完成した絵が素晴らしいと思ったマルぼんとヒロシは、『地獄変』を地元の絵画コンクールに出展しました。ナウマン象の命が篭った『地獄変』は見事、絵画コンクールの『参加賞』に輝いたのでした。




日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「やまない雨。帰らない君」の巻
ヒロシ「雨がやまないなぁ。明日はみんなで遊びに行くのに。ねえ、雨がすぐにやむ機密道具だしてよ」


マルぼん「この装置のスイッチを押せばいいよ」


ヒロシ「よしわかった。ポチっとな。わあ。装置から黒い煙がむくむく湧いてきて、空へと昇っていくぞ」


マルぼん「この煙が広がることで雨が病むよ」


 しかし雨はやみません。やむどころか雨脚は強くなる一方です。さらには、雨にぬれた木々は枯れ、金属は錆びるという異常事態に。


ヒロシ「この雨、おかしいぞ! おかしいぞ!」


マルぼん「あの煙には、雨に強烈な酸性を持たせる効果がある」


ヒロシ「なんでそんなことを。僕は雨を止ませるように頼んだんだよ」


マルぼん「だから、雨が病んだでしょう」

日記 | 09:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
ヒロシの仲間たち16 裏の老夫婦
 大沼宅の裏の家に、2人で暮らしている老夫婦。2人ともかなりの高齢だが、おじいさんは地元ゲートボールチームのリーダーを務め、おばあさんは町内百人一首トーナメントを主催するなど、まだまだ元気。


 その秘訣は、大沼家。いつも騒動を起こしては騒いでいるマルぼんやヒロシたち。老夫婦はそんな彼ら騒々しさに笑顔と元気をもらっていたのだ。その感謝として、マルぼんとヒロシを夕食に招待したり、昔の遊びを教えてあげることもしばしば。


 マルぼんが痴情のもつれで当時交際していた女子大生に刺殺され、大沼家から騒動が消えたと同時に、おばあさんはふさぎがちになり、昔の話ばかりするように。おじいさんは小さなことにもイライラするようになって、ついには「長年生きる希望としていた騒々しさを急に奪われたことがきっかけでうつ病を発症した」として、大沼家を相手取り、慰謝料など計360万円の支払いなどを求める訴訟を微笑地裁に起こした。


主な登場回……第16話「めんこと、コマと、それからヒロシ」、第77話「やつらの足音が聞こえた!」、第101話~第154話「検証・大沼家裁判シリーズ」






キャラクター図鑑 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「金歯邸ソドム」の巻
金歯「最近、朕は自分が神なのではないかと思うようになっているのおじゃる。実はもんのすごい慈悲の心が芽生えたのでおじゃるよ~。うちで働く奴隷にどもにな、休日をプレゼントしようと思うのでおじゃる。でも、全奴隷に一気に休日を与えたら、朕宅はめちゃくちゃになっちまうでおじゃる。朕は1人で服のボタンをかけることもできないでおじゃるからな。そこで、誰か1人、一番の働き者を選んで1週間ほどの休暇を与えたいと思うのでおじゃるよ」


ヒロシ「勝手に休日でもなんでも与えたらいいだろ、資本主義のブタ!」


金歯「うちの奴隷は、休めば休むほど、与えられる食料が少なくなるので『休め』と言っても休まないのでおじゃる。そもそも、どの奴隷が一番働き者かわからないのおじゃるよ」


 札束をマルぼんに投げ捨てる金歯。


金歯「だからそういう機密道具をよこすでおじゃる」


マルぼん「『勤労感謝マシン』!」


 未来の世界では、『働かざるもの生きるべからず』という言葉の示す通り、働き者が尊重される時代です。人々はみな、必死で働いています(働かないと、配給される食糧が減る。最悪、殺される。ウィズ・一族郎党)。しかしこれが裏目にでて、過労死が相次いでいるのです。


 政府は「できるだけ休め」と命令をだしているのですが、休めば休みほど悲惨な人生になるので誰も休みません。


 そこで開発されたのがこの『勤労感謝マシン』


 働き者を自動的に見つけ出し、あらゆる手段を使って休ませると言う機密道具なのです!


マルぼん「これを金歯宅で使用すれば、一番の働き者を見つけ出し、休みを与えることができるよ」


金歯「わー! すばらしい機密道具でおじゃるー。これで朕は神~」


 金歯は『勤労感謝マシン』を持ち帰り、奴隷たちの前で起動させました。


勤労感謝マシン「ナンでしょう?」


金歯「この中にいる、一番の働きもの。働きもののなかの働きもの。キングオブ働きもの。究極の働きものに一週間の休暇を与えたいのでおじゃる」


奴隷「我々は別に休日なんていりませんですよ」


金歯「貴様らに話してはいないでおじゃる! さぁ、一番の働きものを見つけて、休日を与えてたもれ!」


勤労感謝マシン「探知完了。一番の働きものは、奴隷たちに休日を与えるために奔走した、金歯さん…」


金歯「え、朕!?」


勤労感謝マシン「その金歯さんの体の中でも、24時間、フルで働き続けている心臓!」


 勤労感謝マシンは、浴びたものを強制的に休ませる電撃を金歯に放ちました。一週間の休暇にはいる、金歯の心臓(働き者)。


 マルぼんは、一週間どころか、永久の休暇を金歯に与えた「勤労感謝マシン」の効果は絶大だと思いました。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「私は大沼ヒロシの共犯です」の巻
マルぼん「ただいまぁ。ねえ、ヒロシくんヒロシくんってば」


ヒロシ「なんだよ。今、僕は夢のように忙しいんだ。おそらくは歴史に残るであろう小説『恋の余命1年~あの娘が僕を看取ったら~』を執筆しているから」


マルぼん「小説。ちょうどいいや。マルぼんさ、おもしろい小説を買ってきたんだ。はい『ポツリヌス戦記』の最新刊。おもしろいよ」


ヒロシ「ふむ。未来のライバルの実力を探るのもいいな。どれどれ…ひっ!?」


マルぼん「どうしたの?」


ヒロシ「パ、パくられた!」


マルぼん「なんだって?」


ヒロシ「『ポツリヌス戦記』に出てくるヒロイン、僕の『恋の余命1年~あの娘が僕を看取ったら~』
の続編として考えている『恋の余命1年~妻が喪服に着替えたら~』に出てくるイボンヌ(敵の女スパイ。主人公のヒロシを狙うが愛ゆえに組織を裏切る)のパクりなんだ」


マルぼん「ふうん」


ヒロシ「イボンヌには妹(ヒロシに一目ぼれする)がいる。『ポツリヌス戦記』のヒロインには弟がいる。年下の家族がいるという設定はあきらかにパクり! 畜生。人様の脳内にあるネタまでパクりやがって。よし、苦情だ。苦情だ。裁判だ!」


 ヒロシは電話をするため部屋を出て行きました。でも。


ヒロシ「『僕の脳を勝手に見るな』と訴えたんだけど、電話を切られた。畜生、人間どもめ」


マルぼん「仕方ないよ。21世紀では脳内までには著作権は認められないし」


ヒロシ「そこなんだよ。どうせあるんだろ。法律とか、自由に決めることができる機密道具」


マルぼん「ねえ。そんなものねえ。でも…」


ヒロシ「でも?」


マルぼん「未来の世界は尋常じゃないくらい著作権が重要視されているんだ。それこそ、脳内の考えまでに著作権が発生する」


ヒロシ「おおっ」


マルぼん「未来の世界の国籍を取得すれば、21世紀の人の脳内にも著作権が発生する。マルぼん、それなりのコネがあるから、ヒロシくんにも未来の世界の国籍をあげることができるけど」


ヒロシ「是非に!」


 こうしてヒロシは、未来の世界の国籍をゲットしたのです。


ヒロシ「これで僕は絶対無敵で元気爆発で熱血最強。そして絶対勝利だっ」 


警官「こんにちは未来京都府警です」


ヒロシ「はい?」


警官「あなたの人生は、未来の世界の権藤正和氏の人生と酷似しています。これは著作権法違反ですので、署のほうでお話を」


マルぼん「未来の世界の著作権はすんごいから。脳内の他、人生とか生き様にも著作権が発生するんだ。ヒロシくんの人生、だれかの人生のパクりと認定されたようだね」


警官「未来では著作権法はすんごいからね。きみ、30年はシャバに出られないよ。下手したら13階段だからね」





日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「ポイズン」の巻
女「はい、お弁当」


男「もしかして、わざわざ作ってくれたのか」


女「な、そ、そんなわけないでしょ! 自分の分を作ろうと思っていたら、たまたま作りすぎただけなんだから! な、なんで私が、アンタのために弁当を作らないといけないのよ! かんちがいしないでよ!」


男「なーんだ。それならいいよ。ほかのヤツにあげろよ。今日はさ、凸凹山さんが弁当を作ってきてくれることになってて」


女「!? ば、ばかー!この好色色魔のろくでなしふにちゃん野郎ー!!」」


 ばきっ


男「いてええ! な、なんだ!? なんでアイツ、あんなに怒っているんだ!?」



ヒロシ「僕はたまたま、あの女の人の家を覗いていたから知っているんだけど、あのお弁当は、彼女が、あの男の人のために、わざわざ早起きして作っていたんだよ。なんでその事実を素直に話さないだろう。素直に言えば、お弁当を受け取ってもらえたのに」


マルぼん「素直になったら、あの女の人、無個性になっちゃうからねえ。彼女は近所でも有数のツンデレなんだ」


ヒロシ「なんとかあの恋、成就させてあげたいなぁ。なぜなら、『他人の恋を成就させればさせるほど、死後、よりステータスの高い存在に転生できるんよ!』と、ルナちゃんにいただいた(15万円)本に書いてあった
から」


マルぼん「ようするに、素直になれない人が素直になれる機密道具をだせ、と」


ヒロシ「イエス」


マルぼん「『いいたいこともいえないこんなよモナカ』。このモナカを食したら、言いたいのに言えない、素直になれないオバカサンでも、本音を話してしまうようになるの」


ヒロシ「よし。これでいこう、そこのおじょうさん、これを食わないと命を奪った後、山奥に遺棄します」


女「えええ!?」


ヒロシ「食うか死ぬか、どちらかを選べ! 墓か山か、どちらで眠るかさぁ選べ!」


女「なんなのこの子!」


ヒロシ「名乗るほどのものではない。町のかわいそうな少年さ! かわいそうだと思うなら、食うか死ぬか選べ!」


女「近づかないで!」


男「ちぇすとー!」


女「!!」


ヒロシ「!!」


 さきほどの男の一撃が、大沼ヒロシさん(小学生)の顔面に直撃。なんということでしょう。男は色々と達人だったのです。


男「おい、大丈夫か」


女「な、なによ。よけいなことしないでよ! いま、己の力でこいつを倒そうと思っていたんだから…!」


男「悪態つけるなら、大丈夫そうだな」


女「今笑ったな! なによ、なによ、なによー!」


男「わかってるよ。わかってるー」


 去っていくバカップル。『いいたいこともいえないこんなよモナカ』なんてなくても、2人の絆は深いようです。ああ、むかつく。死んだらええねん、とマルぼんは思いました。強く思いました。そんなことより


マルぼん「おい、大丈夫かヒロシ」


 通りすがりの医者「どうかしましたか」


マルぼん「ドクター! 実はツレがこんな状態に」


通りすがりの医者「どれどれ。むう。これはーこの状態わー」


マルぼん「どうなんです」


通りすがりの医者「いや、その。うむ。家族の方がいないと。うぬ。むう。あの、その。ごほんごほん。えっと…」


マルぼん「ええい、口をつぐみおって! この『いいたいこともいえないこんなよモナカ』を食らえ!」


通りすがりの医者「もぐもぐ。あううう。死にます、この人、死にますー! あと3秒で!」


 マルぼんは『いいたいこともいえないこんなよモナカ』が無駄にならなくてよかったと思いました



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「やり直しのきく人生」の巻
 ついついミスをしてしまうことが多いヒロシです。


ヒロシ「人生はやり直しがきかないことはわかっているだけど、わかっているんだけど、こうもミスが多いといやになるね。たははは」


マルぼん「やり直し? きくよ」


ヒロシ「マジで!」


マルぼん「『セーブスイッチ』。まずは、付属のコードで、このスイッチを体と繋ぐ」


マルぼんは『セーブスイッチ』とヒロシのへそを、コードでつなげました。


マルぼん「つないだら、このスイッチを押す。ポチっとな。OK。これで、今この瞬間をセーブできた」


ヒロシ「セーブしたらどうなるのさ」


マルぼん「まぁ、見てな。とりあえず…」


 マルぼんは偶然所持していた鈍器のようなもので、ヒロシが親よりも、命よりも、今日よりも、明日よりも、とにかくもう大事にしている美少女フィギュアを破壊しました。


ヒロシ「な、なにをする貴様!」


マルぼん「さよなら、ヒロシ」


 マルぼんは、鈍器のようなものでヒロシを殴打しました。事切れるヒロシ。


ヒロシ「え、あれ」


マルぼん「やぁ、ヒロシ」


ヒロシ「なんで、ボク、マルぼんに殴られて、短い生涯を終えたはず。
あれ、フィギュアも壊れていないぞ、元のままだ!?」


マルぼん「セーブスイッチを押してから、死んだりなんだかんだりで人生がリセットされると、セーブしたところから人生をやり直すことができるんだ」


ヒロシ「じゃあ、たとえばね、試験の前にスイッチを押するとするだろ?試験の結果が鬼のように悪かった時に人生をリセットしたら、試験前のスイッチを押したところからやり直せるんだね」


マルぼん「だね」


ヒロシ「すごいや、この機密道具さえあれば、ボクは容易に人生の覇者になれるよ!」


ルナちゃん「ヒロシさん!」


ヒロシ「あ、ルナちゃん」


ルナちゃん「いきなりだけど、死ね!!」


ヒロシ・マルぼん「ぎゃー!!」


 ルナちゃんに刺されるマルぼんとヒロシ。マルぼんとは即死。ヒロシはかろうじて意識はあるものの、虫の息。体を動かすことはできません。ただ、命が朽ちていくのみ。



 ルナちゃん「思い知ったか…はぁはぁ。とっとと逝け! あら?」


 本懐を遂げたルナちゃんは、ヒロシのへそと繋がっているスイッチを見つけてしまいました。


ルナちゃん「いざという時の自爆スイッチかしら? ヤツにもそれくらいの度胸があったのね」


 憎い相手だけれど、せめて楽にしてやろう。仏心をだし、ポチっとな、とスイッチを押すルナちゃん。


ルナちゃん「…あら、なにもおこんない。ちぇ」


 とっとと、犯行現場から去っていくルナちゃん。


ヒロシ「うう…痛い…痛いよ…うう、おかあさん…うっうう…げふっ」


 事切れるヒロシ。




ルナちゃん「…あら、なにもおこんない。ちぇ」


 とっとと、犯行現場から去っていくルナちゃん。


ヒロシ「うう…痛い…痛いよ…うう、おかあさん…うっうう…げふっ」


 事切れるヒロシ。



 
ルナちゃん「…あら、なにもおこんない。ちぇ」


 とっとと、犯行現場から去っていくルナちゃん。


ヒロシ「うう…痛い…痛いよ…うう、おかあさん…うっうう…げふっ」



 事切れるヒロシ。



 
ルナちゃん「…あら、なにもおこんない。ちぇ」


 とっとと、犯行現場から去っていくルナちゃん。


ヒロシ「うう…痛い…痛いよ…うう、おかあさん…うっうう…げふっ」



 事切れるヒロシ。



 
ルナちゃん「…あら、なにもおこんない。ちぇ」


 とっとと、犯行現場から去っていくルナちゃん。


ヒロシ「うう…痛い…痛いよ…うう、おかあさん…うっうう…げふっ」



 事切れるヒロシ。



 
ルナちゃん「…あら、なにもおこんない。ちぇ」


 とっとと、犯行現場から去っていくルナちゃん。


ヒロシ「うう…痛い…痛いよ…うう、おかあさん…うっうう…げふっ」



 事切れるヒロシ。




 
ルナちゃん「…あら、なにもおこんない。ちぇ」


 とっとと、犯行現場から去っていくルナちゃん。


ヒロシ「うう…痛い…痛いよ…うう、おかあさん…うっうう…げふっ」



 事切れるヒロシ。



 以下、省略。



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「気づいて! 小さなあたしの小さな想い」の巻
ナウマン象「俺様は今日から法王だ」


ヒロシ「はい、そうですか」


ナウマン象「法王となったからには、最近微笑町に蔓延し、多くの命を奪っているペストの原因を絶たねばならぬ」


金歯「その原因とはなんでおじゃるですか?」


ナウマン象「ズバリ、魔女だ。魔女どもが呪いの魔法で色々やっているに違いない。いいか貴様ら。魔女っぽいやつがいたら俺に知らせろ」


大脳「はい、我が偉大なる法王閣下!」


ナウマン象「なんだ、大脳」


大脳「ヒロシのやつ、一昨年くらいから気色悪い生き物とよく歩いているでヤンス。あれは使い魔というものじゃないでヤンスかね」


ヒロシ「え?」


ルナちゃん「そういえば、使い魔と一緒にいるようになって以降、ヒロシさん……いいえ、魔女は空を飛んだり、死んでも生き返ったりと色々と不思議なことをしていたわ」


ヒロシ「え? え?」


ナウマン象「そうか。ヒロシ。貴様が魔女だったのか」


ヒロシ「ちがいます。みんな何言ってんの!? アレは使い魔じゃなくて、未来の世界のお友達。魔法じゃなくて機密道具」


ナウマン象「便利すぎる道具は魔法と変わらない。貴様は魔女認定。懺悔してもらうぞ」


ヒロシ「そ、そんな。じゃあ僕は、中世ヨーロッパばりのグログロな方法で処刑っすか!?」


ナウマン象「心配するな。俺様は昔のような野蛮なやり方はせん。ただ、卒業までクラスのみんなが妙によそよそしくなったり、クラスでなにか物がなくなった時にみんなでヒロシのほうをじろじろ見たり、回覧板はいつもヒロシの家をスルーされたりするだけだ。火事と葬式の時だけしか、関わりを持たれないようになるだけだ」


ヒロシ「ワ! 町ぐるみ!」


金歯「しっかしヒロシが魔女だったとはでおじゃる」


ルナちゃん「恐ろしいわ~。呪われないように、覇星魔邪王神ギングデズヴァブアヴズ様に祈りをささげて加護を受けないと」


ヒロシ「いま、そこの女が邪神っぽいのを崇拝しているって自供してましたよ!? 濁音いっぱいで、あきらかに邪神ですよ!?」


ナウマン象「(無視)みんなでサッカーしようぜー」




ヒロシ「というような、鬼のように屈辱的な出来事があったワケなんだ。ほんと、この町の愚民どもは僕の気持ちを理解しようとしない」


マルぼん「たしかに魔女扱いはひどいよね」


ヒロシ「そうさ。僕がやっていたのは微笑町の平和を願う祈祷なのに。たしかにカエルやトカゲの死体を鍋で煮てスープを作ったりしたけれどもさ!」


マルぼん「……」


ヒロシ「でさ、こんな僕のやさしい気持ちをさ、生きる価値のない愚民どもにわからせる機密道具ないかな」


マルぼん「ん…あるよ。はい『気餅』。この餅に、君の爪とか髪の毛を混ぜる。その餅を食べた人は、君と意識を共有し、気持ちもわかるようになるんだ」


ヒロシ「なに、その2月14日にアイドル事務所に送られてくる大量の手作りチョコレート(当然破棄)みたいな機密道具。本当に効果あるの?」


マルぼん「あるよ。ここにマルぼんの身体の一部をいれた『気餅』があるから食してみなよ」


ヒロシ「一部。体のどこよ」


マルぼん「安心してよ。マルぼんは切断してもすぐ生えてくるから」


ヒロシ「気持ち悪いからいらねえ。『気餅』なんて」


マルぼん「いいから食えって。さぁ食えって」


ヒロシ「だからいらねえって」


マルぼん「わかんねえやつだなっ。とりゃ、餓鬼化光線銃!!!!」


 餓鬼化光線銃から放たれる光線を浴びたものは、腹が減って仕方がなくなるんだよ、お兄ちゃん!
ヒロシ「ぎゃあああああ! おーなーかーがーへったようー! …ワ! とてもおいしそうなお餅! いただきまっす! モグモグ。え…なに、この気持ち」


マルぼん「その『気餅』にはマルぼんの体の一部が混入されているから、今、ヒロシくんはマルぼんと同じ気持ちになっているのさ。で、どんな気持ちよ?」


ヒロシ「僕は…自分と言う人間が憎い…いつもいつも機密道具をねだりやがって…!」


マルぼん「そうそう」


ヒロシ「なんで…なんで家賃なんて払わなきゃいけないんだ。光熱費を払っている『少し不思議な同居人』って、マルぼんくらいじゃないのか…!」


マルぼん「そうそう」


ヒロシ「ヒロシ死ね。ヒロシ息を引き取れ」


マルぼん「そうそう」


ヒロシ「そうだ。いっそのこと滅ぼしちまうか。ヒロシごとこの世界を」


マルぼん「え」


ヒロシ「世界うぜえ。地球人超うぜえ。よっし。滅ぼそう」


マルぼん「え」


ヒロシ「なぁに。簡単さ、簡単。あの国のあの人を軽く洗脳してあれを一斉発射すれば、あとは焼け野原という名のパラダイス」


マルぼん「なにその思考。え、マルぼんってば心の奥にそんな願望が!?」


ヒロシ「とりあえず、機密道具を悪用しまくって資金調達!」


 ヒロシを鈍器を使用した暴力で眠らしたマルぼんですが、寝るときは自分で自分の体を紐でしばったり、精神科医に相談に行ったりするようになりました。この世で一番信用できないのは自分です(次点は大沼ヒロシ)


『気餅』の絶大な効果を確認したマルぼんとヒロシは、ヒロシの毛を混入した『気餅』を「これでもかこれでもかこの口か!」と言いたくなるほど大量生産しました。おいしくなあれおいしくなあれと、願を込めながらひとつひとつ丁寧に作り上げました。こいつをあの合法犯罪者ことナウマン象に食わせて、ヒロシの味わった恐怖屈辱憎しみ切ない恋心などをじっくりと堪能していただき、改心してこの世から消えてもらおうという寸法です。


 マルぼんたちは、炊き出しボランティアを装い、ナウマン象が仲間と共に永住の場として不法占拠している市立ドッペルゲンガー公園へと向かいました。炊き出しと称して、ナウマン象に『気餅』を食わせるという作戦です。


ヒロシ「炊き出しですー配給ですー」


公園人A「餅じゃ…餅なんじゃ」


公園人B「正月じゃ正月じゃ遅めの正月がきよった」


ナウマン象「ウンマーイ!」


ヒロシ(よし、食べやがった!)


ナウマン象「うう。なんか変な気分だ。暗くて…心が押しつぶされそうだ」


ヒロシ(ふふふ。そいつが僕が貴様のせいで堪能するハメになった、恐怖屈辱憎しみという負の感情さー)


ナウマン象「死ぬ死んじゃうーもう我慢できないー」


ヒロシ「けけけ」


ナウマン象「自白します。国宝指定されている微笑町の寺に火を放ったのは僕です!」


ヒロシ「!? それは、僕が心の奥に隠して隠して隠しまくった、あの夏の日の思い出! なぜナウマン象が!!?」


ナウマン象「動機は美への嫉妬ですー」


ヒロシ「同じ意識になるから、当然秘密もわかっちゃうわけだな。ナウマン象の感じていた負の感情は、恐怖とかじゃなくて罪の意識だった模様」


公園人A「犯人は僕こと大沼ヒロシです」


公園人B「犯人は僕こと大沼ヒロシです」


ナウマン象「どさくさにまぎれて仏像盗んだのも、僕こと大沼ヒロシですー!!」


通りすがりのポリスメン「詳しい話、聞きたいな」


『気餅』の効果は絶大なようです。




※ヒロシは死刑になりました。

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「マルぼんとヒロシの責任逃れ」の巻
マルぼん「見ろよ。サラリーマンが庭の木で首を吊ってるぜ」


ヒロシ「このご時世だ。しんどいことがあったんだろう。死なせてやろうよ。それがやさしさってもんだよ」


サラリーマン「たすけてー! 実はおいら、構ってほしいだけでホントは死にたくないんだよー」


ヒロシ「仕方ない。尊い命を救ってやるか。この手で! この腕で!! この足で!!!」


(ヒロシたちがサラリーマンを救出しているシーンの挿入歌:「救急戦隊ゴーゴーファイブ」)


 助けてみると、サラリーマンは隣人の田中さんでした。あと、諸事情により、ここからマルぼんとヒロシのセリフはエセ関西弁でお送りいたします。(いたしまーす。ドン!)


マルぼん「なんちゃって自殺とはいえ、なぜ自分の命を粗末にしようとしたんや。たしかキミ、美人の嫁さんもろて、先月、かわいいかわいいベビーも誕生したはずやろ、たしか、ブライアンいうたか、名前」


ヒロシ「会社では出世したって聞いたで。順風満帆な人生やないか。なんで死のうとするのや」


田中さん「その出世が原因なのです。出世して給料はあがったけれど、その分、責任が重くなって。その重圧に耐えられんのです。むっはー!!」


マルぼん「すべての責任から逃れられるようになる薬を処方したるわ」


田中さん「感謝感激あめあられ!!」


 翌日、17時すぎ。マルぼんとヒロシが町を徘徊していると、田中さんと遭遇。


田中さん「おかげさまで地位はそのままに、色々な責任から逃れられることとなりました!今日なんて、定時で退社できたんです! 出世してから初めてですよ! これで、ワイフやブライアン坊やと過ごす時間も増える。ありがとうございます! 是非ともお礼を!」


ヒロシ「礼はええて。その笑顔がなによりの報酬や。それよりはよ帰って、ブライアン坊やの笑顔に癒されえな」


マルぼん「あんさんの笑顔を思い出すだけでな、旨い酒が飲めるわ」


(5年後、酒の飲みすぎが原因による肝硬変で、マルぼん死去。享年58歳)


田中さん「まじでありがとうございます。それじゃ!」


愛するワイフやブライアン坊やと楽しく過ごせると、ウキウキドッキンドッキンしながら帰宅した田中さん。しかし、彼がそこで見たものは!!


(『火曜サスペンス劇場』のジングル)


 美しかった黒髪が真っ白になっちまっているワイフの姿っ。


田中さん「무슨 일이 있었나요?」


ワイフ「ちゃうねん。びっくりしてん。ブライアン坊やが、急に成長してん!」


田中「나는 믿을 수 없습니다!」


 しかしそれはまぎれもない事実っ。真実っ。くさった果実っ。2人の前には、屈強な成人男性が。生まれたままの姿の成人男性がっ!


 なぜ生まれたままの姿かと申しますと、別に卑猥な理由があるわけではなくて、なんといいますか、いきなり大きくなったから着ていたベビー服とか破いちゃったからなんです。ほ、ほんとなんだからねっ。別にエッチな理由なんてないんだからっ。な、なによニヤニヤして! アンタ、信じてないでしょ! ちょ、なによ、近づきすぎよ。ちょ、やめ、ん……! んんー!?


田中「見たことのない成人男性だが、この面影は、たしかにブライアン坊やだっ」


ブライアン「ダディ。マミィ。サンキュー。いままで本当にサンキュー。ミーはご覧のとおり、立派に成人しました。もう、ダディとマミィにお世話になることもないのです。これからは、この身一つで生きていくでござる。神に会うては神を斬り、仏に会うては仏を斬りをモットーに、明るい笑いを振りまいて、恋に友情にはりきる所存でござる。それでは、ミーは家をでるでござる。いざ出陣。戦場の名は人生っ」


ワイフ「待って! 待っておくれ、ブライアン坊や。私のかわいいブライアン坊や!」


田中さん「待つんだブライアン坊や。待ちなさい」


ブライアン「もう、ミーは、坊やでは、ありません、ので、おさらばで、ございます」


 ブライアン坊やは、いや、ミスターブライアンは、外へと飛び出していきました。生まれたままの姿で。その瞬間、銃撃音。微笑町ではわいせつ物陳列罪は、その場で処刑オッケー♪ な重罪なのです。ライフル協会が強い力を持つ微笑町では、笑顔と同じくらい銃があふれているので、すなわちわいせつ物陳列座位=即射殺の危険性高し。


田中さん「ブライアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!」


 こうして


 またひとつ


 命が星になりました。


 尊い命が天へと還りました。


 地球よりも重いといわれている命が。


 命を慈しむ心と手をもちながら、

 
 人はなぜ命を奪うのか?


 人はなぜ悲しみを生み出し続けるのか?


 人はなぜ笑顔の尊さを簡単に忘れることができるのか?


 わかるかなぁ~わかんねぇだろうなぁ~


 ヘヘェ〜イ、シャバダバダディ〜、イェーイ。


 俺が昔、夕焼けだった頃、弟は小焼けだった。お袋は霜焼けで、親父は胸やけだった。


 わっかるかな~ わっかんねぇだろうなぁ
 
 
 すべての責任から逃れられるようになる薬は、田中さんを「親の責任」からも解放したのでした。
人間、ある程度の責任を負っていたのほうがいいのやもしれませんね。ようわからんけどね。

 

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「恋人たちへ……」の巻
 闇市コメコさん(19歳。アイドル。独身)は、自宅でチョコレートを溶かしています。恋人の穂戸堀サメ彦さん(54歳。時代劇俳優。既婚者)にあげるチョコレートを作っているんです。


闇市コメコ「サメ彦さん、喜んでくれるかなぁ」


サメ彦さん「お、おいコメコ」


闇市コメコ「あ、ダーリン!」


サメ彦さん「こまるよ。あんな、あんなラブレターを家に送ってこられたら! 妻に見られでもしたら」


(中略)


闇市コメコ「なによ、なによ! あたしに飽きたのなら、正直にそういいなさいよ! なにさ、なにさ。あたしバカみたい。こんなチョコレートなんて作ってさ! 」


 溶けたチョコレートの入った容器をもったまま、暴れ始める闇市コメコさん。


サメ彦さん「落ち着けよ、おい、落ち着け」


闇市コメコ「これが落ちついていられるものですか! むきー!」


サメ彦さん「やめろ、やめろ、痛っ! こら、ひっかくんじゃない……やめろ!」


闇市コメコ「きゃあ!」


 サメ彦さんにふっとばされた闇市コメコさん、壁にぶつかってしまいます。持っていた容器からチョコレートがこぼれ、闇市コメコさんはチョコまみれに。チョコまみれの闇市コメコさん、微動だにしません。


サメ彦さん「ああ、大丈夫か!? おい、おい、しっかりしろ……し、死んでる!」


 その後、色々あってサメ彦さんは、闇市コメコさんの遺体に大量の鉄アレイをくくりつけ、微笑町近郊の海に沈めました。


サメ彦さん「この辺は魚が多い。魚は人の死体を食うというが、やはりコメコの遺体も喰うのだろうか。コメコの体についたチョコレートも食べるのかな。あははは。世の男性諸君が、喉から手がでるほど欲しがるアイドルの手作りチョコを、よりにもよって魚が食べるとはな。アハハハハハ。ハ、ハハハ………うううう……ちくしょう。ちくしょう」

 
数日後。


ママさん「ごはんよー。今日は焼き魚ー。なんと、微笑町近郊の海でとれた魚よー」


マルぼん「いただきますー」


ヒロシ「なぁ、マルぼん。この前の機密道具だけどさ」


マルぼん「機密道具? ああ、『夢をかなえロウ』のことか」


『夢をかなえロウ』は、ロウソクのような機密道具。このロウソクに火をつけて、ロウソクが溶けきるまでの間、ひたすらに『夢よかなえ。夢よかなえ』と念じれば、必ず願いがかないます。なんらかの形でかないます。


ヒロシ「役に立たなかったね。僕の夢はかなわなかったよ」


マルぼん「願う心が足りなかったんだよ。願う心が強ければ強いほど、より分かりやすい形で願いがかなう。願い心が足りなければ、分かりにくい形で願いがかなうの。でも、かならず願いはかなうから、安心しろよ」


ヒロシ「本当かね。全然手に入る気配がないよ、アイドルの闇市コメコの手作りチョコ。バレンタインもとっくにすぎたし」


マルぼん「キミの願いは、『カケラでもいいから、アイドルの闇市コメコが作ったチョコレートを食べたい』だったね」


ヒロシ「おや?」


マルぼん「どうしたんだい?」


ヒロシ「この魚ね、なんか、一瞬味が変わったんだ。ほろ苦いような、甘いような、そんな味」



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「今年もチョコをくれたのは保険の外交員のおばさんだけ」の巻
 なななななんと、ルナちゃんがヒロシにチョコをプレゼント。


 チョコには次のような手紙が同封されていました。


『私を愛しているのなら、私の目の前でこのチョコを食してください。このチョコには、1滴で象を56頭地獄送りにできる毒が混入されています。私の目の前で、このチョコを食べて生き残ってください。生き残れたら、それは愛の力です。私を愛しているという証拠です』


 ためしにチョコの破片を溝に投げ捨ててみると、水が変色し、棲んでいた生き物が死に絶えました。


マルぼん「いっつも思うんだけど、あの女、狂っているよね」


ヒロシ「僕、食う。ルナちゃんの目の前で、このチョコを、喰う!」


マルぼん「マジか!?」


ヒロシ「でも死ぬのはいやだよう! マルぼん、毒を飲んでもピンピンと、なにごともなかったかのように生きていける機密道具をだして~!!」


マルぼん「『先お栗』!」


『先お栗』。たとえば、
この栗を食べた人が包丁で刺された時、刺された瞬間は痛みもなければ傷もなく、身体へのダメージもない。
時間が経過すると痛くなり、傷ができる。身体もダメージを受ける。


マルぼん「ようするに、この栗を食べた人はあらゆることが先送りになるんだ。それがたとえダメージだとしても」


ヒロシ「先送りされるとはいえ、結局ダメージは受けるんだろ! 毒の効果もでる! 意味ないじゃん! このバカ!」


マルぼん「馬鹿とハサミは使いようさ。『先お栗』の効果は1個につき1日先送りなの」


ヒロシ「?」


マルぼん「『先お栗』を1個食べた人が殴られたとき、体に殴られた影響がでるのは1日後。『先お栗』を365個食べた人が殴られたとき、体に殴られた影響がでるのは365日後。『先お栗』を3650個食べた人が殴られたとき、
体に殴られた影響がでるのは3650日後。『先お栗』を36500個食べた人が殴られたとき、体に殴られた影響ができるのを36500日後。だいたい100年後だ。100年後、キミは生きている自信があるか?」


ヒロシ「そ、そうか。『先お栗』を馬鹿みたいに食べて、影響がでるのを、自分が既に故人となっているような途方もない未来にすれば、影響がでようがでまいが、死んでいるからどうでもいいってことだね!」


 結局、ヒロシは365000個の『先お栗』を食べました。


ヒロシ「これで毒チョコを食っても、毒の影響がでるのは1000年後! チョコを食った瞬間に死なないで住む! ルナちゃんも、僕の愛の深さを思い知るんだ! ちょっくら、ルナちゃんとこへ行ってくる!」


 ルナちゃんの前で毒チョコ『象殺し』を食して愛を示すべく、ヒロシは出立しました。


 その後、マルぼんはみらいのせかいの雑誌を読んでいたのですが、気になる広告が。それは、みらいのせかいの機密道具メーカーの広告だったのですが。


広告『弊社製品の「先お栗」に不具合が発見されました。
「先お栗」を一度に複数食した場合、「先お栗」の物事を先送りにする効果自体が
先送りにされてしまうのです。場合によっては命の危機(後略)』


 病院から電話があったのは、間もなくのことでした。




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「あんな時代もあったね、と」の巻
 ヒロシらの通う微笑小学校では給食費を滞納したり、校則に反する行いをしたりした生徒には、学校の裏山にある鉱山や、町の特権階級の墓建設の現場での強制労働というお仕置きが与えられます。これらの強制労働に従事することになった生徒は、左腕に罰を受けた証である彫り物をされ、番号で呼ばれることになります。


 2月4日。学校の裏山にある鉱山。かつて大沼ヒロシと呼ばれていた777番と、ナウマン象と呼ばれていた666番と、金歯と呼ばれていた444番は『土を掘って、邪魔な岩を取り出し、それを外まで運んで捨てる』という強制労働をさせられていました。『朝礼での校長の話は長い』と話しているところを見つかり、校則第99条『教師ノ悪口ヲ禁ズ』に違反した3人がここへ送られて1カ月。3人は身も心もボロボロになっていました。


666番「うへえ。もう俺様、土なんて掘れないぞ。ツルハシもシャベルも道具はひとつも貸してもらえないし」


444番「しかたなく手で掘ったせいで、爪がはがれてえらいことになっているでおじゃる」


777番「あ、そういえば。ここに送られる前、マルぼんが機密道具を貸してくれたんだ、『万能スコップ岩砕き』。たとえどんな硬いところでも、巨大な豆腐を掘るかのようにたやすく、体に負担をかけることなく掘る事ができるスコップ! どんな場所でもどんなものでも掘る事ができる」


666番「おお、ちょうど3人分ある。これでかなり楽できるんじゃねえか!」


444番「これは嬉しい不意打ちでおじゃる!」


 さっそく『万能スコップ岩砕き』で採掘作業を続ける3人。効果は絶大であり、おもしろいように掘れていきます。


666番「おい、なんかに岩が微妙に変わってきてねえか。今までの岩とは違う……ってこれは」


444番「これは、新しい鉱脈でおじゃる! 新しい鉱脈にぶち当たったのでおじゃるよ! 大発見でおじゃる! 大手柄でおじゃる! 即刻ここから解放されるでおじゃるよ! それどころか、恩賞をいただけるかも」


777番「もっともっと掘りまくろう! そして、たくさんの恩賞をわれらの手に!」


444番&666番「おうよ!」


 そして調子に乗って掘りまくる3人。掘りすぎて落盤事故が起きるのはこれから30分後のこと。生き埋めになった777番と666番と444番の生存が絶望視されるのは3日後のこと。慰霊碑が建立され、学校主催の慰霊祭が行われるのは1年後のこと。777番の死亡が認定されて保険金が下りるのは7年後のこと。マルぼんは、土も、岩も、墓穴も、ありとあらゆるものを掘ることができる『万能スコップ岩砕き』の効果は絶大だと思いました。



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「微笑町シンデレラ」の巻
ママさん「アタシ、アタシ……歌手になる!」


 突然の歌手宣言から5年。家族に見守られながら特訓に特訓を重ねたママさんの歌唱力は「え、なにこれ、キモッ」と言いたくなるくらい上達。ついに町内の歌謡祭に出場することに。この歌謡祭でグランプリに輝けば、プロへの道が約束されています。


ママさん「うわぁ。会場にはたくさんのお客さんが来ているわ。多すぎて、まるで川岸にあるでかい石をひっくり返したら裏にビッシリついている無数の虫みたい。緊張するわぁ」


ヒロシ「緊張したら、練習の成果をだすことはできないよ、母さん」


ヒロ子「そうよ、川岸にあるでかい石をひっくり返したら裏にビッシリついている無数の虫のような客どもなんて、すでに全員事切れていて、死体だと思えばいいのよ。え? 死体じゃまずい? それなら、野菜とでも思えばいいの。生きていないものだと思えばいいのよ」


マルぼん「はいはいー機密道具の出番ですー『ベジタブルコンタクト』。このコンタクトをつければ、人間が全て野菜に見えて緊張しなくなるんですよー」


ママさん「ンマー! 素敵な機密道具!」


 ママさんは『ベジタブルコンタクト』をつけて舞台へ。緊張しなかったおかげか、ママさんは練習の成果を見事発揮。
グランプリに輝いたのです!


司会「おめでとうございます、大沼うどん子さん!」


ママさん「いやーありがとうございます、ありがとうございますー」


ヒロシ「やったぜ! やったぜ母さん!」


ヒロ子「すごいわ、すごいわ!」


ママさん「ヒロシ、ありが……」


 舞台袖から見ていたヒロシとヒロ子が、感極まり、ママさんに駆け寄ります。ところがママさん、駆け寄ってきたヒロシにドロップキック! 口から見たこともない液体を吐きながら吹っ飛んでいくヒロシ。


司会「な。なにをするんです! 誰か止めて!」


ママさん「ピーマン嫌い、ピーマン嫌いなのう!」


 幼いころ、ピーマンを神と称える一族の末裔である両親から「しねやしねやピーマンのためにしねやしねやピーマンのために」と厳しくしつけられていたママさんは、そのトラウマから、ピーマンを見ると無意識に破壊してしまうのです。マルぼん、何度スーパーの野菜売り場で暴れだして売り物のピーマンを破壊したママさんを引きとりに行ったことか。何度謝ったことか。何度弁償したことか。


『ベジタブルコンタクト』の力でヒロシがピーマンに見えてしまったママさんは、しつようにヒロシを攻撃。


司会「止むをえん、警備員さん、やつを射殺してえ!」


 警備員さんたち、一斉射撃。ママさんは『ベジタブルコンタクト』なしでもトマト(つぶれたやつ)に見えるようになってしまいましたとさ。完。



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「夢」の巻
 ヒロシが泣きながら帰ってきました。マルぼんが事情を聞いてみると、いけ好かない金持ちクソ野郎の金歯の自慢で自尊心を傷つけられたとのこと。


 今回、金歯に自慢されたのは超高級ハンカチだそうです。それもそんじょそこらの超高級ハンカチではなく、日本各地の職人を総動員して『世界的に超有名な例のキャラ』のアップリケを刺繍したという逸品。その価格も、飢餓難民を億単位で助ける事ができるほどの価格だとか。


 ヒロシが「僕も職人の技術を無駄遣いした高級ハンカチが欲しい」とか言い出すと読んだマルぼんは、職人動員用の『どんなにプライドの高い人間でも犬のよう尻尾を振り、ヨダレを流しながら自ら命令を乞うようになる機密道具』を用意しよとしたんですが、ヒロシはなぜかそれを止めてきました。


ヒロシ「人のものを欲しがってばかりいても仕方ないさ。僕は僕。金歯は金歯」


 どうやらヒロシは精神的に成長を遂げていたようです。少しさみしいマルぼん。


ヒロシ「そのかわり復讐しようと思うから、法に触れないで方法で心と体に一生消えない傷負わせる機密道具だして!」


 どうやらヒロシは精神的に歪んでいただけのようです。少しうれしいマルぼん。


 金歯の超高級ハンカチに嫉妬したヒロシは、金歯に酷い仕打ちをしてくれとマルぼんに頼み込んできました。凝った作戦を考えるのがダルくて仕方がないマルぼんは「モアイ像に金歯の名前を刻んで国際問題」とか「金歯家専用貯水池に廃車を大量に沈める(干ばつ時に気づいてショック)」とか「いっそのこと拉致監禁」とか簡単な方法を考えたんですが、ヒロシは「ハンカチが絡んだ方法じゃないと御免こうむる!」と大反対。


 マルぼんは色々考えたんですが、よい案も適した機密道具も思い浮かびません。そんな感じで悩んでいるとネットで気になるニュースを拾いました。


「小児病棟で闘病する子供たちを不憫に思ったある画家が、病室の壁に子供たちの大好きな『世界的に超有名な例のキャラ』とその仲間のキャラクターの絵を描いてあげたら子供たちが大喜びで、回復も早くなった。その話を聞いた『世界的に超有名な例のキャラ』の著作権を持つ会社は『悪質な著作権侵害』と画家と病院を相手取り、1億3千万円の損害賠償を請求」


 金歯の超高級ハンカチにもこの「世界的に超有名な例のキャラ」が刺繍されていることを思い出したマルぼんは「これだ!」と思いました。手作りハンカチの刺繍では、おそらく許可ナシのハズ。


 マルぼんはさっそく「どんな人であろうが団体であろうが必ず電話が繋がり、相手に必要以上に用件が伝わる(「『足を擦りむいた』と連絡したら『切断した』と伝わる」「『手を合わした』と連絡したら『怪しげなカルト宗教に入信し、霞ヶ関で細菌テロ実行』と伝わる」)機密道具」を駆使して、『世界的に超有名な例のキャラ』の著作権を持つ会社に「おたくの『世界的に超有名な例のキャラ』を無断使用してハンカチを売りさばこうとしている人がいるよ。子供たちの夢を壊さないで!」とデマ通報。こうして金歯は「世界的に超有名な例のキャラ」の著作権を持つ会社に訴えられて、72億4千万円の損害賠償を命じられた上にハンカチも処分されたのでした。


 しばらくすると、マルぼんとヒロシの仕業だと気づいた金歯が怒鳴り込んできました。


金歯「貴様等のせいで父上に30分間くらいお説教されて、さらには3日間おやつ抜きの刑だ! この借りは絶対返すかでおじゃるからな!」


 こちらとしては無邪気な無邪気なまるで妖精さんのイタズラのような感覚だったのですが、金歯はひどく傷ついたようです。金歯はマルぼんたちに宣戦布告すると、帰っていきました。


 その後、マルぼんが家でだらけていると、金歯が背広姿の一団を引き連れてやってきました。


金歯「こちら『世界的に超有名な例のキャラ』の著作権を持つ会社の日本支部の偉い人。そちらは顧問弁護士さん」


『世界的に超有名な例のキャラ』の著作権を持つ会社。自分を陥れるのに使われた会社を引き連れて、金歯はいったいどういうつもりなのでしょう。マルぼんは、金歯の意図が読めませんでした。


偉い人「ハハッ! この度、金歯コンツェルンの全面協力で、完全新作アニメを作ることになったのですよ。あ、こちら企画書とキャラデザインです」


 世界各地の童話や日本のアニメを勝手に元ネタにするのが得意なこの会社が完全オリジナルとはめずらしい、とマルぼんは遠慮なく企画書とキャラデザインを拝見しました。


ある日、なんの長所もない少年の元に未来から素敵な友達がやってきた。彼は素敵な機密道具で少年のピンチを度々救う


 キャラデザ。『なんの長所もない少年』はヒロシに、『未来からきた素敵な友達』はマルぼんにそっくりでした。


偉い人「ハハッ! ご覧の通り、あなた方の存在は私どもの新作とそっくりです。これは悪質な著作権の侵害ですね。
損害賠償を請求します。それにあなた方は言ったら悪いですが、社会の片隅に沸いて出たクズみたいな存在ですから、私どものアニメに悪影響を与えかねません。とっとと人のいないところへ移住してください。この件は裁判所も了承済みです」


弁護士「こちら請求額です。それからこちらは退去期日。この日までに人々の目の前から消えなければ、『世界的に超有名なネズミキャラ』の著作権を持つ会社の私兵「ドリーム・オブ・ユー」が容赦なくあなた方を射殺しますので」


「金持ち敵にまわすと怖いぜ」とニタニタ笑う金歯。


 金歯の諸葛亮なみの謀略により、『世界的に超有名な例のキャラ』の著作権を持つ会社を敵にまわしてしまった
マルぼんとヒロシ。多額の金銭を要求されるも支払能力などカケラもない上に、「子供の夢に悪影響を与える」「死に値する著作権違反」として命を狙われることになり、俺たちに明日はないとばかりに逃亡開始ですよ。


 逃亡生活は長くに渡り、その間様々な事件がありました。家から持ち出した金で整形してホステスになったり。和菓子屋の後妻に納まって店を繁盛させてみたり。戯れに家に「捕まったりしないわ」と電話したら録音されていて「未解決事件を追え!」系の番組で公開されてみたり。それを観ていた勤め先の上司に「おまえ、この犯人とちがうんか」と言われてみたり。馴染みの酒場で使ったマラカスに付着した指紋でアシがついたり。


 そんなこんなの逃亡生活でマルぼんの精神状況は悪くなる一方。次第に妖精とかそんなのが見えるようになってきたので、マルぼんは「もう、森とかで動物に囲まれて静かに暮らそうよ」と今回の逃亡を仕切るヒロシに提案したのですか、ヒロシは「木を隠すなら森の中。人を隠すなら人の中さ」と拒否。


「木を隠すなら森の中」。その言葉を聞いた時、マルぼんはあることを思いついたのです。木を隠すなら森の中。人を隠すなら人の中。著作権法違反を隠すなら著作権法違反!


 マルぼんは早速、世界中の人に『世界的に超有名なネズミキャラ』を無断使用させるべく、ラジオを利用して洗脳電波を垂れ流しました。


「木を隠すなら森の中。人を隠すなら人の中。著作権法違反を隠すなら著作権法違反!」というワケで、マルぼんは世界各地で同時多発『世界的に超有名な例のキャラ』の著作権侵害を引き起こして『世界的に超有名な例の(略)』の著作権を持つ会社の魔の手を逃れる作戦を思いき、それを実行すべくラジオを利用して『世界的に超有名な(略)』を無断使用したくなる特殊な電波を撒き散らしたのでした。


 電波撒き散らしは成功し、世界各地で『世界的に(略)』の著作権を侵害する事件が勃発。世界の自営業者の3分の2が自分の店のシャッターに『世界的(略)』の絵を無断使用。世界のお菓子メーカーの5分の2が自社の新製品のマスコットキャラに『世界(略)』を無断使用。『せか(略)』の著作権を持つ会社のキャラクターが一同に会するテーマパーク「東京『せ(略)』ランド」は、近隣住民から「毎晩毎晩花火を使うので眠られずにノイローゼになった」と被害者の会が結成されて裁判沙汰。


「これで連中もマルぼんたちに構っている暇はないだろう」とマルぼんたちは一安心。ところが、その認識が甘いとマルぼんたちは光の速さで思い知らされることになったのです。


『(略)』の著作権を持つ会社は、「相談料1時間7万円」のハイパー弁護士で構成された顧問弁護士団を駆使し、
恐るべきスピードで著作権侵害者たちを片付けていったのです。


 捕らえられ、『私たちは子供の夢を壊した醜悪なドリームハンターです』と書かれた木の板を首から吊り下げることを強要され素っ裸で市中を引き回され、「教育に悪い!」「夢を忘れた古い地球人め!」「中に人なんていないわ! そう、いるはずないんだー!」「あれは花火じゃなくて魔法!『(略)だけでは能がないので、ここで小噺を。昔、ある所におばあさんがいましたが、いじわるな嫁の謀略で毒を』マジックよ!」と住民たちに石を投げられる著作権侵害者たち。


ヒロシ「ひ、ひでえ! いったいなにがきっかけかわかないけど、やりすぎた! そんなに夢が大切か!?」


 悲惨な光景を前に、正義に燃えるヒロシ。今回の事件の元凶がどこのどなたなのかをきっちりと、ヘタしたら無形文化財認定されてもおかしくないくらいの勢いで脳内消去しているのは仕様です。


ヒロシ「ねえマルぼん! こうなったら、世界を夢でいっぱいにしてやろう!


 連中の大好きな夢で満たしてしまおう!」


 マルぼんが寝ていると『世界的に超有名な例のキャラ』が泣きながら部屋に飛び込んできて、甲高い声で「ナウマン象に暴力をふるわれた!」と叫びながら、泣きついて来ました。この『世界的に超有名な例のキャラ』は実はヒロシです。


 駅前を歩いていたら、『世界的に超有名な例のキャラ』が甲高い声で「体のよくなる羽毛布団があるんだけど」と言いながら、気の弱そうなおじいさんの手を握っていました。この『世界的に超有名な例のネズミキャラ』は実はルナちゃんです。


 昨日、ヒロシの「世界を夢で満たしてしまえ!」という言葉を聞いて、マルぼんは世界を『世界的に超有名な例のキャラ』の著作権を持つ会社の理想とする『夢』の世界にすることにしたのです。ようするに、世界中の人を『世界的に超有名な例のキャラ』にすることにしたのです。マルぼんは機密道具を駆使して、世界中のダムや貯水池の薬品を混ぜるなどして、夢の世界の実現に成功。


 さすがの『世界的に超有名な例のキャラ』の著作権を持つ会社も、自分たちを含めて世界中の人が『世界的に超有名な例のキャラ』になってしまったら、著作権を盾にすることもできず、マルぼんたちに手を出すことができなくなりました。


 さらにこの夢の世界には嬉しい副作用もありました。みんながみんな、愛らしい『世界的に超有名な例のキャラ』の姿になったので、最近世を騒がす陰惨な事件も楽しげに見えるのです。


 たとえば、先ほどマルぼんの目の前で『世界的に超有名な例のキャラ(正体は27歳無職男性)』が『世界的に超有名な例のキャラ(正体は10歳女子小学生』を車に連れ込もうとしていましたが、加害者も被害者も『世界的に超有名な例のキャラ』なので、まるでアトラクションのようでほのぼのした光景でした。


 たとえば、先ほどマルぼん目の前で『世界的に超有名な例のキャラの集団(正体は市民団体)』が『世界的に超有名な例のキャラの集団の家(正体は世間を騒がしたカルトの支部)』に向かって罵声を浴びせかけていましたが、両方とも『世界的に超有名な例のキャラ』の姿なので、まるで、パレードのように見ていてワクワクする光景でした。


 たとえば、先ほどマルぼんの目の前で『世界的に超有名な例のキャラ(正体は43歳外国人男性)』が、怨恨から昔の恋人である『世界的に超有名な例のキャラ(買い物帰りの主婦32歳)』を人質に小学校に立て篭もり、最後は『世界的に超有名な例のキャラ集団(特殊部隊)』の一斉射撃でその命を散していましたが、みんな『世界的に超有名な例のキャラ』の姿なので、まるで、子供の大喜びお母様方も「教育にいい!」と大喜びの映画のような光景でした。


 災い転じてなんとやら、とはよく言ったものだとマルぼんは思いました。



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「インフルエンザかかってこいや! 加湿器に頼るヒロシ」の巻
ヒロシ「うー。どうも喉が痛いなぁ。部屋が乾燥しているからだろうか」


マルぼん「これでも使うか『みらいのせかいの加湿器』」


 加湿器のスイッチを入れるヒロシ。


ヒロシ「お。いい感じで部屋が湿ってきぞ」


ママさん「ごはんよー」


ヒロシ「へーい」


 今夜のメニューはカラアゲでした。


ヒロシ「うわーなぜだろう、いつもよりおいしいな」


ママさん「なんたって新鮮な鶏肉だから」


ヒロシ「そうなの?」


ママさん「クックをシめたの」


ヒロシ「!」


 クックは、ヒロシが縁日で買ってきて、ひよこの頃から育ててきた鶏です。


ヒロシ「ぼ、ぼく、ぼく…クックを…クックを」


ママさん「クック、おいしいね」


マルぼん「話をそらさないと…そ、それはそうと、もうすぐだね、家!」


ママさん「そうね」


 実は近々、大沼一家は引っ越す予定です。ママさんのお母様の援助で、新しい土地に家を新築することになったのです!


ママさん「丈夫な家になるわ。地震や台風にもびくともしない、丈夫な家」


ヒロシ「そうなんだ。すごいね」


ママさん「パパがね、『家族のためなら』と自ら人柱になってくれたの。新しい家は、家であるとともにパパの墓標でもあって」


 部屋だけでなく、話まで湿っぽくしてしまう『みらいのせかいの加湿器』の効果は絶大だとマルぼんは思いました。




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「さみしかったねヒロシくん」の巻
 マルぼんとヒロシが道を歩いていると、ナウマン象が中学生位の不良数人に囲まれていました。別に助ける義理はないので放置しようとしていたら、ナウマン象の親父がやってきて。


ナウマン象父「息子になにをするー!?」


ナウマン象「パパ!」


不良「あ? やる気がおっさん」


ナウマン象父「やるともさ! おりゃ!」


不良「ゲフッ」


 持っていた包丁で不良を刺殺したナウマン象父は、駆けつけた警官によって逮捕されてしまいました。「パパー!」と叫びながらパトカーにしがみ付くナウマン象。フフッ、まだまだ子供ですね



 何事もなかったかのようにマルぼんとヒロシが道を歩いていると、今度はルナちゃんが見知らぬ男性に話しかけていました。


ルナちゃん「あなたのために3分間祈らせてください。そうすれば血が綺麗になりなります」


見知らぬ男性「あ、急いでいるので……」


 ルナちゃんが引きとめようとしても逃げようとする男性。その男性を、どこからともなく現われたルナちゃんのお姉さんが引き止めます。


ルナちゃん姉「そんなこといわないで、ね。どこか喫茶店でも入ってゆっくり話しましょう。そうすれば、あっという間に幸せになれますよ?」


ルナちゃん「そう。お姉ちゃんの言うとおりです」


 2人によってどこかへ連れて行かれる男性。印鑑? 壺? やっぱ入信?もしかして出家?



 さらにマルぼんとヒロシが道を歩いていると、コンビニの前でゴミ箱を漁っている男がいました。しばらくすると男の近くにリムジンが止まり、窓から金歯とその母が顔を出しました。金歯は男を指さしながら言いました。


金歯「母君ぃ、あの珍妙な男が欲すぃ! ペットにしたいでおじゃるぅ」


金歯母「はいはい。わかっているわ。ボクちゃん」


 金歯母がなにか合図をすると、黒服の一団が現われ、男の口に強引に札束を押し込んだかと思うと、あっという間にリムジンの乗せてしまいました。



ヒロシ「家族っていいな。僕は母さんと2人暮しだから皆がうらやましいや」


 去り行くリムジンを見つめながら、ヒロシがポツリと呟きました。昨年、諸事情でヒロシのパパさんとママさんは離婚し、ヒロシは現在母子家庭なのです。気丈に振舞っているように見えても、ヒロシはまだ小学生。本当はさみしくて仕方なかったのでしょう。マルぼんは少し不憫に思いました。


マルぼん「さみしがるなよヒロシ。マルぼんだって、一緒に暮らしているじゃないか。言うなれば、マルぼんとヒロシは兄弟みたいなもんだよ」


ヒロシ「ごめんね、マルぼんに気を使わせてしまったみたいだね。マルぼんに兄弟になってもらわなくても僕は大丈夫。
マルぼんはマルぼんのままで、僕の部屋に住み着く居候のままでいいんだ。ずっとずっと、居候のままでいてくれていいんだよ。無理して僕の家族にならなくていいんだから。マルぼんという立派な居候がいて、僕は幸せに思うよ。これからもずっとずっと、マルぼんは居候なんだ」


 マルぼんにはヒロシが必死に見えましたが「きっとさみしいせいだ」と脳内で理由をつけました。


 さみしさが頂点に達したのか、ヒロシは登校途中の小学生に「僕のお母さんになって」と抱きついたり、幼稚園児と合法的に結婚できる方法考教えて」と学校のカウンセラーに相談したりと奇行が目立つようになり、マルぼんは例の如く機密道具を使ってなんとかすることにしました。


 なにかいい感じの機密道具はないかと未来デパートのカタログを見ていたら、『即席家族システム』というシステムがあるのを発見。未来デパートに欲しい家族とその人数・代金を送れば、近いうちに注文した通りの家族ができてしまうというミラクルなシステムです。このシステムを利用しようと考えたマルぼんはヒロシに要望を聞き、とりあえず「父」を注文しました。よくよく考えたら、マルぼんはどんな風に家族ができるのかわからないんですが、「どうせママさんが離婚したパパさんとヨリを戻すとかそんな感じだろう」と結論付けて、ヒロシと一緒に『その時』を待つことにしました。



 夕方。ママさんが、なぜか高校生くらいの金髪で仏頂面の柄の悪い少年を連れてパートから帰宅しました。「あれ? まちがって『お兄さん』を注文した?」とかマルぼんは一瞬思ったんですが、そうではありませんでした。


ママさん「この人、村泉マサキさん。出会い系サイトで知り合ったの。とっても誠実な人よ」


 ポケットに手を突っ込んで出そうともしなければ、挨拶をしようともしない『誠実な』マサキさんを家に居間に招きながら、ママさんは続けて言いました。


ママさん「ヒロシの新しいお父さんよ。これから一緒に暮らすから、ヒロシとマルぼんは別の部屋に移ってね。とりあえず物置」


『即席家族システム』の効果は絶大のようです。さすが未来デパート。


 数日後。マルぼんとヒロシ、今、物置で寝起きしています。


「趣味?」「苦行?」などと疑問を抱く方も多いでしょうが、深い事情があるのです。その事情はこのご時世ですから話せませんが「母親が出会い系サイトで知りあった男と再婚」「再婚相手は高校中退17歳無職」「しつけ」などいくつかのキーワードを書いておきますので、それで察してもらえたら幸いです。


「新しいお父さんてば、部屋の床にブルーシートも敷いてくれたんだ。水漏れしないようにって」


「車でパチンコ屋の駐車場に遊びに連れて行ってくれたんだ。無免許なのに。僕のことを考えてくれているんだよね」


「昨日の晩御飯、僕とマルぼんはおからしかおかずがなくて、お父さんはステーキを食べていたんだけど、これって、僕らが狂牛病にかからないように配慮してくれているんだよね」


「お母さんが『学校の教師は魔王の使いだから家で起こったことは話してはいけない』ってさ。知らなかったなぁ」



「さっき『近寄るなクソ餓鬼』って殴られたけど、しつけだって。子育てに熱心だよね」


 どうやら新しいパパさんができて嬉しい様子で、さきほどからヒロシはニコニコ顔で新パパさんとの「家族団欒」について話しています。


 このまま行ったらマスコミの取材に「ヒロシは容疑者になにをされてもニコニコしていました」とか「夜遅くに怒鳴り声がした」とか答える日も近そうだと思ったマルぼんは、『即席家族システム』のキャンセルすることを決意。そのことをヒロシに話したのですが。


ヒロシ「じゅあ、さっき僕が勝手に注文した『お姉ちゃん』もキャンセルなの?」


 『即席家族システム』で勝手に「お姉ちゃん」を注文していたヒロシ。同システムで注文した「お父さん」は「17歳無職」「出会い系サイト」「内縁の夫」「特技は『禁止されている場所で携帯を使用』」「間違った方向で
教育熱心」と大変危険な人物。


 ヒロシの「お姉さん誕生」が「新パパさんと前の彼女との間に子供がいた」→「それがお姉さん」なんて経緯だったら、ママさんが女のサガを剥き出しにするなりして、まちがいなく家庭崩壊なので、マルぼんはかなり心配です。マルぼんはすぐにでもキャンセルしたかったのですが、未来デパートに電話しようと受話器に手を伸ばしたら
「児童相談所に連絡するつもりか!?」とか新パパさんに言われ、そのままヒロシと一緒に物置に閉じ込められているので無理です。


 とはいえ、このまま物置で雑談に興じていたら、新パパさんがヒロシに多額の保険をかけたりするかもしれません。マルぼんとヒロシは、ちょうど持っていた『物置の床を掘って地下から脱出マシーン』を使って脱出をすることにしました。


『物置の床を掘って地下から脱出マシーン』を使って穴を掘っていると、マルぼんとヒロシは部屋のようなところに辿り付いてしまいました。ちょうどヒロシの家のすぐ下に位置するところにあり、つまるところ地下室のようなもののようです。そしてその地下室は鉄格子のようなもので区切られており、鉄格子の中には、髪も爪も伸び放題のうつろな目をした女の子。


女の子「あ、う…うぅ」


ヒロシ「え? 姉さん!? 生れてすぐに亡くなった、アヤ子姉さん!?」


ママさん「ヒロシ。見てしまったのね。そう。アヤ子が死んだというのは大嘘。アヤ子はやんごとなき事情で、生れた直後にこの座敷牢に(後略)」


 ああ、そうですか。そういう展開ですか。血の繋がりがある分、連れ子展開よりマシだとマルぼんは思いました。


 十数年ぶりに座敷牢から発見された実姉・アヤ子さんに夢中のヒロシ。「絶対良くない事が起こったから『即席家族システム』をキャンセルして例の内縁のパパさんごとなかったことにしよう」とマルぼんが説得しても


「お姉ちゃんは僕が守るのさ! たとえどんな困難でも、たとえどんな苦難でも、お姉ちゃんを守るためなら乗り越えてみせるさ!」と、深夜アニメの主人公みたいなセリフを吐いて聞く耳を持とうともしません。意外に根性のあるヒロシに感心しつつもマルぼんが呆れていると、某大学病院の心療内科から電話がありました。ヒロシがアヤ子さんのカウンセリングのため、問い合わせをしていたそうです。いつになく真剣な表情で、電話の受け答えをするヒロシ。


「はい、はい。ええ十数年ぶりに日の光を見て…はい。え? カウンセリングをしてくださるんですね?
ありがとうございます」


 どうやら無事、カウンセリングを受けることができるようです。


「それで日時ですが……え? 明日の夕方? すいません。観たいアニメがあって無理です。明後日? 明後日はご贔屓の声優のライブが。 えっと、今後1週間は楽しみにしていたゲームが発売したりと
色々あって……」


 しばらく問答を続けた後、ヒロシは電話を切って


「やっぱ無理! マルぼん。キャンセルして『お姉ちゃん』も『お父さん』も引き取ってもらおう!」


 はい、最悪。というわけでマルぼん、ヒロシの同意を得て『内縁パパさん』『お姉さん』をキャンセル。


 キャンセルの電話をし終えたと思ったら、突然ヒロシの親戚たちが徒党を組んでやって来て、数時間かかってママさんに『内縁パパさん』と別れるように説教したかと思うと、『お姉さん』を「高原のサナトリウムで療養させる」と言って連れて行ってしまいました。


「即席家族システム」で誕生した家族は、現われたときと同じように、たいへん現実的な方法で去っていくようです。きっと『内縁パパさん』もママさんに別れを告げられて、家をでることでしょう。マルぼんは一連の事件を終えて一安心し、しばし眠る事に。


 数時間ほどして起きると、ヒロシが体中から血を流して倒れていました。外からはサイレンの音と赤い光。「人質を解放して出てこい」という説得の声。他の部屋へ行ってみれば、白目を剥いて気絶しているママさんを抱きかかえ、外に向かって「逃走用のヘリを用意しろ」「俺は未成年だから罪にはならねえ!」「うどん子と2人で南の国で暮らさせろ!」
「俺がこんなことをしたのは差別のせい。悪いのは国。俺は被害者! というか、差別と闘った英雄!」と頭悪そうなことを叫んでいる内縁のパパさん。


 マルぼんは、内縁パパさんが「逮捕されて服役」でいなくなるのか「見事逃亡してママさんと南の国でハッピーライフ」でいなくなるのか、どちらになるのかとても疑問に思いました。


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「マルぼん、恋をする」の巻
「運動しなけりゃ、還暦まで生きられないよ」と医者に言われたので、今日のマルぼん、ヒロシにくっついて、外へと遊びに行きました。


 ヒロシたちが遊んでいるのは、学校の近くにある空き地です。このご時世、子供たちが遊べる空き地があるというのは珍しいのですが、なんでも随分前に地主が無くなって、残された遺族が死者や行方不明者がでる泥沼のお家騒動に突入してしまい、放置されたままになっているらしいです。


 空き地に着くと、金歯がみんなになにかを見せびらかしていました。アルバムのようです。近づいて見てみると、なにやら遺跡のようなものが写っている写真がたくさん収録されています。


金歯「これ、将来朕が埋葬される予定の墓。先週ついに完成したのさ。大理石で出来ていて、中には庭園があって水銀の河が流れているんだ。もちろんお宝もいっぱい入れる予定だから、防犯設備もバッチリ。侵入者は五秒で灰になるんだ。
で、こっちは朕が死んだ後、殉死して一緒に埋葬される予定の人たち。この娘は食事係という設定。この娘はトイレ掃除係。こっちは……」


「人間として生まれたからには、これくらいの墓に埋葬されないとね!」と自慢気に話す金歯。その場にいた連中も、自慢話になれているのか冷たい反応です。


「僕は海に埋葬されたい。あの子の心で生きつづけたい」と、アニメの影響が酷いヒロシ。


「死は永遠の始まり」と、宗教の影響が酷いルナちゃん。


「人間の死体っておいしい?」と、行き過ぎた食いしん坊キャラ設定の影響が酷い太くん。


 しかしただ一人、熱い反応をしたヤツがいました。ナウマン象です。


ナウマン象「俺も立派な墓が欲しい! 立派な墓が欲しいぞ!」


 荒れるナウマン象。


ナウマン象「よし、貴様等。この空き地にピラミッドを建造しろ! しなければブチ殺す!」


「ピラミッドを建造しろ」そんな無茶な願いを、ナウマン象はムリヤリ実現しようと必死。


 巨石を運んで組み上げるという労働を、マルぼんたち(ルナちゃんも当然のように含む)に強要し、部下だという青龍刀を持ったアラビア風デブに監視させているのです。さっき、あまりの辛さに逃げ出した大脳がアラビア風デブにどこかへつれて行かれて、消息を絶ちました。おそらくは、その短い生涯を終えたのでしょう。


「機密道具でなんとかしてよ」とヒロシが泣きついてきましたが、マルぼんは無視。「運動しなけりゃ、還暦まで生きられないよ」と医者に言われたマルぼんにとって、巨石を運んで組み上げる(食事は固いパンと泥のようなスープのみ)という労働は天からのお恵みのようなものなのです。


 で、労働を続けていると、マルぼんは巨石を運んでいる連中に明らかに子供ではない人たちがいることに気がつきました。みんなお揃いの、なぜかボロボロの服を着ていて、足には重そうな鉄球が鎖でつながれています。


「あの人たちは金歯の家で働いている人たちだよ。金歯のヤツ、自分が労働しない代わりに使用人やメイドを寄越したみたいなんだ」とヒロシは言うんですが、鉄球をつけたメイドさんってエロゲー内部に存在するんでしょうか。


マルぼん「名前は?」


「メイド「……」


興味をもったマルぼんは近くで石を運んでいた金歯のメイドさんに話しかけましたが、彼女はそれを無視しました。


 途方に暮れていると、「そいつ、まだ、日本語、を、しゃべれない。そいつ、の、名前、381番」同じように石を運んでいた金歯の使用人の男性が、カタコトの日本語で説明してくれました。381番?


「俺、たち、には、名前、ない。働く、だけ」という話を聞いて、マルぼんは彼女……381番さんから、なぜか目が離せなくなっていました。


 今日もマルぼん、巨石を運んでピラミッドを建造する労働です。ヒロシたちも黙って従事しているのですが、死者・重傷者が多数でるほどの重労働のせいか段々と精神を病んできているようです。


 ヒロシはなんとなく人の顔に見える石を抱きしめて「ついにサントラつき限定版をゲットしたぞ!」と言い出しました。


ルナちゃんは「これは神が私に与えた試練。これを乗り込めたら、私は悟る事ができる。スジャータが牛乳の粥を持ってきてくれる」と自分に言い聞かせているようですが、その理論でいったら、彼女にとっての神はナウマン象になる気が。太は固いパンと泥のようなスープという食事に耐え切れず、落ちていた軍手や靴を食べ始め、ついには自分の髪の毛をむしっては喰い、むしっては喰いして、だらしなくヨダレをたらしています。


 金歯は家の使用人やメイドに肩代わりさせ、なおかつナウマン象に資金提供までしているようで、上流階級の友達らしき紳士淑女とワインやらオペラグラスやら片手にマルぼんたちを見て笑っています。


 マルぼんは幸いにもダイエット感覚で参加しているので精神のほうは大丈夫なのですが、なぜか金歯の家の例のメイドさん…381番さんが気になって仕方がありません。いえ、気になるなんてレベルじゃありません。その姿が、脳裏から焼きついて離れないのです。しばらくすると、この世の全てのモノが381番さんに見えてくる始末。


ルナちゃん「それは恋。恋の病ね。お医者サマでも草津の湯でも治らない恋の病。治療するには尊師のご聖髪入りのこの聖水を(以下略)」


 恋なんて。マルぼんが恋なんて。恋をするなんて。恋なんてー! いつしかマルぼん、頬を紅く染め、381番さんの名前を叫びながら、町を疾走していました。

 

 恋の花咲く桃色強制労働。恋を自覚したマルぼん、381番さんの姿をまともに見ることができません。どうすれば。どうすればマルぼんは381番さんとお近づきになれるのでしょうか。


「とりあえず、この苦しい状況から救い出してあげればいいんじゃない」とヒロシ。言われてみればなるほど納得。さすが無数のバーチャル幼なじみ、無数のバーチャル学園のアイドル、無数のバーチャルメガネッ娘をおとしてきたバーチャルジゴロだとマルぼんは感心しました。


 そんなワケでマルぼん、381番さんを苦しみから解放するため、色々とやらせていただきました。詳しい内容は秘密ですが、ナウマン象が「幸せになります」という手紙を残して消息を絶った件と港で身元不明の男性の遺体が発見された件は、マルぼんには預かり知らぬことなので要注意です。


 そんなわけでピラミッド建造は中止となり、マルぼんたちは労働従事者は解放されました。これで381番さんたちも通常業務に戻り、楽になるハズ。


 ところが、マルぼんの読みは外れました。381番さんたちはこのあと引き続き、金歯のオヤジが経営する会社のダム建設に従事する、というのです。


 マルぼんは「そんなの拒否しろ」と強く説得したのですが、
金歯邸の使用人たちは背中に醜く施された「金歯一族の家紋の焼印(金歯一族に忠誠を誓う奴隷の証)」と名前代わりである奴隷番号のタトゥーを見せつけながら、「この醜い印がある限り、我々はどこの国にも受け入れられない」と無気力につぶやくだけで、なにも行動を起こそうとしないのです。


 マルぼんは381番さんのため、愛のため、戦い忘れた人のため、血の大河を涙で渡り、死の荒野を夢見て走ることに決めました。


 金歯の家の使用人たちは、戦うという人としての最低限のプライドすら失ったフヌケ状態。マルぼんは愛する381番さんのため、彼らをお助けしようと思ったのですが、ここでなんとかしても彼らが自身が変わらなければ、同じこと繰り返すだけなのではないかと思いました。そこでマルぼん、彼らが今の状態を打ち破り、人間としてランクアップできる方法を考えることにしたのです。きっかけ。なにかきっかけがあれば、彼らも自分から行動を起こしてくれるハズ


 小一時間ほど考えた結果、マルぼんは「言葉」の力を借りる事にしました。「言葉」というものは底知れぬ力をもっています。なにげない一言がきっかけで歴史的大事件が起こったという例が腐るほどあるほどです。マルぼんは使用人さんたちにとってどうしても許せない一言を、金歯に言わせることにしました。


 使用する機密道具は『語尾夢中』。しゃべった言葉に自動的に語尾をつけてしまう機密道具です。たとえば最初に「にょ」という言葉を入力しておけば、この機密道具を装着した人は自分の意思とは関係なく言葉の最後に「にょ」とつけてしまうのです。


 マルぼんは『語尾夢中』に「パンがなければお菓子を食べればいいのに」と入力し、黙って金歯に装着させました。



金歯「今日は蹴鞠大会だから早く帰らなきゃいけないんだパンがなければお菓子を食べればいいのに」


金歯「だからさ、金で買えないものは金だけって前から言っているだろうパンがなければお菓子を食べればいいのに」

 
金歯「おなか減ったなパンがなければお菓子を食べればいいのに」


使用人「な、なんだと!?」


金歯「今日の晩御飯なにー?パンがなければお菓子を食べればいいのに」>
メイド「な、なんですってー!?」


金歯「え?なに?まだ昼飯食べてないの?パンがなければお菓子を食べればいいのに」


執事「な、長年仕えてきた私にそんな……」


 マルぼんの用意した『語尾夢中』の威力の絶大で、金歯の「パンがなければお菓子を食べればいいのに」発言は光の速さで関係者の怒りを買い、やがてその怒りは成長し、強大な一揆へと発展していきました。


 別荘や会社など、各地の金歯関係施設で働く人たちが次々と一揆に加わり、連鎖して巻き起こる豪商打ちこわしや米略奪。町の広場では金歯の親父の系列会社が作った車が破壊され、駅前にある金歯像(金歯の親父が市に寄付したので記念に建てられた)は爆破。


 そしてついに「CG?」と言いたくなるほどの軍勢に追いつめられた金歯一族は、別荘である城の天守閣に立て篭もり、「平蜘蛛」というお気に入り茶釜に爆薬を仕込んで自爆して果てたのでした。


 全てが終わった後、マルぼんの家に381番さんが訪ねてきてくれました。例の鉄球つきメイド服を脱いでキチンとした服を着ていて、労働でグシャグシャになっていた髪をきちんと整え薄く化粧をしている381番さん。
 ここにきてマルぼん、生れて初めて「萌え」というものが理解できました。


381番さん「マルボン…ア、アリガト」


マルぼん「日本語!」


381番さん「私、マルボンニオ礼イウタメ、オボエタヨ、ニホンゴ。私、
本名ハ、アイリーンイウヨ」


 マルぼんのために日本語を……。381番さん、いえ、アイリーンさんのやさしさに、マルぼんはとめどなく溢れる涙を止める事ができませんでした。


アイリーンさん「私、マルボンノタメナラナンダッテスルヨ」


マルぼん「ああ、そんなに気を使わないでも……」


アイリーンさん「本当ナラ一回五万円ダケド、三万円ニシトクヨ。ドウ?キス厳禁。ヤクザ関係ナイヨ」


 マルぼんの恋は終わりました。



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「ショック」の巻
ママさん「あとで、とても重大なことを発表するから……心の準備をしておいて」


ヒロシ「え」


ママさん「かなりショックなことだと思うから」


ヒロシ「心の準備…え? え?」


 マルぼんに泣きついてくるヒロシ。


ヒロシ「僕、心の準備なんてできっこないよう! ショックで死んだらどうしよう!?」


マルぼん「『やわらゲル』。このゲル状の薬を体に塗ると、物理的なショックも精神的なショックも和らげてくれる」


ヒロシ「わーい」


 さっそく『やわらゲル』を体に塗るヒロシ。


マルぼん「あ、キミ宛てになにか書類が届いているよ」


ヒロシ「へえ。どれどれ」


ママさん「ヒロくん、心の準備はできた?」


ナウマン象「よう」


マルぼん「あら、ナウマン象」


ママさん「実は、あなたの本当の父親は」


ナウマン象「俺なんだ」


マルぼん「ええー!? お、おいヒロシ」


ヒロシ「……」


マルぼん「おい! なにボーッとしているんだ! ナウマン象がお前の本当の父親だってよ!」


ヒロシ「ああ、そう。へえ……」


 驚愕の事実をしっても、本気でどうでもよさそうなヒロシ。さっき届けられた書類…健康診断の結果をずっと、青ざめた表情で見続けています。


 マルぼんは「やわらゲル」の効果は絶大だと思いました。



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「ヒロシ、朝が鬼のようにつらい」の巻
救急隊員「奥さん、しっかりしてください!」


 かけつけた救急隊員によって病院へと運ばれる母さん。全治3ヶ月の重傷です。


 悲劇の始まりは、朝。何度声をかけても、けして布団から出ようとしないヒロシに腹をたてた母さん。無理矢理布団をはぎ取ろうとしたのですが、逆上したヒロシは刃物のようなもので母さんを攻撃してしまったのです。


「母親を殺人未遂」という重い十字架を背負ったヒロシは、警察でしこたま怒られて帰宅。さすがにしょげてしまいました。


ヒロシ「自分では起きられないし、どうしても布団をはぎとってもらわないとダメなんだ。でも、僕の体は布団を奪おうとするもの対し、無意識で反応してしまうし…なにか良い機密道具ないかな?」


マルぼん「あることはあるけど…注文しないとなぁ」


ヒロシ「注文しておくれよう」


マルぼん「ようがす。ほかならぬヒロシくんのためだ。んじゃ、この注文伝票に一筆、サインをおねがいしやす。あと実印も!」


 ヒロシは喜び勇んで、注文伝票にサインをしました。マルぼんは「注文してくる」と言って外出。


チンピラ「起きろや、ごらぁ!!」


 翌日、なんの許可もなしにヒロシの部屋を入ってきたチンピラ風の男が、眠っていた僕をたたき起こしました。チンピラの語る衝撃の事実。


ヒロシ「マルぼんが、借金!? しかも逃げた!?」


チンピラ「おのれは、あの怪生物の保証人になっとるんや。ほれ」


 チンピラが見せた借用書の保証人の欄には、たしかにヒロシのサインが書いてありました。実印も押してありました。あの注文伝票は、借用書を偽装したものだったのです!


チンピラ「金目のものはいただいていくで」


ヒロシ「ぼ、僕のギャルゲーコレクションが! パソコンが! 漫画が!」


チンピラ「これもや」


 寝床にいたままだったヒロシから、布団まではぎ取るチンピラ。


 は!? マルぼんてば、まさかこれを見越して…!? やったー! 友情フォーエバー!!


チンピラ「あと、臓器な」



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「アドバ椅子」の巻
ヒロシ「ううん…」 


マルぼん「何を悩んでおられるのですかな、少年」


ヒロシ「これからの人生、どう生きていこうかと思ってさ」


マルぼん「これに座ってみなさい。『アドバ椅子』。この椅子に座って目を閉じる。すると、脳にキミだけに聞こえる女の声が響く。その声は、今この瞬間、君がなにをするべきかを的確にアドバイスしてくれるだろう」


 さっそく『アドバ椅子』に座り、目を閉じるヒロシ。


ヒロシ「あ! さっそく女の声が!」


マルぼん「なんて言っている?」


ヒロシ「『今すぐここから逃げろ』だって」


 そのとき、アドバ椅子が突然爆発し、まきこまれたマルぼんとヒロシは肉片と化しました。


 後日知ったのですが、『アドバ椅子』には座ると爆発する不具合があったそうです。


 己の不具合に関することでもきちんとアドバイスしてくれる『アドバ椅子』は信頼できると、マルぼんは思いました。草葉の陰で。



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「セブン節分いい気分」の巻
ヒロシ子「出て行け、アタイの体から出て行け、鬼め!!」


 狂ったように己の体を洗い始めるヒロシ子。


 あ、今回の話では、都合によりヒロシはヒロシ子(32歳OL。交際相手のナウマン象は働かず、ヒロシ子の金をアテにしている。暴力も振るってくる)となっていますが、気になさらないでください。そのうち「アルファベットが全て美少女(バーチャル)に見える機密道具だして!」とか「日本刀で僕を斬れ!」とか一日中呟いている愉快な小学生に戻りますので。


ヒロシ子「あいつは…ナウマン象は鬼や。金がなくなると、すぐにウチを殴る。ウチを蹴る。でも…好きなんや…大好きなんや! いつまでもあんな男を愛するウチの心が…恋心が鬼なんや! でていけ、鬼はでていけ!!!!!」


マルぼん「ふうん。ちょうどいいや。この機密道具使いなよ。『超節分豆』」


ヒロシ「え、それってどんな機密道具!?」


 すいません。次の話どころか、現在進行形の話でヒロシに戻りました。


ヒロシ「ときにマルぼん、『超節分豆』とはいかなる機密道具ですか?」


マルぼん「それにはまず、未来の世界でおこった哀しい…本当に哀しい事件の話をしなければいけないんだ。その事件は、世間で『リリイル事件』と呼ばれている…」

 
 未来の世界の日本に、ギャルゲーが大好きな男がいました。世間からは『ギャルゲーの鬼』と呼ばれていた彼ですが、奇跡的にリアル嫁をゲットし、娘さんを天から授かりました。ところがこの男、なにを思ったのか娘さんに『リリイル』と名付けたのです。『リリイル』とは、男が狂ったようにプレイしたギャルゲーのヒロインの名前でした。その『リリイル』さん、昨今のエロゲーのように可憐な人生を歩んだらいいのですが、佃煮にするほど普通な人生を歩んだために名前が痛く、色々と辛い目にあいました。痛い名前に耐えかねて彼女は、42歳の時についに切れて、年老いた父に色々とやっちゃったのでした。


 
マルぼん「この事件をうけて『悲劇は繰り返さない』と政府主導で開発されたのが、『超節分豆』。この豆を世間から『○○の鬼』と呼ばれる人にぶつけると、その人は消滅する」

 
ヒロシ「人権くそくらえな機密道具!!」

 
マルぼん「こいつをナウマン象にぶつければ、『いじめの鬼』と呼ばれるヤツは消滅するはず。と、その前に実験実験。ママさんとパパさんを消滅させるけど、OK?」

 
ヒロシ「は? 正気ですか? ママとパパは慈愛に満ちた理想の両親だよ。鬼なワケ、カケラもないよ」

 
マルぼん「ヒント1。最近ヒロシにかけられた大量の保険」

 
ヒロシ「ごはんもたくさん食べさせてくれる」

 
マルぼん「ヒント2。そのごはんを動物に食べさせてみると…」

 
ヒロシ「こんな心温まるエピソードもある。故人なんだけど、パパの知り合いに麻雀好きの人がいて、よくウチに遊びに来ていたんだ。パパはなんと、その人のためにプレハブ小屋をたててあげて、そこへ住まわせてあげたんだ。ママも毎日ごはんを作ってあげていたんだよ。まぁ、その人、死んじゃったんだけど!」

 
マルぼん「ヒント3。その人の保険金の行方」

 
『超節分豆』の、思わず惚れてしまいそうなその効果を、ママさんパパさんに使用することで証明しようとしたマルぼんでしたが、ヒロシが「僕は愛されている。僕は愛されている」と狂ったように言うので中止。


マルぼん「だってほら。マルぼんが極秘入手した資料には、ママさんパパさんが新車や家のリフォームを計画しているってことが書いてあるんだよ。その資金はどこからでるんだよ。それにリフォーム後の家の設計図には君の部屋がない…」


ヒロシ「あー聞こえない聞こえない。とりあえず、僕の家族は平和なので、ナウマン象を消しに行こう。鬼のいじめっ子ことナウマン象を」


 そんなこんなでナウマン象がいつも通る道で待ち伏せすることになったマルぼんとヒロシ。雨が降ってきましたが、かまわず待機。


マルぼん「あ、見て。あんなところに猫が。かわいそうに雨に濡れて震えているよ」


ヒロシ「ナウマン象を消したら、保険所でも動物王国でも、どこへだって連れてってあげるよ」


 そんなこんなでナウマン象登場。「きた」と叫び、『超節分豆』をナウマン象にぶつけるヒロシ。


 が、ナウマン象は消えませんでした。それどころか、豆がぶつかったことも気づいてない様子。彼は、例の濡れた猫を見つめていました。


ナウマン象「チビ。1人か? へへへ…おまえも俺と一緒だな」


 哀しそうにつぶやくと、ナウマン象は猫をふところにいれて、去っていきました。

 
マルぼん「なんだ。実はいいやつじゃないか。それどころか、軽く哀しみを背中に背負ってなんかいい感じだし」


ヒロシ「うっさい。あいつは鬼だ。僕はいままで、あいつのせいで泥を食う生活を続けてきた。報復しないと…報復しないと! あいつは消滅しないといけないんだ。さぁ、『超節分豆』を全部よこせ!」


 残った『超節分豆』をマルぼんから奪い取ったヒロシですが、豆にさわった瞬間、消滅してしまいました。


『復讐の鬼』と化したヒロシに、『超節分豆』の効果が発動したのでしょう。『超節分豆』の効果は絶大だとマルぼんは思いました。



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「タイムセールが大好きです」の巻
ヒロシ「漫画欲しいけど、金が足りねえ」


マルぼん「そんな時はこいつだ。『タイムサービススイッチ』。このスイッチを押せば、ありとあらゆるところでタイムサービスが行われる。特定の時間になれば、買いたいものの値段が割引されたり、いらないものを売れば買い取り価格が上がったりする」


ヒロシ「よし、このスイッチを押して漫画を買いに行こう。ポチっとな」


ママさん「ヒロくん」


ヒロシ「どうしたの、母さん。ナタなんかもって」


ママさん「これこれ、このチラシ」


ヒロシ「保険会社のチラシ? なになに。『加入者の方が、当社の指定した時間に亡くなったら保険金10%アップ! 蝉野生命』なるほど、お得だね。これも『タイムサービススイッチ』の効果だね」


ママさん「そうなの。だから、タイムサービスの時間帯である今に、加入者であるヒロくんに死んでもらおうと思って」


ヒロシ「アハハハハハ。そんな理由で子供を殺すな!」


ママさん「ぶべらっ!」


 ヒロくんの怒りのメガトンパンチが、ママさんにヒット! ヒロくんはマルぼんの通報で駆けつけた警察に逮捕されました。そして





裁判長「判決。あれですわ。被告人は、犯行時、母親に『金目当てで コロスよ(笑)』とか言われて精神が錯乱状態だったし、まぁ、小学生だし、未成年だし。情状酌量もありっぽいので、懲役は人より少ない5年ってとこです」



 マルぼんは、罪もタイムサービスで割引してくれた『タイムサービススイッチ』の効果は絶大だと思いました。



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「餅やるよ!」の巻
 明日は微笑町力自慢大会。微笑町に住む、有象無象の人間どもがその腕力を競う愚かな大会です。巨大な岩をかつぎ、より長時間かついでいられた人が優勝です。優勝した人には見晴らしのよい場所に建てられた墓地が与えられ、没後はそこに葬られます。最下位の人は人権を奪われます。


ヒロシ「墓地が欲しいよ、墓地が欲しいよ! 死後のおだやかな生活が保障されたいよ。墓参りに来て泣いている人に『ぷぷー俺はそこにはいませんよー』と悪態つきたいよ。あっという間に腕力がつく機密道具をだしてえ!」


マルぼん「『腕力腕章』。この腕章をつけると、ものすごい腕力がつく。なんでも持ち上げることができるよ。さぁ、この腕章をつけて、ためしにあの巨大な岩を持ち上げてみて」


ヒロシ「ようし」


『腕力腕章』をつけたヒロシは、さっそく巨大な岩を担ぎ上げました。


ヒロシ「おお、本当だ。こんな岩を軽々と」


マルぼん「申し訳ない。それ、マルぼんが知り合いの葬儀のときにつけていたなんの変哲もない腕章だった」


ヒロシ「ぎゃー」


 ただの腕章だと判明した瞬間、力が抜けて岩の下敷きになるヒロシ。


ヒロシ「死ぬ、死ぬ、つーぶーれーるー!!」
 

と、そこへナウマン象が通りかかりました。


ヒロシ「ナ、ナウマン象、たすけておくれ」


ナウマン象「どうしようかな、今、忙しくてな」


ヒロシ「そそ、そんなこと言わずに、ナ、ナウマン象様!」


ナウマン象「もっと俺をたたえろ!」


ヒロシ「世界イチのガキ大将! 平成の高坂弾正! いつか白馬に乗った信玄さんが迎えにきてくれるよ!」


ナウマン象「もっとぉ!」


ヒロシ「あ、う、もう、げ、げんかい、きゅう」


 岩の下敷きになっていたヒロシが、動かなくなりました。マルぼんは巨大な岩だけではなく、ナウマン象まで持ち上げることができた『腕力腕章』の効果は絶大だと思いました。



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