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大沼ヒロシ

Author:大沼ヒロシ
大沼ヒロシと申します。ブログはじめたての初心者です。どうぞよろしく。

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「マルぼん、恋をする」の巻
「運動しなけりゃ、還暦まで生きられないよ」と医者に言われたので、今日のマルぼん、ヒロシにくっついて、外へと遊びに行きました。


 ヒロシたちが遊んでいるのは、学校の近くにある空き地です。このご時世、子供たちが遊べる空き地があるというのは珍しいのですが、なんでも随分前に地主が無くなって、残された遺族が死者や行方不明者がでる泥沼のお家騒動に突入してしまい、放置されたままになっているらしいです。


 空き地に着くと、金歯がみんなになにかを見せびらかしていました。アルバムのようです。近づいて見てみると、なにやら遺跡のようなものが写っている写真がたくさん収録されています。


金歯「これ、将来朕が埋葬される予定の墓。先週ついに完成したのさ。大理石で出来ていて、中には庭園があって水銀の河が流れているんだ。もちろんお宝もいっぱい入れる予定だから、防犯設備もバッチリ。侵入者は五秒で灰になるんだ。
で、こっちは朕が死んだ後、殉死して一緒に埋葬される予定の人たち。この娘は食事係という設定。この娘はトイレ掃除係。こっちは……」


「人間として生まれたからには、これくらいの墓に埋葬されないとね!」と自慢気に話す金歯。その場にいた連中も、自慢話になれているのか冷たい反応です。


「僕は海に埋葬されたい。あの子の心で生きつづけたい」と、アニメの影響が酷いヒロシ。


「死は永遠の始まり」と、宗教の影響が酷いルナちゃん。


「人間の死体っておいしい?」と、行き過ぎた食いしん坊キャラ設定の影響が酷い太くん。


 しかしただ一人、熱い反応をしたヤツがいました。ナウマン象です。


ナウマン象「俺も立派な墓が欲しい! 立派な墓が欲しいぞ!」


 荒れるナウマン象。


ナウマン象「よし、貴様等。この空き地にピラミッドを建造しろ! しなければブチ殺す!」


「ピラミッドを建造しろ」そんな無茶な願いを、ナウマン象はムリヤリ実現しようと必死。


 巨石を運んで組み上げるという労働を、マルぼんたち(ルナちゃんも当然のように含む)に強要し、部下だという青龍刀を持ったアラビア風デブに監視させているのです。さっき、あまりの辛さに逃げ出した大脳がアラビア風デブにどこかへつれて行かれて、消息を絶ちました。おそらくは、その短い生涯を終えたのでしょう。


「機密道具でなんとかしてよ」とヒロシが泣きついてきましたが、マルぼんは無視。「運動しなけりゃ、還暦まで生きられないよ」と医者に言われたマルぼんにとって、巨石を運んで組み上げる(食事は固いパンと泥のようなスープのみ)という労働は天からのお恵みのようなものなのです。


 で、労働を続けていると、マルぼんは巨石を運んでいる連中に明らかに子供ではない人たちがいることに気がつきました。みんなお揃いの、なぜかボロボロの服を着ていて、足には重そうな鉄球が鎖でつながれています。


「あの人たちは金歯の家で働いている人たちだよ。金歯のヤツ、自分が労働しない代わりに使用人やメイドを寄越したみたいなんだ」とヒロシは言うんですが、鉄球をつけたメイドさんってエロゲー内部に存在するんでしょうか。


マルぼん「名前は?」


「メイド「……」


興味をもったマルぼんは近くで石を運んでいた金歯のメイドさんに話しかけましたが、彼女はそれを無視しました。


 途方に暮れていると、「そいつ、まだ、日本語、を、しゃべれない。そいつ、の、名前、381番」同じように石を運んでいた金歯の使用人の男性が、カタコトの日本語で説明してくれました。381番?


「俺、たち、には、名前、ない。働く、だけ」という話を聞いて、マルぼんは彼女……381番さんから、なぜか目が離せなくなっていました。


 今日もマルぼん、巨石を運んでピラミッドを建造する労働です。ヒロシたちも黙って従事しているのですが、死者・重傷者が多数でるほどの重労働のせいか段々と精神を病んできているようです。


 ヒロシはなんとなく人の顔に見える石を抱きしめて「ついにサントラつき限定版をゲットしたぞ!」と言い出しました。


ルナちゃんは「これは神が私に与えた試練。これを乗り込めたら、私は悟る事ができる。スジャータが牛乳の粥を持ってきてくれる」と自分に言い聞かせているようですが、その理論でいったら、彼女にとっての神はナウマン象になる気が。太は固いパンと泥のようなスープという食事に耐え切れず、落ちていた軍手や靴を食べ始め、ついには自分の髪の毛をむしっては喰い、むしっては喰いして、だらしなくヨダレをたらしています。


 金歯は家の使用人やメイドに肩代わりさせ、なおかつナウマン象に資金提供までしているようで、上流階級の友達らしき紳士淑女とワインやらオペラグラスやら片手にマルぼんたちを見て笑っています。


 マルぼんは幸いにもダイエット感覚で参加しているので精神のほうは大丈夫なのですが、なぜか金歯の家の例のメイドさん…381番さんが気になって仕方がありません。いえ、気になるなんてレベルじゃありません。その姿が、脳裏から焼きついて離れないのです。しばらくすると、この世の全てのモノが381番さんに見えてくる始末。


ルナちゃん「それは恋。恋の病ね。お医者サマでも草津の湯でも治らない恋の病。治療するには尊師のご聖髪入りのこの聖水を(以下略)」


 恋なんて。マルぼんが恋なんて。恋をするなんて。恋なんてー! いつしかマルぼん、頬を紅く染め、381番さんの名前を叫びながら、町を疾走していました。

 

 恋の花咲く桃色強制労働。恋を自覚したマルぼん、381番さんの姿をまともに見ることができません。どうすれば。どうすればマルぼんは381番さんとお近づきになれるのでしょうか。


「とりあえず、この苦しい状況から救い出してあげればいいんじゃない」とヒロシ。言われてみればなるほど納得。さすが無数のバーチャル幼なじみ、無数のバーチャル学園のアイドル、無数のバーチャルメガネッ娘をおとしてきたバーチャルジゴロだとマルぼんは感心しました。


 そんなワケでマルぼん、381番さんを苦しみから解放するため、色々とやらせていただきました。詳しい内容は秘密ですが、ナウマン象が「幸せになります」という手紙を残して消息を絶った件と港で身元不明の男性の遺体が発見された件は、マルぼんには預かり知らぬことなので要注意です。


 そんなわけでピラミッド建造は中止となり、マルぼんたちは労働従事者は解放されました。これで381番さんたちも通常業務に戻り、楽になるハズ。


 ところが、マルぼんの読みは外れました。381番さんたちはこのあと引き続き、金歯のオヤジが経営する会社のダム建設に従事する、というのです。


 マルぼんは「そんなの拒否しろ」と強く説得したのですが、
金歯邸の使用人たちは背中に醜く施された「金歯一族の家紋の焼印(金歯一族に忠誠を誓う奴隷の証)」と名前代わりである奴隷番号のタトゥーを見せつけながら、「この醜い印がある限り、我々はどこの国にも受け入れられない」と無気力につぶやくだけで、なにも行動を起こそうとしないのです。


 マルぼんは381番さんのため、愛のため、戦い忘れた人のため、血の大河を涙で渡り、死の荒野を夢見て走ることに決めました。


 金歯の家の使用人たちは、戦うという人としての最低限のプライドすら失ったフヌケ状態。マルぼんは愛する381番さんのため、彼らをお助けしようと思ったのですが、ここでなんとかしても彼らが自身が変わらなければ、同じこと繰り返すだけなのではないかと思いました。そこでマルぼん、彼らが今の状態を打ち破り、人間としてランクアップできる方法を考えることにしたのです。きっかけ。なにかきっかけがあれば、彼らも自分から行動を起こしてくれるハズ


 小一時間ほど考えた結果、マルぼんは「言葉」の力を借りる事にしました。「言葉」というものは底知れぬ力をもっています。なにげない一言がきっかけで歴史的大事件が起こったという例が腐るほどあるほどです。マルぼんは使用人さんたちにとってどうしても許せない一言を、金歯に言わせることにしました。


 使用する機密道具は『語尾夢中』。しゃべった言葉に自動的に語尾をつけてしまう機密道具です。たとえば最初に「にょ」という言葉を入力しておけば、この機密道具を装着した人は自分の意思とは関係なく言葉の最後に「にょ」とつけてしまうのです。


 マルぼんは『語尾夢中』に「パンがなければお菓子を食べればいいのに」と入力し、黙って金歯に装着させました。



金歯「今日は蹴鞠大会だから早く帰らなきゃいけないんだパンがなければお菓子を食べればいいのに」


金歯「だからさ、金で買えないものは金だけって前から言っているだろうパンがなければお菓子を食べればいいのに」

 
金歯「おなか減ったなパンがなければお菓子を食べればいいのに」


使用人「な、なんだと!?」


金歯「今日の晩御飯なにー?パンがなければお菓子を食べればいいのに」>
メイド「な、なんですってー!?」


金歯「え?なに?まだ昼飯食べてないの?パンがなければお菓子を食べればいいのに」


執事「な、長年仕えてきた私にそんな……」


 マルぼんの用意した『語尾夢中』の威力の絶大で、金歯の「パンがなければお菓子を食べればいいのに」発言は光の速さで関係者の怒りを買い、やがてその怒りは成長し、強大な一揆へと発展していきました。


 別荘や会社など、各地の金歯関係施設で働く人たちが次々と一揆に加わり、連鎖して巻き起こる豪商打ちこわしや米略奪。町の広場では金歯の親父の系列会社が作った車が破壊され、駅前にある金歯像(金歯の親父が市に寄付したので記念に建てられた)は爆破。


 そしてついに「CG?」と言いたくなるほどの軍勢に追いつめられた金歯一族は、別荘である城の天守閣に立て篭もり、「平蜘蛛」というお気に入り茶釜に爆薬を仕込んで自爆して果てたのでした。


 全てが終わった後、マルぼんの家に381番さんが訪ねてきてくれました。例の鉄球つきメイド服を脱いでキチンとした服を着ていて、労働でグシャグシャになっていた髪をきちんと整え薄く化粧をしている381番さん。
 ここにきてマルぼん、生れて初めて「萌え」というものが理解できました。


381番さん「マルボン…ア、アリガト」


マルぼん「日本語!」


381番さん「私、マルボンニオ礼イウタメ、オボエタヨ、ニホンゴ。私、
本名ハ、アイリーンイウヨ」


 マルぼんのために日本語を……。381番さん、いえ、アイリーンさんのやさしさに、マルぼんはとめどなく溢れる涙を止める事ができませんでした。


アイリーンさん「私、マルボンノタメナラナンダッテスルヨ」


マルぼん「ああ、そんなに気を使わないでも……」


アイリーンさん「本当ナラ一回五万円ダケド、三万円ニシトクヨ。ドウ?キス厳禁。ヤクザ関係ナイヨ」


 マルぼんの恋は終わりました。



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日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)

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