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大沼ヒロシ

Author:大沼ヒロシ
大沼ヒロシと申します。ブログはじめたての初心者です。どうぞよろしく。

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「さよなら平成25年度。また会う日まで」の巻
マルぼん「なに、ナウマン象に殴られたから復讐したい? そのための武器がほしいだって?」


ヒロシ「すげえ攻撃力のある、すげえ武器がいいんだ。お手軽感覚でつかえるやつ」


マルぼん「好みの武器がでてくる『武器ボックス』。戦う直前にこの箱を開ければ、キミが望む武器がでてくるだろう」


 ヒロシはさっそく『武器ボックス』を持ってナウマン象のところへ向かいました。


ナウマン象「なんだヒロシ、また殴られにきたのか」


ヒロシ「ふふふふ。こっちには、すげえ武器があるんだ。よい、『武器ボックス』オープン! いでよ、すげえ武器!」


『武器ボックス』がパカっと開くと


武器ボックス「バーカ」


武器ボックス「醜い豚」


武器ボックス「アホ」


 箱の中からでてきたのは、機械音声による暴言でした。


ヒロシ「なにこれ?」


マルぼん「こ、これはナイフだよ、言葉のナイフ! いままでたくさんの人が、暴言というなの言葉のナイフで心や体を傷つけられきた! 誰でも使える上に攻撃力は絶大で、まさに最強の武器だ! ただ…」


ナウマン象「誰が豚だ! コロス!」


ヒロシ「ぎゃー!」


マルぼん「人によってはまるで効果がない」


 それからのち。
ナウマン象「おい、金歯! 世の無常が許せねえから殴らせろ!」


金歯「ひょえー!」


マルぼん「それでナウマン象にボコボコにされたの? で、仕返ししたいって?」


 ヒロシは前回殴られて、現在、遠方で心と体の療養中。そのため、金歯が次のターゲットに選ばれたようなのです。


金歯「でも朕は暴力はいやなのでおじゃる。なんかこう、己の手を血で汚さない方法で、仕返ししたいのでおじゃるよ」



マルぼん「そうさなぁ。こいつを使うか。前回の騒動で、その存在を思い出した機密道具『言葉のナイフ』」


金歯「なに、このナイフ。肝心な刃の部分がないではないか」


マルぼん「まぁ、見てなよ。醜い豚の金歯さん」


金歯「ひ、ひどい。醜い豚だなん…う…ぎゃー!」


 暴言を吐かれた金歯の額が突然スパッと切れ、血が噴出しました。


金歯「いてえいてえいてえ!」


マルぼん「『言葉のナイフ』。このナイフを向けられた人は酷い言葉で心を傷つけられると、その心の傷と同じくらいの傷が肉体にもつく。相手の心を傷つければ傷つけるほど、相手の体も傷つくんだ」


金歯「朕みたいに『暴力で人を傷つけたくない』と望む心優しい人間にとっては、すばらしい機密道具でおじゃるな」


 金歯は『言葉のナイフ』片手にナウマン象の元へ向かいました。


ナウマン象「なんだ金歯。また嬲られに来たのか」


 金歯、『言葉のナイフ』をナウマン象に向けて


金歯「○○○(耳を疑うような暴言)!」


ナウマン象「ひどい。ひどいわっ…ぶべら!」


 全身から血を噴出して倒れるナウマン象。


金歯「あははは。絶対勝利でおじゃる!」


ルナちゃん「うわ、な、なんなの? 人殺し!? これだから、金持ちは! いまからでもおそくありません。全財産をうちに寄付して、身を清めなさい。いま出家したら、もれないく素敵なホーリーネームをプレゼント」」


金歯「おまえの宗教○○○!」


ルナちゃん「ぶべらっ!」


金歯「がははは、僕に逆らうやつは、しけいでおじゃる。しかし朕、財力もあるし顔もいいし、
んごい攻撃方法も手に入れることができたし、無敵でおじゃるな」


通りすがり子供「うう。お腹が減ったよう」


金歯「そういえば、微笑町では米が不作とかいっていたでおじゃるな。金持ちの朕には関係ないでおじゃるが」


通りすがりの子供の親「あ、金歯のお坊ちゃん。じ、実は家には米を買うお金がなく、もう1週間もなにも食べていないのです。私はいいから、この子に、この子になにか食べるものを」


金歯「うぬはバカでおじゃるか? 米がないなら、お菓子を食べればいいではないか、でおじゃるよ」


 この発言で、微笑町の民衆の怒りは爆発。町を支配していた金歯一族は、巻き起こった一揆によって皆殺しにされて、捕らえられた金歯は公衆の面前でギロチン。ギロです、ギロ。


『言葉のナイフ』は、一国の王女さまから町の中学生まで、どんな人でも持っている機密道具です。誰でも持っているワリには、多くの人を傷つけ、時に死に追いやってしまう危険な機密道具です。どうか皆様、使い方を誤まらぬよう、おねがいします。


 

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日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「結婚式はキャンセル。休日出勤」の巻
 ヒロシは注射器であやしげな液体を摂取してます。


ヒロシ「んほおおおおおおおおおおおおおおおお」


 恍惚の表情を浮かべるヒロシ。「ついにやりやがった。通報だ」と思われるかたもおられるでしょうが


マルぼん「べ、別に覚せい剤使用中とかじゃないんだからね! ただ、機密道具の液体を注入しているだけなんだから!」


 ヒロシが注射器で注入しているのは『シミジミ液』という液体。この液体を体に注入すると、体に様々な色のシミができます。シミはいろいろな影響を人体にもたらし、その影響はシミの色によって変わるのです。


 赤いシミは「たのシミ」といって、できるととても楽しい気分になります。今、ヒロシが打っているのもこいつです。


 青いシミは「かなシミ」といって、できるととても悲しい気分になります。別に悲しくないのに悲しんでいる様子をみせないといけないときにお勧めです。


 黄色いシミは「したシミ」といって、できるとみんなから好感をもたれるようになります。


 そのほかにも、たくさんのシミがあります。


ヒロシ「ほう!」


「たのシミ」の力で達したヒロシが奇声をあげました。


ヒロシ「すげえ楽しかったです。ありがとう。これ、お礼の品。そこの肉屋で買ってきた揚げたてのコロッケだよ」


マルぼん「わぁ、美味しそう。肉汁があふれ出んばかりだよ。さっそくいただきます。ぱくっ」


 マルぼんがコロッケにかじりついた瞬間、コロッケの肉汁がいきおいよくとび出しました。とび出した肉汁はヒロシの服についてしまいました。


ヒロシ「この服、高かったのに!」


 鬼の形相になったヒロシ、マルぼんに殴る蹴るの暴行!


ヒロシ「この服以下の価値しかないくせに! この、この!」


マルぼん「やめとーせー!」


ヒロシ「このクズ! クズ!」


 本気でマルぼんをどうかしようと思っているのか、容赦ないヒロシのDV。よく見ると、ヒロシの服にシミができていました。肉汁がついてできたシミが。にくのしみが。にくしみが。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「俺がアダムだったら、最低でも嫁はできていたはず。なんで俺をアダムに生んだくれなかったんだよ、母さん!」の巻
 ルナちゃんが訪ねてきました。今度は何の用?


ルナちゃん「このままいったら人類は確実に滅んでしまうわ。そこで私は、人類を永遠に存続させるための素晴らしい計画を考えたの」


 また壮大な計画。マルぼん呆れてモノもいえません。少なくとも、マルぼんのいた未来の世界では人類は残ってますし。


ルナちゃん「愚者には想像もつかないその計画の名前は……『プロジェクト・ノアの箱舟』!」


 マルぼんには、名前で内容がバレバレに思えました。


ルナちゃん「これはね、あらゆる生物のツガイを一同に集めて(中略)そして新天地に新たなる楽園を築くのー!」


 ありがち。ありがちです。


ルナちゃん「そこでマルちゃんには、機密道具を使ってつがいを集める手伝いをしてもらいたいのよ。おねがい。ね?」


 断ったら?


ルナちゃん「散布します」


 色々な意味で危ないのでします。協力。


ルナちゃん「ありがと! だからマルちゃん、だーいすき!」


 そ、そこまで言われたら、照れるなぁ。で、どんな機密道具が必要なの?


ルナちゃん「えっとね。ターゲットに決めた人間の戸籍を抹消したり死亡扱いにして、ふいに消えても世間が怪しまない状況を作り出す機密道具とか」


 マルぼんは、ルナちゃんとともに「新時代のアダムとイヴ」を探すべく町へ出ました。


ルナちゃん「新時代のアダムとイヴに必要なのは、生命力と生への執着。それから、ふいにいなくなっても誰も気にしない立場ね」


 なんか意外とすぐに見つかりそうな気が。


怪しい外国人「ソコノマルイ人」


 うん? なんですか?


怪しい外国人「ナゼカ永遠ニ使エル、不思議ナテレホンカードイラナイ? 安イヨ?」


 いりません。いりません。


怪しい外国人「ナラ、ナゼカ無料デ使エル、不思議ナ携帯電話イラナイ? コレモ安イヨ?」


 いりません。いりません。


怪しい外国人「ナラ、ソレナラ、服用シタダケデ強クナッタ気ガスル草イリマセン? コレハ高イケド」


 いりません。いりま……


ルナちゃん「ください。おいくらかしら?」


 ルナちゃん……一応は小学生なんだから……


怪しい外国人「マイドアリー。三万円ダヨー」


 ああ、もう。ちょっとブラザー、ビザ! ビザみせて!


怪しい外国人「家ニ忘レテ、今持ッテナイヨー。アルンダヨ? 家ニアルンダヨ? 不法滞在ジャナイヨー」


ルナちゃん「面倒くさいから、もういいか」


 賛成。楽でいいやー。


ルナちゃん「ねえ。ブラザー。ちょっと一緒に来てくれない?」


怪しい外国人「エ? ナニナニ?」


 新時代のアダム、確保!

 翌日。マルぼんは、今日も、ルナちゃんとともに「新時代のアダムとイヴ」を探すべく、今日も町へ出ました。


 アダムは昨日みつけたので、今日はイヴを探そうと思います。


 2人で駅前を歩いていると、怪しい音楽にのって、象や髭のオッサンのお面を被って踊り狂っている人たちが。


怪しい女性「そーんしーそんしーそんしそんしそんしー♪」


 前にルナちゃんが熱心に布教活動(ヒロシを拉致して洗脳、など)していた宗教の人たちでした。


ルナちゃん「私もあの宗教にはまっていた時期があったなぁ」


 ああ。ルナちゃん、マインドコントロールが解けたんだね。


ルナちゃん「人が人を拝むというのは間違っていると気付いたの。やっぱり、拝むなら神。やっぱり神。特に、ギュルペペ神サマが最高ね。ギュルペペ神サマは、私にだけ見える神サマなの。人の世の不浄さが最高まで達した時、天から100人の使徒を引き連れて浄化活動を(中略)私はギュルペペ神がラジオを通して伝えてくれた命令を実行するべく(中略)つまりは私こそが聖戦士で(中略)これは出刃包丁じゃなくて聖剣で(中略)反逆する者は全て悪魔なので容赦なく(中略)そのためにもイヴを見つけ出さないと!」


 そう言うとルナちゃんは、『なんかクラゲのバケモノが触手で人々の首をちょんぎっている』絵が描いてあるグチャグチャに丸められた紙をマルぼんに手渡してきましたが、
 マルぼんは怖いので捨てました。速攻で。


 結局、「新時代のイヴ」は見つからず、途方に暮れるマルぼんとルナちゃんでした。


 そうこうしていると、ルナちゃんが「こうなったらそこらへん歩いている女子高生でもいいや。はい。クロロホルム」なんて不吉なことを言いながら、変な臭いをするハンカチーフを手渡してきたので、方向修正をするべく、マルぼんは思わず「どうせならルナちゃんがイヴになればいいじゃん」と言ってしまいました。


 するとルナちゃん、いままでに見たことない嬉しそうな表情で「それだ!」と叫んで、その場からダッシュで失踪。


 昨日見つけて、イヴが見つかるまでしかるべき場所で眠ってもらっていた例の新時代アダムな外国人男性や、つがいで集めた動物たちも姿を消していました。


 おそらくルナちゃんたちは、旅立ったのでしょう。人の手が及ぶ事のない、楽園となるべきところに。


 ひょっとしたら、いつか人類が滅びてしまった時、彼らやその子孫たちが、本当に地球の支配者になっているかもしれません。なっていないかもしれません。


 それは、素敵な素敵な現代の、いえ、未来のお伽噺なのかもしれません。マルぼんはそう思いました。


































 今朝の新聞より。



「捜索願の出ていた女子小学生、富士の樹海で無事保護。女子小学生を連れまわしていた外国人男性逮捕。男性は意味の分からない供述をしており、ビザを所持していないことから、入国管理室も捜査開始。女子小学生は錯乱している様子で、不可解な発言が多く、2~3日入院することに」


 
 ぶっそうな世の中です。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「ロボ野郎に花束を」の巻
 ヒロシが学校から帰るなり机に向かい、なにかをはじめました。


 普段は絶対に見ることのないレアな光景に興味を隠し切れなくなったマルぼんは、思い切って理由を尋ねてみました。


ヒロシ「ロボットの設計図を描いているんだ。人間と友達になれるロボットの設計図を」


 どうやら学校の授業でロボット関係のなにかを学んで、その影響を受けたみたいなんですが、マルぼん、正直言いますと感動しました。感激しました。


 だって、今まで「二十歳を越えても衣食住は無料なんでしょ?」「パンがなければデザートを食べればいいのに」なんて珍発言をしていたヒロシが自分からなにかをしようとしているんでうから。


 マルぼん、今回はヒロシを温かく見守ることにしました。


 さっきチラッと設計図を覗いてみたら「燃料いらずで無限に動くハイパーエンジン」「あらゆる攻撃を防ぐ無敵装甲」「一撃でビルディングを破壊できるプラズマブラスター」「僕がピンチになったときの最終手段の自爆スイッチ」「核」なんて、「え? さっき友達ロボットって言ってた……」とか色々ツッコミたくなる言葉がたくさん書いてありましたが、マルぼんは見守ります。ええ。見守りますとも。

 しばらくのち。ヒロシのロボットが完成したようです。


 なんかダンボールとかミニ四駆のモーターとかでできていて、水鉄砲とか装備してます。


 当然ですが、動きません。ピクリとも。


ヒロシ「設計図のとおり作ったのに、なぜ!? ハイパーエンジンは!? 無敵装甲は!? 核はー!?」


 マルぼん、ノーコメントです。


 しかし、これまで自分から動こうとしたことがほんとどなかったヒロシが、珍しく自分ではじめたこと。


 なんとかしてやりたいというのが、マルぼんの正直な気持ちだったりします。


 機密道具で、本当のロボットにしてやることもできるのはできるんですが、時間がかかります。


 なにか良い案はないか考えるべく、マルぼんは散歩に行く事にしました。


 で、ふと町の繁華街を通りかかったときのこと。


 路地裏から、なにやら呻き声。なにごとかと覗き込んでみると、腹から血をながして唸っている中年男が1人。


 その服装は、近くの刑務所の受刑者が着る服でした。そういえば脱獄したやつがいるとかいないとか、逃げた時に撃たれたとか撃たれてないとか、そんな話を聞いたような。


マルぼん「これだ!」

 マルぼんは、ヒロシの作ったロボに若干の改造(おもに内部の部品)を加え、自由に動き回れるようにしました。


 部屋中をちょこまかと動きまわるロボの姿に、ヒロシ大喜び。


ヒロシ「なんだなんだ。ちゃんと動くじゃないか。やっぱり僕の設計図は完璧だったんだね」


ロボ「ガ…ガガ……タスケテ」


マルぼん「動きが鈍くなったね。そろそろ燃料をあげた方がいいんじゃない。ほら。おにぎりとか。パンとか。水とか」


ヒロシ「たんなる食料じゃないか。それに、ハイパーエンジンで燃料いらずなんだよこいつは」


マルぼん「でも、たぶん、自由になる前はロクなもの食べてないだろうし……そろそろ」


ヒロシ「動きの鈍くなった電気製品なんて、こうすれば治るんだよ」


 ガンガンとロボの腹部を蹴りはじめるヒロシ。


ロボ「グムッ」


マルぼん「そ、そこは縫合したばかりだから、傷口が。傷口」


ヒロシ「縫合? 溶接の間違いだろ? あれ。オイルが漏れてきたよ。変だな、赤いよ。血みたい」


マルぼん「……」


ヒロシ「まぁいいやー。放っとけば直るよね。さぁ、ロボ! 掃除して掃除」


 ロボは現在納屋にしまわれていますが、どうなったかはマルぼんは知りません。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「さよならパパさん(3か月ぶり56回目)」の巻
ママさん「この世には神も仏もないものなの!?」


マルぼん「どうなされました」


ママさん「『なんか怪しい』という事情で、パパにかけていた多数の多額の保険が
すべて、なかったことにされたの!!ちくしょうめ!  ヘたれ保険会社が!!」


マルぼん「よかった、この世には神も仏もあるのだな」


ママさん「ねえ、マルちゃん。なにかよい感じの保険はないかしら? もう時間がないの。早く加入できるやつ」


マルぼん「みらいのせかいで流行している保険がありますけど」


ママさん「それ! それをパパにかけてくれないかしら?」


 数ヵ月後、パパさんは亡くなりました(病気として処理。かがくの勝利)。ママさんは以前からの愛人を家に引き込んで暮らし始めたのですが


ママさん「マルちゃん、保険金はいつ頃はいるのかしら…新生活の資金、保険金をアテにしていたから…」


マルぼん「あの保険は金がおりないタイプなんですよ。保険をかけたものが、そのまま再生する保険」


ママさん「え!?」


マルぼん「たとえば、あの保険を車にかけるとするでしょ。で、その車が壊れた時、同じ車がそっくりそのままいただけるんです」


ママさん「じゃ、じゃあ、あの保険を人間にかけたら、ど、どうなるの!?」


マルぼん「さぁ?」


 しばらく後、ママさんは愛人さんの子供を生みました。まるまると太った男の子でした。


 数年後。みんなで(ヒロシはこのころ故人)楽しく食事をしていた時、その子がママさんに言いました。


「今度は毒、入っていないよね?」



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「パパさんこんにちは」の巻
パパさん「免許を取れと?」


ヒロシ「だって父さんは無職だし」


マルぼん「身分証明証として、保険証を持ち歩くのも辛いしね、いい加減」


ヒロシ「車を運転しなくてもいいから、身分証明証代わりに免許証を持っていてほしいなと」


パパさん「無理だな。無理。俺はまだ16歳だから免許取れないし」


 今のパパさんはママさんが出会い系サイトで知り合った高校生なので、免許をとれないのも当然です。そもそも籍も入っていないしね!


ヒロシ「でも保険証を持ち歩くのもいかがなものかと」


マルぼん「つまり、一目でこの人がパパさんとわかる仕組みがあればいいわけで。う~む」


 少し考えて、マルぼんはパパさんに催眠術をかけました。ふらふらと外へと飛び出していくパパさん。


ヒロシ「どこへ行ったの?」


マルぼん「近所の小学校の女子トイレさ。不法侵入するように催眠術をかけたんだ」


ヒロシ「正気の沙汰じゃないよ! 微笑町では現在、性犯罪者には去勢が義務付けられているほど条例が厳しくなっているんだよ!?」


マルぼん「今のパパさんは未成年だから大丈夫だよ。それに」


ヒロシ「それに?」


マルぼん「条例の改正でね、微笑町の性犯罪者の腕には番号の刺青が彫られて、その番号を微笑警察のホームページで調べれば、その人がどこのだれでいつどこでどんな犯罪を犯したかすぐにわかるようになったんだ」


ヒロシ「なるほど。身分証明書が必要な時は番号を相手に見せればいいんだね!」


マルぼん「そゆこと」


 遺体で発見された時も、結構簡単に身元が判明しそうなのでマジおすすめ。指紋も記念に採取されるよ。


 パパさんも、新しいのがすぐみつかるし。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「カンジョウというカタチのないものをカテにするほどボクは人間ができていない」の巻
 最近のヒロシは「落ちているものを『立派な財産だ』と拾ってくる」というスキルを身に付け、非常に困っています。


 拾い物はヒロシの部屋に陳列され、部屋はヒロシの欲望の城と化しています。今日もヒロシは使用済みの注射器とかを拾ってきて満面の笑み。


マルぼん「ゴミを捨てたまえ!」


ヒロシ「ゴミだと!? ゴミじゃない! ひとつひとつに僕も思い出がしみこんだ、メモリアルグッズさ! それを捨てろだなどと、神に弓引く行為だよ!? マルぼんなど地獄におちろ! 来世は不幸になれ」


 困り果てたマルぼんは、機密道具『廃棄ガス発生装』を用意しました。こいつから発生する『廃棄ガス』を吸った者は、少しでも『捨てたい』と思っているものを捨て去る勇気を得ることができるのです。


 体には有害ですが、そこはほら、皆さん、日本国国民ですから、健康保険とかを駆使してなんとかしてください。国籍がない? 知らないね!


ヒロシ「やめぐぼぼぼ」


 マルぼんはヒロシに『廃棄ガス』を吸引させました。


マルぼん「ゴミを捨てるか?」


ヒロシ「捨てまする。捨てまする」


 ゴミを窓からポンポン投げ捨てるヒロシ。


ヒロシ「この悪魔の機械も捨てまする」


 ガスを発生させた状態の『廃棄ガス発生装置』まで投げ捨てるヒロシ。装置は、偶然窓の下を走っていたトラックに荷台にのっかってしまったのです!


マルぼん「しまった…ガスが町中に」


ニュース『社員を大幅にリストラする企業が相次いでいます。へらちょんぺ電機は350人を、ちんぴら出版は450人を…』


ニュース『殺人事件です。容疑者は「地位も名誉もすべて捨ててでもあいつを殺したかった」と供述しており…』


ニュース『町の産婦人科がめちゃ繁盛しています。なぜ繁盛しているかというと、お腹の子供を……』


マルぼん「『廃棄ガス』の効果は絶大だ…」


ヒロシ「なんて世の中だろう。『廃棄ガス』の効果とはいえ、これはあんまりだ。世の中はあんまりだ」


マルぼん「ヒロシ」


ヒロシ「僕は出家します」


 こうしてヒロシは、世間を捨てました。



日記 | 17:52:50 | Trackback(0) | Comments(0)
「火事と葬式と私」の巻
パパさん「釣りに行ってきたぞー。大量だ、大量!」


ヒロシ「うわー魚が腐るほどあるよー」


マルぼん「食べきれないし、腐るのは時間の問題だね。無益な殺生をしたね。はい、来世はうじむしー。けってーい」


パパさん「腐っても食べろよ、魚。食べなら、このホコリの塊を食わす」


ヒロシ「ひょえー! これはこまったことになったぞ、とりあえず、調理して食べねば」


マルぼん「『速攻干物マシン』。このマシンに魚をぶちこむと、光の速さでその魚は干物になる。そしておいしくいただける。どんな魚でも干物にすることも、可能」


ヒロシ「とりあえず、パパンが買ってきた魚をどんどんマシンにぶちこもう!」


 マシンに魚をぶちこむマルぼんとヒロシですが。


ヒロシ「くせえ! もんのすごい悪臭がする!」


マルぼん「多種多様な魚を大量に、しかも同時にぶちこんでしまったからだ!」


ヒロシ「とりあえず、マシンを止めませう!」


 マシンを止めたものの、悪臭は止まりません。止まる気配すらありませぬ。完全に臭いが消えたのは、翌日の朝でした。朝。近所のどぶでは、ザリガニが大量に死んでいました。あとフナとか。


町内会長「悪いけど、大沼さん。あんな臭いにおいを撒き散らす人には、町にいてほしくないんですわ。町のみんなもそう言っています。悪いけんども……でていってくれへんか? なに、でていくにもアテがない? なら仕方がありまへんけど、あなた方は町民とはみなさないので、そこのところ、理解しといてや」


スーパーの店員「いらっしゃい、ってなんだ。大沼んとこの餓鬼か。大沼の人間にはなにも売れねえよ。帰れ」


警察官「異臭撒き散らしに大沼んとこの餓鬼か。帰れ。今度外を歩いているところを見たら、本官が撃ち殺してしまいますよ?」


 こうして、異臭を撒き散らした大沼家は微笑町で干されてしまいました。マルぼんは、大沼家まで干物にしてしまった『速攻干物マシン』の効果は絶大だと思いました。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「恋人たち」の巻
「よい儲け話はありませんか? 転がっていませんか?」と、マルぼんとヒロシが夜の繁華街を歩いていると、外国人風の男性に声をかけられました。


男性「社長サン、空ヲ飛ブ気分ニナレル薬、アルヨ」


ヒロシ「間に合っているよ、そういう薬は。って、あなた、ナウマン象じゃないか」


ナウマン象「あ、バレた?」


マルぼん「こんなところでなにをしているのさ」


ナウマン象「母ちゃんが店番しとけってうるさいんだ。やらないと酷い目にあわされるし」


 ナウマン象の家がそういう商売ということをマルぼんは思い出しました。


ナウマン象「ダチにこんな体に有害な薬を売るわけにはいかねえな。じゃあな」


 去っていくナウマン象。


マルぼん「よい儲け話もなさそうだしさ、そろそろ帰ろうや」


ヒロシ「……」


 ヒロシは、壁に貼ってあったポスターを見つめたままで、返事をしてくれませんでした。


『平成の魔女狩りフェア好評実施中!!』と、ポスターには書いてありました。


マルぼん「警察のポスターだね。えっと、なになに…『ただいま微笑署では覚せい剤・麻薬追放キャンペーンを実施中! 怪しいと思う人がいたら、たとえそれが親兄弟でも容赦なく通報してください!! 有力情報には金一封が!!』だってさ」


 ヒロシは携帯電話を取り出すと、ポスターを見ながらどこかへ電話をかけはじめました。


マルぼん「ヒロシ、まさか…」


ヒロシ「金一封、明日にはもらえそうだね。明日は焼肉を食べに行こうよ」


 この普段と変わらない、なにげないやりとりが、まさかあんな事件を引き起こすことになろうとは、マルぼんは思ってもみませんでした。


 数日後。
ポリスメン「うわー殺せー」


ポリスメン「うわー死なせー」


 たいまつを持った微笑署の麻薬対策係のメンバーが、ナウマン象の母ちゃん経営の覚せい剤製造工場を襲撃しています。


ヒロシ「どうでやす? 旦那~組織が一網打尽です~げへへ~」


 対策係の部長にゴマをするヒロシ。


ヒロシ「げへへ~金一封はいついただけるでやんしょうか」


部長「おい」


ヒロシ「はい?」


部長「おまえの腕、なんか注射の跡あるんだけど。もしかして、やってたの? 覚せい剤」


ヒロシ「!!」


部長「図星って感じだな。取調室で、涙あり笑いあり血しぶきあり弁護士なしのきままなトークといこうか? 」


ヒロシ「ちが…ちがうんです! この注射の跡は、あの、血液検査の跡なんです!! 最近、動いてもないのに体重が激減して、頭がふらふらして吐血とかもして…だから検査を…」


部長「はいはい」


ヒロシ「自由のない授産施設で療養するのはいやー!! マルぼん、なんとかしてー!!」


マルぼん「はい『嘘からでた真琴』。この琴を弾けば、嘘が本当になる」


ヒロシ「それだ!!」


 ポロロン~ポロロン~♪


ヒロシ「ぶほっ」


部長「吐血した!! 本当だったのか!! 疑ってごめんね。あたい悪い子だった!」


ヒロシ「あうあうあう」


マルぼん「よかったね。本当によかったね」


部長「大団円ってやつだな、あはは」


 あうあう言っているヒロシの口に、金一封を押し込む部長。国家権力に超憧れるマルぼん。


マルぼん「ところでナウマン象は?」


部長「どうもうまいこと逃げ出したらしいな。今、近所を捜索させている」


ポリスメン「うわー」


ポリスメン「うわー」


ナウマン象「畜生…畜生!!」


 製造工場を襲撃され、ポリスメンに追い詰められるナウマン象。この町では覚せい剤が発覚=市中引き回しの上打ち首獄門です。捕まってはいけません。


ナウマン象「どこか隠れるところ…隠れるところは…あった!!」


 ナウマン象が飛び込んだのは、我らが微笑小学校。その校庭の隅にある、豚の飼育小屋でした。飼育小屋では、現在、3匹の子豚が飼育されています。


豚A「ぶひぶひ」


豚B「ぶひぶひ」


豚C「ぶひぶひ」


ナウマン象「すまねえ。おまえらの家、ちょいと借りるぜ」


 豚たちの間で身を潜めるナウマン象。しかし


ポリスメン「こっちに逃げ込んだはずだ。探せ」


ナウマン象(くっ…)


 ポリスメンたちに魔の手は、着実に彼に迫りつつありました。


豚A「ぶひ」


ポリスメン「おや、小屋から豚の声が」


ナウマン象「やばい!」


 右手で豚Aの口を塞ぐナウマン象。


豚B「ぶひ」


ポリスメン「おや、やっぱり小屋から豚の声が」


ナウマン象「やばい!」


 左手で豚Bの口を塞ぐナウマン象。


豚C「ぶひ」


ポリスメン「おや、やっぱりやはり小屋から豚の声が」


ナウマン象「やばい! ああ!!」


 豚Cの口を塞ごうとするナウマン象でしたが、彼の両手はふさがり、豚Cの口を塞ぐことはできません。


豚C「ぶひぶひ」


ポリスメン「おや? おや? おやおや?」


ナウマン象(やばい!!)


 このままで見つかってしまいます。どうするどうなるナウマン象。


ナウマン象(くそ…あれしかないか…畜生!! さようなら…)


 豚Cを抱きしめるナウマン象。


ナウマン象「さようなら、俺のファーストキス!!)


 手の代わりに、唇で豚Cの口を塞ぐナウマン象。


豚C「……!」


ナウマン象(これがファーストキス……太陽みたいな味だ、な…)


 しばらく後、ポリスメンが去ったあとも、ナウマン象は豚Cを抱きしめたままでした。そして数日後。


ナウマン象「俺、こいつと結婚するわ」


豚C「ぶひ」


一同「ええー!?」


 ナウマン象の、豚との結婚宣言は、微笑町各所に波紋を広げました。


ナウマン象ママ「きー!! 豚との結婚なんて許さないザマス!!」


 激怒するナウマン象ママ(逮捕されたけど、金という名の魔法で無事出所)


ナウマン象「母ちゃん、俺はカツ子(命名した豚の名前)を真剣に愛しているんだ。頼む、結婚を認めてくれ!!」


ナウマン象ママ「無理ザマス無理ザマス」


 結婚を反対され、激やせするナウマン象。ブックオフで買ってきた『失楽園』を読みふけり、「カツ子は川島なおみだな。血がワインだな」とわけのわからないことを言い出す始末。


 こんなナウマン象のために、なぜかヒロシが立ち上がりました。


マルぼん「この前、ナウマン象を国家権力に売ろうとしていたじゃん」


ヒロシ「あの時のことは僕も反省している。でも、僕は好きなのに愛しあうことを許されない恋愛をする人を応援しなければいけないんだ。なぜなら僕もまた、認められない愛を貫く男だから」


マルぼん「ふうん」


ヒロシ「これがその彼女さ」


女の子『べ、別にあんたのことなんて、好きじゃないんだからね』


 画面に赤面した女の子(アニメ絵)が映っているパソコンをマルぼんに見せてくるヒロシ。


マルぼん「(無視して)でも、ナウマン象はなんか気の毒だから、機密道具をだしてあげるか。『マイ法律』。このノートに書けば好きに法律を作ることができる。このノートに『異なる生物同士の婚姻もOK』とか書くと…」


ヒロシ「他の生き物と結婚できるんだね! よし、法律を盾にして、美都(お気に入りの攻略対象)との結婚を両親に認めさせるぞ!」


美都『べ、別にあんたのことなんて、好きじゃないんだからね!』


 パソコンを抱えて部屋を飛び出すヒロシ。


 他の部屋から「何を言っているんだ、このバカ!」「おまえなんて父親と認めない!」「育て方を失敗した私の罪です」「この子を殺して私も死にます!」『べ、別にあんたのことなんて、好きじゃないんだからね!』なんて声がしました。


 パソコンは生物じゃないと思いましたが、マルぼんは心に秘めることにしました。


 ここは微笑町の役所。マルぼんとヒロシは、ナウマン象とカツ子さんの入籍に付き合ってやってきました。


ナウマン象「ありがとうありがとう、心の友たちよ。入籍さえしてしまえば、お母様も納得してくれるはずだ」


カツ子「ぶひ」


ヒロシ「僕の恋は実らなかったけど、幸せになってくれよな」


ナウマン象「おう。おう。世界中の人の分まで幸せになるぜえ」


 婚姻届を提出するナウマン象。


役場の人「受理できませんね」


マルぼん「え!? でも、法律は…」


役場の人「たしかに法律は改正しましたけどね、異性物同士の結婚は可能ですけどね、同姓同士の結婚はまだ認めれられてないんですよ」


ヒロシ「ええ!?」


役場の人「その豚、オスですね」


ナウマン象「!!」


ヒロシ「『マイ法律』で同姓でも結婚できるように法律を変えよう」


マルぼん「アレな、一度しか使用できないんだ」


ヒロシ「それじゃあ…」


ナウマン象「…なぁ」


ヒロシ「なに?」


金歯「金歯の家ってさ、大奥あったよな。宦官とかも雇ってくれるよな」


ヒロシ「おまえ、まさか!!」


マルぼん「待った待った! これを使え! この薬! 3丁目の工場の裏の池から取った水を加工した薬」


ヒロシ「3丁目の工場の裏の池って言えば、魚類がなぜか性転換してしまうあの池? 近所の人が急に暴力的になって流血沙汰が異様に多くなっているあの3丁目の工場の裏にある池? 調査しようとした偉い学者さんが何者かに襲われると言う事件があったあの3丁目の工場の裏にある池?」


マルぼん「そうさ。この薬を飲んだら性転換が簡単に」


ナウマン象「こんなもんいらへんねん!!」


 薬の入ったビンをブン投げるナウマン象。


 床に叩きつけられる例の薬。ビンが砕け散り、辺りは薬でびしょびょしょに。


ナウマン象「愛があれば、性別なんて超えられるんや。こんな薬、いらん!!」


マルぼん「ナウマン象…」


ヒロシ「どうやら、ナウマン象に教えられたようやな」


ナウマン象「俺のわがままでカツ子の性別を変えるなんて、俺にはそんなことできない」


ヒロシ「なら、ナウマン象が性転換すればいいのに」


ナウマン象「!!」


 床にこぼれた薬をなめ始めるナウマン象。ナウマン象(♀)の誕生です。


 こうしてナウマン象(♀)とカツ子(♂)は無事、入籍したのでした。


ナウマン象子「2人とも、ありがと! ささやかだけど、披露宴をしたいの。近所の空き地に来て」


マルぼん・ヒロシ「わーい」


金歯「……」


役所の人「あ、坊ちゃま」


金歯「あの、ヒロシたちと一緒にいた、豚を抱いた美女は誰でおじゃる?」


役所の人「美女? ああ、坊ちゃまのご学友のナウマン象どのです。あの気色悪い生物のだした薬で女性になったんです」


金歯「萌え…」


役所の人「はい?」


金歯「ナウマン象萌えー!!」



 
 恋のルーレットは、思わぬ方向へとまわりだしました。


金歯「ナウマン象たんは、朕と結婚すべきでおじゃるから!!」


ナウマン象たん「ごめんなさい…ワタクシには愛する豚が」


カツ男(カツ子が改名)「ぶひ」


金歯「生まれて初めて好きになった人のココロが、すでに豚で満たされていた!!」


 泣きながら去っていく金歯。捨て台詞で「貴様らの人生、台無しにしてやる!!」とか言っていたんで、心配になったナウマン象たんは、いつものメンバーを招集しました。ナウマン象たんとカツ男の幸せを祝う会会合INヒロシの部屋。



ナウマン象「…というわけなの」


マルぼん「たしかに金歯はなにするかわかんないし、怖いな。ヒロシくんはどう思う?」


ヒロシ「うるさいなあ。もうすぐこのヒロインとのエンディングなんだ。黙れよ、現実世界。ごめんな、バーチャル世界のみんなー」


カツ男「ぶひ」


ルナちゃん「はい、はーい」


マルぼん「あ、ルナちゃん。今回初登場だね」


ルナちゃん「とりあえず、よくわかんない化け物と、バーチャルにしか興味を示さないバカと、豚に恋して性転換まで果たしたバカと、そんなバカにホの字の金持ちバカと、さっきから会議を覗き見している血だらけの半透明のバカが消えればいいと思います」



マルぼん「え、なに、最後の人って誰?」


ルナちゃん「さっきからそこにいるじゃない」


マルぼん「そんな人、マルぼんには見えないよ!! 怖っ」


 そんあこんなで話し合っていたら、突然、武装集団が乗り込んできました。手際よく一同を気絶させる武装集団。


 しばらくして目覚めると、そこは白い壁に囲まれた一室。


ナウマン象たん「カツ男さまがいないわ」


 一緒に拉致されたはずのカツ男の姿がありませんでした。


金歯「こちらでおじゃるよ」


一同「!!」


 ちょうどマルぼんたちを見下ろす位置にある小部屋。そこにいた金歯はなにかを食べていました。


金歯「とんかつでおじゃる」


ナウマン象たん「いやぁぁぁぁぁぁ!! いやぁ…カツ男!! カツ男ー!!」


金歯「安心するでおじゃる。このとんかつはカツ男ではないでおじゃるから」


カツ男「ぶひぶひ」


ナウマン象たん「よかった」


ヒロシ「…とんかつの匂いが漂ってくる」


ルナちゃん「おいしそうな匂い…」


金歯「うぬらは3日ほど、飲まず喰わずで眠っていたでおじゃるからな。とんかつの匂いがたまらんのは当たり前でおじゃる。ほら、そこのテーブルの上を見てみるみるでおじゃる」


マルぼん「…料理道具? それに本が置いてあるぞ。なになに『初心者でもできる!! 豚を殺すところからはじめるとんかつ作り』だって」


 一同の腹の音がなり、視線がカツ男に注がれました。


ナウマン象たん「ちょ、ちょって、みんな」


 そんなナウマン象たんの腹も「ぐー」と鳴りました。


金歯「うぬらがとんかつ作りをはじめたら、炊き立てのごはんと千切りキャベツの熱々の味噌汁、それから秘伝のとんかつソースを届けさすでおじゃる」


 一同の飢えた狼のような目が、カツ男に注がれました。


ナウマン象たん「だめだよ…カツ男は食料じゃなくて…恋人…私の…」


 でも、よだれをダラダラ流しているナウマン象たん。


金歯「好きな相手を食べてしまうナウマン象たんの表情。みものでおじゃるな!!」


ヒロシ「所詮は、人間と豚だよ…」


ルナちゃん「私、腕によりをかけるから…」


ナウマン象たん「マルぼん、なんとかして!!」


マルぼん「『擬人化光線銃』!! こいつから放たれる光線を受けたものは、なんでも人間に見えてしまう。カニバリズムな人でない限り、食欲はなくなるはず」


ヒロシ「は…!!」


ルナちゃん「私たち、こんな小さな男の子を食べようとしていたなんて…恐ろしい」


マルぼん「成功だ!!」


ナウマン象たん「……」


 ナウマン象の目が、据わっていました。


ナウマン象たん「カツ男…かわいい…かわいいよ」


 それはもう、愛に狂った女の目でした。カツ男が擬人化したことで、彼女の愛は暴走をはじめたのです。


ナウマン象たん「愛している…ひとつになりたい。身もココロも…血も……肉も………肉も!!」


 テーブルに置かれていた料理道具のなかから、巨大な肉切り包丁を手にしたナウマン象。それを思い切り振り上げて、カツ男めがけて







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「持ち主は全人類」の巻
ヒロシ「庭にね、中がコンクリートで満たされているドラム缶が放置されているんだ。誰のだろう」


マルぼん「『持ち主識別液』。こいつをドラム缶に一滴垂らしてみるよ。するとだね…」


ヒロシ「あ! ドラム缶に文字が浮き出てきた!」


マルぼん「この液のかかった物はね、持ち主の名前が浮き出てくるんだ」


ヒロシ「えっと。微笑町を根城にしている暴力団『さわやか組』だって」


 マルぼんはさっそく『さわやか組』に電話をして、引き取りに来ていただきました。


兄貴「どうも、うちの舎弟が迷惑をおかけしやして…てめえ、サブ! ちゃんと海に捨てて来いと言っただろ!」


サブ「すいやせん、兄貴…海に行くのが面倒で…」


兄貴「このバカ…! すいやせん、二度と浮かんでこない場所に沈めてきやすんで」


 こうして、大沼家ドラム缶事件は幕を閉じたのでした。


ヒロシ「あ!」


マルぼん「どうした」


ヒロシ「『持ち主識別液』を片付けようとしたんだけど、こぼしちゃった。足にかかってしまったんだ」


マルぼん「おい、文字が浮き出てくるぞ」


ヒロシ「ええ!?」


『金歯』という文字が、ヒロシの足に浮かびました。


ママさん「ヒロくん、ごめんなさい」


ヒロシ「な、なに?」


ママさん「借金のね、担保がなくて」


金歯「さぁ、ヒロシ。病院へ行くでおじゃる」


ヒロシ「え」


金歯「朕、最近肝臓が調子悪くて、急いで新しいものに取り替えねばならぬのでおじゃる。さぁ、行くでおじゃる」




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「シリーズ 世界の拷問」の巻
ヒロシ「どんな拷問にも耐えることのできる鋼の精神を身につけることができる機密道具だして!!」


 反政府テロ組織『お兄ちゃん大好き!』に所属し、政府と密接なつながりがある金歯コンツェルンのことを嗅ぎまわっていたことが露見したヒロシは、まもなく秘密警察に連行され、拷問にかけられます。


 もし口を割れば、組織の掟により、ヒロシは処刑されます。ヒロシは掟を守る自信がないのです。


マルぼん「これを身に付けてみて」


ヒロシ「なにこれ。ブレスット? はい、身に付けたよ。って、ええ!?」


 マルぼんは持っていた鈍器のようなものでヒロシの頭を殴打しました。「なにをするのかね!?」と突っかかってくるヒロシに、黙って貯金通帳を見せるマルぼん。


ヒロシ「僕の通帳じゃないか。あ、残高が…増えている!!」


マルぼん「このブレスレットを身に付けているとだな、体がなんらかのダメージを受けるたび、自分の口座にそれなりの金額が振り込まれるのです。


マルぼん「拷問を受けてダメージを受ければ、貯金は増える。耐えれば耐えるほど拷問を受け続けることができ、ダメージを受ける機会も増え、貯金は増える!! 鋼の精神よりも強いものは、すなわち欲望だよ!!」


ヒロシ「すごいや!!」


 そんなわけで、拷問に備えて体力づくりをすべくご飯を食べることにしたマルぼんたち。


ママさん「ごはんはできているわよ」


ヒロシ「いっただきまーす!! もぐもぐ」


マルぼん「!?」


 ヒロシがごはんを食べた瞬間、貯金が増えました。例のブレスレットの効果です。


 食べれば食べるほど、増えていく貯金。


 マルぼんは味噌汁を一滴、金魚の入っている水槽にいれました。一瞬にして死ぬ金魚。


ヒロシ「おいしいおいしい。もぐもぐ」


 増えていく貯金。


ヒロシ「もぐもぐ」


 増えていく、貯金。



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「大沼ヒロシは心配性」の巻
 ヒロシが調子に乗って、ネットで株を買い漁り、財産を溶かしました。キャハ♪


ヒロシ「あっしの全財産が…全財産がぁぁぁぁぁん」


マルぼん「なんでもかんでも、美味しい話にすぐ飛びつくからダメなんだ。この前も、金の先物取引に手を出して、相手の会社の社長をマスコミの目前で、銃剣なんか使ってアレするし…」


 ヒロシの刹那的な生き方に不安を感じたマルぼんは、機密道具を用意することにしました。


マルぼん「『石橋ブレイカー』!!」


ヒロシ「なんだ。巨大なハンマーじゃないか」


マルぼん「こいつで頭を叩かれた人は、石橋を叩いて渡る性格の持ち主になるんだ。それ」


 グシャ。


 マルぼんが『石橋ブレイカー』でヒロシを叩くと嫌な音がしました。気にしたら負けです。


ヒロシ「カーテンを閉めろ。監視されている」


 叩かれた後、ヒロシは家中のカーテンをすべて閉めてしまいました。


マルぼん「監視?」


ヒロシ「電線に停まっている鳥を見ろ。おそらくアレは政府のつくった鳥型メカだ。鳥のフリをして、内蔵のカメラで国民1人1人を監視しているんだ。念のため、カーテンをしめておかなきゃならぬ」





ヒロシ「食事? 毒が入っているかもしれないから、食べないよ。念のため」


ヒロシ「ラジオを止めてくれたまえ。そのうち、僕の悪口を言い出すから。そうしたらおそいから、念のため」


ヒロシ「声をだすな。隣近所の人が『騒音だ』と言いがかりをつけてくる。きっとつけてくる。念のため、声をだすな」


ヒロシ「パソコンなど捨ててしまえ! きっと電磁波が発生させて、僕の体を蝕んでいくから」


 やがてヒロシは、一歩も外から出なくなりました。頭から布団を被り、部屋の隅でガタガタ震えています。


ヒロシ「僕は不安なんだ。見てみろ、今の若者たちを。なんて無軌道なんだ。明日のことなど考えていやしない。僕は僕の愛する日本がダメになるのを、見ていられない。そうだ、念のため…」


 ヒロシは、部屋に置いたままだった『石橋ブレイカー』を手に取ると、フラフラと外へと出て行きました。


 直後、外から聞こえる絹を裂くよな乙女の悲鳴。


 連行されたヒロシ。取調官は言いました。


医師「念のため、精神鑑定をしましょう」


 マルぼんは『石橋ブレイカー』の効果は絶大だと思いました。



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「占い」の巻
テレビ『今日のかに座のラッキーアイテムは、「タツノオトシゴのミイラ」ですー』


ヒロシ「はん! なにがラッキーアイテムだ。アイテムもっているだけでラッキーになれるなら、今頃僕は、世界大統領だよ」


マルぼん「なれるよ」


ヒロシ「え」


マルぼん「『みらい超占い本』。この占いの本には。持っていれば確実に効果のあるラッキーアイテムを紹介してくれる!」


ヒロシ「ま、まじで!? じゃあ、ぼ、ぼくのラッキーアイテムを調べておくれよ!」


マルぼん「よしきた。えっとヒロシは……7月生まれだから…あった。『このアイテムを持っていれば、確実に職にありつけます』だって」


ヒロシ「この氷河期に確実に職が約束されるとはありがたい! して、そ、そのアイテムとは!?」


マルぼん「『友人の小指』だって」


 ヒロシは包丁を持って、ナウマン象の家へと向かいました。


 ヒロシは願通り働く場を手に入れました。自由のない、塀に囲まれた場所にあるステキな職場で働いております。あと数年くらいしたら出てくると思いますので、みなさん仲良くしてやってネ!



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「翼をくだせえ」の巻
 ナウマン象が最近、部屋に篭もりがちになっているそうで、ナウマン象の嫁から、「運動不足の息子をなんとかしてやってくれ」という依頼が、マルぼんにありました。


ヒロシ「よい手段はあるのかい?」


マルぼん「こいつを使用しようと思うんだ。機密道具『強制お散歩シューズ』こいつを履くと、強制的に十キロ歩かされる」


ヒロシ「それしかないね」


 マルぼんは「森蘭丸似の美少年がナウマン象にあげるって言ってた」と偽って、『強制お散歩シューズ』をナウマン象にプレゼントしました。


『強制お散歩シューズ』の効果は絶大です。必ずや、ナウマン象は部屋から飛び出すでしょう。


               
 ※ 




 マルぼんとヒロシの社会のゴミタッグが、なんか俺に靴をプレゼントしてきた。


 すぐさま「ろくでもない道具だ」と察知した俺は、速攻で靴を捨てた。


 まったく、手間を取らせる連中だ。俺はいま、金歯から奪った「摂取すると気持ちよくなる薬」を使うので忙しいのに。


「はぁ~」


 薬を体内に入れると、恐ろしいほどの快楽が、俺の体を包んでいった。飛んでいる。空を自由に飛んでいるかのような、素晴らしい快感。


「やはりこの瞬間は最高だ」とか思っていると、俺は右腕に無数の虫が止まっているのに気がついた。


「虫…うわ! うわ!」


 俺は部屋を飛び出し、下の部屋にいる嫁に助けを求めた。


「虫が腕にたくさん・・・殺虫剤をだしてくれ!」


「なに言っているのさ。虫なんて、どこにもいやしないよ」


「そんなバカな」


『そうさ。お前はバカさ、ナウマン象』


「ひ! 誰の声!?」


「声なんてしないわよ?」


「バカな! バカなバカな! たしかに男の声が」


『お前を殺すぞナウマン象、お前を殺すぞナウマン象』
「た、たすけてくれ!」


「どこへ行く気!」


 俺は家から飛び出し、裸足のまま駆け出していた。


『お前を殺すぞナウマン象、お前を殺すぞナウマン象』


「ひぃ!」


 どんなに早く走っても、無数の虫と、声は俺を追いかけてきた。俺はただひたすらに、走り続けた。



                 
 ※ 





ヒロシ「ナウマン象、別人のみたいにやせていたよ。目の下にクマまでこさえてた。ありゃ、相当運動しているね。すごいや、『強制お散歩シューズ』」


マルぼん「だろ? 『強制お散歩シューズ』の効果は絶大なのさ」



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「年度末システム考えたやつ出てこいよ。謝れよ」の巻
ヒロシ「つゆと生き つゆと消えにし 我がいのち…」


マルぼん「なにそれ。辞世の句? パクリやん」


ヒロシ「なりゆきで、ナウマン象の野郎と決闘をすることになったんだよう。あいつ、普通の生活をしている限り一生見ることのなさそうな武器とか用意しているんだ。『脳吸出し便箋』とか、『胆嚢抉り出しポイ』とか、『膵臓炎症させエコバッグ』とか、『寿命奪いメガネクリーナー』とか、『腸閉塞起こしつくしんぼ』とか、『嫁燃やしメロンソーダ』とか、得体のしれない武器を、それはもう数多く。僕はもう、だめだ。死ぬ羽目になるだろう」


 マルぼんは、ヒロシの生命力を主食にしている森の妖精(新設定)なので、宿主であるヒロシに先立たれると非常に困ります。だから、機密道具を用意しました。


 スポイドでヒロシの服に液体をかけるマルぼん。服に、染みができました。そして、マルぼんは、ヒロシを無言で殴りました。


ヒロシ「あ、ああ!? 気持ちいいー!? んほおおおおおおおお」


マルぼん「この機密道具は『楽染み』。この液体で染みをつけられると、一番嫌なことがすばらしい快楽となる。暴力が一番嫌いなヒロシくんは、暴力を振るわれることで快楽を得る体となった」


ヒロシ「こいつはすごいや!」


男「その染み、ぜひとも私にも作ってください!」


 通りすがりの男性が、突然、マルぼんに懇願してきました。それなりの金はでるようだったので、マルぼんは『楽染み』をその男性に使いました。


 お辞儀をして去っていく男性。


ヒロシ「どんな人だったの?」


マルぼん「近所の病院の医師。明日、はじめて1人で手術をするらしいのだけど、どうしても、人の体にメスをいれるのか嫌で、死すら視野にいれていたんだって」


ヒロシ「へえ。ということは『楽染み』のチカラで、『人の体にメスをいれる』のが志向の快楽になったんだね、あの人」


「現役医師、白昼堂々、メスで通り魔! 5人が死傷!」というニュースが新聞の紙面を賑わしたのは、翌日のことでした。


 マルぼんは『楽染み』の効果は絶大だと思いました。



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「騎士道大原則ひとーつ」の巻
 ヒロシがなんか紙を見つめてよだれをたらしています。紙には『ルナちゃん』と書かれていました。


ヒロシ「ルナちゃんはぁはぁ。ルナちゃんはぁはぁ」


マルぼん「なんで『ルナちゃん』という字だけで、そこまで発情できるの? それが萌えるってやつなの?」


ヒロシ「ぼ、ぼくは…ぼくはねえ、ルナちゃんを守るためなら…なんだってできるんだぁ。へ、へへ…ぼくはねえ、ナイトなんだぁ」


マルぼん「キモいけど、好きな相手を守りたいという志は買おう。よし、これを身に付けたまえ。『騎士道メダル』」


『騎士道メダル』を身に付けるとその人の脳が、守りたい人の脳とリンクします。


 守りたい人が不快になると、その不快な気分がメダルを装備した人の脳に送り込まれます。メダル装備者は、守りたい人の不快さの原因を取り除くため、体が勝手に動くのです。


ヒロシ「これを装備していたら、僕は大好きなルナちゃんの騎士になることができるのですね! さっそく、ルナちゃんに報告してくる!」




ヒロシ「というわけで、キミは僕がまもる! それじゃ」


ルナちゃん「そう。それじゃあ」


 去っていくヒロシくん。


ルナちゃん「またあのキモ少年が、ロクでもないことをはじめたみたい。最終的には、悲惨な目に遭うんだろうなぁ、いつものパターンからいって。あいつ、どうにかして、いなくならないかしら」



救急隊員「どうしました!」


マルぼん「ヒロシくんが突然、走り出して道路に飛び出して車に!」



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「不審者はマルぼんに任せろ!」の巻
不審者「さぁ、おじさんと一緒に、不幸も悲しみもない幸せの国へ旅立とう!」


ルナちゃん「幸せの国…ステキ!!」


マルぼん「ルナちゃん、色々な意味であぶなーい!!」


ずきゅーん!!


不審者「おぶっ」


ルナちゃん「ああ!? 幸せの国の使者さま!!」


マルぼん「ルナちゃん、こいつは幸せの国の使者さまじゃなくて、近所でも話題の不審者(ベレー帽を被って画家を装い、スポーツカーに乗り、ターゲットを釣る)だよ! 付いて行ったらヤバイじゃすまないよ!? 半日くらい、車であちこちを連れまわされるよ!?」


ルナちゃん「いいえ、この方は…足を撃たれてのたうちまわっているこの方は、幸せの国の使者さまよ。実は幸せの国のプリンセスである私を迎えに来てくれたの」


マルぼん「現実を直視しなよ。幸せの国の使者は、この男みたいに下半身を露出させていないよ」


ルナちゃん「現実つまんねえ。現実つまんねえ。つまんねえ現実を見るくらいなら、私は一生、妄想の中を生きるの」



マルぼん「このヒロイン、もうダメだ!」


 ダメなまま放置するのもどうかと思ったので、マルぼんは機密道具『性格変更CD』を使用することにしました。


 まず、『性格変更CD』のラベルに、対象者をどんな性格にしたいか記入します。たとえば、対象者を泣き虫にした時は、ラベルに『泣き虫』と書きます。


 その『泣き虫』と書いたCDをラジカセに入れて、性格を変えたい相手が寝ている時に、枕元に置き、八時間聞かせ続けます。


 睡眠学習の要領で、聞かせられた人は目が覚めたら泣き虫な性格になっています。


 マルぼんはたまたま(本当に)持っていたスタンガンでルナちゃんを(やや暴力的に)眠らせ、近所の廃屋に連れ込み、ルナちゃんの母親の携帯に『ルナちゃんは無事です』とルナちゃんを装ってメールを送り、『現実的』と書いたCDを八時間聞かせ続けました。


 そしてルナちゃんは目を覚ましました。


マルぼん「気分はどうだい?」


ルナちゃん「きえー!!」


 ルナちゃんは、『防犯のため』と称して日ごろから胸元に隠している硫酸入りの瓶を取り出すと、マルぼんにかけてきました。


マルぼん「ぎゃー!!」


ルナちゃん「現実め! 現実め! 私の世界に入ってくるな! 私の夢を汚すな! 現実め!」


 すべてが終わり、ルナちゃんが手の届かないところへ旅立った後、マルぼんがCDを確認すると、『現実的』ではなく『現実敵』と書かれていました。


 ドジなマルぼん! 皆さんも誤字には気を付けてね!




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「私はやってない! 潔白だー」の巻
ヒロシ「なんだと!? どこの馬の骨ともわからないひげ親父の毛(どこの毛かは、秘密。知りたい方、作者までメールを)に入った水を『聖水だ!!』と飲み干し、なおかつ一万五千円で売りつけてくる女が何を言う!!」


ルナちゃん「キー!! あたいのことはともかく、偉大なる尊師の悪口まで言うなんて!! 死んでからまた死ね!! 来世はうじむしになあれっ」


 以上のようなカンジでルナちゃんと喧嘩したらしいヒロシ。なんだかとてつもなく、おちこんでいます。


ヒロシ「よく考えたら、僕の交友関係にいる女性は(お母さんを除いて)ルナちゃんくらいだ。ルナちゃんと絶縁したら、僕は一生(お母さん以外の)女性と話す機会がないかもしれない…へ、ウへへ…死のう」


マルぼん「待て待て。『今の旦那が怒るので息子捨てます』みたいなお手軽感覚で、地球よりヘビーとされる命を捨てようとするな。いい機密道具があるからさ。はい『復縁筆』」


『復縁筆』は鉛筆の機密道具。まずこ適当な紙にこの鉛筆で自分の名前を書きます。同じ紙に、復縁したい人の名前を書きます。すると、ウソみたいに復縁できてしまうのです。


 さっそく紙に『大沼ヒロシ』と『羽柴ルナちゃん』と書くヒロシ。書いた直後、ルナちゃんから電話がかかってきました。


ヒロシ「え、ホント!? うん…うん。あ、ありがとう。うん。うん。うん!! それじゃあね!!」


マルぼん「どうだった?」


ヒロシ「上納金230万円を納めたら口をきいてくれるって。さらに30万円納めたら、一緒に下校してくれるって! ありがとうマルぼん。『復縁筆』最高ー!!」


 ルナちゃんとの和解費用計260万円を用意した(ルナちゃんの紹介してくれた消費者金融で借りた)をヒロシは、
なぜかさえない顔。


ヒロシ「実はね、他にも和解してほしい人がいるんだ」


マルぼん「へえ。いったい誰?」


 ヒロシは『復縁筆』で「ヒロシのおかあさん」「ヒロシのおとうさん」と
書きました。


マルぼん「ヒロシくん…」


ヒロシ「へへ…父兄参観も近いし、ね」


 しばらくすると、1人の男性がママさんを訪ねてきました。


男性は、ヒロシがかつて『父』と呼んだ男でした。

ママさん「タカヒロ…」

タカヒロ「許してくれるなら…やり直さないか」

ママさん「もう…馬鹿なんだから」

 ひしと抱き合う2人。こうしてヒロシに『父』が戻ってきました。




 しばらくすると、1人の男性がママさんを訪ねてきました。



男性は、ヒロシがかつて『パパ』と呼んだ男でした。

ママさん「マサヒロ…」

マサヒロ「許してくれるなら…やり直さないか」

ママさん「もう…馬鹿なんだから」

 ひしと抱き合う2人。こうしてヒロシに『パパ』が戻ってきました。




 しばらくすると、1人の男性がママさんを訪ねてきました。



男性は、ヒロシがかつて『父上』と呼んだ男でした。

ママさん「イエミツ…」

タカヒロ「許してくれるなら…やり直さないでござるか」

ママさん「もう…馬鹿なんだから」

 ひしと抱き合う2人。こうしてヒロシに『父上』が戻ってきました。



 しばらくすると、1人の男性がママさんを訪ねてきました。



男性は、ヒロシがかつて『ダディ』と呼んだ男でした。

ママさん「ヒロミ…」

ヒロミ「許してくれるなら…やり直さないか」

ママさん「もう…馬鹿なんだから」

 ひしと抱き合う2人。こうしてヒロシに『ダディ』が戻ってきました。




 しばらくすると、1人の男性がママさんを訪ねてきました。



男性は、ヒロシがかつて『お父様』と呼んだ男でした。

ママさん「ジェファーソン…」

ジェファーソン「許シテクレルナラ…ヤリ直サナイカ」

ママさん「もう…馬鹿なんだから」

 ひしと抱き合う2人。こうしてヒロシに『お父様』が戻ってきました。




 しばらくすると、1人の男性がママさんを訪ねてきました。



男性は、ヒロシがかつて



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「とくにおちもない話」の巻
 ヒロシが真剣な顔をしてパソコンに向かっていたので「どうしたのカナ? 調べ物カナ? 西野カナ?」と尋ねてみると


「働かずに楽して暮らしたい」とか


「今の親は偽者で、本当の親は大金持ち。今まさに、リムジンで僕を迎えにきている」とか


「知り合いの臓器を合法的に売る方法」とか、そんな不吉ワードを検索していました。


マルぼん「貴様! 楽して金持ちになりたいとか、ロクな考えじゃないぞ!?」


ヒロシ「ああー水道の水がある日突然、石油にならねえかなー」


 マルぼんは無言でヒロシをなぐっていました。


ヒロシ「なにをいたす、下郎!! であえー国家権力であえー!!」


マルぼん「うるさい!! 殴ったほうも痛いんだ(心が!!)」


 マルぼんは、見ていると努力の大切さが身に染みて分かる観葉植物型機密道具『努緑』を出し、「汗水流して働くことの大切さ」「楽して稼いだ金は身につかない」と、ヒロシに説教をしました。その説教の成果もあり、ヒロシはようやく働くことを決意してくれたのです。


ヒロシ「ただ働くだけじゃ、ダメだと思う。僕、ヘルパーの資格をとろうと思うんだ。そして、福祉の仕事に従事する」


 すぐに行動にうつすヒロシ。ヘルパーの資格をとった現在、ホームヘルパーとしてあちこちのお年寄りに家を飛び回っています。マルぼんも一安心です。



ヒロシ「おばあちゃん、こんにちは」


おばあちゃん「ああ、大沼さん。こんにちは」


ヒロシ「さっそく掃除からするね。あ」


おばあちゃん「どうしたの?」


ヒロシ「おばあちゃん。通帳だしっぱなしだよ。危ないよ」


おばあちゃん「そうかねえ」


ヒロシ「おばあちゃん。よかったら、僕が預かっておこうか」


おばあちゃん「いつも熱心にやってくれる大沼さんなら、安心だわ。
あずかってちょうだい」


ヒロシ「よし。きちんと預かっておくから安心してね。絶対きちんと預かっておくから
安心してね。絶対勝手につかわないし。うん。つかわないし。熱心に働いていたのも、
別に信用を得るためとかそんなんじゃないし。うん。ないし」



 くどいようですが、一安心です。

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「なんとヒロシに彼女ができた」の巻
 神の奇跡か仏の慈悲か、ヒロシに彼女ができました。もちろんルナちゃんではありません。いままでの物語にまったく絡んでこなかった女性・スバルさん(自称)です。


 マルぼんはスバルさんにヒロシのどこが気に入ったのか尋ねました。


スバルさん「ヒロシさまがメスブタとくっついたから」


 一瞬、意思の疎通が図れない人だと思いましたが、話をよく聞くと真相がわかりました。


 スバルさん(仮名)はとあるアニメの大ファンだったのだそうです。そのアニメの主人公の名前がヒロシ。ヒロシは親友のスバルと、友情と努力と勝利のたくさん詰まった大冒険を繰り広げていました。


 スバルさん(仮名)は、ヒロシとスバルの友情が愛情に見えてきて、いつしか2人が性別を超えて恋人になることを願い始めたそうです。


 しかしヒロシは、旅の途中で知り合った女の子と恋仲になり、最終回では結婚して幸せに暮らしているのが描かれていたとか。


スバルさん(仮名)「ヒロシさまとスバルが結ばれるのは、スバルという名前になった私が、ヒロシという名前の人と結ばれるしかないのです。それだけが、ヒロシをメスブタから解放させる唯一の方法なんです」


 こんな理由だったわけなのですが、ヒロシは大喜び。毎日デートを繰り返しているのですが、最近、顔がすぐれません。


ヒロシ「会話のキャッチボールができないんだ」


 ヒロシが「空がきれいだね」と言えば、スバルさんはいかにヒロシとスバルがお似合いでメスブタがダメかを語る。ヒロシが「だいぶ暖かくなってきたね」と言えば、スバルさんはいかにヒロシとスバルがお似合いでメスブタがダメかを語る。ヒロシが「あの漫画のヒロイン、ドラマCDとアニメで声優が代わったね」と言えば、スバルさんはいかにヒロシとスバルがお似合いでメスブタがダメかを語る。そんな感じなのだそうです。


 現実を生きるヒロシと、夢の中を生きるスバルさん(仮名)では、会話が絶望的にあわないのです。マルぼんは、どんなにつりあわない2人でも、叩けば途端に共通の会話が見つかる機密道具『話太鼓』を取り出しました。


マルぼん「会話をするときにこの太鼓を叩きな。きっと、共通の会話が見つかるから」


 ヒロシは、その日のデートに『話太鼓』を持っていきました。


 デート現場の、町外れの廃墟。


スバルさん(仮名)「ヒロシさま、その太鼓はなに?」


ヒロシ「この太鼓を叩くとね、いいことが…」


 廃墟が突然崩れ始めたのは、そのときでした。ヒロシとスバルさん(仮名)は、瓦礫の下に閉じ込められてしまったのです。


スバルさん(仮名)「うう…いたたた…」


ヒロシ「大丈夫ですか?」


スバルさん(仮名)「た、助けは…?」


ヒロシ「きっと、今に来てくれます。助けは来てくれます」


スバルさん(仮名)「そ、そうですよね。助けは来てくれますよね」


ヒロシ「助けは、来ます」


スバルさん(仮名)「早く来て、助け。助け…」


ヒロシ「助け…」


 こうしてヒロシとスバルさん(仮名)には、「そのうち来るかもしれない救助隊」という共通の話題ができたのでした。


 マルぼんは『話太鼓』の効果は絶大だと思いました。結果的に二人は結ばれました。よかったねよかったね。幸せだね。

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「何でも買います! なんだって!」の巻
ナウマン象「おい、金歯! 貴様の会社の商品に、異物が混入されていたぞ。金よこせ!」


金歯「勘弁してよ!」


ナウマン象「おい、ヒロシ! 貴様に保険金をかけたから、死ねよ!」


ヒロシ「シニマース!(自害)」


ナウマン象「ルナちゃん…俺…俺!」


ルナちゃん「きゃー! けーだーもーのー!」


 こんな感じで、毎日をケダモノのように生きているナウマン象。そのナウマン象のまわりに、異変が起こり始めていました。


ガシャーン。


ナウマン象「うわっ! だ、だれだっ。窓に石をぶつけたやつは!」


出前持ち「ちわーっす。注文の特上寿司30人前、お持ちしました」


ナウマン象「そんなの注文していないYO!」


暗殺者「キキッ!」


ナウマン象「ゲェー! 暗殺者!? ひぃー!」


明智光秀「敵は…敵は微笑町3丁目45の4『ハイツ泥田坊』の404号室にあり!」


ナウマン象「夜襲だっ! であえ、であえ!」



ナウマン象「…こんな感じで、俺、いつのまにかあちこちから怨みを買っていたらしいんだ…なんとかしてくれよ」


マルぼん「無理だね」


ナウマン象「そ、そんなこと言わないで、なんとかしてくれよう」


マルぼん「う~ん。怨みを消すことはできないけど、怨まれまくっていたら得をする機密道具ならあるよ。はい『買い鳥』」


買い鳥「こんにちは。私こと買い鳥は、未来百貨店の代理店を勤めておりますです


 と、そのとき。ナウマン象がヒロシ宅にいることを突き止めた誰かの仕業なのでしょうか、火炎瓶が投げ込まれました。


買い鳥「今ナウマン象さんがぶつけられた怨み、30万円で買い取らせていただきます」


ナウマン象「さ、30万円!? マジで!」


マルぼん「『買い鳥』はどんな物でも、たとえものでなくても買い取ってくれるんだ。どんなに人から怨みを買っても、その怨みをさらに買い取ってもらえる。お得だろ」


ナウマン象「そいつはすげえ。すげえや。…待てよ。怨みを買いまくったら、俺は光の速さで億万長者じゃねえか?」


マルぼん「そうだね」


ナウマン象「よし。よしっ。思うままわがままに生きて、億万長者になってやるぜ」


ヒロシ「……」


ナウマン象「お、ヒロシの死体。ちょうどいい。おまえ、死んだら遺骨を海に撒いてほしがっていたけど、そんなことしてやるか。鳥葬だ、鳥葬!」


ヒロシ「……」


ナウマン象「ガハハ。憎め。俺を憎め!」


 それから時がたつこと数日。


ナウマン象「親父が俺に多額の保険をかけたんだ。で、今日、家で飯を食ったら、尋常じゃないくらい体が悪いんだ」


買い鳥「すんばらしい怨みですね。45万円で買い取らせていただきます」


ナウマン象「……俺さ、最近、外にでるのがいやなんだ。すれ違う人すれ違う人すべてが、俺の命を狙っているように思えて。お前と出会ってから、積極的に人の怨みを買うような行動をしているだけど…間違っているよな。なんとかならないか。ならないのか」


買い鳥「ようするに、人の温かみがほしいと」


ナウマン象「うん」


買い鳥「わかりました。少し待ってください……OK!」


ママさん「あら。ナウマン象ちゃん。ちょうどよかった。毒の入ってない暖かいスープがあるけど、飲んでいく?」


ナウマン象「……あ、温かくておいしい」


ママさん「やだ、おおげさよ」


ナウマン象「本当においしいです! 情がこもっていて……ありがとう。ありがとう。俺は、人を嫌いにならずにすみました。恩に着ます!」


買い鳥「はい、確かに。では、150万円いただきます」


ナウマン象「え」


買い鳥「今、私があなたに売った『恩』の代金ですよ。『怨み』で儲けた金があるから払えるでしょ」


ナウマン象「ぼったくりだっ。二度と『恩』なんて買うもんか!」


買い鳥「あなたは、怨みだらけの暗くて冷たい光のない世界を、人の情けなしで過ごしていくんですが。お強いですね」


ナウマン象「う。うう。光…光ぃ」


 その後、ナウマン象はあっという間に『恩』のために資産を失い、今では消費者金融に入り浸っているとか。怨みを買うのも恩を売るのも計画的に。



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ヒロシの仲間たち18 中村さんちの未亡人
 微笑町3丁目に住んでいる中村さんの奥さん。夫である中村さんが亡くなった後、哀しみという名の色気を身に着けたことで、男どもの目を引き付けるようになった。その後、「こち亀」で両津の珍商売が成功したとき並の勢いで、フィギュア化、ゲーム化、アニメ化、映画化、実写ドラマ化されて、巷の話題をかっさらう。


 NHKでも特集が組まれるなどして大いに話題になったが、ある日、中村夫人の知人だというネクロマンサーのA氏が週刊誌で「自分は中村さんの夫をゾンビとして生き返らせた」と告白し、翌日には記者会見を開いた。A氏によると、数年前に知人を通じて知り合った中村夫人から、「近々、夫が死ぬので、ゾンビとして生き返らせてほしい」と頼まれたという。軽い気持ちで引き受けたものの、いつの間にか、中村夫人が世紀の未亡人として扱われていることに罪悪感を覚え、告白に至ったという。


 週刊誌が中村夫人を追及したところ、彼女は事実を認めた。墓の下に隠れていた中村氏も姿を現し、「自分は未亡人萌えで、是非とも妻に未亡人属性を持ってもらいたかった。色々考えて、自分が一度死んでゾンビ化して蘇れば、妻が未亡人属性をもてるのではと思いついた」と真相を明らかにし、「正直、こんなにブームになるとは思わなかった。反省しています。これから成仏します」と反省の色をみせた。


 

主な登場回……第69話「彼女が喪服に着替えたら!」、第70話「故人授業は斎場で」、第77話「やつらの足音が聞こえた!」

 


 


 

キャラクター図鑑 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「とくになし」の巻
 ヒロシが北朝鮮の核施設にダイナマイトを抱えて突撃し、警備員によって射殺されました。
享年10歳。


「だいたい人類ってのは、なんでもかんでもすぐに捨ててゴミ扱い。バカじゃないのバカじゃないの。限りある資源をどう思っているの」


 常々そんなことを言っていたヒロシは「僕、今シャアみたいじゃない?」とか言って人類に絶望し、北朝鮮の核施設で爆発して色々しようと考えていたのです。


 その最中の、死。


 マルぼんは亡きヒロシの思いを叶えるべく、動き始めました。


「アクラッツTD」この薬を服用すると、醜いもの悪いものが美しいもの善いものに見えるようになります。醜ければ醜いほど美しく、悪ければ悪いほど善いものに見えます。


 マルぼんは「アクラッツTD」を大量に購入し、ダムに投入しました。


 町の住人に「アクラッツTD」の効果が出始めました。ゴミを漁る隣のおばさん。新車を自分でボロボロにぶっこわして悦に浸っている隣のおじさん。


ヒロシ「まさに理想郷だね」


 生き返ったヒロシも大喜び。


ヒロシ「この調子で世界中に革命をおこそう…俺たちが理想だ!!」


 敬礼ポーズをキめたヒロシに、麻袋を持ったナウマン象が襲いかかったのは
その直後でした。


ナウマン象「ヒロシかわいいよ、かわいいよ…」


 麻袋にヒロシを詰め込み、逃げていくナウマン象。マルぼん「そうか。『アクラッツTD』の効果で、醜いヒロシがかわいく見えているんだな」


金歯「あ、美しい生き物発見!!」


マルぼん「え?」


金歯「マルぼんは美しいでおじゃるな。その美しさ、永遠のものとしたい…」


 マルぼんは、金歯の配下の黒服によって金歯リムジンに押し込められました。


金歯「腕のいい剥製職人が、うちにいるのでおじゃるよ」


 君たち、金歯家専用美術館で、僕と握手!
 

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「ナンバーワンナンバーワンナンバーワーン」の巻
金歯「朕のパパ上の会社、今年は微笑町の企業で一番の黒字を記録したのでおじゃるよー」


ルナちゃん「うちの教団は、微笑町のカルト宗教で一番多額の寄付金をいただいたわ」


ナウマン象「オレは、微笑町で一番逮捕された回数が多いぜ!」


ヒロシ「どいつもこいつも自分のナンバーワン自慢をしやがって。ふん!時代は、ナンバーワンよりオンリーワンだよ! 運動会でも、競技に順位をつけるをやめて『みんなが1位。みんなが優勝』という方針をとるところが多いんだ。ね、マルぼん」


マルぼん「なんの変哲もない少年であるキミは、オンリーワンでもなんでもないじゃないか」


ヒロシ「言われみればそうだ! ナンバーワンでもオンリーワンでもない
僕は、この国じゃ居場所がねえ! どうしましょう!? なんでもいいからオンリーワンになれる機密道具をだしてえ!」



マルぼん「そんな機密道具はないなぁ」


ヒロシ「うそつけ、あるんだろ! だせよ!」


マルぼん「あ、やめろ。やめ……ひぎぃ!!」


 マルぼんが機密道具や預金通帳や実印をしまいこんでいる『異次元胃』を勝手にまさぐりはじめるヒロシ。



ヒロシ「オンリーワンになれる機密道具だせ!」


マルぼん「やめ、やめろ。異次元胃を勝手にまさぐったら、防衛システムが作動して…」


 とき既に遅く、マルぼんの『異次元胃』は防衛システムを作動させてしまいました。防衛システムが作動すると、
未来の世界の特殊光線が放たれます。特殊光線は、浴びた人間の脳を直接攻撃し、そして(略)


 その後、家の外であろうが内であろうが常に全裸で生活を送り、草花や風を友として、霞を食って生きている、死んだ魚のような目をしたヒロシの姿が町内で見ることができました。


 ヒロシに近づく人はいません。警察も事情をしって、見て見ぬフリです。ヒロシは常に1人です。オンリーワンです。
それはもう、もっともっと特別な。



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「恋した相手はプランクトン」の巻
ヒロシ「今から死ぬ」


マルぼん「ははは。見てみなよ、ヒロシくん。この漫画最高だよ。あははは。ひっひっ…あひゃひゃひゃひゃ!!」


ヒロシ「(死亡ネタ、使いすぎたか…)人生がつまんねえんだよ!! なんとかしてよ!!」


マルぼん「ひっひひひひ!! あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! 最高だ、最高だよこの漫画」


ヒロシ「保健所に通報。怪しげな生き物が部屋に居ついていると、保健所に通報する」


マルぼん「これなんかいかがですか、大沼の坊ちゃま。クイズ即席マシーン。ボタンを押すとですね、押した人の身近な事柄からクイズを作り出してくれる、未来の世界の人気玩具です」


ヒロシ「このスイッチを押せばいいの?」



第一問

今夜の大沼家の晩御飯は次のうちどれ?

A カレーライス 

B 鍋焼きうどん 

C ビーフストロガノフ



ヒロシ「なるほど。こんな感じでクイズが作られるんだね」


マルぼん「どうでしょうか、おもしろそうでしょう?」


ヒロシ「うんうん。ようし。どんどんクイズを作って、自分だけのなぞなぞ本を作るぞっ!!」




第二問

ヒロシくんの父親は服役中ですが、罪状は?

A 幼女へのストーカー行為 

B 老女へのストーカー行為 

C 女優へのストーカー行為



第三問

新しい恋人との新生活のため、まとまった資金のいるヒロシくんのお母さんは、
ヒロシくんに保険をかけました。そんなヒロシくんのお母さんが最近こっていることは?

A ヒロシくんの食事に少しずつ毒を混ぜる。

B ヒロシくんの食事に結構な量の毒を少しずつ混ぜる。

C ヒロシくんの食事に結構な量の毒をダイナミックに混ぜる。



ヒロシ「死ぬ」


マルぼん「坊ちゃまー!!」



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「季節外れだったと反省している」の巻
ヒロシ「ふんふんふふーん♪」 


マルぼん「おやヒロシ氏。鼻歌まじりでノートになにを書いているの?」


ヒロシ「これだよこれ。見てよ」 


マルぼん「えっと、なになに。『運動会を考えたヤツ、死ねとは言わないけど息の根とまれ』。え、ノートの全ての行全てのページに同じことが書いてある!しかも一行ごとに全て色が変えてある! きもっ」 


ヒロシ「へ、へへ…運動会を考えたヤツなんて、酷い目にあえばいいんだ。へ、へへ……運動会こそ、人類最大の愚行……!」 


マルぼん「そうか。微笑小は、もうすぐ運動会。運動音痴のヒロシにとって、運動会はまさしく地獄。恐怖からついに発狂したか」 


 これから中学高校と進学していくヒロシ。いつまでも運動嫌いではまずいと思ったマルぼんは、機密道具を用意することにしました。 


マルぼん「『チュー毒』」 


ヒロシ「ネズミのおもちゃけ」 


マルぼん「このネズミの中には、犯されると『運動が好きで好きでしかたなくなる毒』がいれてある。このネズミロボに噛まれると、その毒に感染することができるのさ」


ヒロシ「ちょ、毒とか使うなよ、毒はまずいよ。毒は。ど…」


 ガブッ。 


 こうしてヒロシは『運動が好きで好きでしかたなくなる毒』に体を犯されました。


マルぼん「どうだ!? 運動がしたくてしたくて仕方なくなったろ」


ヒロシ「今度の運動会。スポンサーは金歯の家か」 


 マルぼんの質問に答えず、ヒロシは部屋を出て行きました。


ママさん「ねえ、ヒロシはどうしたの? なんかガソリンとか空き瓶を大量に抱えて出ていったけど」 


 金歯宅前。 


ヒロシ「金歯一族は運動会のスポンサーになるのはやめろー!!金歯一族は運動会のスポンサーになるのはやめろー!!
金歯一族は運動会のスポンサーになるのはやめろー!!」


門番「なんだ貴様は!」


ヒロシ「『運動会をなくす会』の者だっ!! 金歯一族は運動会のスポンサーになるのはやめろー!!金歯一族は運動会のスポンサーになるのはやめろー!!」


門番「取り押さえろ!!」


ヒロシ「痛い痛い! 暴力を振るった! 暴力を振るった! みてください、この人暴力振るいましたよ! 善良な一般市民であるこの僕に! いてて、救急車よんでー!!」


門番「頭おかしいやつか!」


ヒロシ「なんだと、この資本主義の奴隷どもめ!!」


 手製の火炎瓶を投げまくるヒロシ。金歯宅は火の海に包まれました。


門番「うわ、うわあああああ!!」


 その場から逃亡したヒロシの行方は知りません。


 その後、交番の掲示板には『飛行機を乗っ取って某国に亡命した方々』『大企業に爆弾とか使って脅迫した方々』『凧を使って戦闘機をおとそうとした方々』の写真と並んで、ヒロシの写真が掲示されることとなったのでした。


 マルぼんは『運動が好きで好きでしかたなくなる毒』の効果は絶大だと思いましたが、「運動と言うより活動だよな」とチラッと思いました。



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「恨めしいなんて流行おくれ」の巻
金歯「幽霊なんているハズないでおじゃるよ。この文明社会でなにを言っているんでおじゃるかね、ヒロシは」


ヒロシ「幽霊はいるよ! たとえばこのCD。よく聞くと、かすれた女の声で『ヒロシおにいちゃん、だーいすき』って入っている!」


金歯「妄想でおじゃる」


ヒロシ「妄想ちがう! 妄想ちがうー!」


金歯「はいはい(笑)」





ヒロシ「ということがあったんだ。幽霊の実在を証明できる機密道具をだして!!」


マルぼん「うぃーす。『なんでも召喚マシーン』。こいつは実在するものから、実在しないかもしれないものまで、なんだって召喚できる機密道具さー。こいつで幽霊を召喚しませう」


金歯「くだらないことをやっているでおじゃるね」


ヒロシ「金歯…! 貴様、人の家に勝手に上がりこんで!!」


金歯「気にしない気にしないひとやすみひとやすみ」


 そして『なんでも召喚マシーン』のスイッチを入れて、幽霊の召喚をはじめて3時間…


金歯「やはり幽霊なんていないでおじゃるね」


ヒロシ「畜生…って、携帯に電話だ。ちょっと待ってね。ええっと、ナウマン象からか。もしもし…………ええ!?」


マルぼん「どうした?」


ヒロシ「マルぼん、ちょっと、部屋の外へ」


マルぼん「なんだよう」


ヒロシ「あの、ね。金歯が、対立する貴族の運転する牛車にはねられて亡くなったって。3時間前に」


マルぼん「……」


 部屋で幽霊を待つ金歯を見て、マルぼんは『なんでも召喚マシーン』の効果は絶大だと思いました。


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「やったぜひなまつり」の巻
ルナちゃん「今日はひな祭りよ、女の子の祭典よ!」


ルナちゃんの友人のメスゴリラ「うほうほ!」


ルナちゃんの友人のメスカブトムシ「ぶーんぶーん」


ルナちゃんの友人のメス石「……」


ルナちゃんの友人のメス酸素「……」


ルナちゃん「お友達もたくさん来てくれたし! パーティーのはーじーまーりーよー」


金歯「うひょ。かわいいメスゴリラ! 抱きたいでおじゃる!」


マルぼん「愛って深いよね、マルぼんはつくづくそう思う」


金歯「あんないかしたメスゴリラが参加するひな祭り、朕もぜひ参加したいでおじゃる。参加費はおいくらでおじゃるか! さぁ、この小切手に好きな金額を書き込め! さぁ! さぁ! 金や! 金やで!」


ルナちゃん「ごめんなさい。銭の問題じゃないの。これは女の子だけの祭典。貴様のでる幕はないの。家に帰ってママのおっぱいでもしゃぶってくだるかしら」


金歯「そんなバカな、そんなバカな。金のパワーでもどうにもならないことが存在するなんて!」


マルぼん「いや、君は金のパワーを信じるべきだよ。実はマルぼん、いい機密道具を所持していて」


金歯「買うでおじゃる!」


マルぼん「はい、『近くにある森からやたらと雌雄同体の蝉とか蝶とかクワガタが発見されて問題になった某製薬メーカーの工場の排水が垂れ流されているなぜか魚が一匹もいないいるのは奇形のカエルだけという池から採取した水』~。今では工場周辺は立ち入り禁止で、絶対に手に入らないシロモノ。これを飲み続ければ、きっといつか、金歯くんは金歯ちゃんになれるはずだよ」


金歯「あ、その工場、朕のパパが経営する製薬メーカーでおじゃる。こんなの無料でいくらでも手に入るでおじゃるー」


マルぼん「ぎゃふん!」


 こうしてマルぼんは商機を逃がし、金歯は来年のひな祭りに向けて『近くにある森からやたらと雌雄同体の蝉とか蝶とかクワガタが発見されて問題になった某製薬メーカーの工場の排水が垂れ流されているなぜか魚が一匹もいないいるのは奇形のカエルだけという池から採取した水』を愛飲し、金歯のオトウサンの経営する製薬メーカーは腹を立てたマルぼんの通報によって警察の捜査のメスが入ったのでした。捜査のメスが。


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 最近、大沼家の財政が危機的状況です。貧しさは、大沼家の心をかなり蝕んでいます。


 ヒロシはクラスの給食費を盗んで放送室に立て篭もって駆けつけた教師陣相手に『翼をください』を熱唱。


 ママさんは毎日のように遊びにくる麻雀仲間に出す食事になにやら白い粉末を混ぜています。あれ? 麻雀仲間の保険金の受取人、なんでママさん?


 パパさんは出社する会社もないので背広を着てパンクした自転車に乗って毎日町内をウロウロ。子供たちを、その魔性の牙で狙う悪党どものぶっ殺す、聖なる1人自警団を自称しています。


 家族の精神状態を危惧したマルぼんは現状を打破すべく、ありとあらゆるものを節約してくるロボット型機密道具『節約美人』を使用することにしたのです。


ヒロシ「そんなの持っていたんだ」


マルぼん「こんな事態だから買ってきたんだよ。23万円」


 ヒロシは無言でマルぼんを殴りつけてきました。心から大沼家の幸せを願うマルぼんにこの仕打ち(具体的に言うとDV)!これだから、これだからテレビの電磁波とドラッグに脳を犯された現代っ子はー!未来の地球っ子はー!


ヒロシ「ふうん。さすがに高価なことだけはあるんだ。はやく起動してみてよ」


マルぼん「まずは充電をしなくちゃ。大丈夫。毎日充電しても電気代はスズメの涙程度だから。そう。度重なる環境破壊で住む場所をなくし、一羽また一羽と死んでいきついに世界最後の一羽となったひとりぼっちのスズメがさみしさ故に流した涙と同じ程度だから」


 マルぼんは『節約美人』を起動させました。色々とインストールなどして3時間後。ついに目覚める『節約美人』。起動した瞬間、『節約美人』はヒロシを窓から突き落としました。


マルぼん「ヒロシーっ!」


節約美人「節約完了。私の計算では大沼ヒロシは一生涯に渡って無職。それどころか返却できなかったら手ごろな内臓をチョイスして持っていってしまう種類の企業に金を借りまくって、親類縁者に地獄を見せまくるハズです。まさに無駄の極地」


マルぼん「バカッ! 通夜とか葬式とか結構かかるんだぞ!」


節約美人「遺体は、世間様にバレないよう庭に埋葬します。その上に家庭菜園でも作れば肥料もかからず一石二鳥」


マルぼん「そ、そこまで計算を!」


節約美人「ヒロシ失踪に関して、警察にそれとなく『パパさんがヒロシに
保険金を』とでもチクっとけば、パパさんも消えます。パパさんの生活費も浮きますよ」


マルぼん「さすがだー! さすがだー!」


 とても頼れる『節約美人』。マルぼんは、大沼家の素敵な未来を確信しました。

ヒロシとかパパさんとかママさんを節約し、大沼家に金の臭いを復活させてくれた『節約美人』。おかげでマルぼんは、肉体の衰えという言葉を知らない屈強な男たちによる人間神輿で町を散策できるようになるほどのブルジュワぶりです。


節約美人「これからどんどん節約していきます。ええ、していきますもの。とりあえず、兵器を買うお金がもったいないので、あの国とかあの国を滅ぼします」


マルぼん「ワー! 社会派ー!」


節約美人「他にもどんどん節約していきま


マルぼん「なにを節約してい…あれ?


節約美人「どうしまし


マルぼん「言葉が途中でとぎ


節約美人「ブログの容量を節


マルぼん「ちょっとま


節約美人「待てま


マルぼん「そ


節約美人「


マルぼ

節約





















今日の日記は節約します。



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「ヒロシ、霧の中」の巻
 3日間音信不通になっていたヒロシがようやく帰宅。理由を聞いてみると

ヒロシ「給食を残したら、担任のサイノカワラ(イタズラをした生徒を河原に連れて行って、無理矢理に
石を積み上げさせ、いいところまで積んだら壊させるということを強要し、PTAから訴えられたということからついたあだ名)に怒られたんだ。で、学校の地下にある特別指導室(元防空壕。保護者には内緒で、色々やってます。それはもう、色々やってます。だって教師である前に人間だもの)に連れて行かれ、昼夜問わず飲まず食わずの強制労働。もう嫌だ。汚れたから死ぬ。僕は死ぬ」


とのこと。


 ちなみにヒロシが残した給食は「ぶどうパン」。パンのなかに干しぶどうがはいっているもので、ヒロシは干しぶどうが大嫌い。目の前にあるだけで「神は死んだ!」「自由も死んだ!」「大沼死すとも干しぶどうは死せず」「干しぶどうの表面のシワから殺し屋が僕を狙っている。誰に、誰に頼まれた!? 兄貴か!?」とパニックになったり、「サルでもできる自爆テロ」という本を片手に町内の「干しぶどう工場」の住所を調べたりするほど大嫌い。そんな物を「食えよ。世界には飢えで苦しんでいる人がごまんといるんだ。食えよ」と無理矢理食べさせるのは酷な話だと、マルぼんは思いました。


ヒロシ「マルぼん。苦手なものを克服できる機密道具、出してよ」


 ヒロシを不憫に思ったマルぼんは、色々考えてみることにしました。


「干しぶどうに中毒性のある草(幻覚のオプション付き)を混入する」「干しぶどうに中毒性のある粉(激しい被害妄想ができるようになるオプション付き)を混ぜてみる」「いっそのこと楽にする」など、ヒロシの安全を第一に考えた計画を立案しましたが、どうもしっくり来ません。


 で、さらに悩んだ末「嫌いなものなら好きなもので上から塗りつぶしてしまえばいいのでは」と、マルぼんは思いついたのです。マルぼんの知人の一人暮らしのおじいさんに、ジャガイモを親の仇みたいに嫌っている人がいるのですが、その人も大好物のカレーの具としてのじゃがいもは、「うまいうまい。うまいうまい。うまいうまい。うまいうまい。うまいうまい。うまい。うまいよおかーさーん」と、何かに獲りつかれたかのように、素手で貪り食ったりしますし。


マルぼん「ヒロシくんの好物って?」

ヒロシ「ぷに~でふわふわ~で萌え~な美少女」


「こいつは人間として腐っている」と思ったのも束の間。マルぼんはある機密道具のことを思い出しました。『擬人火』。この火で軽くあぶったものは、どんな物でも『ぷに~でふわふわ~で萌え~な美少女』にその姿を変えてしまうのです。マルぼんはさっそく干しぶどうをあぶってみました。


ヒロシ「すごい! 干しぶどうが光の速さで『毎朝、僕を起こしに来てくれる幼なじみ』に化身した!」


 美少化した干しぶどうを見て、早くも脳内設定を作りあげたヒロシ。


マルぼん「これで干しぶどうも克服だね」


ヒロシ「はぁ? 人間の姿をしたものを食べろだなんて何言ってンの? さてはマルぼん、留学先のパリで知り合った美人に食料としての魅力を感じてしまうタイプ?」


マルぼん「ここにもモラルの壁が」
 ヒロシ「結局、干しぶどう克服は無理だったね。所詮、未来の世界の生きる価値もないろくでなしの機密道具か」

マルぼん「な!? なんだと! 貴様! この口が! この口が罵詈雑言を産み出すのかー!?」


 こんなカンジで殺傷沙汰になったマルぼんとヒロシですが、半日後には「『擬人火』をいじって遊んで、おもしろおかしく生きていこうぜ」という結論に至り、見事仲直り。2人で町へと繰り出しました。


ナウマン象「おう。ヒロシじゃねえか。新しく買った薬の効果を確かめたいから、この風邪薬と睡眠薬を同時に服用しろよ」


 繰り出した瞬間、ナウマン象に遭遇したマルぼんたち。恐怖に駆られたヒロシは、とっさに『擬人火』でナウマン象をあぶってしまいました。


ナウマン象「ああ!? 俺様の体が『陸上に命をかけていたが足の故障で夢を断念し、生きる希望を失っていた時に心やさしいガキ大将と出会い、癒され、やがて愛情を感じるようになる美少女』になってる!」


 光の速さで事情を飲み込み、脳内設定を構築するナウマン象たん。


ヒロシ「なにを言っているんだナウマン象! その姿はどう見ても『クラスの世話焼き委員長』だろ!?」


ナウマン象「貴様の仕業か! このっこのっ!」


 男として譲れないもの(脳内設定)をかけて戦い始めるヒロシとナウマン象たん。しかし『ダメおたく。金も力もなかりけり』とはよく言ったもので、ヒロシは一方的にナウマン象たんに殴られています。「一人暮らしのおじいさんが命の次に大切にしている、今は亡き孫愛用のお茶碗」をも砕くナウマン象のパンチをまともに受けつづけるヒロシ。


ヒロシ「あれ!? いつものナウマン象に殴られている時は痛さしか感じないけど、今のナウマン象に殴られても痛くない…?
 それどころか、それどころか…この感覚は!」


 殴られながらも満面の笑みを浮かべるヒロシを見て、マルぼんも幸せです。


 そして、時はながれ、夏。


ヒロシ「きゃっ!? セミの死骸!」


 光の速さで生きることをあきらめたセミの死骸が道に転がっていたのを見て、ヒロシが嫌悪感がこれみよがしにつまった悲鳴をあげました。



ヒロシ「ぼ、僕は干しぶどうやマルぼんと同じくらい、セミが嫌いなんだ。特に死骸。なんで仰向けで死ぬんだよ。あの白い部分とか茶色の部分とか、ちょっとグロすぎない? というか全滅しろ!」


 荒れるヒロシ。


ヒロシ「あと、すぐ死ぬなよ。生きろよ。生きぬけよ。生きてればいいことあるんだから。生きろよ。生きてくれよう」


 壊れるヒロシ。小学生が壊れたままというのはマズいので、マルぼんは『擬人火』でセミの死骸をあぶりました。


ヒロシ「ああ…『口うるさいけど生徒想いの女教師(メガネを外すと美人)』の死骸! ああ!」


 その後も道でセミが朽ち果てているのに遭遇する度、マルぼんは『擬人火』を使いつづけました。スモッグとダイオキシンとなんとか2.5の量世界一の微笑町ですから、セミの死亡率もケタ違いで、マルぼんの作業量も半端なものではありませんでした。で、ようやく帰宅。


マルぼん「さぁ、お家に入ろう」


ヒロシ「その前に、どんなものでも腐らせず、永久に美しいまま収容できる機密道具だしてよ」


 美少女(本当はセミです。あくまでセミです。ええ、もちろんセミです)の死骸を山ほど抱えたヒロシが、満面の笑みをうかべていいました。幸せそうなヒロシを見て、マルぼんも嬉しかったのですが、近所の人は汚いものでも見るような顔をしてヒロシを見ていました。そんなわけで部屋はヒロシの持ち帰った美女の死骸(セミ)で埋め尽されているのでした。


マルぼん「捨ててきなさい。捨ててらっしゃい」


ヒロシ「マルぼんは、空想美少女がいっぱいなバーチャル世界にしか明日への活路を見い出せない哀しい哀しい社会の被害者が、ようやく見つけだした現実との接点(セミの死骸)を、生きるという苦しみから探しあてた希望を、捨てろというの!」


マルぼん「はい(即答)」


ヒロシ「こ、この鬼畜! 畜生! 保健所の監視つき!」


そろそろ真剣にうざいのでマルぼんは強制的にヒロシの希望を排除することにしました。『ナカッタのコト煮』。みらいのせかいに存在するナカッタという動物の肉を、みらいのせかいに存在するコトという果物を液状にしたもので煮て完成するお薬です。この薬は、機密道具の効果を打ち消す効能があります。


 例えば『機密道具の力で株のインサイダー取り引きで大もうけしようと企んだものの、あえなく失敗して全財産を失ってしまうも、人として大切ななにかを思い出した社長サン』に『ナカッタのコト煮』を使用すると、『機密道具で株のインサイダー取り引き』がなかったことになり、社長サンは元の『人を人とも思わず、独居老人を容赦なく騙して金を奪い、最期はマスコミの前で銃剣で刺し殺されるような冷酷非道な男』に戻ってしまうのです。


マルぼん「この『ナカッタのコト煮』で、美女をセミに戻してやる!」


ヒロシ「そんなことしたら、このエルドラドが一気に地獄に!」


マルぼん「ほらほらほらー! どうだぁ、ヒーロシィ!」


ヒロシ「美女の死骸がセミの死骸に! 美女の死骸がセミの死骸に!」


マルぼん「希望なんて儚いものだな、ヒーロシィ!」


ヒロシ「いや、いやー! って、美女のままの死骸がある! 夢は守られた! 希望も守られた!」


マルぼん「そんな馬鹿な!…って、これ、セミじゃないよ。これ…もしかして…」


ヒロシ「……現実。現実ゥ!? ひ、ひぃ! 現実キモい! 現実キモいー!」


 一ヵ月後。庭に大きな花が、咲きました。





日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)

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