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Author:大沼ヒロシ
大沼ヒロシと申します。ブログはじめたての初心者です。どうぞよろしく。

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「ゆかいな仲間ども」の巻
 突然ですが、ルナちゃんに『動物大好き』という設定が加わりました。


ルナちゃん「というわけで、動物がたっくさんいるところで色々やりたいな」


マルぼん「はいはい。その望みがかなう機密道具を出せばいいんでしょ。『エルドラ戸』。扉をあけた人の思考をよみとり、その人の望む理想郷へといざなってなってくれる」


ルナちゃん「素敵素敵! さっそく、理想郷へとレッツラゴー!」


ガチャ(扉を開けた音)。


鞭もった人「働け。働け。我らが王は、ピラミッドの完成を首を長くして待っておられる」


奴隷「む、無理です。硬いパンと泥のようなスープではまるで力がでません」


鞭もった人「なにを言う。死ぬまで働くのだ」


奴隷「そ、そんな。俺たちは人間ですよ」


鞭もった人「貴様らは人間はない。動物だ。馬や豚と一緒なのだっ。ハハハハハ」


ガチャ(扉を閉めた音)


ルナちゃん「…というわけで、動物扱いされている人間ではない本物の動物がたっくさんいるところで、色々やりたいな」


マルぼん「『エルドラ戸』を注意深く使ってくれや。マルぼん、今とってもいそがしいんや」


ルナちゃん「冷めてるわねえ…まぁ。今度こそ、理想郷へ」


ガチャ(扉を開けた音)


扉の向こうにいた人「ムチ五郎動物帝国へようこそ。ここは、動物と人間が共に幸せを貪り喰っている、動物好きの理想郷です! あなたも帝国の民になりますか」


ルナちゃん「これよこれ! こういうのがよかったの! なりますなります! なりますとも!」


扉の向こうにいた人「了解ですー。では、さっそく入れ墨の準備しますね」


ルナちゃん「…入れ墨?」


扉の向こうにいた人「右肩にね、番号の入れ墨をいれますの。動物帝国では、人間には名前はいりませんので、みんな番号で呼ばれているんですよ」


衛兵「止まれ! 止まるんだ、239番!」


239番「た、助けて! お、俺はポチにエサをあげ忘れただけなんだ」


扉の向こうにいた人「メチャクチャ大罪じゃないですか。死刑」


239番「い、いやぁぁぁぁぁん!」


扉の向こうにいた人「ムチ五郎動物帝国は、人間が人権とか国籍とかに捕らわれず、動物に命をかけて奉仕できる、動物好きの理想郷。共に幸せに暮らしましょう」


ガチ(扉を閉めようとして、阻止された音)



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日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「お父さんと呼んで」の巻
パパさん「おーい。一家の大黒柱さまのおかえりだぞー」


マルぼん「ママさんとヒロシなら、2人に幸せな人生を約束してくれる新しいパパさんのところへ行きました」


パパさん「え、なんで!?」


マルぼん「そりゃまぁ、まともに働かないし、わずかな稼ぎは全て小豆相場につぎ込むし、とてもじゃないけど一家の大黒柱といえないから、でていかれても当然かと」


パパさん「どどどどどうしよう!? 俺、俺、一家の大黒柱として、妻と子を支えたい!」


マルぼん「ここに良い稼ぎの仕事をまとめた仕事情報誌があるんで、これでかんばってたくさん稼いで、一家の大黒柱として家族を支えるしかないですね」


パパさん「仕事、仕事か! どれどれ…おお。『指定された場所に鞄を運ぶだけで、報酬10万円』! これだこれ!」


 さっそく10万円の仕事をはじめるパパさん。鞄を受け取り、指定された場所へ向かいました。そこにはなんか、色々といわくありげな人々が。


パパさん「おとどけものですぅ」


いわくありげな人A「ごくろうさーん」


いわくありげな人B「アニキ、こいつこのまま帰すんですか」


パパさん「はいは?」


いわくありげな人A「その鞄なー。ちょっと中身が非合法でなーばれたらまずいんよー」


いわくありげな人B「だからね、悪いけど。ほら。この拳銃で。ほら。ズキューンと。一発」


パパさん「ひぇぇぇぇ!?」


いわくありげな人B「で、どこに捨てます?」


いわくありげな人A「ほら、3丁目のマンション建設予定地。あそこになら、マンションが完成しちまえば、わかんねえよ」


 数ヵ月後。ママさんとヒロシとマルぼんと新しいパパさんは、新しくできたマンションに引っ越して
新生活をはじめました。


 マンションはとても丈夫で、反政府組織による多少のテロでもびくともしませんでした。

 話は変わりますが、昔は、新しい城を造るときは、丈夫になるように城の地下に人を埋めたりしたそうですね。人柱といらしいですね。


 マルぼんは、パパさんの願いがかなってよかったと思いました。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「もう会えない気がして」の巻
ヒロシ「あ、ハンカチを落されましたよ」


少女「ありがとうございます」


ヒロシ「……」


少女「……」


ヒロシ「それじゃ」


少女「では…」


ヒロシ「ということがありました。間違いない。彼女、ボクに惚れました。確実です。確実です。定説です。最高ですかー! 最高でーす!!」


マルぼん「ある意味しあわせな人だ」


ヒロシ「このしあわせな気分も、彼女とボクの出会いが一期一会だったからにちがいねえ。一期一会最高。一期一会最強! なんどでも一期一会ができる機密道具出せ!」


マルぼん「『一期一会イチゴ』。このイチゴを食べてから会った人とは、二度と会えなくなる」


ヒロシ「うわーい。最高だ。さっそくたべよう。むしゃむしゃ」


マルぼん「うわ、こっちを見るな、こっちを……げふっ」


 マルぼんは死にました。


ヒロシ「こういう意味で二度と会えなくなるのか。あぶねえあぶねえ。おい」


マルぼん、いつまで死んでいるんだ。生き返れよ」


マルぼん「うん。しかし危ない機密道具だね。あとで捨てような」


ヒロシ「そうだね。よし。やなことは忘れて遊びにいこう」


ママさん「あら、こんなところにイチゴが。ちょうどいいわ」


 外行きの和服姿のママさん。『一期一会イチゴ』を持って出かけていきました。出かけ先は、ヒロシの新しいパパさん候補の代議士の金尾為輝氏のところ。


金尾為輝「ヒロシくんに『おとうさん』と呼ばせてみせるぞ、がはははは」


ママさん「頼もしいですわ、このイチゴ、よければどうぞ」


金尾為輝「ありがたい、がはははは。イチゴは大好物なのですよ。がははははは。うどん子さんの唇みたいな味がするからね。ガハハハハハ」


秘書「先生、街頭演説の時間ですよ」


金尾為輝「がははははは。そうか。よし、景気づけにこのイチゴをたべて。もしゃもしゃ」


 金尾氏は、町の人々でごったかえす演説会場に出ました。


金尾為輝「がははは。微笑町の皆様、金尾為輝です。皆様とお会いできて光栄です!」


テロリスト「金の亡者に天誅を!」


 聴衆にまじっていたテロリストが、鞄に入れていた爆弾を爆発させました。広場は、たくさんの聴衆は、爆風に包まれました。


 マルぼんは、『一期一会イチゴ』の効果は絶大だと思いました。




日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「うつむーくーそのせーなーかーに」の巻
 町内会の福引で温泉旅行が当たった、俺、ヒロシ、マルぼん、おっちゃんの4人は、微笑町近郊にある観光地・イカスミ温泉郷へやって来た。この地方では昔、無念のうちに死んでいった戦国武将がいて、半年に一度という短いインターバルで怨霊が甦り、人々に仇をなすという伝説があった。そんなことは気にせずに、現地で知り合った大学生とよろしくやっていると、大学生が姿を消した。みんなで捜索することになったのだが……

 

武田二十四名臣連続殺人事件 ファイル2




 
ヒロシ「捜索は諦めてご飯を食べよう」

 
俺「そうだな」

 
マルぼん「そうと決まれば、いいかげん上着を脱ぎなよ」


ヒロシ「そうだねーって、あれ、ハンガーがないよ」

 
俺「そこらへんに置いとけよ、上着なんて」

 
ヒロシ「いやだよ、しわになるだろ。この上着はすごい高級品なんだぞ」

 
マルぼん「仕方ないなぁ、『欲しいもの探知機』。この探知機は、欲しいものを必ず見つけ出してくれる」

 
俺「それで消えた大学生を探そうぜ」

 
ヒロシ「消えた大学生より、ハンガーだよ」

 
 探知機片手にハンガー捜索に乗り出すヒロシ。

 
マルぼん「あの探知機は目的のブツが見つからなくても代わりになるようなものを見つけてくれる優れものだから、きっとハンガーは見つかるさ」

 
俺「だからそれで大学生を探せよ」


消えた大学生「いやーごめんごめん。ちょっとトイレで」


俺「なんだ。よかったよかったアハハハハハ。アハハハハハハハ。アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」


女性「キャー!」


マルぼん「絹を裂くような女性の悲鳴!」


俺「どうしました!?」


女性「そ、そこで人が首を吊っているんです!」


マルぼん「あ、ヒロシが!」


 そこでは、さっきハンガーを求めて出て行ったはずのヒロシが、ロープで首を吊った状態で天井からぶら下がっていました。


大学生「自殺か。若いのになんで…命を粗末にして……!」


俺(いや、これは自殺じゃない。なぜなら、ヒロシは脱いで手に持っていたハズの上着を着ている。これは誰かが着せたんだ)


警察官「じゃあ、自殺で処理します」


俺「(まずい!)。あれれ、変なのー。ヒロシってば、脱いだハズの服を着て首を吊っているよ。まるでハンガーみたいになってるー」


警察官「別に変でもなんでもないですよ、上着も普通に着るでしょう。はい、自殺自殺」


俺「……」


 マルぼんは、結局ハンガーが見つからなかったので、ヒロシをハンガーにしてしまった『欲しいもの探知機』の効果は絶大だと思いました。




日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「おふくろさん」の巻
マルぼん「おや、ヒロシ。買い物かい? 買い物ならば、よい機密道具があるよ。未来の世界で『主婦が選んだベスト機密道具』に選ばれた逸品さ。『割引腕輪』。この腕輪をつけた状態で袋を持参して買い物に行くと、レジで買ったものをその袋の入れてもらえる。で、袋代の5円を割引してもらえるんだ」


ヒロシ「ふん。僕はそんなみみっちい機密道具はいらないな」


マルぼん「いいから着けていけよ」


ヒロシ「わかったよ。でも、袋は持っていかないよ」


マルぼん「お守り代わりだよ、お守り」


ヒロシ「それじゃ、行ってくるね。一週間後には帰ってくるから」


 そんなわけで、ヒロシは『割引腕輪』を装着して買い物へ。買い物の場所は、海外です。


黒服「いらっしゃい。約束の金は持ってきましたか」


ヒロシ「こちらに。約束の500万円ですですから早く、例のものを……」


黒服「たしかに。はい、これはおつりの5円です」


ヒロシ「え。こ、これはもしや『割引腕輪』の効果!? 僕、袋なんて持参していませんよ!?」


黒服「すばらしい袋をお持ちではないですか。さぁ、さっそく商品を袋に入れましょう」


ヒロシ「ちょ、ちょ…うごっ」





ニュース『続いてのニュースです。コカインの入った袋を大量に飲み込み、胃袋に隠して国内に持ち込もうとした少年が税関で逮捕されました』


日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「ネタがつきたら総集編」の巻
ヒロシ「すやすやと眠っているものだとばかり思っていたら、無意識のうちに僕ってば外をうろうろしていたみたい。
この札束はなに? この血塗られた鈍器のようなものはいったい?」


マルぼん「思い出せないの?」


ヒロシ「都合の悪いことは光のはやさで脳内から消去することが、楽しく生きるコツなんさ。今回はその能力が裏目にでたみたいね」


マルぼん「ふむ。それならこれを飲んでみよう『総集編の種』。この種を飲むとだね、いままでの人生のおいしいところが編集されて、総集編として脳内で再生される」


ヒロシ「へえ。さっそく飲んでみよう。ごく」


マルぼん「どう?」


ヒロシ「なんか、子供のころの楽しい思い出ばかりが再生される」


マルぼん「他は?」


ヒロシ「とくになにも……」


マルぼん「あ」


ヒロシ「どうしたの?」


マルぼん「ははは。めんごめんご。まちがって青酸カリわたしてたわ」br>

ヒロシ「ははは。そんなバカな。だってきちんと、総集編が脳内で…再生……」


 ヒロシの体がぐらつきました。


ヒロシ「わか…った。今の、総集編じゃなくて……走馬灯…………」





日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「思い出の雪だるま」の巻
 諸事情で、今月500円で暮らすハメになったマルぼんとヒロシ。


ヒロシ「500円だと明らかに無理だから、なんとかして増やさないと。株? 株しかないのか?」


マルぼん「株よりもイかす方法があるよ。ほら、このビニール袋に500円玉を入れてみな」


ヒロシ「なんか…ガスが充満していますよ、このビニール袋」


マルぼん「このガスは『雪だるま式ガス』。よし。500円玉を入れたね」


 待つこと数時間。


マルぼん「ガスは十分染み渡ったようだね。あ、ちょうど家の外をナウマン象が歩いている。おい、ナウマン象500円あげる」


ナウマン象「かね…かねー!! おかねやー!!」


ヒロシ「な、なにすんだよ!」


マルぼん「ま、数時間たてばわかるよー」


 数時間後。血だらけのナウマン象がやってきました。


ナウマン象「これを頼む……」


 アタッシュケースをヒロシに渡すと息絶えるナウマン象。ケースの中身は札束! 血だらけの札束!


マルぼん「『雪だるま式ガス』を浴びたモノを適当に放流すると、戻ってきた時、そのモノは雪だるま式に膨れ上がっているンだ」


ヒロシ「な、なるほど。しかしすっごい額のお金! 一生遊んで暮らせるね!」


見知らぬ人たち「ヒロシ! ヒロシ!」


見知らぬ人たち「親戚のジェニファーよ。覚えている?」


ヒロシ「親戚の数まで膨れ上がっちまったみたいだ!」


マルぼん「なんかウザいし、逃げるか!」


ヒロシ「表に車を用意してあるよ」


 車に乗り込むマルぼんとヒロシ。車を急発進させ、親戚連中をまこうとしたのですが。


マルぼん「スピード出しすぎですぞ!? あ、パトカー!!」


ヒロシ「パトカーを振り切る!」


 しかし所詮は小学生。車はどこぞのコンビニに突っ込んでしまいました。


ヒロシ「こいつはまだ生きとるですたい!」


 車を再び発進させるヒロシ。


ルナちゃん「ぎゃー!!」


マルぼん「ルナちゃんをはねたぞ!? 逝ったぞ! 死んだぞ!! 息絶えたぞ!!!」


ヒロシ「お払いに行くから大丈夫」


マルぼん「パトカー増えているし!! あ、前!! 金歯が歩いている!!」


金歯「ぎゃー!! ははうえー!!」


ヒロシ「はいはい合掌合掌」


マルぼん「パトカーの数が。数が!! さらに増えている」


ヒロシ「そこに拳銃が入っているから威嚇射撃を!」


マルぼん「ごめんなさいごめんなさい」


 ズギューンズキューン。弾が命中してせいでスリップし、横転するパトカー。横転したパトカーに後続のパトカーがぶつかって、爆発。炎上。


ヒロシ「弾が切れたなら、そこに火炎瓶用意してるから使いな」
 

 膨れ上がっていく、罪の数。マルぼんは、『雪だるま式ガス』の効果は絶大だと思いました。泣きながら。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
ヒロシの仲間たち21  暗殺者たち
 最近やりたい放題なヒロシたちを抹殺するべく、有志が募った募金で雇われた殺し屋たち。晴らせぬ恨みを晴らし、許せぬ人でなしを消す。とっても頼れるやつらだよ。


・はっちょうぼり

 微笑中央署の刑事。うだつの上がらないヒラ刑事で、職場では軽く見られ、家では家族にいびられる立場の弱い男だが、それは昼行燈を装っているだけ。実は頭脳明晰で剣の腕は達人級。暗殺チームを取り仕切る頼れるリーダー。昼行燈っぷりは、裏稼業のことを隠すため、目立たぬようにするためのフェイク。


 でも、21世紀真っ盛りにかかわらず、なぜか同心の恰好をしているからめっちゃ目立つ。殺しの道具も刀だから、マルぼんを暗殺したあと、あっさりばれた。つかまった。ちょうえきじゅうごねん。ばいばい。


※全然関係のない話なんですけど、昔、「必殺仕事人・激突!」が放送されている頃、当時僕は小学生。購読していた学年誌に、仕事人のギャグ漫画が掲載されてびっくりしたことがあります。


 仕置きを終えた中村主水。なんとなく、殺した相手の食べていたものをつまんでみたら、美味しい! つまみ食いを続けて続けて、やめられないとまらない状態の主水に、飾り職人の秀が「つるぴかハゲ丸くん」の近藤みたいなポーズで「主水!」と突っ込んでいたのを覚えてます。


 学年誌に必殺シリーズの漫画が載るのもアレだし、秀が「主水」と呼ぶのもアレだし、色々思い出深いです。誰に話しても信じてもらえないのですが、どなたか覚えているかたはおられませんか。


・ガチ念仏

 表の職業は僧侶という、天罰覚悟な殺し屋。その殺しの方法は「ターゲットに何食わぬ顔で近づき、巧みな話術で悪いことをするように導いて、悪行を積ませ、来世をゴキブリとか蛆虫とかにして、生まれてきた瞬間踏み潰す」というもの。とりあえずナウマン象を葬ったらしいが、本当に恨みが晴らせているのかどうかわかりにくいため、今いち評判が悪い。現在はタレント坊主をしているとの風のうわさ。


・家庭料理のとよ子

 表の職業はヒロシのクラスの学級委員長。その殺しの方法は「ターゲットに何食わぬ顔で近づき、親睦を深めて結婚。脂っこい手料理を毎日ふるまって、少しずつ相手の体を悪くして、最終的に病気にして殺す」という長期計画なもの。仕置き開始から70年後、見事にヒロシを痛風にするが、その死を見ることなく、ヒロシや子ども・孫たちにみとられて先立つ。享年82歳。その後、ヒロシもあとを追うように亡くなったという。


・第一書記屋の金

 表の職業は第一書記。核ミサイルで、ターゲットの金歯を日本ごと葬った。



主な登場回……第1話「いのちを売ってさらし首」、第77話「やつらの足音が聞こえた!」

キャラクター図鑑 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
ヒロシの仲間たち20  海原プーさん
 学級新聞の企画で、「クラスで一番人気のある給食のメニュー」を調べていたヒロシとマロン田さんの前に立ちふさがった、日本有数の美食家。「ハ~チミツたべたいなー」と、どんな料理にもハチミツをかけて食べる。ハチミツを愚弄するやつは、必殺の爪で切り裂く。実は熊なので、最後は地元猟友会によって射殺された。


 人里にでてきた熊が悪いのか。


 熊が人里に出ざるをえない状況を作り出した人間が悪いのか。


 答えが見つからないまま、今日も銃弾は命を奪う。


主な登場回……第19話「あのぬいぐるみ野郎のせいで!」、第77話「やつらの足音が聞こえた!」


 

 

日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
ヒロシの仲間たち18 豚骨和尚
 ヒロシの知り合いの坊主で、微笑町の大半を檀家としている「矢菜感寺」の和尚。屈強な僧兵30人(全員美少年)を常に侍らせて、微笑町の宗教界を牛耳ろうとする新興宗教からの襲撃に備える。


 現役の女子高生が自分のために祈祷してくれる「JKシャーマン」や現役の女子高生が戒名をつけてくれる「JKキラキラネーム」、現役の女子高生が数世代に渡って故人の供養を行ってくれる「JK永代供養」、その他「JK七回忌」「JK納骨」といったサービスを行う事業を立ち上げて繁盛させるなど、企業家としての一面も持っていたが、裏オプションとして、現役女子高生が嫌いな相手を呪ってくれる「JK丑の刻参り」や、現役女子高生が門徒を煽って一揆を起こして地域の権力者を襲わせる「JK一揆」などを行っていたことが判明し、労働基準法違反で逮捕された。


主な登場回……第41話「木魚フェス! 今宵乱れるあたいとおまえ!」、第77話「やつらの足音が聞こえた!」


キャラクター図鑑 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「裏切りものの名を受けて」の巻
 ヒロシ「む。あそこでなにやら話をしている2人組がいるぞ。なにを話しているか気になるな。なんとか聞くことはできないかな」


マルぼん「『ヘルズ・イヤホン』。このイヤホンを付けると、地獄耳になり、人様の秘密の会話なんかも聞き取ることができるんさ」


ヒロシ「おう。そいつはナイスな機密道具。さっそく装着して」


マルぼん「ああ、残念。話が終わったらしく、2人組は離れてしまったよ」


ヒロシ「聞こえた!」


マルぼん「はい?」


ヒロシ「ほら、2人組がいたところから10mくらいさきのところ。ルナちゃんと金歯がなんか話しているだろ。それが聞こえた。やつら、やつら僕の悪口を言っているんだ」


マルぼん「そうかなぁ。なんか普通に話しているだけに見えるけど。『ヘルズ・イヤホン』では、あんな遠くの会話は聞き取れないよ」


ヒロシ「僕は地獄耳になったんだぞ。間違えなく聞こえたの! あ!」


マルぼん「どうした」


ヒロシ「あそこの公衆電話を使っている男、僕の悪口を家族に伝えているぞ。僕の地獄耳がたしかに聞き取った」


マルぼん「おい」


ヒロシ「あの女も、その男も、みんな僕の悪口を言っている。『なにあのきもい小学生』『なにあのきもい生き物』とか言っているに違いない。心にはそう聞こえたんだ。わかる、わかるぞ! 子犬も笑ってる。お日様も笑っている。僕を見て笑っている! あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ。おのれ人間どもめー。おのれ人間どもめーあひゃひゃひゃひゃ。マルぼんありがとう、地獄耳になれたおかげで、人間の醜さがわかったよ」


マルぼん「それ、地獄耳じゃなくて被害妄想な」


日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「微笑小学校七不思議」の巻
ヒロシ「僕らの通う微笑小学校には、『七不思議』がないんだ」


マルぼん「そんなもの、別になくてもいいじゃろが」


ヒロシ「いいか、マルぼん。『不思議』というものは、いわば人生の味付け海苔なんだよ。少しあるだけで、人生を楽しくしてくれる。、微笑小学校に『七不思議』をつくらないと!」


 しかたないので、マルぼんは、不思議な現象を捏造できる『不思議捏造セット』機密道具を駆使して、微笑小学校に『七不思議』を作ることにしました。さっそく、夜の微笑小学校に侵入するマルぼんとヒロシ。


マルぼん「とりあえず、音楽室のピアノを人が近づくと勝手に音が鳴るようして、保健室の骨格標本を人が近づくと笑い出すように改造してきたよ。あと、校庭にある初代校長の銅像をロボに改造して動き出すようにしようと思う」


ヒロシ「それじゃ、僕は体育館のボールが自動的に動くように改造してくるよ。


 しばらくすると、マルぼんの携帯にヒロシから電話がかかってきました。


ヒロシ『今、体育館の裏にいるんだけど、怪しい影を目撃したよ。もしかしたら、捏造じゃない、ほんまもんの霊現象かもしれない! ちょっと見てくる!』




 この電話を最後に、ヒロシは姿を消した。数日後、ヒロシは隣町・薄笑町の山奥の線路で、轢死体で発見される。
発見場所に近い駅で駅員がヒロシらしき人と話をしたと証言し、最寄の旅館にもヒロシらしき人物が泊まった記録があったこと、ヒロシが「最近彼女とうまくいかない」と動機らしきことを周囲に漏らしていたことから、警察は「ヒロシがこのあたりまで出向き、自殺した」と断定した。


 それから一ヵ月後。微笑小学校の校長が「色々申し訳ありませんでした」という遺書と、出所不明の1億円の現金を残して自殺。この事件の影響で、微笑小学校の生徒であるヒロシの死が脚光を浴びることになった。


 小説家や大学教授で構成された有志の団体が調べたところ、駅で目撃されたヒロシは『大沼ヒロシ』を自称してはいたが、似ても似つかぬ中年男であること、宿泊記録の残っていた旅館ではヒロシは目撃されていないこと、ヒロシのふりをした何者かがいたのではないという疑惑が持ち上がった。さらに、ヒロシのいう恋人との件はプレイ中のエロゲー「あいちゅくりいむ★ぱらだいす」の進行で動機にはなりづらいことや、遺体発見現場にはヒロシの血がほとんど残っておらず「他の場所で殺されたあと、現場に運ばれた可能性が高いこと」などがわかった。これらの調査から、自殺説に疑問の声があがることになった。


 校長の死から、さらに一ヵ月後。ある町会議員が失踪する。議員の家は荒らされており、ノートパソコンや複数の書類がなくなっていた。この町会議員は、校長との個人的なつながりが噂されており、繁華街で2人でいるところを目撃されている。この2人は、大物政治家も会員だという、とある団体のメンバーでもあった。



 ヒロシの死は、校長の死と議員の失踪と関連付けられて語られることが多くなった。なにか巨大な陰謀に巻き込まれたのではないか。なにかを見てはいけないものを目撃してしまったのではないか。色々な人が、様々な予想をしたが、今もって真相はわかっていない。警察も「ヒロシの死は自殺である」という姿勢を崩していない。





 自殺か。



 他殺か。



 真相はわからないまま、事件に魅せられた者が、事件に人生を狂わされた者が、真実を追い求める者が、今日も謎という舞台で踊っている。


 マルぼんは、ヒロシそのものを不思議にしてしまった『不思議捏造セット』の効果は絶大だと思いました。




日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「結局のところ、ゲーム脳ってどうなったんよ」の巻
 ヒロシが屈辱にまみれた負け犬の顔をして帰ってきました。


 なんでも金歯が新しく買ったゲームソフトを散々自慢してきて、さらにはナウマン象やルナちゃんは遊びに誘うのに
ヒロシだけ誘わなかったそうなんです。


 ヒロシもゲームを持っていることは持っているのですが、全部RPGとか1人でできるものばかりなのです。


「他に類をみないゲーム出してぇ!」と泣きついてくるヒロシに、マルぼんはヘッドギア状の機密道具を差し出しました。


「なんの道具!?」「また洗脳!?」と騒ぐヒロシの頭に無理矢理道具を被せ、スイッチオン。


 ヒロシは騒ぎ始めましたがしばらくすると「え!? ここは王宮!?」と絶叫。


 ヘッドギアの力で、ヒロシにはありふれた自分の部屋が、ファンタジー世界の王宮に見えているのです。


「わかったよ、マルぼん! このヘッドギアは、剣と魔法のゲーム世界を疑似体験できる未来ゲームなんだね! 僕は勇者として、魔王をぶち殺せばいいんだねー!」


 大喜びのヒロシですが、残念ですがその予想は少しはずれています。


 このヘッドギアは、疑似体験とかそんなたいそうなものではなく、単に現実とゲームの区別がつかなくする機密道具なのです。


 だから、ヒロシがどんなに勇者的行動をしても、周囲の人には怪しいヘッドギアをつけた少年が暴れているようにしか見えません。


 せめて辛い現実を甘い夢に脳内変換するくらいの贅沢をさせてやっても、罰は当たらないとマルぼんは思うのです。


 機密道具の力で現実とゲームの区別がつかなくなっているヒロシ、辞書や電話帳を手にして「すばらしい魔法書だ! これさえあれば世界すらも……!」とか大はしゃぎ。


 すこし嬉しくなったマルぼんが「もっと広い世界に飛び出してみてはいかが?」と外出を勧めると、「よおし! モンスターどもをブチのめすぞー」とこれまた大はしゃぎ。


 ところが、いざ外に出ようとすると、ヒロシは「僕、武器を装備していない―」と脅え始めたんです。


 仕方ないので2人して武器になりそうなものを探した結果、台所で出刃包丁を発見。


「おおっ。それは聖剣エクスカリバー!」嬉しそうに出刃包丁改めエクスカリバーを構えるヒロシ。


「ヒロシ! なに、なにをしているのー!」買い物から帰ってきた直後、エクスカリバー改め出刃包丁を構えている我が子を目撃してしまい、愕然とするママさん。


「母上。僕は、ヒロシは伝説の勇者として命尽きるまで戦いつづけることを誓うよ!」


「なに言っている!」


「このエクスカリバーでこの世の悪を、ブスッブススッと退治しまくって!」


「あなたは疲れているの。ね。いい子たから、一緒に病院へ行きましょうね?」


「母上。教会へ行けだなんて、別に僕は毒なんか喰らってませんよ。ハハハ」


「私の子供が壊れていくぅ!」


 ママさんは「貴様が来てから! 貴様が家に来てからー!」とか言いながら襲いかかってきましたが、マルぼんはそれを軽くかわし、ヒロシと一緒に外へでることにしました。


 かっこいいヘッドギア(21世紀の感覚でいえばあやしい)を被り、かっこいい聖剣エクスカリバー(日本語に訳すと出刃包丁)を携えたヒロシは、かっこよく外へと飛び出しました(21世紀の感覚でいえばかわいそう。とてもかいわそう)。


 偶然にもその様子を、というかエクスカリバー(くどいようですが、日本語で出刃包丁)をみた通行人の女性が叫び声をあげながら逃げ去っていきましたが、ヒロシは動じる様子がありません。


「ふふふ。あの村人の女性、『武器や防具は装備しないと意味がありません』だってさ。もう装備しているのにねえ」


 とても嬉しそうなので、マルぼんはとても満足です。


 そんな感じで2人で歩いていると、ナウマン象・金歯・ルナちゃんの3人と出くわしました。


「そんな出刃包丁で俺を殺そうと!? よく狙え、俺の心臓はここだーっ!」「刺しても無駄だ! 僕の胸のポケットには、殺傷能力があるくらい分厚い札束がある!」「そのヘッドギア……異教徒め! 異教徒め! (以下、怪しいお経のため省略)」騒ぐ3人。しかし、ヒロシには例のごとく別のことに聞こえているようで。


「戦士と魔法使いと僧侶だ。仲間にしようよ、マルぼん」


 マルぼんは黙って例のヘッドギアを取り出し、目にも止まらぬ早業で3人に被せました。


「うわっ! なにを、やめ……ロロロッ……俺は、俺は戦士!」「ママーッたすけ、たすけ、けけけ……僕は魔法使い!」「(私は僧侶、とかそういう意味合いですが、相変わらず聞き取れない言語のため省略)」


 洗脳完了。こうして勇者のパーティー(傍からみたら、すごくかわいそうな子供たち)が誕生したのでした。


 勇者ヒロシとその3人の仲間たちは冒険を続け、人として戦士として成長していきます。


「ヒロシはレベルがあがった! ヒロシはレベルがあがった! ヒロシはレベルがあがった! ヒロシはレベルがあがった!」


 拾ったぬいぐるみを蹴り続けて自らのレベルアップをひたすら宣言するヒロシ。


「しらべる。ピッ。100Gをみつけた。しらべる。ピッ。やくそうをみつけた」


 見知らぬ家に侵入し、アイテムを物色するナウマン象。


「火炎魔法! 火炎魔法ー! 火炎魔法ぅぅぅぅ!」


 拾ったライターであちこちのゴミに火をつけて嬉々として走り回る金歯。


「回復魔法! 回復魔法ー! 回復魔法ぅぅぅぅ!」


 道端で寝ている酔っ払いに手をかざし、ひたすら叫ぶルナちゃん。


「よし。レベル上げは完璧だ! そろそろ魔王城に乗り込んで、魔王をブチ倒そう!」


 ヒロシが近くにある魔王城を指差して叫びました。


 魔王城は、入り口付近に複数の監視カメラと『関東一発組』という禍々しい看板のある、薄汚れた鉄筋コンクリートのビルでした。


「魔王は強敵だろうが、僕らの力をあわせたらきっと勝てる! 行くぞみんな」


「おうっ!」


 意気揚々と魔王城に乗り込む4人。


『指定暴力団』の異名で世界中の人たち、とくに近隣住民に恐れられている魔王とその配下のモンスターたちに、彼らは勝てるのでしょうか。


 マルぼんは勝てないと思います。


 魔王の手先(職業・暴力団構成員)の攻撃(属性・銃)で腹に致命傷を負ったヒロシが、息も絶え絶えでマルぼんに言いました。


「これ、もし、もしかしてゲームじゃなくて、現実?」


 大正解。しかし、マルぼんの賛辞の言葉を聞くことなくヒロシは吐血。


 このままいったら、ヒロシは確実に死ぬでしょう。マルぼんにはわかります。


 しかし心配することはありません。今回の件で、マルぼんが冷静でいたのには理由があります。


 ヘッドギア機密道具でヒロシとナウマン象たち(故人)が体験したのは、まぎれもなく現実ですが、同時にゲームであるのです。


 そして、全てのゲームにはリセット機能が搭載されています。


 あのヘッドギア機密道具はゲーム機なので、もちろんリセットスイッチがあり、それを押すことにより「最後にセーブした」時に戻る事ができます。


 今回はセーブなどしていないので「はじめからはじめる」状態、つまりは10月28日の機密道具を出した瞬間に戻る事ができるのです。


 ヒロシはエクスカリバーなんて手に入れていないし、ナウマン象たちが魔王の手先たちの銃弾の雨でその命を「あ~。また教会で金とられるなー(笑)」とか言いながら散したことも「なかったこと」になるのです。


 やりたいだけやらせたらリセット。マルぼん、我ながら完璧すぎる道具の使い方です。


 1人悦に浸っていると、ヒロシの瞳孔がかなりまずいレベルの開き方になっていたので、マルぼんはさっさとリセットスイッチを押すことにしました。


気がつくと、マルぼんは見知らぬ土地にいました。


 そして目の前にはヘッドギアを被り両手で大きな斧を持った、これまた見知らぬ外国人男性の姿。


「あれ。痛みが消えた……傷も治った。でも、なんだこの姿?」


 姿は違えど、外国人男性は間違いなくヒロシでした。


 そこでマルぼんは、あることを思い出したんです。


 実は、あのヘッドギア機密道具は、未来の世界の中古ゲーム店で買ったものだったのでした。


 中古のゲームには、前の持ち主のセーブデータが残っていることが多々あります。


 マルぼんはそんなこと頭にはなく、セーブデータが無いことを前提にしてリセットボタンを押してしまいました。


 どうやらヒロシは「前の持ち主が最後にセーブした」時に戻ってしまったようです。


 前の持ち主がどんな状況でセーブを止めていたかは、まったくわかりません。


「いたぞ! 連続殺人犯の、ゴンザレスだ!」


「自分は勇者だ、とか言っているクレイジーだ!」


 突然現われた外国人警官たちが、親切にもすぐに答えを言ってくれました。


「射殺命令が出ている! 殺れ!」


 警官たちは迷うことなくマルぼんとヒロシに発砲開始。


 マルぼんたちは銃弾の雨をかいくぐり、ダッシュでその場から逃げ出しました。


 ヒロシがジャンプして、空中で停止しながら叫びました。


「うへー! もうゲームは、こりごりだぁ!」


 ズキューンズキューン……ガガガッ……ズキューン(銃声)

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「かぎっ娘! ルナさん!」の巻

ヒロシ「うはー今月のお小遣いゲットー」


マルぼん「おや、こんなところに、マルぼんが撮影したルナちゃんの私生活映像が。お値段は偶然にも、ヒロシくんの
お小遣いとおんなじです」


ヒロシ「買ったー!!」


 まぁ、万事が万事、こんな調子ですので、ヒロシのお小遣いは蜻蛉よりも儚い命なわけなんです。


ヒロシ「浪費を防ぐため、僕はすばらしいことを思いついた。盗撮ビデオに頼るのではなく、常にルナちゃんの私生活を見ることのできる立場になればいいんだ。というわけで、そういう機密道具をださねば虐待する」


マルぼん「『ファイナルマスターキー』。これはピッキングで財を成したみらいのせかいの大富豪が使っていた鍵で、ようするにどんな鍵でもあけることのできるキー。こいつでルナちゃんの部屋に侵入して、ベッドの下にでももぐりこめば」


ヒロシ「それだ!」


 さっそくルナちゃんの家へと向かうマルぼんとヒロシ。誰もいなさそうなので、さっそく『ファイナルマスターキー』を使用して、ルナちゃんの家へ侵入しました。


 ルナちゃんは玄関を入ってすぐのところで死んでいました。首には縄が掛けられて、背中には包丁が刺さったままで、近くには青酸カリの空き瓶が落ちていて、あきらかに他殺。


マルぼん「撤収!」


 逃亡するマルぼんたち。


テレビのアナウンサー『…近所の住人が、現場から立ち去る怪しい少年と生き物を目撃しており、警察では、この2人が何らかの事情を知っているとみて、行方を追っています』


 こうしてヒロシは、事件の鍵を握る人物となったのでした。


 マルぼんは『ファイナルマスターキー』の効果は絶大だと思いました。




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「あなたに抱かれて私は腸になる」の巻
金歯「どいたどいたでおじゃるー」


ヒロシ「ゲゲー!? 金歯がスポーツカー乗り回しているー! そして僕をはねたー! ンギャー!」


金歯「すまんすまん」


ヒロシ「ぼ、僕の両足があらぬ方向に曲がっている! あ、そこのおまわりさん、金歯を逮捕して!」


おまわりさん「金歯様はなにもしていないから逮捕とか無理。これ、警官の鉄則」


ヒロシ「そ、そこのお医者さん、どうか治療を」


お医者さん「金歯様はなにもしていない=なにもおこっていない。つまり怪我人など存在していない。治療とか無理。これ、医師の鉄則」


ヒロシ「そこの正義の弁護士さん…」


弁護士「加害者も被害者も存在しないから、無理。これ、弁護士の鉄則」


ヒロシ「必要以上に弱者にやさしい団体職員の人…」


団体職員「あなたは弱者にみえないから……これ、プロ市民の鉄則」


ヒロシ「世界平和のためなら戦争もテロも辞さない団体の人……これ、心から平和を愛する者の鉄則」


 薄れていく意識の中、この連中が金歯に抱きこまれていることをヒロシは理解しました。


ヒロシ(僕も…僕もいろんな人を抱きこんでやる…そ、そんな機密道具を機密道具をー…)


 ヒロシ、死去。


 そして、ヒロシ復活。

ヒロシ「というわけで、どんなヤツでも抱きこめる機密道具だして」


マルぼん「たまには自分の力で立ち向かえや」


ヒロシ「そんな勇気があったら、人生はテーマーパークだよ。夢と魔法の王国だよ」


ママさん「ヒロシ、金歯様から『ひき逃げの濡れ衣を着せられて超不快』という苦情が寄せられたわ。あなたは勘当。私とは一切関係ないから。さぁ、出ておいき」


ヒロシ「お腹を痛めて、僕を生んでくれた人でさえこれよ?」


マルぼん「わかったよ。はい『抱き込みごはん』。このごはんを食べた人は、ごはんを炊いた人に抱きこまれ、どんなことでも協力してくれるようになる」


ヒロシ「へえ。さっそくママに使ってみよう」


ママさん「モグモグ。うっ」


ヒロシ「どうだ!?」 


ママさん「ヒロシサンノイウトオリデス。ヒロシサンノイウトオリデス。ヒロシサンノイウトオリデス」


マルぼん「まるで感情こもっていない声と、目の輝きのなさ! 抱き込み成功だ。やったね」


ヒロシ「というわけで『抱き込みごはん』でおにぎりをなにかの間違いのように作ったぞ。こいつ道行くあの人この人に配布して、一億総僕の奴隷!」


マルぼん「さっそく配布してみよう。そこのおじいさん、おにぎりいらねえ?」


じいさん「いらーぬ」


ヒロシ「そこのお嬢さんは」


お嬢さん「いらーぬ」


ヒロシ「くっ。飽食の申し子である日本人は、どこの馬の骨ともわからぬ者の作りしおにぎりなど食さないか! 世界には食べたくても食べれない人がいないってのに、まったく腐った国だぜ!」


マルぼん「大丈夫。おにぎりを食べてくれる人たちがいる場所をしっているから。よし、行こう」


ヒロシ「どこへ?」


マルぼん「公園と橋の下。あ、トン汁を作る準備もしておいてよ」




 そして。


橋の下の人「ヒロシ様ノオッシャルトオリデス」


公園の人「ヒロシ様ノオッシャルトオリデス」


ヒロシ「やた! 公園の人たちと橋の下の人たちを抱きこむことに成功したよ」


マルぼん「で、これからどうするの」


ヒロシ「え」


マルぼん「抱きこむこと自体が目的ではなくて、色々目的があったんだろ。話してみてよ」


ヒロシ「そ、そうだな。よし。金歯に復讐しよう」


マルぼん「具体的にどんな?」


ヒロシ「えっと。抱き込んだ方々と一緒に、金歯の家の庭にテントを構えて永住してみたり、金歯の家の空きカンをパクって売ってぼろもうけしてみたり、ゲーム感覚で襲ってきた高校生をみんなで返り討ちにしてみたり。あ、金歯の家の茂みの中から遺体で発見されてみたり」


マルぼん「つまんね」


ヒロシ「く。よ、よし。もっと抱き込んだ人を増やそう。マルぼん、パスポートなくても好きな国へ行ける機密道具だして」


マルぼん「え。日本の公園や端の下をめぐるんじゃないの。いったいどこの国さ」 


ヒロシ「北のほうだよ、北のほう。米ほしがってるし」




 そんなわけで、ヒロシ、北へ。

国民「ヒロシ様、マンセー!」


最高権力者「みたまえ。マスゲームで君たちの顔を表現してくれているぞ」


 ふたつあるうちの北の方へ乗り込み、援助物資として『抱き込みごはん』を配りまくったヒロシたち。作戦は恐ろしいほどうまくいき、大多数の国民を抱きこむのに成功したばかりか、最高権力者の覚えもめでたくなって、屋敷に招待までされることになったのでした。


最高権力者「わが国民たちを飢えから開放してくれて感謝する。さあ、今日はわが屋敷で好きなだけ楽しんでくれたまえ。君たちは友だ」


ヒロシ「テレビでは色々言っているけど、なんだいい人じゃん」


マルぼん「そだね。人はみかけにナントヤラだ」


最高権力者「ところでマルぼんくんは不思議な道具をワンサカ持っているとか」


マルぼん「ヤマほど持っていますよー」


最高権力者「隣の国の領海を見つからずに探索できる道具は?」


マルぼん「ありますよー」


最高権力者「隣の国の領土にある石油が眠っているかもしれない島を、いつのまにか自国の領土にできる道具は?」


マルぼん「ありますよー」


最高権力者「作ってみたものの発射する力のない核ミサイルをいつでも発射できるようになる機密道具は?」


マルぼん「ありますよー」


最高権力者「よかったら貸してくんない?」


マルぼん「友達じゃないですかー。いいですよー」


 マルぼんがすっかり最高権力者さんに抱きこまれているということに僕が気づいたのは、色々手遅れになったあとでした。





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「さらば大沼」の巻
ヒロシ「だいたい母さんは、僕を安易に使いすぎる!!」


 マルぼんが家に帰ると、昨年の『あなたが一番「こいつの命は二束三文だ」と思う人ランキング』でダントツのトップだったヒロシがなんかほざいていました。


発電所職員「やっべ! 故障したけど修理しに行く人がいねえ!」

ママさん「それなら、うちの息子を使ってくださいな♪ 有料で」

医者「やっべ! 新薬を作ってみたけど、実験する相手がいねえ!」

ママさん「それなら、うちの息子を使ってくださいな♪ 有料で」

警察「やっべ! テロ組織見つけたけど送り込むスパイがいねえ!」

ママさん「それなら、うちの息子を使ってくださいな♪ 有料で」


 といったカンジのことがあり、朝から大忙しだったのだそうです。


ヒロシ「母さんは、僕という存在を軽く見すぎ! マルぼん、母さんに僕がいかに大きな存在なのか思い知らせる機密道具をだしてくれよ!」


マルぼん「家出でもすればいいじゃないか」


ヒロシ「こんなご時勢に、小学生が家出なんかしたら『拉致→海外→手術→どこかの金持ちの臓器として第2の人生スタート』というコンボ炸裂だよ! なら、相手が心配してくれる機密道具だせ!!」


マルぼん「仕方ないなぁ…『思わせ鰤のてりやき』。思わせ鰤は未来の世界の魚。この鰤のてりやきを食した人は、その動きのひとつひとつが他人には思わせぶりに見える」


ヒロシ「なるほど。この鰤を食べて、少し落込んだりすれば、かあさんは『この子はものすごく悩んでいる』とかいったカンジで心配してくれるわけだね」


 そんなワケで『思わせ鰤のてりやき』を食したヒロシ。家族が集う居間で、ためいきをついたり『バカでもできる知らない町での新しい人生』という本を読んでみたりしています。


ママさん「……」


 ママさん、ヒロシをじっと見つめています。どこかに電話をかけているときも、ヒロシが気になっているようで、チラチラと見ています。


ヒロシ「どうやら心配してくれているようだね、ふふふ」


男「こんにちはー。緑の救急車ですー。電話を受けてきましたですよー」


ママさん「あ、こっちですこっちです。連れて行ってほしいのはこの子。なんか思いつめた表情しているんで、めっちゃ怖いです。そのうちなんかしでかしそうなんで、治療おねがいしますー」


ヒロシ「え、あ、そっちの心配しちゃった? 違う。違うのです。僕は正常で」


 バタン、と緑の救急車の扉が閉まりました。思わせぶりな態度も、やりすぎたらいけないなとマルぼんは思いました。



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「絶対観てくれよな!」の巻
 飯時、会話もなく、テレビなど観つつ腹を膨らませているマルぼんとヒロシ。テレビでは「ひきこもり特集」がやっていました。


 ひきこもりの息子をもって疲れきっている両親の顔。「社会が悪いんだ。君は悪くない」とドア越しでひきこもりに
話しかけるえらい先生。無視してネットゲーをやっている、当のひきこもり。


ひきこもり『世界はパラダイスじゃないから、僕は自分の部屋に自分だけの千年王国を創造したのです。だから、僕はこの部屋をでることはしません。それに親は、僕が死ぬまで面倒をみる義務があるのです。僕という存在をこの世に誕生させた元凶なのですから』


ヒロシ「あ!」


マルぼん「どうした?」


ヒロシ「このテレビにでているひきこもり、顔にモザイクがかかっているけど、高校の時の同級生のシャウエッセン山ソーセー次郎くんだ! ちくしょう、あいつ、いよいよテレビデビューか!」


 思わずテレビの画面を拳で叩き割るなど、悔しさを隠しきれない様子のヒロシ。マルぼんてば、とても不憫に思いました。


マルぼん「でてみるか、テレビ」


ヒロシ「でることができるの!?」


マルぼん「『イエローボックス24』。この募金箱にお金をいれると、やさしい気持ちがテレビに伝わって、必ずテレビ番組に出演することができる。募金する額によって、どうやって出演するかが変わるんだ。高ければ高いほど、よい出演ができるんだ」


『イエローボックス24』に5円玉1枚を投入するヒロシ。


 数年後。


司会者『今日の「レッツ不謹慎! 突入! 隣の心霊スポットォォォォォォォ!!」は、微笑町某所にある廃屋に来ていますー』


霊能力者のナックル氏『いやーゾクゾクしますなー』


司会者『この家は、未来からきたという怪しい生物に人生をめちゃくちゃにされて果てた少年の霊が彷徨っているそうで、馬がしゃべったりするなど、様々な怪異が怒っているそうです』


霊能力者のナックル氏『こちらは、さきほど家の中を撮ってきた映像です』


司会者『あ。画面の右上に、小さなヒカリの玉が』


霊能力者のナックル氏『この玉こそ、その少年の霊魂ですな』


 こうしてヒロシは、全国ネットの「隣の心霊スポット」に見事出演を果たしたのでした。
マルぼんは、『イエローボックス24』の効果は絶大だと思いました。




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「命の現場から」の巻
ヒロシ「最近、人生が本格的にヌルい。なんかこう、血湧き肉踊る様な熱いことはおきないかしら」


マルぼん(おやおや、なんと憂鬱そうな顔だろう。よし、機密道具でも使って、人生を楽しませてやるか。『展開だいそう錠』。この錠剤を飲めば、なにげない日常も燃える展開になる)


 マルぼんは『展開だいそう錠』をヒロシのお茶に入れました。何も知らずにそのお茶を飲むヒロシ。


ヒロシ「うっ。気分が悪くてなってきた! うう!」


 なんということでしょう。未来の世界の人間用の薬である、『展開だいそう錠』は、現代人であるヒロシには猛毒だったのです。電話で駆けつける救急隊員。


ヒロシ「きゅう」


救急隊員「これはひどい。よし。とりあえず応急処置だ!」


救急隊員B「先輩は『応急処置の達人』と言われた男。この程度の子供、余裕で命を救えるはずです」


???「ふん。教科書どおりの応急処置かよ」


救急隊員「あ、オマエは……神崎……神崎スクウじゃないか!」


救急隊員B「神崎ですって? 聞いたことがあるぞ。応急処置の達人と言われながらも、その荒々しい性格から周囲と溝ができ、うちの職場を去った男がいると。その男の名が、神崎!」


神崎「そう、俺さ。あの神崎さ」


救急隊員「……どの面下げて俺たちの前に現れたんだ」


神崎「そんなことよりも、達人だかなんだか知らないが、先輩。あんたの応急処置は本当の応急処置じゃない」


救急隊員「なんだと」


神崎「周囲との溝? ふん! 俺はそんな理由で。でおまえらの元を去ったわけじゃない。
俺は全ての人間を救うことの出来る本当の応急処置を学ぶため、おまえたちの元を去った。おまえらのところでは、これ以上の技術向上は見込めないと悟ったからな」


救急隊員「!?」


神崎「そしてついに身につけたのさ、究極の応急処置を!」


救急隊員B「究極だか至高だか知らないが、先輩の応急処置に勝てるハズないぜ!」


救急隊員「俺は長年救急隊員をやってきた。それなりに腕に自信もあるつもりだ。キミの応急処置がいかなるものかわからないが、負けるつもりはない。負ける気もない」


神崎「よし……それなら勝負だ。より素晴らしい応急処置ができたほうが勝ちだ」


救急隊員「わかった。まず私からやらせてもらおう」


ヒロシ「……」


マルぼん「ただいま息を引き取りました」




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「ヘローマイサン」の巻
マルぼん、大学時代の先輩で、今は陶芸家として活躍している小貫さんの家に遊びに来ていますー。


小貫「やぁ、マルぼん。よく我がアトリエへやってきたね」


マルぼん「先輩、ご無沙汰しています。いやー、さすが陶芸家ですね」


 小貫先輩のアトリエには、作品と思われる壷がたくさん並べられていました。


小貫「なぁに、こんなもの、全て駄作だよ。心がこもっておらん」


マルぼん「そんなことありませんって、どれもこれも素晴らしいとマルぼんは思いますよ」


小貫「実は、最近悩んでおるのだ」


マルぼん「ほうほう。ということは、マルぼんと呼んだのも、機密道具の力を借りたいからというわけですな」


小貫「自分の作品にな、自信が持てないのだよ。なにを造っても、駄作だと思えてしょうがいないんだよ。自分の作品にな、愛着がもてないんだ」


マルぼん「ふむぅ。それはゆゆしき問題です。自分の作品に愛着がもてないということは、、創作意欲の減退にもつながりますからね。なんとかしないといけません」


小貫「なんとか、なるかね?」


マルぼん「『過保護香』。我が子をバカみたいに可愛がる親の爪の垢から作り出したお香です。こいつの香りを嗅げば、自分の造った作品を我が子同然に愛することができるようになるんです」


 マルぼんは、さっそく『過保護香』を炊きました。しばらくすると、小貫先輩の目がトロンとし、先輩は並べてある自分の作品に抱きついたり、頬擦りしたり「鳳凰」と名付けた壺を「永久恋愛(えくれあ)」と改名したり、「玄武」と名付けた壺を「泡姫(ありえる)」と改名したり、気に入らない壺は真冬の夜にベランダに放置したり、パチンコ屋に止めた車に壺を放置してパチンコに興じちゃったり、「おかあさんのいっしょ」の「はみがきじょうずかな」のコーナーに壺をブラシで磨いている動画を送って採用されたり、壺を乳母車に乗せてママさんがたくさんいる公園に押しかけて公園デビューをもくろんで通報されたりと、壺をわが子のように愛することができるようになったのです。


小貫「ああ、なんで今まで気づかなかったのだろう。自分の作った作品、我が子同然! 愛している、愛しているぞ、我が子たちよー!」


 しばらく後、小貫先輩は自殺しました。できたばかりの壷を誤って割ってしまった後、顔を真っ青にして部屋へと走り、首を吊ったそうです。遺書には、『親失格だ。我が子を殺してしまうなんて、畜生にも劣るクズだ、私は。死んで我が子にお詫びする』と書きなぐってあったそうです。「小貫さんは独身で家族はいないのに」と、関係者は首を捻っていました。



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「やつは惚れたぜルナちゃん一途」の巻
 今をさかのぼること、約一か月前。


ヒロシ「遅くなりましたが、ルナちゃん、これをどーぞ」


ルナちゃん「なにこれ」


ヒロシ「プレゼントだよ。ほら、今日はホワイトデーだろ、僕ってば本当にオロカモノで、バレンタインにルナちゃんからチョコレートをもらったことをすっかり忘れていてさ、そのお返しのキャンディーだよ」


ルナちゃん「あの、私、バレンタインデーにヒロシさんにチョコレートを渡した記憶、カケラもないんだけど」


ヒロシ「いや、たしかにもらったよ。美味しかったよ、愛情が詰まっていましたよー。僕のキャンディーにも愛情がたっぷり詰まっているから安心してね」


ルナちゃん「私、キャンディーいらないわ」


ヒロシ「受け取ってよ、そうじゃないと、バレンタインに手作りチョコまでいただいた僕の気がすまない!」


ルナちゃん「だから、そんな歴史的事実はないから」


ヒロシ「あったよ! 古事記にも、日本書紀にも記されている! だから、受け取れ! ホワイトデーのプレゼントを受け取れええええええ! 受け取れよぉぉぉぉぉぉ!」


ルナちゃん「きゃーだれかぁ!」


ヒロシ「さぁ、食せ、いますぐ食せ! 僕のキャンディーを食せ! さすれば、チョコレートをもらったという妄想も事実となる! 歴 史 的 事 実 と な る !」


ルナちゃん「もがもがもが……」


 ルナちゃんの口に大量のキャンディーを放り込んでいるところを警察官に見つかったヒロシはその場で取り押さえられました……そして時は流れて、今日。


ヒロシ「妄想(ゆめ)は所詮、妄想(ゆめ)のままで終わる運命なんだね。なんとか、『ルナちゃんにチョコレートをもらった。バレンタインに!』という妄想(ゆめ)を現実にしたかったのだけれども、無理だったよ。せつないなぁ」



マルぼん「大沼さん、あのですね、大沼さん。いいですか、妄想と夢は異なるものですよ? ドゥユーアンダスターン?」



ヒロシ「この恋は、妄想(ゆめ)で終わらせたくないよ。なんとかできないかな、マルぼん」


マルぼん「ここの未来の世界のほれ薬がある。これを飲んだ人は、最初に見たものに惹かれていってしまうんだ。これをルナちゃんに飲ませよう」


ヒロシ「ようし」


 ヒロシはさっそくルナちゃんのところへ向かい、「飲むと綺麗になるクスリだよ」「血もきれいになるよ」「ひとつもふたつも上のランクの人間になれるよ」と、ほれ薬を飲ませようとしたのですが


ルナちゃん「それならお前が飲んでみろ」


 ホワイトデーの一件で相当怒り心頭だったルナちゃんは、喜んで飲むどころか、ほれ薬を奪い取り、ヒロシに無理やり飲ませてしまいました。


ヒロシ「ひょえー! やばいやばいよ! 変なものでも見てしまったら、どうしよう!」



 パニックになるヒロシの目の前をトラックが通りかかりました。ヒロシ、顔を上気させて「ンマー! 男らしいトラック!」と、車道に、トラックの前に、飛び出しました。


 キキーッ!


 ブレーキが間に合うはずもなく、ヒロシはトラックにひかれてしまいました。


 しかしその死に顔には、満面の笑みが浮かんでいました。トラックにひかれたのです。さぞ満足だったことでしょう。マルぼんは、ヒロシが身も心もトラックにひかれるようにしてしまったほれ薬の効果は絶大だと思いました。



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「仕事の山を見つめながら、ドラクエをしています」の巻
カップル男「いちゃいちゃ」


カップル女「いちゃいちゃ」


ヒロシ(ちくしょう。バカップルどもめ、人目もはばからずイチャイチャしやがって。こちとら、独り身の小学生だってんだ。ちくしょうちくしょう。死ね。死ね! 俺の願いよ、俺の想いよ天まで届けー!!)


カップル男「ううっ胸が!!」


カップル女「ダーリン!!」


ヒロシ「ほんとにとどいちゃった!!」


 以来、ヒロシは罪の意識に苛まされて、眠れぬ日々が続いているそうです。カップル男のために仏像を彫ったり写経をしたりしていますが、うまくいかないそうです。


ヒロシ「許してください。もう、夢の中に登場しないでください…ぶつぶつぶつぶつぶつ」


マルぼん「なんとかしないといけないなぁ。よし、こいつだ。『げんじつとう火ロウソク』」


 苦難に陥っている人が『げんじつとう火ロウソク』で点った火を見ると、本人その時の気分もガン無視して、お手軽に確実に現実逃避できるのです。いかなる困難にも立ち向かってやるぞっという、強固な意志を持っている人でも無理やり現実逃避させてしまうのです。


ヒロシ「あ…そうだ。今日は大好きなアニメがあるんだ。そうだ。あはははぁ」


マルぼん「よかったよかった。念のため、『げんじつとう火ロウソク』は、このまま置いていこう」


 その日の夜。マルぼんが放尿しようと目を覚ますと、『げんじつとう火ロウソク』いつの間にか倒れていました。『げんじつとう火ロウソク』の火は、そのうち起こす予定の革命で使うために準備していたガソリンにも引火。


マルぼん「わぁ! ヒロシ、起きろ!」


ヒロシ「むにゃむにゃ」


マルぼん「やばいって。火事だ! たいへんだ! たいへんだー!! どうしよう!? どうしよう!? ……あ、火といえば、この前のキャンプファイアー楽しかったなぁ」


 火は瞬く間に広がり、ヒロシ宅を包み込みました。通報で駆けつけた消防隊でしたが。


消防隊員A「こ、これはすごい炎だ。ちょっとやそっとじゃ消えないぞ…炎といえば、今度生まれるうちの子供、炎と書いてファイアーと読ませる名前にしようと思うのですけど」


消防隊員B「いいスねー」


消防隊員C「いいスねーキラキラネーム」


 炎と楽しかったキャンプファイアーの思い出に包まれながら、マルぼんは『げんじつとう火ロウソク』の効果は絶大だと思いました。



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「武器よタラバ」の巻
ナウマン象「ネットオークションで青龍刀を落札したぞ! おい、ためしに斬らせろ」


ヒロシ「わぁ、ろくでなし!」


マルぼん「『ブキヨタラバ』~」テッテテー


ナウマン象「なんだ、たんなるタラバ蟹じゃねえか。そんなもの、俺と俺の青龍刀にかかりゃあ」


 チョッキン。『ブキヨタラバ』は、光の速さで、青龍刀を持つナウマン象の手を切り落としてしまいました。


ナウマン象「なー!!」


マルぼん「『ブキヨタラバ』は、武器に反応し、武器を持つ手などを切断してしまう蟹なんだ」


ヒロシ「すごいや。すごいや。よし、動けないナウマン象を必殺の蹴りで痛めつけてやるぞ」


チョッキン。


ヒロシ「きゃー! 僕の白魚のような足首がー」


マルぼん「ばかものっ。足を武器にするからだよ!」


金歯「くくく。ざまあみろでおじゃる」


マルぼん「金歯じゃないか!」


金歯「くくく。全ては、母の敵であるナウマン象とヒロシを葬るため、朕の仕組んだ罠……」


マルぼん「な、なんだってー!? それじゃあ、あの時『ブキヨタラバ』をマルぼんに売りつけたのも、ナウマン象に青龍刀を落札するように薦めたのも、ヒロシの蹴りの強化特訓に付き合ったってあげたのも」


金歯「朕でおじゃる! 朕には武器など必要ない! 武器等なくても、バカを簡単に葬ることができる! まぁ、強いて言うなら、朕のこの頭脳こそ、最大の武器で……」


 チョッキン。

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「さよならひとりぼっち」の巻
 マルぼんが散歩から帰ると、部屋でヒロシがラムネを食うかのように睡眠薬にパクついていたので、ビンタして阻止し、理由を聞いてみると、例のごとく仲間うちでの揉め事の様子。


 今日は、みんなで集まって互いのコレクションを紹介しあったそうなんですけど、金歯には「世界の猟奇殺人犯の私物」、ナウマン象には「ベトナム戦争で散っていた戦友たちの形見」、ルナちゃんには「ギュルペペ神サマ(妄想上の神)から戴いた、人類救済グッズ」、大脳には「春画」という素晴らしい(一部除く)コレクションがあるのに、ヒロシには誇れるものはなにもない。


 ヒロシはそれがたまらなく嫌なんだそうです。


 マルぼんは「素晴らしいコレクションがすぐに集まる機密道具だして~」とか泣きつかれると思っていたんですが、ヒロシは意外にもそこらへんのことは自分で解決していました。


ヒロシ「すぐに集まって価値のある物はないかと探してみたら、なんのことはない、すぐ近くあったんだ。持ち主の人に交渉してみたら、快く譲ってもらえたんだけど……ちょっと後悔していてさ」


 ようするに、その譲ってもらった物を処分したいようです。


 そんなこと、機密道具の力を持ってすれば造作もないことだとマルぼんは思ったので、処分を快く引き受けてやることにしました。


 譲ってもらった物はあとから送ってもらうことになっているらしいので、マルぼんは待つ事に。


 数時間後、家の前にトラックが停止。運転手がヒロシに手を振っています。トラックの荷台には、たくさんのお年寄りが。


ヒロシ「もうすぐ潰れる老人ホームの入居者の皆さん。引き取り手がいないらしいから……なんだよ、その顔! コレクションになると思ったんだよ! だってさ、価値あるだろ? 命って」


 トラックは一台ではなく、最終的に計五台ほどやってきて、家はあっというまにお年よりで溢れかえり、天国(or地獄)に一番近い場所と化してしまいました。


ヒロシ「さぁ、マルぼん! ご自慢の機密道具とやらでさっさと処分しろよ!」


 なかば逆切れ状態でマルぼんに叫ぶヒロシ。


 このままではどうしようもないと思ったマルぼんもゴミ処分用機密道具を取り出しました。


 この機密道具は、どういう性能かはさっぱりわからないんですが、出し入れ口から中に放り込んだものは放射性廃棄物であろうが硫酸ピッチであろうがなにを捨てても法に触れないという優れものです。


「仕方ないと」自分に言い聞かせながら、マルぼんは近くにいたおばあさんの手を取りました。


おばあさん「キヨヒコ?」


 おばあさんは、マルぼんを聞いたことのない名前で呼んだんです。


おばあさん「キヨヒコ! キヨヒコ!」


 マルぼんがうろたえていると、側にいたおじいさんがマルぼんに話しかけてきました。


おじいさん「あんたは、このばあさんの死んだ息子(キヨヒコ)にそっくりなんだ」


 その話を聞いて、マルぼんは脳天を鈍器のようなもので執拗に殴打されたかのようなショックをうけました。


 マルぼんはできません。この人たちを処分することなんて、できやしません。


ヒロシ「マルぼんはやさしいんだね」


 うな垂れているマルぼんをヒロシがなぐさめてくれました。


ヒロシ「こんな荒廃した時代だしね。そのやさしさ、大切にしなよ」


マルぼん「ヒ、ヒロシ……」


ヒロシ「でも、でもね、マルぼん。やさしさだけじゃ生きてはいけないんだ」


 そう言うとヒロシ、おばあさんの腕を掴んで


ヒロシ「やさしさにサヨナラすることも大事なんだー!」


 機密道具の中に放り込もうとしました。


おばあさん「キヨヒコ、助けてー! キーヨーヒーコー!」


マルぼん「ああっだめぇぇぇぇぇ! おばーちゃーん!」


 泣き叫ぶおばあさん。そんなおばあさんを容赦なく処分しようとする、弱者には徹底的に強いヒロシ。そんなヒロシにすがりつくマルぼん。そんな3人と関係なく「飯はまだかい?」「軍曹どの!」「エヘ、エヘへ」と騒ぎ立てるお年寄りたち。


 飛び交う怒号と体液で、部屋は地獄のようになってしまいました。しばらくその状態が続き、


男「てめえら静かにしねえとぶち殺すぞぉ!」


 今度は、出刃包丁を手にした男が乱入してきたんです。出刃包丁を持って「電波を流すのはやめろ」と怒鳴り込んできたのはよく見ると、ヒロシ宅の隣に住む、早稲田天才丸さんでした。


 天才丸さんはその名の通り、幼い頃から「よっ! 天才!」「町内期待の星」「この、薄汚いミュータント野郎!(頭が良すぎるから)」と近隣の人たちから親しまれており、現在はその天才能力を存分に活かせる大学に入るべく、勉強勉強また勉強の毎日を送っておられます。(今年の春、めでたく浪人生活15周年突破)


 隣人が浪人生ということも忘れ、本能のままに暴れ狂っていたマルぼんたちは、己のケダモノのような所存を詫び、天才丸さんに事情を話してみました。


天才丸「ようするに、この生きることを望まれない方々をなんとかしたいワケだな。それならいい案がある。こいつを見てみろ」


 そういうと天才丸さんは懐から、アニメ絵の半裸の女の子に人形を取り出しました、異様に精密に作られている、なかなかの逸品です。


天才丸「こいつはな、チョコ菓子のオマケなんだ。よくできてるだろ? これのおかげで、そのチョコ菓子はバカ売れしているんだ。……意味はわかるよな?」


 どうやら「お年よりたちをお菓子のオマケにして売りさばく」という作戦のようです。


天才丸「バカ。こんな余命幾ばくもない年より、普通に売れるわけないだろ。……そこで、だ。マルぼん。オマエ、不思議な道具を持っているんだってな。こんな道具はないか? ゴニョゴニョ……」


 マルぼんに耳打ちしてくる天才丸さん。天才丸さんの言ったような機密道具はたしかにありました。


天才丸「ふふふ。その機密道具をな、この年よりたちに使うんだよ」


 確かに、その機密道具を天才丸さんの言うような使い方をすれば、お年よりたちは簡単に売りさばくことができます。


 マルぼんは、そんなことを思いつく天才丸さんに心底感心して「さすが! 15年も浪人する根性と、親への負担を考えない度胸の持ち主!」と賞賛の言葉を送りました。


 それに呼応してヒロシが、そして100%事態を把握していないお年よりたちが、天才丸さんに惜しみない拍手を送ったのでした。


天才丸「俺を誰だと思っている? 早稲田天才丸サマだぜ? 伊達に高校の時にクラスの女子たち(ほとんどが現在人妻)から『なんか臭いから近づくな!』『天才丸くんと同じ班になりたくない』と恐れられてはいない!」


 マルぼんには、そんな天才丸さんがとても頼もしく見えました。


 天才丸さんに言われてマルぼんが持ってきた機密道具は「モノノカ値抗生物質」という、名前どおり「物の価値」を無理矢理に変化させてしまう薬でした。


 みらいのせかいでは、原野商法や浄水器販売のサポートアイテムとして使われる他、そこらへんに転がっている石ころに使用して「金以上の価値!」と身寄りのないおじいさんおばあさんに売りつけたり、一家心中で空家になった家に使用してなにも知らない人に「いい物件ですよ?」としれっと売りつけたり、捕らえた共産ゲリラの脳に大量投与して「オマエの信じていた思想って、こんなちっぽけなんですけど。君の人生ってなんだったのかにゃ?」とちょっと強引な思想教育に使用してみたりと、幅広い用途のある道具です。


 この薬をお年よりに使って価値を上げ、売りさばいてしまおうというのが天才丸さんの作戦なのです。


 マルぼんはこの薬が人間に効果があるのか試すべく、近くにいたおばあさんに投与してみました。


天才丸「なあ、マルぼん。このばあさん、本当に売りさばいちゃうのか?」


 薬を使った途端、天才丸さんの言動が変化。


天才丸「やっぱり……売るんだな! 認めない! そんなこと、俺は認めないぞう! たとえ神でも二人の仲を引き裂く事はできないんだ!」


 天才丸さんは、持ってきた包丁を拾うと、おばあさんの手を取って外へと飛び出していきました。


天才丸「行こう! 俺と君だけの、苦しみも悲しみもない幸せだけが半永久的に続く国へ!」


 二人手に手をとって、本当に楽しそうに駆けていく天才丸さんの姿を見て「モノノカ値抗生物質」の人間への効力を確信したのでした。
 天才丸さんが「苦しみも悲しみもない幸せだけが半永久的に続く国」から帰ってこないので、マルぼんとヒロシは2人でお年よりたちに「モノノカ値抗生物質」を投与しました。


 途中、「モノノカ値抗生物質」の影響で、何度もお年よりを抱きしめたり頬擦りしたりその膝で思わず泣いてみたり
しそうになりましたが、その都度、太ももに鋏をつきたてたり手首を切ったりして、マルぼんたちは耐え抜き、なんと全員への投与を完了させました。


 そしてそのままの勢いで全員を梱包して、家の前にディスプレイし「チョコエッグ~日本の老人シリーズ~」として売り出したのです。


 チョコ菓子とセットにし、お年よりたりをお菓子のオマケのしたのは、人身売買での摘発を避けるための作戦だったりします。


 天才丸さんの話によると「国有地であろうが臓器であろうが、お菓子のオマケとして売り出せば、どんなものでも罰せられない」という法律があるそうのなので、それを受けての作戦なのです。


「モノノカ値抗生物質」のおかげで「チョコエッグ~日本の老人シリーズ~」は一瞬で売り切れ、なんとか今回の事件は片がつきました。


 そしてマルぼんたちの手許には「チョコエッグ~日本の老人シリーズ~」の売上金、30数万円が残ったのです。


天才丸「その金をもっと増やす気はねえか? 儲ける気はねえか?」


 いつのまにか、天才丸さんがマルぼんの近くに立っていました。


 さらに儲けるといっても、新しい売り物になるようなお年よりはもう誰もいません。


天才丸「別にだな、売り物は年よりじゃなくてもいいんだ。これをみろよ。探せば、この町にも色々あるもんだぜ」


 そう言って天才丸さんが手渡してきたのは、色々なところが赤いペンでチェックを入れられているこの町の地図でした。


 チェックを入れられているところは


ヒロシ「刑務所! こっちは入局管理局の収容所! 少年院もある!」 
 新シリーズ「チョコエッグ~日本への密入国者シリーズ~」や「チョコエッグ~日本の犯罪者シリーズ~」「チョコエッグ~日本の死刑囚シリーズ~」は「モノノカ値抗生物質」の力で売れました。バカみたいに売れました。


 素敵なオマケをもらって消費者はニッコリ。


 自由をもらって犯罪者たちもニッコリ。


 祖国の家族への仕送りを稼ぐための職場がみつかって密入国のみなさんも二ッコリ(「チョコエッグ~日本への密入国者シリーズ~」は中小企業の社長サン限定商品)


 懐がホクホクでマルぼんたちもニッコリ。


 刑務所などから受刑者をゲットするのにいくつか機密道具を使ったんですが、その費用を差し引いても儲けはすごい額です。


 まさに「みんなが幸せになる」というねずみ講も真っ青な商売です。


天才丸「商売は秘訣は、間髪入れずに新商品を発売することだっ! 次のシリーズは、これっ!」


 そういって、天才丸さんがマルぼんとヒロシに手渡してきたのは、またも至るところにチェックの入れられた町内の地図でした。


ヒロシ「これ……僕の学校の、生徒の下校ルートだ……」


 天才丸さんはチェックを入れた小学生の下校ルートを車でウロウロし、女子小学生に声をかけているところを巡回中の警官に発見され、逮捕されました。


 事件を報道していたニュースで天才丸さんは「ネット上で被害者を中傷する発言」だとか「実は蛇頭の幹部で脱北者に売春をあっ旋している」だとか「平成の大久保清」だとか「幼児3000人を煮て食った」だとか「皇居に切断した小指を送りつけた」だとか「滞在先のホテルで、集まったファンの目の前で我が子を窓から投げ捨てようとした」とか「ネバーランドの奥で繰り広げられる、スーパースターの狂った宴」だとか、なんかすごい紹介のされ方をしていました。


 昨日、天才丸さんは「自分の価値を高めて、女子小学生にモテモテ~」とか言いながら、「モノノカ値抗生物質」を自分に投与していたんですが、どうもそれで「人間としての価値」でなく「犯罪者としての価値」を上げてしまったようです。


ヒロシ「人間の価値を、道具の力でどうこうしようなんておこがましいと思わんかね?」


 スモッグで星ひとつ見えやしない夜空を見上げながら、ヒロシが呟きました。


 ことの起こりがヒロシの不用意な行動でなければ、マルぼんも同感です。


日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「未亡人。その魅力」の巻
ヒロシ「ナウマン象のヤツ、僕の所有物を全部分捕りやがったんだ。名前を書いていたのにさ、『大沼ヒロシってのは、おれの魂の名前だ。だから大沼ヒロシと書かれているすべてのものは俺さまのものだ』とか言うし」


マルぼん「はい『所有物マーカ』。このマーカで名前を書くと、その物は書かれた名前の人の所有物となるんだ」


ヒロシ「いい感じの機密道具だね、すんばらしい。ではさっそく使用してみよう。『大沼ヒロシ』っと。よし。ありとあらゆるものに書くのに成功したよ」


 と、その時。見慣れぬ者たちが大挙して訪れて、名前を書いたものを持ち去ろうとするではありませんか。


大沼ヒロシ「俺は大沼ヒロシです。これは名前を書いているので私のものです」

大沼ヒロシ「僕は大沼ヒロシです。これは名前を書いているので私のものです」

大沼ヒロシ「それがしは大沼ヒロシです。これは名前を書いているので私のものです」

大沼ヒロシ「ミーが大沼ヒロシです。これは名前を書いているので私のものです」

大沼ヒロシ「吾輩は大沼ヒロシです。これは名前を書いているので私のものです」


ヒロシ「なんだこいつら! こら、それは僕の財産だ。勝手に持っていくな! ああー!?」


マルぼん「『大沼ヒロシ』とだけ書くからいけないんだ。どこに住んでいるどんな生い立ちの大沼ヒロシが持ち主なのか
詳細に書かないと、不特定多数の大沼ヒロシの所有物になってしまう。あーほら。みんなで取り合ったから、せっかくの財産がやぶれたり砕け散ったり」


ヒロシ「僕の財産が! が! が!」


マルぼん「残念無念ですな。うん? なんですか」


大沼ヒロシ「あなたにも俺の名前が書いてありますね。もって帰ります」

大沼ヒロシ「あなたにも僕の名前が書いてありますね。もって帰ります」

大沼ヒロシ「あなたにもそれがしの名前が書いてありますね。もって帰ります」

大沼ヒロシ「あなたにもミーの名前が書いてありますね。もって帰ります」

大沼ヒロシ「あなたにも吾輩の名前が書いてありますね。もって帰ります」


ヒロシ「ごめんね、マルぼんにも書いちゃった。てへ♪」


マルぼん「んぎゃあああああああああああああああああ!?」


 ぶちっ。そんなショッキングシーンが繰り広げられた翌日。


マルぼん「ごわごわごわ…よし。無残にも引きちぎられた体が、見事なまでに再生したよ」


ヒロシ「その再生の様子をじっと見守っていたわけなんだけど、一生夢でうなされそうな位残酷描写の連続だったんですが」 


マルぼん「気にしない気にしない。ところで『所有物マーカ』の変な使い方を発見したって?」


ヒロシ「おうさ。マルぼんがたくさんの大沼ヒロシさんにされるがままなのを見て思いついたんだけど、
『所有物マーカ』は生き物でも効果ありなんだね。実は僕は、ある人の所有物になりたいんだ」


マルぼん「なんだってー!?」


ヒロシ「3丁目の貫田さんの未亡人。とても美人でさ、一生でもいいから仕えたくなるよな美人なんだ」


マルぼん「いや、それは個人の自由なんだけどさ、その貫田さんの未亡人のくわしい情報を書かないと、恐ろしい残酷描写の連続かもよ」


ヒロシ「貫田さんの未亡人の情報なら、諸事情で詳しいんだ。故郷は栃木で、旧姓は黒崎。お兄さんが2人いるけど、1人は故人。趣味はガーデニング。亡き夫の保険金で静かに暮らしていて、トイレにはいるときは右足から。風呂は左足から湯船にはいる。好きな食べ物は切り干し大根。昨日は21時に寝てた。で、これが拾ってきた使い古しの歯ブラシで」



マルぼん「…昨日ママさんが、ゴミ捨て場をあさっている不審者の話をしていたけど」


ヒロシ「バカ、純愛だよ、純愛」




 こうして貫田さんの未亡人の所有物となったヒロシは、大沼家を去っていたのでした。そして一年。出て行ってしばらくは手紙など来ていたのですが、最近はさっぱりです。





手紙1「やあ。貫田さんの未亡人の所有物として幸せな毎日です。最高。家の中、甘い匂いとかするし」





手紙2「やあ。そうそう。一緒に暮らし始めて初めて知ったんだけど、貫田さんには娘さんがいたんだよ。内臓の病気で、新しい内臓を用意しないと外を出歩けないんだって。僕はよく、この娘さんの話し相手をしているんだ。人に尽くすって最高だね」


手紙3「やあ。今日は貫田さんの未亡人の娘さんの通院に付き合ったよ。おやさしい貫田さんの未亡人は僕の健康診断までやってくれたんだよ」


手紙4「貫田さんの未亡人と娘さんの主治医が『本当にいいんですか』『あれは私の所有物ですから』とか話しているのを目撃。なんだろうね。あ、でも所有物って僕のことだよね。最高!」


手紙5「貫田さんの未亡人の娘さん、外国で手術をするみたい。僕もついていくんだって」


手紙6「外国で手術をするの、なんでも法律の関係らしいんだけど。僕がついて行くのも法律のせいかな?」



 半年前に「手紙6」が届いて以降、ヒロシからの手紙はありません。あと、この前、貫田さんの未亡人が、娘さんらしき女の子と歩いているのを見ました。娘さんはとても元気そうでした。


 


日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「ヒロシの引っ越し」の巻
ナウマン象「ヒロシん家、建て直したんだって?」


ヒロシ「うん。金歯が紹介してくれた土地に新しい家を建てたんだ。ま。ほとんど新築だねえ。土地代が安くついたおかげだよ」


金歯「それほどでもないでおじゃるよ。ところでヒロシ。新しい家で変なことがおこらないでおじゃるか?」


ヒロシ「んー。勝手にパソコンがついたり、水道から血がでたりとか」


金歯「はい、これをどうぞでおじゃる」


ヒロシ「なに?」


金歯「ヒロシの家が建った土地で、過去起こったことをまとめた書でおじゃる」


ヒロシ「へえ……『一家惨殺』!? 『保険金殺人』!? 『江戸時代の処刑場』!?」


金歯「うふふふ。うふふふふふ」


ナウマン象「いたずら大成功!!」


ヒロシ「ひ、ひどいよ! ひどいよ!!」


金歯「マルぼんの他に居候(目には見えない)が大量に増えたと思えば幸せでおじゃるよー」


ヒロシ「ちっくしょう!!」


 ヒロシは泣きながら帰宅。


ヒロシ「うぉうぉうぉうぉうぉ…(嗚咽)」


マルぼん「なに、キミを恐怖のどん底へ突き落とすためだけにいわくつきの土地を用意した!? 許せぬ! まじめに働いて貯金して、ようやく土地を買ったものの騙されていて、そこは国有地だった親戚のおばさんのことを思い出したぞ! よし、報復だっ」


ヒロシ「連中に、僕が味わったヤツの三倍くらいの恐怖を与えちゃる!!」


 ここはナウマン象の家。


ヒロシ「で、どういいった機密道具を使うの?」


マルぼん「これさ『怖ガラス』。このカラスの声を聞いた人は恐ろしい目にあう。死ぬほど恐ろしい目にね!」


ヒロシ「死に勝る恐怖はないというわけですな、よーし! いってみよう!」


 マルぼんは、ナウマン象の部屋に『怖ガラス』を侵入させました。


怖ガラス「カァー」


『怖ガラス』は鳴いてくれましたが、なんの変化もなし。


ヒロシ「なんもないね」


マルぼん「ないね…」


 その頃、微笑町から少し離れたところにある「感染すると、ちょっとずつ体調が悪くなって、
3年後に確実に死をもたらす、空気感染も余裕な殺人ウイルス」をなんとか平和利用できないか調べる研究所では。


所長「みんな聞いてくれ。この人が、今日から働いてもらう来井くんだ。来井くんには、『感染すると、ちょっとずつ体調が悪くなって、3年後に確実に死をもたらす、空気感染も余裕な殺人ウイルス』の管理をしてもらうことになった」


来井「うぃ~酔ってないですよ、えへへ。うぃ。トイレどこー?」


所長「来井くん、ここで放尿してはいけない!!」


所員「所長…こんな狂人に『感染すると、ちょっとずつ体調が悪くなって、3年後に確実に死をもたらす、空気感染も余裕な殺人ウイルス』の管理はできるんですか?」


所長「仕方ないだろ…町長が『是非とも就職させてやってくれ』と頼んできたんだから。断ったらクビだ、クビ」


来井「ぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼくはえら、えらいんだぞう。おうさまなんだ。うぃ~。このボタンは、なーに?」


所員「押したらダメですよ!『感染すると、ちょっとずつ体調が悪くなって、3年後に確実に死をもたらす、空気感染も余裕な殺人ウイルス』を施設外に放出するボタン!」


来井「あはははっあはははっ!」


所長「止めろ、とーめーろっ!! ああああ!?」


所員「洩れました。めっちゃ洩れました」


所長「洩れてない」


所員「……」


所長「来井くんはボタンを押してない。なにも洩れてない。町の人間が体調不良になっても、悪質な風邪とか!! よって、どこにも知らせる必要なし!!」


所員「イエッサー!!」


 こうして恐怖は、静かに、静かにナウマン象たちのいる微笑町へと、忍びより始めたのでした。

日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「新キャラ登場」の巻
いよいよ新学期。ヒロシやゴンザレスの通う微笑小学校にも新しい風が吹いてきました。


ナウマン象「なんだ。隣のクラスはいやに騒がしいな。学級崩壊か?」


金歯「新入生がやってきたそうでおじゃるよ。その新入生を神輿に乗せたり胴上げしたりして大盛り上がりしているらしいでおじゃる」


ヒロシ「新入生か。うちのクラスには見飽きた連中しかいないし、盛り上がりようがないなぁ」


ルナちゃん「どこかに転がっていないかしら。私たちのクラスを大いに盛り上げてくれる期待のニューフェイスは」


マルぼん「『人間誕生薬』。この薬は全ての命の源。他の液体と調合することで、自分の望む人間を新たに誕生させることができるんだ。たとえば嫁さんが欲しければ『こんな俺でも喜んで嫁になってくれる女』が誕生するように調合すればいい。こいつを『ヒロシのクラスを盛り上げてくれる期待のニューフェイス』が誕生するように調合しよう」


 マルぼん、手馴れた様子で薬を調合します。固唾をのんで見守るヒロシども。やがて薬から黒い煙がもうもうと、もうもうと湧き出してきました。


マルぼん「やべえ。調合失敗して、怪しげな気体が」


一同「えええ?!」




学者A「つまり、子供たちを死に至らしめた気体は、いままでにないまったく新しい種類の気体であると」

 
学者B「ええ。新発見の期待です。新しく気体という概念に仲間入りした、ニューフェイス。言うなれば『気体のニューフェイス』というわけです」

日記 | 20:40:39 | Trackback(0) | Comments(0)
「愛され上手VSマルぼん」の巻
 マルぼんが寝ていると、ヒロシ……ではなくてナウマン象が泣きながら部屋に入ってきました。


 理由を尋ねてみると、なんとナウマン象を「悪魔崇拝者」「家の周りのドブでフナが大量に死んでいた」「好物は幼児の足の裏の皮」などと中傷するビラが町中に貼られていたというのです。


 深く傷ついたナウマン象は、マルぼんに犯人を見つけ出すように依頼してきました。


 幸いにもマルぼんは、未来の世界を出発する時に「ひょっとしたら、21世紀でナウマン象という名前の少年が中傷ビラで苦しめられているかもしれない」と思って、21世紀到着と同時に町中3800ヶ所に監視カメラを設置していたので、犯人捜索は容易にできました。


 マルぼんとナウマン象は、さっそく監視カメラの映像をチェックしました。


<以下、監視カメラの映像>


男「あ、山本さん。こんばんは」

女「あら、こんばんは。今夜も寒いですねえ~」

男「ええ。なんでこんな寒い中、中傷ビラなんか貼らないといけないんだと思いますよ」

女「仕方ないですよ~町内会の役なんですから~」

男「そうですね。がんばりましょう」


他の人たち「お2人さん、こんばんは」

男「ああ。みなさん。こんばんは、よし。がんばりましょう」

女「今夜中に、町中に貼らないといけませんね」


<以上、監視カメラの映像>


 ナウマン象中傷ビラ事件の犯人は、町全体でした。


ナウマン象「うちのオヤジも映ってた」



 そして


「愛されたいの! アタシは愛されたいの!」


 町中の人々(含む、親)に中傷ビラを貼られたショックで、思わず精神が女性化してしまったナウマン象の悲痛な叫びが、部屋に響き渡りました。


「愛されてるって。ナウマン象はみんなに愛されてるって」


 そう言ってナウマン象を慰めているのは、部屋の主であるヒロシです。


「ホント? ホントにアタシは愛されている? 答えて。答えてよ、ヒロシお兄ちゃん!」


「お兄ちゃんとか呼ぶな! 尊い命を奪うぞテメー」


「アタシを見て! アタシを愛して! ヒロシお兄ちゃん!」


「よ、よるな! よるなぁ! ズボンを脱ぐな脱がすなー! いやー! いやぁぁぁぁぁぁぁ!」


 いいかげんヒロシの貞操も危なくなってきたので、マルぼんはナウマン象を町のみなさんから
愛される存在にするべく、人肌脱ぐ事にしたのです。


 愛される存在といえば、マンガのキャラクター。特に子供向けのキャラクターの方がよいはず。


 マルぼんは、古今東西あらゆる子供向け作品を研究し、ナウマン象に最も適したキャラクターを探すことにしました
んで、色々と調べた結果、マルぼんはナウマン象の頭をパン(取り替え可能)に改造しました。


 ナウマン象はこれから、毎日のように町を徘徊し、お腹をへらしている人を見つけたら顔のパンを提供するという、マザーテレサのような慈善活動を行なうのです。


 これなら、キャラクター性+みんなの感謝の心で、ナウマン象の愛され度もうなぎ上りのはず。


 マルぼんは改造ナウマン象を連れて町へと飛び出しました。


 少し歩くと「腹減った~」と呟いている太くんと遭遇。


ナウマン象「僕の顔をお食べ」


 太くんの前に飛び出したナウマン象は、自分の頭を掴むと、そのまま力まかせに角の部分(パン)を引きちぎりました。


 べチャ。


 切断面から噴出す赤い液体(注・イチゴジャム)が、目の前の太くんを赤く染めます。


ナウマン象「食え! 俺の顔を、食え! 食え! 食え!  食え! 食え! 食え! 食え! 食え! 食え! 食え! 食え! 食え! 食え! 食え! 食え! 食え! 食え! 食え! 食え! 食え! 食え! 召し上がれ♪」


 切断した自分の頭(パン)を、いやがる太くんの口に無理矢理詰め込みながら、ナウマン象が叫びました。


 ナウマン象も、これでみんなの人気者です。マルぼんはナウマン象を連れて町を徘徊し、腹を空かせた子供たちや、公園で暮らす生涯アウトドア主義者の方々に頭パンを配りまくりました。


 改造の副作用で、頭パンが少しでも欠けたり汚れたり濡れたりしたらナウマン象は瀕死になってしまうので、大変な作業でしたが、すべては愛されるキャラクター作りのためで、やりがいのある仕事でした。


 半日くらい配り歩いて「そろそろ、みんなからの感謝の声が山のように届いているのでは?」とドキドキしながら戻ってみると、届いていたのは感謝の声ではなく「息子の下痢が止まらない」「血便でた」「おしっこが虹色になった」といった苦情や、保険所からの警告ばかり。


 愛されるため、愛に殉じるために己の体を改造したナウマン象はショックが大きく、半狂乱の状態。


ヒロシ「ナウマン象が愛されないのは、町のみんなが幸せじゃないからだと思う」


 途方にくれていたマルぼんに、ヒロシが話しかけてきました。


ヒロシ「みんな幸せじゃないから、他の人を愛せないんだ。みんな幸せになったら、ナウマン象だって愛することができるはずだ」


 またルナちゃんに何か吹き込まれたのかと思ったんですけど、そうではないようです。


ヒロシ「ナウマン象の頭パンを、食べた人が幸せになるパンにすればいいんだよ」


 しあわせにするパンと言われても……マルぼんはそんなものを作る技術はカケラもありません。


ヒロシ「大丈夫。大丈夫。さっき、インターネットで注文した『服用した人が幸せになれるキノコ』が届いたんだ。こいつをパンに入れれば……フフフ……みんなに幸せに……エヘへ……エヘ…エヘへ」


 既にキノコを服用したと言うヒロシは、目があさっての方向を向いていたり、ヨダレをダラダラ流したり、
手をブンブン振り回したりと、えらく幸せそうな様子です。


『空を飛んだ気分になる薬』と違って非合法ではないようなので、これを使ってみるのもいいかもしれないとマルぼんは思いました。 


「ゲヘへ」「ウヒウヒヒ」「ピーピピピプペポー」


『服用した人が幸せになれるキノコ』をオニのようにぶち込んだナウマン象の新生頭パンを食べた人たちが、それはそれは楽しそうに笑ったり、踊ったり、他の人には見えない妖精さんを追いかけたりしています。


「俺がみんなを幸せにできた……俺には愛される資格があるんだ!」と、ナウマン象も感慨深げです。


 ナウマン象の愛を求める旅も、どうやらこれで幕を閉じそうですね。


「ウヘへ」「ハヒ……ハヒヒ」「ピーピピピプペポー」


 パンを食った人々が、ナウマン象に近づいてきました。どうやら、もっとパンを食べたいようです。


「まてまて。新しいパンは今作って……おい。頭以外はパンじゃないんだ。噛むなよ、おい」


 徒党を組んで、ナウマン象に襲いかかる一同。


「いて、いてて! やめろ! そこはパンじゃない! やめ、やめて……うわ、うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」


 しばらくすると、ナウマン象の絶叫も幸せに酔う人々の笑い声も聞こえなくなりました。


 ナウマン象。誰よりも愛深き故に、愛に殉じた男。


 マルぼんは彼のことを一生忘れないでしょう(今回の件は明日にでも忘れます)




 幸いにも命を取り留めたナウマン象でしたが、町には「ナウマン象は死んだ」と誤った情報が伝わり、
町にはその死を嘆く声が溢れかえりました。


 マルぼんの力なんて頼るまでもなく、ナウマン象はみんなに愛されていたのです。


 マルぼんは嘆く人々に「ナウマン象は生きているよ」と教えてあげました。


 すると皆さん、態度が一変して「生きてるの?」「嘘ぉ……マジでぇ」と露骨に嫌な顔。


 慌てたマルぼんはつい「こ、心の中で生きているって意味だよ」と大嘘をついてしまいました。


「心の中ならいいんだ」「よし。ナウマン象の分まで生きるぞ」と安心した様子の一同。


 こうしてナウマン象は、21世紀の日本ではなく、皆の心の中(正式名称『今は無人のヒロシのじいさんの家の地下にある座敷牢』)で生き、永遠に愛されることになったのでした。

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「はやまったヒロシ」の巻
ヒロシ「包丁で刺す→相手死ぬ。見えた、これこそ勝利の方程式!」


マルぼん「貴様バカじゃないの?」


ヒロシ「だってさ、あのクソ野郎がさ、陰でコソコソとさ、ボクのさ、悪口をさ、言ってさ、やがってさ、とてもさ、むかついてさ」


マルぼん「むかつく相手をいちいちポアしていったら、キリがねえですよ。少しは我慢しなっせ」


ヒロシ「もぉ、がまんできな~い!」


マルぼん「こうなれば機密道具『心のブレーキ』を使うしかないな」


『心のブレーキ』は、我慢とかそういうことができない人につける機密道具。たとえば、欲しいものがあったとき、なんのためらいもなく消費者金融とかに駆け込む人とかにつける機密道具なんです。一見、車のブレーキのように見える機密道具で、人間の頭部につけます。


 消費者金融に駆け込もうとする人がいたとき、その人の頭部についたブレーキを周囲の人が踏んづけてやれば、「オレ、なにしてたんだ…出家します!」と思いとどまって、我慢してくれるのです。


 プライドが常に大安売りで、ささいなことで他人に包丁をふりかざすヒロシにピッタリの機密道具といえます。さっそくマルぼんは、ヒロシの頭部に『心のブレーキ』をひっつけて、踏んづけてやりました。マルぼん様とお呼びと叫びながら。


ヒロシ「僕さ、あの野郎をさ、包丁でさ、刺すのをさ。やめるのさ」


マルぼん「やった! やっぱり堅実に生きるのが一番ですよ」


ヒロシ「……」


マルぼん「どうしたの?」


ヒロシ「いじめ、学級崩壊、受験戦争、就職難、年金問題、高齢化社会、ママのかみなり、タタミのいびり、地球環境の悪化……よくよく考えれば、人生なんてクソおもんないね。ここいらで、幕をおろします」


 隠し持っていた青酸カリを飲み干すヒロシ。マルぼんは、ヒロシの人生にまでブレーキをかけてしまった『心のブレーキ』の効果は絶大だと思いました。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「これ以上近づいた死ぬというのなら、ぼくは離れよう。だから生きるんだ」の巻
ヒロシ「うわー遅刻遅刻!」


デモシカ先生「大沼、また遅刻か! 罰として、校長先生が将来入る予定の巨大な墓の建設のための労働半年間!」


ヒロシ「ひょえー!!」




ヒロシ「僕が遅刻したのも、学校が遠いせいだ! 山道を20キロも歩かなきゃならないなんて異常だよ!」


マルぼん「アフリカ出身のすごいマラソン選手の少年時代みたいでいいじゃん。毎朝、山道を20キロ歩いて通学、って」


ヒロシ「よくないよー。学校が家の近くになる機密道具だしてー!」


マルぼん「しかたないなー『近頭突きヘルメット』。このヘルメットを被って、家の近くに来てほしい建物に頭突きをかます。1回頭突きをかますと、約1メートル、その建物は家に近づいてくる」


 ヒロシはさっそく『近頭突きヘルメット』を被って、学校へ向かいました。


宿直の教師「な、なんだおま…」


 とっさに、宿直の教師をクロロホルムで眠らせるマルぼん。


マルぼん「さぁ、思う存分」


ヒロシ「よし!」


 ガツン、と、さっそく学校の後者に頭突きをかますヒロシですが。


ヒロシ「痛え! ヘルメットを被っているのに、本格的に痛い!」


マルぼん「機密道具としての効力を優先させるため、ヘルメット本来の『頭を守る』という能力は皆無に等しいんだ」



ヒロシ「く…で、でも、快適な通学のためだ。あきらめるものか! キエー!」


 そして続く、ヒロシの頭突き。ガツン、ガツンという音が響きます。なぜでしょう。そのガツンという音を聞いていたら、マルぼんは心が洗われていくような気がしました。音は、108回で止みました。ああ、除夜の鐘だ。澄み切った心になったマルぼんは、気づきました。それは、少し早めの除夜の鐘の如し、でした。ああ、お正月フライング。


医者「なぜこんなになるまで、放っておいたのです。この人の体は、もうボロボロですよ」


 108回の頭突きで力尽きたヒロシは病院に運ばれたのですが、上記は主治医の発言です。マルぼんは、死期まで近づけてしまった『近頭突きヘルメット』の効果は絶大だと思いました。



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「26年度がはじまった。でも、25年度が忘れられない。いつの間にか25年度は、あたしの中で大きな存在になってたんだ。それに気づかず、あんなにあっさりと別れてしまった。ははは、ホント馬鹿だ、あたし」の巻
ヒロシ「めんどくせーめんどくせー息をするのもめんどくせー。ああ、ボタンひとつでなんでもできればいいのにな」


マルぼん「一応、そういうことはできるけど」


ヒロシ「ほんとに?」


マルぼん「この家をだね、ボタンひとつでなんでもできる家にリフォームしてしまおう」


ヒロシ「わーい!」


 こうしてヒロシ宅は、ボタンひとつでなんでもできる家へとリフォームされました。


ヒロシ「部屋の中央にあるこのボタン。このボタンでなんでもできるわけなんだね」


マルぼん「うん」


ヒロシ「僕、テレビが観たいな」


マルぼん「ボタンを押してみなよ」


ヒロシ「うん! ポチっとな! あれ、ラジオがついたよ」


マルぼん「『ラジオをつけたい時のボタンの押し方』でボタンを押したんだな。ちゃんと『テレビをつけたい時のボタンの押し方』でボタンを押さないと」


ヒロシ「???」


マルぼん「家に備わった機能に、それぞれ対応したボタンの押し方があるんだ。ようするに、テレビが観たいなら『テレビをつけたい時のボタンの押し方』でボタンを押さないとテレビはつかない。風呂を沸かせたいなら『風呂を沸かせたい時のボタンの押し方』でボタンを押さないと風呂は沸かない。ボタンはひとつしかなから、押し方も複雑になる」


ヒロシ「なんでもボタンひとつでできる=簡単、というわけじゃないのな」


マルぼん「うん? どうした。顔色悪いよ」


ヒロシ「おなかが…急に痛くなって…救急車を呼んで…」


マルぼん「たいへんだ。ちょっと待ってて。今、電話を。おや。電話がない。そうだ。電話は通常、きれいに収納されているから、ボタンを押してこの場に出さなければならないんだった」


 マルぼんは『電話を出したい時の押し方』でボタンを押しました。でも、電話は出てこず、机の引き出しが勝手に開きました。『机の引き出しを開けたい時のボタンの押し方』だったようです。


マルぼん「あれ? あれれ?」


ヒロシ「う…」


マルぼん「よし。なんとか電話がでたぞ。さっそく119番に電話しないと。えっと。『電話の1の部分をプッシュしたい時のボタンの押し方』は…」


ヒロシ「ダイヤルするにも…ボタンをおさない…とダメ…なの?」


マルぼん「なんせ『なんでもボタンをひとつでできる家』だからね。
あーもう。押し方わかんねえ」


ヒロシ「直接…」


マルぼん「よし。直接お医者さんを呼びにいこう。待ってな。今、『部屋のドアを時のボタンの押し方』でボタンを押して、部屋のドアを開けるから」


 マルぼんが『部屋のドアをあけたい時のボタンの押し方』を見つけようと試行錯誤しているうちに、ヒロシは動かなくなりました。『動かなくなったヒロシを動かしたい時のボタンの押し方』は、ありません。



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