■プロフィール

Author:大沼ヒロシ
大沼ヒロシと申します。ブログはじめたての初心者です。どうぞよろしく。

■最近の記事
■最近のコメント

■最近のトラックバック

■月別アーカイブ
■カテゴリー
■FC2カウンター

■ブログ内検索

■RSSフィード
■リンク
■ブロとも申請フォーム
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


スポンサー広告 | --:--:--
「すきすきすきすきすきすきあいしてる」の巻
 家に帰ると、マルぼんが小坊主らしき少年と茶などすすりつつ談笑していました。


ヒロシ「その小坊主なに? もしかして稚児? マルぼん、衆道でもはじめた? 男娼と談笑ってシャレのつもり?」


マルぼん「ちがうよ。この小坊主は実は機密道具。ロボットなのさ」


応休さん「機密道具『応休さん』です。人生の応急手当が仕事なのですよ」


ヒロシ「人生の応急手当?」


マルぼん「人生でなんか不都合なことが起こったとき、被害を最小にとどめてくれるように働いてくれるんだ」


ヒロシ「ふうん。ま、どうでもいいや。あ、ナウマン象からメールだ。なになに『口論の果て、大脳を殺してしまいました。たすけてください』だってさ」


応休さん「私の出番ですな」


 僕はマルぼんと応休さんを連れて、ナウマン象のもとへと向かいました。すでに物言わぬ骸と化した大脳のすぐ横で、いろんな体液を垂れ流しにしたナウマン象がガタガタ震えています。


ナウマン象「殺す、殺するつもりなんてなかったんや…ただ話がしたかっただけなんや。それなのに、大脳のやつ『自首して全てを話す』とか言いおって…」


ヒロシ「これはナウマン象の人生に不都合なできごとだぞ。応休さん、応急手当はできるかい?」


 応休さんはその場で座禅を組み、唾を頭につけたあと、瞑想にはいりました。どこからともなく聞こえてくる、木魚をたたく音。そして「チーン」と鐘をたたく音。


応休さん「ヒロシさん、大脳の携帯電話をとってください」


 僕は大脳の鞄から携帯電話を取り出し、応休さんに渡しました。その携帯でどこかへ電話する応休さん。


応休さん「あ、もしもし。ママ? ぼくだよ、大脳だよ。あなたの息子は生きているよ」


大脳母「どちらさまです。なんで息子の携帯電話を使っているんですか」


応休さん「生きているよ。ぼくは生きているよ。ナウマン象氏はとってもいい人だよ。とってもいい人だよ」


大脳母「もしもし!? ちょっと、息子に代わってください。息子になにを」


応休さん「少し旅行に行きますので心配しないでくださいね。警察とかに連絡しないでくださいね」それじゃあ」


大脳母「あなたは誰なんですか、だれ…」


 電話をきる応休さん。


応休さん「これで大脳は、しばらくの間生きていると思われるはず!! さぁ、今のうちにナウマン象氏のアリバイ作りを



マルぼん「さすが応休さん!! 見事な応急手当!!」


 数日後、ナウマン象(殺人容疑)と応休さん(殺人幇助)が逮捕されました。適切でない応急手当は、ときに致命傷になると僕は、学びました。




スポンサーサイト
日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「グランマの思い出」の巻
 マルぼんが帰宅すると、ヒロシが「僕は望まれぬ子なのだ。そうに違いないのだ」と荒れていましたが、マルぼんは「ヒロシは望まれぬ子だよね」と常々思っていたので無視しました。


 そんなマルぼんにヒロシはキれて保健所に電話などしようとしたので、仕方なく事情を尋ねると、自分の写真を収録したアルバムがまったくないのだそうです。そのことから色々と推測した結果、自分は望まれぬ子であるという結論に至ったとか。


 マルぼんはヒロシの写真が収録されたアルバムを見たことあるので、ヒロシの単純な物忘れであると思うのですがヒロシは自分の非を認めようともせず、「悪いのは後の事を考えずに自分を生んだ親だ!」「僕は人間になんて生れたくなかった」
「生まれ変わるなら、私は貝になりたい」と周りのもの全てに憎しみをぶつけるのみ。


 そこでマルぼんは『脳内USBケーブル』という機密道具を出しました。これは脳とパソコンを繋ぎ、脳に記憶されている思い出などをパソコンで見られるようにする機密道具です。これでアルバムに関する記憶を見てみようという寸法です。非常に便利な道具ですが、脳に直接ケーブルを接続するので発狂するくらいの痛みが伴うのが難点。


「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


 ヒロシの悲鳴があまりにも大きかったので、隣近所から苦情が来ました。


『脳内USBケーブル』でヒロシの脳内に記憶されている思い出を、パソコンで見たりアップしたり世界に流したりしつつ、ヒロシが「ないですよ?」と言い張るアルバムに関する記憶を探すマルぼん。ついに努力が実り、アルバムの場所を察知したのでした。


 ようやく発見したアルバムには、「はじめてのお使いでカレーの材料を買いに行ったら、なぜか50万円もする羽毛布団と40万円もする象牙の印鑑の契約書を持って帰ってきて、暴力が伴うくらいこっぴどく叱られて泣いているときに撮られた写真」「友達と一緒に撮ったら、ヒロシの下半身だけがまるで『はじめから存在していない』かのように見事に写っていなかった写真(撮ってから3日後、ヒロシ両足骨折)」「入学式の日に両親が離婚して養育権で揉めたので、仕方なく弁護士と一緒に校門の前で撮った写真」「下校途中に行方不明になり、1週間後に300キロ離れた山奥を朦朧としながら歩いているところを地元の猟友会に保護された時に撮られた写真」など、ヒロシの思い出がたくさん詰まっていました。


 そんな中に気になる写真が1枚。品の良さそうなおばあさんが、1人で写っている写真です。「僕のおばあちゃんだよ」とヒロシ。既に故人だというおばあさんは、ヒロシをたいそう可愛がってくれたとか。


ヒロシ「おばあちゃん。大好きだったおばあちゃんにもう一度会いたいよ!」


 ヒロシの涙まじりの言葉に、このサイト始まって以来の美談誕生を予見したマルぼんは喜んで協力することにし、
情報を集めるべく、もう一度『脳内USBケーブル』を使うことにしました。


「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


 ヒロシの悲鳴があまりにも大きかったので、隣近所から苦情が来ました。

>
 不思議な事に、ヒロシの脳内にはおばあちゃんに関する記憶はまるでありませんでした。「きっと悲しい別れかたをしたりして、無理矢理脳内から思い出を消去したんだ!」とのたまうヒロシ。


 驚いた事にヒロシは、名前やいつ頃亡くなったかなど、おばあちゃんに関するありとあらゆる情報を覚えていなかったのです。ある程度情報を集めたら、タイムマシンで直接会いに行けるようにしようとマルぼんは考えていたのですが、これでは手も足もでません。


 ヒロシの脳に期待できないと察知したマルぼんは、ある機密道具を思い出しました。写真に使うだけで、写っているモノの詳細や現在の状況が分かる『写真詳細マシン』です。これでおばあちゃんの情報を集めることにしました。


『梅嶋 千代』。これがヒロシのおばあちゃんの名前で、現在は老人ホームに住んでいる……なんと存命中ということが判明!


ヒロシ「思い出した! おばあちゃんが老人ホームに入るのがイヤでイヤで仕方がなかった僕は、『悲しいくらいなら、ぬくもりなんていらない! 思い出なんていらない! 僕以外の人間はみんな不幸になれ!』と自らおばあちゃんの思い出を忘却の彼方に捨て去って、『おばあちゃんは死んだ』と自分に思い込ませたんだ!」


 このサイト始まって以来の悲しい事件です。マルぼんとヒロシは、早速おばあちゃんが入居している老人ホームへと向かいました。受付で面会の申し込みをし、おばあちゃんの部屋へ向かうマルぼんとヒロシ。おばあちゃんは、部屋にあるイスに座り、本を読んでいました。


ヒロシ「おばあちゃん!」


おばあちゃん「はい? どちらさま?」


ヒロシ「僕だよ、孫のヒロシだよ!」


おばあちゃん「…失礼ですが、私にはヒロシなんて孫はいませんよ」


ヒロシ「え?」


おばあちゃん「そういえば、昼ご飯はまだかしら。お腹すいちゃって」


ヒロシ「ええーっ!?」


 ようやく出会えたヒロシのおばあちゃんは、孫の顔も名前も思い出せず、「昼ご飯はまだかしら」というほぼ確定なセリフを吐き、キョトンとした表情でマルぼんとヒロシを見ています。


「おばあちゃん。僕のこと忘れたの?」とヒロシが泣きついても、「忘れたもなにも私の孫はルナという名前で……」と答えるだけのおばあちゃん。…ルナ?


「ヒロシさんにマルちゃんじゃない」


 部屋の入り口に、ルナちゃんが立っていました。ルナちゃんはおばあちゃんに「昼ご飯は少し遅れるって」と伝えると、
マルぼんたちに近づき「うちのおばあちゃんと何をしているの?」と言いました。


 顔面蒼白になったヒロシは、例の写真を取り出して「こ、この人は僕のおばあちゃんだよ!?」と訴えましたが、
「この写真、なくなったと思ったらヒロシくんがパクっていたのね。この薄汚い泥棒ネコ!」とルナちゃんに切り返され、閉口。


 マルぼんが咄嗟に『脳内USBケーブル』でヒロシの脳とノートパソコンを繋ぎ、その場で詳しい事情を調べる事にしました。調査は難航しましたが、マルぼんはネットで拾った『誤って脳内から消去してしまった記憶を復元してパソコンで見れるようにするフリーソフト』等を活用し、ある記憶映像を発見したのです。


 その映像では、幼いヒロシが1人の老婆に近づくところから始まっていました。老婆は髪を禍々しい紫に染め、全身を派手な金色の服で身に包んでいるケバい姿でした。


幼いヒロシ『おばあちゃーん』


老婆『気安くおばあちゃんと呼ぶんじゃないよ! この蛆虫小僧!』


幼いヒロシ『だーいすき』


老婆『近づくんじゃないよ! あの男の血を引いている人間が!』


幼いヒロシ『おばあちゃーん♪』


老婆『目的は金か!?』


幼いヒロシ『おこづかいくれるの?』


老婆『母親ばかりではなく、アタシまで不幸にする気かい!』


幼いヒロシ『ワーイ! ワーイ!』


老婆『この悪魔! この悪魔!』


 静まりかえる一同。ケーブルを外されたヒロシは、近くを歩いていた別のおばあさんに「あなたこそ、僕のおばあさんだ。僕のやさしいおばあさんだ」とか言って抱きついていました。その目はとても純粋で、ヒロシは相手のおばあさんを本当のおばさんと思い込んでいるようでした。


 やさしいおばあさんを造る機密道具なんて、マルぼんは持っていません。




日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「夢の国を探す君の名はヒロシ」の巻
 ヒロシが「仙人になりたい。仙人になって自然と調和したい」とか言い出しました。


 理由は、例のごとく金歯の自慢話。ある日、金歯は路地裏で横になっていた男を気まぐれに助けたらしいのですが、それがなんと仙人だったそうです。


 仙人のプライベートレッスンで、霞だけを食って生きる術を身につけた金歯は強く、またたくまにヒロシたちを叩き伏せてしまったとか。


 唯一善戦したナウマン象も、仙人に一撃で敗れ去り靴を舐めさせられるという屈辱を受け、現在は故郷の山奥で仏像を彫る毎日。


 こんな事態を打破すべく、ヒロシは仙人になりたいというのです。


 上手い具合に、誰でもいつでもお気軽に仙人になれるロボット型機密道具「仙人教師」ってのがあったので、マルぼんはこれを使うことにしました。


 未来の世界。文明が極端に発達した代償に、人類の平均寿命はおもしろいように下がっています。(だいたい23歳くらいで人生ゲームオーバー→スタッフロール→「強くてニューゲーム」で2周目スタート)


「オラ、死にたくないズラ」と思った人々の間には健康ブームが超到来。


 長生きといえば仙人ということで、「仙人教師」が開発されたのです。


 いつでもだれでもお気軽に仙人になれるロボット型機密道具「仙人教師」は、パッと見、まるでどこぞのホームから、夢に導かれて抜け出してきたかのようなじじいです。


 よほどのバカでもなければ、このじじいの出すアドバイスに従っていれば仙人になれるのです。


仙人教師「仙人といえば霞を食って生きる人種。仙人への第一歩は、霞以外のものを食べないことじゃー!」


 とは言うものの、自分で決めた事ですら満足に達成できない現代っ子の象徴のようなヘタレ小学生・ヒロシには、霞以外のものを食べないということなど、できるはずもありません。


 実際、ヒロシは「霞以外を食べない修行」に半日も耐えられず、光の速さで貯まったストレスで過食症になってしまいました。


ヒロシ「ウンマーイ。アンマーイ。トロ~。カッパカッパ。ウニ~。エビエビ」


空ろな目で冷蔵庫の中を食べ尽くすヒロシ。


仙人教師「どうしても食べてしまうのなら、霞以外のものを食べれなくすればいいのじゃ!」


そう言うと、仙人教師はヒロシの頭の辺りを触りました。秘孔です!


ヒロシ「顔……! 声……!? 食べ物がしゃべっているー!?」


仙人教師「食べ物の死への恐怖の表情と、食べられていくことへの恨みがこもった声が聞こえるようになる秘孔じゃよー!」


ヒロシ「く、くるな、おにぎり! おまえが食べられるのは……僕のせいじゃないー! 
うるさいだまれー! 黙れー!」


仙人教師「これでヒロシは普通のものを食べることができなくなり……」


ブシュ。


ヒロシ「うえへ、へへへ。これで、怖いものは見えなーい。聞こえなーい」


マルぼん「ヒロシが自らの手で、己の光と音を奪ったー!?」


 ジャンプみたいな展開になってまいりました。


 今、ヒロシはマルぼんの目の前で醤油の一気飲みに興じています。


「なに? 徴兵逃れ? このNot国民!」と思われそうですが、心配なく。


 昨日、光と音を失ったヒロシは、その反動で新たな感覚に目覚め仙人として覚醒し、その結果、調味料をつければ霞だけで満足できるようになったのです。


 醤油の一気飲みは、醤油ではなく「醤油をつけた霞」を食しているということなのです!


マルぼんのサルでもできる仙人化レッスン

1・好きな調味料を持参して山へ行き、霞が漂っているのを確認。

2・思いっきり霞を吸い込んで、持参した調味料を一気飲み。

3・その調味料の味をした霞が食べられます。

裏技1・かき氷のシロップとかでもいけます。フルーティーです。

裏技2・なお、実行して内蔵を破壊しても(ほぼまちがいなく破壊できます。血糖値もUNAGI登り)、マルぼんには責任をとる能力がありません。そもそも国籍すらありません。税金も納めていません。将来も雲の中です。……年金は? ねえ、年金はー!? 明るい未来をー!


ヒロシ「霞うめえ……次はマヨネーズ味ー!」


 醤油に続き、マヨネーズ、塩、みそ、砂糖、ソース、ラー油、酢、アンモニア、赤色102号、アスペクトなどありとあらゆる調味料を霞につけて、旨そうに食すヒロシ。


 どこか内蔵でもバグったのか、光の速さでやつれているわけですが、マルぼんにはヒロシが妙にたくましく思えました。
蝋燭の最後の輝きみたいなもんですね。これなら金歯とその師匠である仙人など、一撃で葬ることができるでしょう。




 ついに仙人(病人)として覚醒したヒロシ。金歯とその師匠である仙人を倒すため、マルぼんと一緒に出陣です。


 金歯と師匠は、町のゲームセンターへ遊びに行っているらしいので、マルぼんたちもそこへ向かいました。


 ゲームセンターのトイレの中。変な臭いの立ちこめる中、金歯はヤンキーっぽい人と床に座り込んで、空気のパンパンに詰まったビニール袋(液体が少し入っています)や空缶を口に押し付けていました。2人とも空ろな目です。


ヒロシ「こいつ。こいつが金歯の師匠の仙人!」


 ヤンキーを指さしてそういうヒロシ。マルぼんにはどうみても普通のヤンキーにしか見えません。


ヒロシ「だってホラ。ビニールやら空缶に詰めた霞を旨そうに吸引しているじゃない? 金歯も焦点の定まらない目で『これさえあれば、なにもいらにゃ~い』とか言っていたよ? 霞だけで生きていけるのって、仙人だろ!?」


ゲーセン店員「ああ!? お客さん! シンナーはやめてくださいー! 警察に睨まれているんですよー!」



ヒロシ「え? シンナーって、海外産の霞のことでしょ?」




日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「金が欲しい。とにかく欲しい」の巻
 パソコンを新調しようと思っていたマルぼんですが、予定していたお金が入らなくなり諦めることに。とはいえ、
一度「欲しい!」と思ったものを諦めることはかなり精神的にくるものがあり、マルぼんは一晩悩んだ末、なんとしてもパソコンを買ってやることに決めました。


 問題はお金です。地道にバイトをするという手もあるんですが、マルぼんはバイトとは縁がないタイプの生き物です。以前、飲食店でバイトしたときは店で食中毒。ペットショップでバイトした時は売り物の動物がなぜか続々と妊娠。不死身の体を生かした原子力発電所内の清掃では、知らないうちに放射能が漏れていました(気づいたのは一年後)。そもそも、国籍のないマルぼんを雇ってくれるところもありません。


 となると、考えられるのは「いらないものを売る」ということ。マルぼんは機密道具「未来デパート携帯買い取りセンター」を用意しました。この道具は、どんな物でも、どんな場所ででも、その場で査定・その場で買い取り・その場で送金をしてくれる優れものです。


 マルぼんはさっそく、ヒロシの部屋にある売れそうなものの品定め開始。最初に目についたのは、ヒロシのゲームコレクションです。見事にギャルゲーばかり。全部で20本近くあったのですがどれも古かったのでたいした値段にならないと思ったのですが、意外や意外。なんと合計で7万円になりました。どうやらレアな限定版や回収されて現物が少ないものが
たくさん混ざっていたようです。


「なにをしているんだ!?」


帰ってきたヒロシが、マルぼんを見て、声を震わせて言いました。


「返せ! 返せ! 僕のゲームを返せ! 僕の妹(義理)を! 僕の姉さん(義理)を! 僕のお母さん(義理)を! 僕の先生を! 僕の幼なじみを! 僕の委員長を! 僕の学校のアイドルを! 僕の弟(義理)を!」


 状況を把握し、泣きながらマルぼんに殴りかかってくるヒロシ。マルぼんはそんなヒロシに7万円を見せながら「これが君の妹や姉さんの今の姿だよ」と教えてあげました。


「ああ。妹よ。姉さんよ。ああ」


マルぼんから7万円を奪い取り、ムシャムシャと口にふくみ始めるヒロシ。


「うへ。うへへ。僕はお金持ち。お大臣。石油王~。マルぼん、いらないものをたくさん見つけて、どんどん換金しよう!」


 7万円という、小学生にとってはお正月にしかお目にかかれない神の領域のお金に、ヒロシは十代を目前に金の亡者となり、21世紀という名のどす黒い欲望に心を汚されてしまったようです。心が汚されても生きていく上でなんの支障もありませんので、マルぼんはヒロシと一緒にいらないものをたくさん探すことにしました。


 とはいえ、前回のレアゲーのように高値で売れるものがそうそうあるハズもなく、換金大作戦はいきなり頭打ち状態。そこでマルぼんたちは「未来デパート携帯買い取りセンター」を使って商売をすることにしました。


 世間にはいらないものを買い取ってくれるところがたくさんありますが、色々なものを一度に買い取ってくれるところは少なく、あったとしても店まで持っていかねばならないので、面倒くさいことこの上ありません。「未来デパート携帯買い取りセンター」は携帯とつくくらいですから持ち運び自由で、売るものも差別しません。プレミアのついているものも、プレミア価格で買い取ってくれます。それなりの手数料で「未来デパート携帯買い取りセンター」出張買い取りを行なえば、それなりの収入になるのではないかと考えたのです。


 この考えは大的中。医療廃棄物であろが使用済み注射器であろうが差別なく買い取ってくれるマルぼんとヒロシは、半日後には「リサイクル界のガンジーとキング牧師」の名を欲しいままにするまでになっていました。


「今日はそろそろ店じまいするか」と思っていると、その家族はやってきました。ヒゲ面のやせたオッサンと、オッサンの子供らしい男の子と女の子。疲れた表情のオッサンは「これ買い取ってください」と
薄汚い箱を差し出してきました。


 マルぼんが受け取ったその箱は異様な重さでした。ヒロシと2人がかりでなんとか地面に下ろし、蓋を開けてみると、中身は石。石がビッシリと、詰まっていたのです。


「いくらで買い取ってもらえますか?」


 -3000円。石の買い取り価格です。ようするに逆に金を取られると言うことです。


マルぼん「というワケで3000円ください」


オッサン「ちょ、ちょっとまってください! なんなんです、その買い取り価格は!」


マルぼん「だって石だし……」


オッサン「これはですね、ただの石ではないのですよ!?」


マルぼん「はぁ……」


オッサン「この石は私たち家族の思い出の証なのです」


 オッサンは色々と語り始めました。


オッサン「私はこう見えても漫画家なのです。知っているでしょう『マジックマッシュルームくん』や『電動お爺ちゃん』。
『涅槃デルタール人・タケル!』。あれは私の作品なのです」


マルぼん「まったく知りません」


オッサン「ああ。あなたは日本語がわからないんですね」


マルぼん「わかります」


オッサン「絵と文章を結びつける能力が欠陥しているとか」


マルぼん「欠陥って……」


オッサン「まぁ、あなたのことなんてどうでもいいです。ようするに、素晴らしい漫画を描いているおかげで私にはものすごい収入があり、その収入で家族旅行を頻繁に行なっていたのです」


マルぼん「……」


オッサン「これらの石はその旅行先で拾ってきたものなのです。これは熱海。これは北海道。これはなんと花のパリー。あなたなんて名前も知らないでしょう。パリ。これは淡路島。これは私の母が半年の闘病生活の果てに苦しんでが死んだ病院の中庭。ようするにこれらのひとつにひとつに思い出が詰まっている」


マルぼん「そうなんですか」


オッサン「本来ならお金に替えることのできないこれらのものを、特別に死ぬ覚悟で売ろうというのです。わかってくれましたよね。で、いくらで買い取ってくれますか?」


マルぼん「-3000円」


オッサン「なんでわかってくれないんですかー!」


マルぼん「思い出で腹がふくれるか!」


オッサン「ふくれますよー!」


 気づくと、オッサンの連れてきた子供の女の子の方が、先の尖った石に砂糖をつけて舐めていました。


オッサン「我々はこれで1ヶ月生き抜いたんだー! さぁ、査定しなおせー!」


 オッサンの要望で、子供たちが舐めていた石を査定してみると。


マルぼん「5万円!?」


オッサン「舐めろ! 娘よ、どんどん舐めろー!」


 マルぼんはマニア価格も考慮してくれる「未来デパート携帯買い取りセンター」の力は絶大だと思いました。


「石が高値で売れたのは『娘の記憶が唾液を通じで石に伝達されそれに機械が反応した』からだ」


「人の思いは金には換えられないが、無理矢理換えたらそれなりの値段になる」




とか言いながら、例の自称漫画家がまたやってきました。


 昨日、石が高く売れたことで味を占めたようで、様々な「人の思いがこもっている物」を見せ付けては「買い取れ」とマルぼんたちに迫ってきました。


「不自然に大量死した鳥の死骸(いままで鳥を育ててきた飼育者の悲しみがこもっている。たぶん絶対あきらかにまちがいなく死因は……)」


「気がついたら近所の空き地に置かれていた大量のドラム缶(放置せざるをえなかった持ち主のふがいなさがこもっている。中身は不明。あれ? 近くのドブでフナやザリガニが……!?)」


「血をインクの代わりにして描いた漫画原稿( 『絶対連載にするぞ!』という漫画家の思いがこもっている。内容は、さえない男が偶然、美少女だらけのアパートに住むようになって、みんなから好意を持たれるという、吐いて捨てるほど斬新な内容)」


「バレンタインにファンからイケメン俳優へ送られた手作りチョコ(ファンの熱い愛情が、髪・爪・体液といった形をとってはいっている)」


 どれもこれも、人の思いがこもりすぎて心に重い逸品で、「夢をオカズに愛を食べる」のキャッチコピーでおなじみのマルぼんや、「おこづかい減らされた」という理由でカミソリを手首に当てるヒロシには、とてもじゃありませんが扱いきれません。


「武士の商法」とはよくいったもの。たいして儲かりもしないということで、マルぼんとヒロシこの商売をオシマイにすることにしました。




「へえ。そんな便利なモノがあったんだ」とは、「未来デパート携帯買い取りセンター」のことを聞いたママさんの言葉。


ママさん「ちょうど欲しい指輪があるの。アタシもいらないもの売りたいな」


マルぼん「だれでも使える道具ですから、自由に使ってもいいですよ」


マルぼんがママさんとこんなやりとりをしたのは今朝のことで、それからマルぼんは所用で出かけていました。


 夕方帰宅すると、ヒロシがどこにもいません。ママさんに聞いてみると。


ママさん「さぁ。今ごろどこかの子供に恵まれない夫婦になってるか、誰かの血や肉や内臓になって生きているんじゃない? 未来デパートの流通ルート次第ね」


 ママさんはどうやら「良心」を売ってしまったようです。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「目に映るすべてのものは」の巻
「最近、みんな俺様に優しくないんだ」とか言いながら、ナウマン象がマルぼんを訪ねてきました。


 いつも「オマエのものは命すら俺のもの、俺のものはあのお方のもの」と他人のものを容赦なく奪い取り、既に両手では数え切れないほどの尊い命を奪っている腐れ外道がなにを言っているのか、とマルぼんは思ったのですが、とりあえずナウマン象の話を聞いてやることにしました。


「やさしくないんだ…みんな、俺をみても視線をそらすし…家族も厄介モノでもみるような顔で俺をみるし」と、ハンカチを噛み締めながらナウマン象。


 いつも「刑務所のなかって食うに困ることないじゃん!」と言って犯罪を繰り返し、家族よりも保護監察官と一緒にいる時間のほうが長い鬼畜が何を言っているのか、とマルぼんは思ったのですが、とりあえず機密道具を出してやることにしました。


『ぬく銛』。銛の形をした機密道具で刺された人は、人様の優しさに満ち溢れたぬくもりにその身を包まれます。刺さった傷が深ければ深いほど、より深い優しさに包まれるのです。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ」


テストとしてナウマン象に『ぬく銛』で刺されたヒロシの悲鳴が、あたりに響き渡りました。するとどうでしょう。血を撒いてのたうちまわるヒロシの姿が、とても愛しく感じられるではありませんか。気づくとマルぼんとナウマン象は、ヒロシを抱きしめ、その傷口を舐めていました。そう。生れたばかりの子犬の体を舐める親犬のように……


 絶大な効果を持つ『ぬく銛』を手に、ナウマン象はスキップまじりで帰っていきました。

 数日後。


「『ぬく銛』の効果はスゲエな! 家族も友達もみんな俺にやさしくなったんだ!」ナウマン象がやってきたので、マルぼんとヒロシは黙って話を聞いてあげました。


「歩いているだけでさ、すれ違うヤツが『出歩いて大丈夫なの?』『無理するなよ』とか心配してくれるんだよ。ちょっと照れくさいけど、人のぬくもりっていいもんだよな」


「母ちゃんもいつもよりこづかいくれるし。父ちゃんは映画に連れて行ってくれるらしいんだ!」
息を荒げて語るナウマン象。無理をしていないかマルぼんは心配です。


「それでさ、あれ…」


話している最中、急によろめくナウマン象。マルぼんとヒロシは咄嗟にナウマン象にかけより、「大丈夫!?」と抱き起こしました。


「悪い悪い。なんか最近、やたらと立ちくらみがするんだよな。季節の変わり目だからかな。ありがとう。じゃあ、俺、これから父ちゃんと映画へ行くから」


ナウマン象は帰っていきました。


 「ナウマン象はもう長くない」という電話が親御さんから来たのは、数日前。このことはいつものメンバーをはじめ、ナウマン象本人以外みんなが知っています。残された人生を気持ちよく過ごしてもらうため、みんなで相談し、これからはナウマン象に温かくやさしく接することになったのです。


『ぬく銛』の効果は絶大なようです。




日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「フォーエーバー友情」の巻
 最近は学校へも行かず『食っちゃ寝してネットとゲーム』の生活を繰り返してばかりいたヒロシ。面倒くさいのでマルぼんは注意もせずに放っておいたんですが、気づくと太りすぎで相撲取り3人分くらいの大きさになってしまい、部屋から出るどころか立ち上がることもできない状態に陥っていました。

 幸いにもレスキュー隊による懸命な救出活動でヒロシは無事外にでることができ、(その過程でヒロシ宅半壊)、3日くらいかけた脂肪吸引手術で体重も落ち着いたのですが、それでもヒロシはけっこうなレベルの肥満で「オマエはどこへ辿り付きたいんだ?」とコメントしたくなる状態なのは
事実。


「マルぼん、なんとかしてよ!」とヒロシが泣きついてきたので、マルぼんはダイエットに最適な機密道具を出してやることにしました。


『ダイエッ道』。一見、ただのウォーキングマシーンですが、最初に落としたい体重の量を入力すると、それと同じ量の体重が減るまで永久に走らされるという素晴らしい機密道具です。


 突然「そんな機密道具いらねえよ!」とマルぼんに殴りかかってくるヒロシ。
「なら、どんな機密道具が欲しいんだ!?」とマルぼんが切り返すと、ヒロシは言いました。


ヒロシ「僕が太ったのは、食べる物とネットをするためのパソコンと遊ぶゲームがあったから。つまり、これらの物がなかったら僕は太らなかったし、今ごろは明るい性格でクラスの人気者として…毎日リムジンで送り迎えされる上流階級として充実した毎日を送っていたはず。ようするに僕は被害者。これら悪魔のアイテムを作り出した会社を訴えたいから、依頼料が1日300万円かかる政府御用達の敏腕弁護士集団を10円くらいで雇える機密道具、出して!」


 マルぼんが「むりよ」と言うと、「なら弁護士団はいいから、楽して痩せる道具だせよ。クズ野郎」と、訴えたら勝てそうな言葉で楽なダイエット用機密道具を要求するヒロシ。断ったら話が続かないので、マルぼんは適当に道具を出すことにしました。


『ダイエッ糖』。飲むだけで「体のなかの重い部分を自動的に落としてくれる」意志の弱いダメ人間向けのダイエット錠剤です。ちなみに、たくさん飲めばたくさん飲むほど、より重い部分を察知し、落としていってくれるのです。


「いいのあるじゃない」。マルぼんが詳しい使い方や注意点を説明する前に、『ダイエッ糖』のぎっしり詰まったビンを奪い取り、全部を飲み干してしまうヒロシ。


 ああ! なんということでしょう! 『ダイエッ糖』は薬は薬なのですが、政府から医薬品に認定を受けていない薬なので、色々と副作用があり、一度にたくさん飲むととんでもないことになります。


 世間一般では「命は地球より重い」と言われています。『ダイエッ糖』もこの概念に基づいているので「命は人体で一番重いもの」と認識しています。『ダイエッ糖』は飲めば飲むほどより重いものを落としてくれるので、飲みすぎると『ダイエッ糖』は「命」を落としてしまうのです。ようするに、飲みすぎたら死んでしまいます。


「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


マルぼんによってその事実を伝えられ、半狂乱になるヒロシ。失禁したり、自分の顔を爪で掻き毟ったり、テレビに話しかけたり、女優の映っているポスターを「妻です」とマルぼん紹介したり大パニックです。


 マルぼんは野獣のように暴れるヒロシに精神安定剤を打ちつつ「やっとみらいに帰れるね」と思い、笑いが止まりませんでした。


 以上のようなことがあったのが昨日6月23日の晩。本日6月24日19時現在、ヒロシは余裕で生きています。


 大喜びのヒロシをよそに、「みらいのせかい」に帰る事ができなくてくやしいマルぼんは『ダイエッ糖』の製作メーカーの苦情コーナーに問い合わせてみました。


メーカー苦情係「えっとですね、この世界になんの利益ももたらさない生きる価値のない人間のクズの命は、『もう無意味とか無価値とかそんなレベルで語られるものじゃない。あってもなくても同じ。正直、落とすのもウザいくらい軽い』と判断されて、落とされることはないみたいですー」


 マルぼんの横では、小学生で『もう無意味とか無価値とかそんなレベルで語られるものじゃない。あってもなくても同じ。
正直、落とすのもウザいくらい軽い』と判断された男が、楽しそうにヘンな歌を歌っていました。


 飲んだ人の重いものを自動的に落としてくれる『ダイエッ糖』はそれなりに効いたらしく、「醜い豚」という言葉以外で形容できなかったヒロシの体も「もう長くないんじゃない?」という言葉以外で形容できないほど痩せていました。肋骨とかみえてます。余裕で。


 そんな『ダイエッ糖』の効果をどこで聞きつけたのか、ダイエットしたくてたまらない町内の皆さんがマルぼんのところに殺到してきました。


「よこせ!」「その薬をよこせ!」「くれ、くれよ。おねがいだから…くれよぉ」


 機密道具だってタダではありません。マルぼんは人に知られたら結婚できないようなバイトをしたり、夜の繁華街なんかに吐いて捨てるほど転がっているいらない人のいらない臓器や戸籍を売ったり、植物や動物(人間含む)の貿易を繰り返したりしてお金を稼ぎ、それで機密道具を買っているのです。


 そうホイホイと機密道具それも消耗品を使うわけにはいかないのですが、マルぼんも外道ではありません。どうしても痩せたいという固い意思を持つ人に『ダイエッ糖』を使わせてあげることにし、そのための面談をすることにしたのです。




『ダイエッ糖』使用可能者選考面談を開催したマルぼん。どいつもこいつも「痩せて美しくなりたい」というなんの価値も見出せない理由ばかりで閉口していたのですが、13人目に面談した男性が変わっていました。


 氏名年齢や理由なんかを尋ねても俯いてなにも答えず、口をあければ「お願いだからください」と言うのみ。横に座っていたヒロシが「おもしろそうだからあげてみようよ」というので、マルぼんはこの男性に『ダイエッ糖』を使わせてあげることにしました。


「これで解放される」と呟くと、男性は渡された(飲んでも死なない程度の量です。念のため)『ダイエッ糖』をすぐに飲んでしまいました。


 するとどうでしょう。飲む前はあれだけ暗かった男性の表情が、まるで憑き物が落ちたかのように一気に明るくなったではありませんか。


男性「私…私は5年前、誤って人を殺してしまったのです。情状酌量が認められ、刑務所には入らずにすんだのですが、それ以来、罪の意識と贖罪の心で気が沈み、なにもすることができなかった。もう死のうと思いはじめていた時、この『ダイエッ糖』をたくさん飲んだら死ぬ事ができると聞いて面談に参加することにしたのですが……」


 理由を語り始める男性。


男性「死ぬどころか、この薬は私を救ってくれました。ありがとう。本当にありがとう」


 命を奪ってしまうという副作用のある『ダイエッ糖』ですが、「罪の意識」など重くて鬱な気持ちにさせる精神的なものなんかも取り去ってくれるようです。晴れた表情で帰路に着く男性を見て、面白半分ではじめたこの企画がひょっとしたら「世のため人のためになる企画に化けるかもしれない」とマルぼんは思いました。


男性「ありがとう。本当にありがとう! これから、毎年命日ごとの墓参りをしつこく強要してくる被害者の家族を、迷惑防止法違反で訴えてきます! 腕利き弁護士が知り合いにいるので大丈夫!」


 マルぼんの勘違いでした。



 次に来たのは、普通に太っていて語尾に「ブー」とかつけているメガネの男性でした。普通にダメだと思ったマルぼんは、普通に『ダイエッ糖』をあげることに。


 その場で『ダイエッ糖』を飲む男性。しかし、男性の脂肪や体重はまるで落ちる気配がありません。ひょっとしたらこの男性、脂肪や体重などより重いものを背負っているのかもしれません。


 マルぼんがおかしいなと思っていると、男性の持っていた携帯電話が鳴りました。


マルぼん「どちらからですか?」


男性「…勤め先ですブー。私は医者などをやっているのですが……」


マルぼん「……」


男性「私の診ている患者が全員…容態が急に悪くなって…一度に…ブー…」


 とても暗くなりそうなのでこの先、自主規制。



『ダイエッ糖』に関する話の結末は「生きて行く上で人が背負わねばならない『命』という名の罪」という重いテーマの、このサイトの容量を半分以上使用した大作になる予定でしたが、マルぼんが誤って『ダイエッ糖』を飲んでしまったため、どこかに落ちてしまいました。


 というわけで、今回の話に結末はありません。



 いやー、「これでもか! これでもか!」ってくらい綺麗な結末だったのに、本当に残念。残念極まりないですねー。いや、本当に。

日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「萌え尽きろ!! !熱戦・烈戦・超激戦」の巻
 諸事情でしばらく海外(おもにアジア)でほとぼりが冷めるのを待ち、近所には「死んだ」「単身赴任でヨーロッパへ」と伝えられていた本当のパパさんがついに帰ってきました! 大喜びのヒロシ。喜んでいるようで目が笑っていないママさん。
パパさんはお土産を買ってきてくれたので、マルぼんも大喜びです。



パパさん「はい。ママには珊瑚製の装飾品セット」


ママさん「まぁ、嬉しい。あなた愛しているわ(棒読み)」



パパさん「マルぼんには色々なことに使用できる、色々な草花だ」


マルぼん「最近の税関、甘いの?」



パパさん「さて、ヒロシ。ヒロシには前から欲しがっていたものをあげるぞ」


ヒロシ「え!? 本当!? な、なんだろ!?」


パパさん「さぁ、当ててごらん」


ヒロシ「えっと、大容量の外付けハードディスク?」


パパさん「ブブー!」


ヒロシ「じゃあ、DVDレコーダー!?」


パパさん「ブブー!」


ヒロシ「わからないよう。教えてよ、お父さん」


パパさん「ふふふ。わからない? 昔、アレだけ欲しがっていたのに。正解は…」


 そう言うと、パパさんは荷物をしまっていたタンスの扉を開けました。勢いよくタンスからとび出してくる、ヒロシへのお土産。


パパさん「正解は『義理の妹(半分だけ血が繋がっている)』でしたー!」


義理の妹「ハジメマシテ、シャチョサンノムスコサン。オカネハドコニアルノ?」 


 パパさんのお土産であるヒロシの義妹さんには「アイリーン」という素敵極まりない名前があったのですが、その名前を日本で使用したら色々と不都合があるそうで、新しい名前を考える事に。


ヒロシ「樹梨。なんといっても樹梨!」


マルぼん「マルぼんは日本的な名前がいいな。花子とか」


ママさん「ああ? こんな望まれぬ子の名前なんて、カネカネキン子で十分にきまってるだろ!」


 我が家の山の神の怒気を含んだ一声で、ヒロシの義妹さんは「カネカネキン子」に決定。なにはともあれ、我が家に新しい家族が増えたのでした。


ヒロシ「よし。部屋が空くまで僕の部屋で寝起きするようにしよう」


マルぼん「わぁ! なんだかインモラルー!」


ママさん「ああ? こんなメスブタの血を引く女なんて、ウチに住まわせる余裕はねえよ!」


 我が家の山の神の殺気を含んだ一声で、ヒロシの義妹さんは近所のアパートに住む事に決定。マルぼんとヒロシは、さっそくカネカネキン子の住む事になったアパートを訪ねてみました。今流行のルームシェアで、このアパートにはルームメイトがいるとか。


キン子のルームメイトA「ダレ? ビザハイマナイヨ?」


キン子のルームメイトB「子供ノ客? コレ以上、法律ニ触レル行為ハ無理ヨ」


キン子のルームメイトC「私日本人。外国人チガウ」


キン子のルームメイトD「コノ鉢植ハ、ヒマワリ。タンナルヒマワリヨ。本当ヨ」


 こんな調子で、部屋にひしめき合っていた約25人ほどのルームメイト(いずれも外国人女性)の皆さんに挨拶を終えたときには、すっかり外は暗くなっていました。


 マルぼんとヒロシ、「国籍を聞かれたら日本と言い張れ!」「それでもダメなら『人殺しても無罪な種類の人』のマネで乗り切れ」「ビザは金をきちんと返し終わったら返すよ」くらいしか日本の文化を知らないカネカネキン子に町を案内してあげることにしました。


 寺や同人誌販売店など、日本ならではのスポットを案内し終わって帰ってくると、町の人々が土下座しているのに遭遇。
そういえば、今日は金歯のパパさんが参勤交代の任期を終えて江戸から帰ってくる日。町の人々が土下座しているのはその大名行列が通る道。我らが微笑町は、住む人の9割が金歯のパパさんの息がかかった会社に勤めているので、土下座は必然なのです。


「下にぃ~下にぃ~」>
全長100メートルを超す行列はさすがに圧巻で、マルぼんたちはそれをヘラヘラと笑いながら見ていました。ちなみに、パパさんもママさんも無職なので別に土下座とかしなくていいのです。


カネカネキン子「パレード! パレードネェー!」


 金歯パパさんの大名行列をカーニバルと勘違いして突撃するカネカネキン子。やばい! 金歯パパさんの大名行列は神聖な扱いをされていて、無断で近づくものや関係者なのに土下座しないものは、殺されたり、金歯一族の秘密鉱山での強制労働させられても文句が言えないのです。


 早くも妹は消えてしまうのか、と目を覆ってしまうマルぼん。ところがカネカネキン子、殺されるどころか、手に大量の札束を持って帰ってきたではありませんか。


カネカネキン子「ナンカ、後デ家族ト訪ネテ来イッテ言ッテタヨ!」


 い、一族郎党皆殺し!?





 カネカネキン子の暴挙により、家族全員で金歯一家に呼び出されたマルぼんたち。どこかで話を聞いたのでしょうか。
ママさんとパパさんは共に自分の欄だけ記入済みの離婚届と「ヒロシ、強く生きろ」と書かれたメモを置いたまま失踪していたので、金歯宅へ行ったのはマルぼんとヒロシとカネカネキン子の3人のみ。


 震えながら金歯宅に辿りついたマルぼんたちは、金歯宅の私設コロシアム(奴隷同士を戦わせて観賞する)に案内されました。会場の客席は全て埋め尽くされていたので、「上流階級の人々の見守る中、ここで殺し合いしろ」とか言われるに違いないとマルぼんは思ったのですが、よく見ると客席にいるのは上流階級どころか、みずぼらしい姿の子供。それも皆、なにかパネルのようなものを持っています。



「山!」


 軍服を着た男がそう叫ぶと、子供たちが一斉にパネルを動かし始めました。するとどうでしょう。子供たちの持つパネルの一枚一枚が絵のパーツとなり、コロシウム全体に綺麗な山の絵が出来上がったではありませんか。


「これは、金歯一族少年少女奉仕団名物のマスゲームです。描かれている山は、金歯一族の偉大なる始祖が誕生された白頭山です」



 その後も子供たちはマスゲームで「愚民たちを優しく導く金歯パパの肖像画」「名画『最後の晩餐』に金歯のパパさんが混ざっているバージョン」「チュチェ思想塔」などを見せてくれ、マルぼんたちはかなり楽しい時間を過ごしたのでした。しかし、最後に登場したのは絵ではありませんでした。文字です。メッセージです。



カネカネキン子さん、愛しています。  金歯



金歯「というワケなんだ」


いつのまにかマルぼんたちの近くにいた金歯が顔を赤らめて登場しました。


金歯「パパの行列に参加した時、偶然見て…一目ぼれだったんだよ.よければ、僕とお付き合いしてください」

 すべては、不器用な金持ちのドラ息子の、精一杯の愛の告白だったのです。その微笑ましい自体に、マルぼん、思わず笑みがこぼれます。


カネカネキン子「私、コンナ豚ヨリモ醜イ人間、触リタクモナイデス」

>
 金歯の求婚を体全部を駆使して拒否するカネカネキン子でしたが、金歯が札束詰まったアタッシュケースを持ってきたところで、失踪していたパパさんママさんがそろって登場し、「それほど金歯の坊ちゃんが言うならゲヘへ」「かわいい娘なんですけど、涙を飲んでゲヘへ」「金に目がくらんだワケではないですゲヘへ」とタオルを投げ入れ、TKO負け。


 カネカネキン子は金歯の直属の親衛隊『喜ばせ隊』に就職という名目で、金歯宅で暮らすことになったのでした。


『金>家族の絆』が証明された結果となったわけですが、皮肉にもこの事件で離婚話は立ち消えとなり、大沼家の皆さんは再び一緒に暮らすことになったのでした。


ママさん「一度はバラバラになった家族が再びひとつになるのね。素敵」


パパさん「フ。運命の女神のヤツ、粋なことをするぜ」


ヒロシ「わー! 今夜は家族でヤキニクだね!」


 はやくもカネカネキン子のことを忘れ、ヤキニクに思いを馳せている大沼家。「大沼家最低!」と思ったマルぼんは、たとえ1人になっても彼女を忘れないと心に誓ったのでした。


ママさん「どうしたの、マルちゃん。一緒に行きましょう」


ヒロシ「そうだよ、僕らは家族だろ」


 21世紀に来て1年。マルぼんは「家を尋ねられても絶対にウチ住所を言うな」と戒められたり、まちがえて保健所に連行されても1ヶ月放置されたり、「たまに一番風呂に入れてもらったと思ったら、次の人は風呂のお湯を全て捨てた上、2時間くらい掃除してから入る」「近所のペットが行方不明になったら真っ先に『てめえ、腹減ってからって、人様のペットに手をだすなんて!』と疑われる」など屈辱的な目にあったりてきたのですが、ついにマルぼんは大沼家の一員として認められたのです。


 やったね。ついにやったね。大沼家最高! というわけでマルぼん、大沼家の一員として、これからも金と権力に屈しまくります。 





日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「ボタンひとつで休日出勤が終わる道具だして!」の巻
 ヒロシが「うへ、うへへ」と目を泳がせて帰ってきました。どうやらなんらかの理由で精神が夢と希望のワンダフルワールドへと旅立ってしまったようなので、マルぼんはお手製の気付け薬でヒロシを復活させ、理由を尋ねてみました。


ヒロシ「5百円玉を拾ってしまったんだ…」


 ラッキーなことだとマルぼんは思ったのですが、ヒロシは拾った5百円玉を握り締めてガタガタと震え、失禁までする始末。マルぼんがさらに尋ねてみると、ヒロシは図書室で借りたという一冊の本を差し出してきました。


『ラッキーの数は限られている』というタイトルのその本には、「人間が一生で起こるラッキーの回数は決まっている」といったことが書いてありました。


ヒロシ「こ、このところやたらとラッキーなことが続くんだ。宿題忘れても叱られないし、やたらとお金を拾うし。電車で美女のお尻を揉みに揉まれた。このままのペースでラッキーなことが起こりつづけたら光の速さでラッキーの回数がなくなって、
僕の晩年はラッキーなことがカケラも起こらなくなる惨めなものになるに違いないんだ。きっとお嫁さんも貰えずにずっと独身で、身よりもなく一人暮らしの上に友達も寄り付かなくなり、60代も後半にさしかかった頃にやっと運命の女に出会えたと思ったら、それは僕の貯金を狙うヤクザの情婦で、最終的に僕は凄惨な暴行の末に殺されて山に埋められて朽ち果てるんだ。い、いやだ。ぼ、僕はそんなの嫌だぁ…… 怖い怖いラッキーが怖い。殺して、いっそ殺してー! 殺せー! さぁ、殺せー!」




 数日後。親戚のおじさん(を名乗る見知らぬ輩)がやってきてヒロシにお小遣いをくれました。これはラッキー。


ヒロシ「いやっ!」


 ラッキーの恐怖に耐えられず、発作的に舌を噛み切るヒロシ。幸いにも山岳救助隊の経験があるマルぼんの応急手当によって一命を取り留めましたが、これから先に同じ事があった場合、命の保障はできません。


 そこでマルぼんは『運庫(読み方は皆様におまかせしますです)』という機密道具を出してやることにしました。この道具は、ラッキーなことを貯めることのできる機密道具です。


 ラッキーなことが起こったときに『運庫(くどいようですが読み方は皆様に一任)』についているスイッチを押すと、そのラッキーはキャンセルされて起こらなかったことになり、その分のラッキーが『運庫(読み方自由)』に蓄えられるのです。蓄えたラッキーはいつでも自由に使うことができますが、長く貯めていれば利息がつき、蓄える前よりイイ感じのラッキーになりますし、こまめに蓄えたラッキーをまとめて一気に使い、超すごいラッキーをおこすことができます。


ヒロシ「これで晩年も安心だね!」


 さっそく『運庫(マルチ読み方システム)』のスイッチを押して、『お小遣いを戴いた』というラッキーをキャンセルするヒロシ。


「貴様! 俺の金をいつ盗んだ! この泥棒猫!」おじさん(を名乗る一面識もない輩)が突然部屋に乱入してきて、金属バッド他様々なモノを用いて、ヒロシに殴る蹴るの暴行。ラッキーがキャンセルされた結果なワケですが、殴る蹴るされているヒロシは「ラッキー貯まってる……げへへ、貯まってるー!」と満面の笑み。マルぼんは、その光景を見て心底微笑ましく思いました。




 機密道具『運庫』を持ったヒロシは、マルぼんと一緒に外に出ました。


ヒロシ「ラッキーを貯蓄。ラッキーを貯蓄。げへ…げへへ」


 まさに鬼。貯蓄の鬼であります。そんな貯蓄の鬼とマルぼんが歩いていると、目の前に宝くじが落ちていました。調べてみるとなんと五千円が当選している宝くじ! これはラッキー!


ヒロシ「はい、キャンセル。ラッキー貯蓄」>
そう言ってなんの迷いもなく『運庫』のラッキーキャンセルスイッチを押すと、貯蓄の鬼は宝くじを破り捨ててしまいました。


ナウマン象「ああ、俺様の落とした宝くじを破り捨てるなんて!」


突然現われるナウマン象。


ナウマン象「あの宝くじ、五十万円当たっていたんだぞ!? 体で支払え!」
こうしてヒロシとマルぼんはナウマン象によって
『原子力発電所内部を雑巾一枚だけで掃除する』というバイトをすることになったのです。


ヒロシ「ラッキー貯蓄完了。晩年は安泰。晩年は安泰」>
バイトの影響で早くも晩年を迎えつつあるヒロシがニッコリと笑いました。


 機密道具『運庫』を持ったヒロシは、歯茎から血を出しつつ調子にのっております。


ヒロシ「ラッキーを貯蓄。ラッキーを貯蓄してバラ色の晩年。うへ…うへへ」


 まさに鬼。貯蓄の鬼であります。そんな貯蓄の鬼とマルぼんが歩いていると、冷蔵庫とかテレビとか使用済みの注射器とかガイガーカウンターとか硫酸ピッチとか誰かの胸のあたりを撮ったレントゲンとかマネキンのように見える妙に生々しいモノとかヘドロとか犬の死骸とか近づいただけで紙の毛が抜ける中身不明のドラム缶とかが沈んでいる誰かの心のように汚い近所のドブ河で、金歯が溺れているではありませんか。

 

 マルぼんと貯蓄の鬼が助けてやると金歯は大喜びで、なんとマルぼんたちに「その豊富な財産を駆使して、一生涯続く安定した生活」を保障してくれたのです。ああ、ラッキ-!


ヒロシ「このラッキー、キャンセル。運を貯蓄します」


まよわず『運庫』のラッキーキャンセルスイッチを押すヒロシ。その途端、ドブの奇跡的な汚さの影響で金歯はミュータント化し、通行人や見物客に襲いかかり始めたのです。駆けつけた警官隊に銃弾の雨を浴びせかけられ「キュ~…」と哀しそうな鳴き声を上げながら、ボロボロの体を引きずってどこかへ向かう金歯。目的地にたどり着くと金歯は力尽きたのですが、
そこは自分の家。金歯はミュータント化しても自分の家を覚えていたのです。


ヒロシ「やったー! ラッキー貯まったよー! やったー!」


大喜びのヒロシ。





「ママさんが麻薬密売組織壊滅のバイトの最中、敵の銃弾を受けるもヒロシとマルぼんの写真の入ったロケットに命中したので一命を取り留めた」



「パパさん(三代目)は手術に成功したものの医師のミスで体内にメスを忘れられたが、メスは殻のようなものに包まれていたので一命を取り留めた」



「地球に仕掛けられた惑星破壊装置が作動したと思ったら、偶然にもタイムふろしきがかかっていたので大丈夫だった」



「登校途中にぶつかって『痴漢!』『なんだとう!』と口論になった女の子が、実は自分のクラスに来た転校生で、最初はいがみ合うも、そのうち…そのうち2人は……」




と、今日は様々なラッキーが起こりましたが、ヒロシは全部キャンセルしました。


 結果、ヒロシの身の上には「ママさんとパパさん(三代目)、一命はやっぱり取り留めることができませんでした」「地球も破壊されました」「転校生の女の子とは仲良くなるどころか、口論の末に彫刻刀で刺されました」とアンラッキーなことがたくさん起こりましたが、貯蓄の鬼畜と化したヒロシの情念は、ついに『運庫(どのように読んでいるかよければご一報ください)』の限界ギリギリまでラッキーを貯める事に成功したのです。


ヒロシ「…ちょっと使ってみようかな、運」


「老後の幸せ」「素敵な晩年」「笑顔の永眠」と口癖のように言っていたヒロシが言いました。


ヒロシ「いいやいいや。使っちゃうよ!」


生来の根性のなさが災いしてせっかく貯めに貯めた運を使うことにしてしまったヒロシ。『運庫』の「貯めた運を一気に使う」ボタンを躊躇なく押してしまいました。


ヒロシ「ど、どんなラッキーなことが起こるのかな?」>
マルぼん「『運庫』の限界まで貯まっていたから最上級のラッキーがおこるかも」


 しばらくすると、ヒロシの机の引出しにあるタイムマシンから誰かがやってきました。ちいさな、子猫の獣人の女の子。なんとそれは、マルぼんの住む『みらいのせかい』を統治する偉大なる国王陛下の愛娘であるネコマッ・シグラー様だったのです。


 やんごとなきお方の登場に興奮したマルぼんは、思わずネコマッ・シグラー様の靴を舐めるという怪行動にでてしまったのですが、光の速さで我に返りました。


ネコマッ・シグラー「ヒロシというものはどの者じゃ?」


やんごとなき存在のネコマッ・シグラー様が、これまたやんごとなき声で言いました。マルぼんが土下座しながらヒロシを指さすと、ネコマッ・シグラー様はやんごとなきその御足で、やんごとないことこの上ない歩き方をし、下賎極まりないヒロシに近づきました。


ネコマッ・シグラー「そなたがヒロシか。…よし」


ヒロシ「は、はい…って、え!? ぎ、ぎゃあああああ」


ネコマッ・シグラー様はそのやんごとなきお口で、ヒロシにかぶりつきました。馬鹿なことにヒロシは抵抗したのですが、お付きの衛兵に取り押さえられ、なすがままに食されていきます。


 マルぼんの住む『みらいのせかい』では、王族の血となり肉となりその命を散らすことが無上の幸せとされています。『みらいのせかい』の機密道具である『運庫』は、『みらいのせかい』の基準で最高級のラッキーをヒロシに与えたのでした。

日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
おはがきコーナー
 今日は特になにごともなかったので、ハガキ・メール・血で書かれたダイイングメッセージ・マルぼんにしか感じ取れないラジオを通してのテレパシーなどで多数寄せられた質問に、マルぼんが答えていこうと思います。それではさっそく、いってみましょう!


Q・おまえ、生きてて虚しくないの?


A・(無回答)


Q・おまえ、生きてて他の人に申し訳なくないの?


A・(無回答)


Q・貴様はいつ頃この町から出て行ってくれますか?


A・(無回答)


Q・ウチに住み着いている未来の世界のキモ生物を追い出す方法を教えてください


A・(無回答)


 この企画は今回で最終回です。いつも応援ありがとう!


そのほか | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「そこに萌えはあるのかい」の巻
 ルナちゃんがマルぼんを尋ねてきました。メイド服にネコ耳装着という、まともな人間するとは思えない狂っているとしか思えない姿で。


ルナちゃん「ひとつ聞くけど、この話のヒロインって、あたしよね?」


 お話? ヒロイン? マルぼんにはなんのことだかさっぱりわかりません。このサイトに載っている事はれっきとした真実でありお話なんかではないです。それに、現実の世界に特定のヒーロー・ヒロインなんかいません。強いて言うなら、命あるもの誰もがヒーローヒロインとか(よいこといった!)


ルナちゃん「うっさい! とにかくアタシはヒロインなのー!!」


 現実と空想の区別のつかない悲しい女・ルナちゃん。不憫に思ったマルぼんは話を聞いてあげる事にしました。


ルナちゃん曰く、ヒロインはみんなの憧れの対象じゃないといけないそうです。それなのに、ヒロシと来たら『恋人ならパソコンのなかに佃煮にするほど』とか言って無視するし、ナウマン象は近所の雌犬に夢中で、金歯には至っては『鏡に映った自分が美しいから結婚したい。方法を見つけろよ!』と近所のとんち小坊主を拉致しているとか。


ルナちゃん「ヒロインは、私は愛されなくてはいけないの、いけないのー!」


荒れるルナちゃん。


ルナちゃん「ほらメイド服! ほらネコ耳! さぁ、愛せ! アタシを愛せー!」


さらに荒れるルナちゃん。


 部屋のものを壊されては困るマルぼんは、とっさにラジオのスイッチをいれました。AMの有名落語家の番組が流れると、ルナちゃんは恍惚な表情を浮かべ「ギュルペペ神サマ…」と静かになりました。ルナちゃんはラジオの電波から、彼女自身にしか聞こえない神サマの都合のいいお告げを聞き取る事ができるのです。


ルナちゃん「愛されているー! ギュルペペ神サマは私を愛してくださっている! もっと光をー! もっと救いをー! もっとやすらぎをー!」


 その後も続く「神か人間か」「悪魔! 私たちからパパを奪った悪魔め!」とかいう妄言をいつまでも聞いてられないので、マルぼんはルナちゃんを「みんなに末永く愛される存在」にするべく作戦を練ることにしました。


 そのためには全ての人に愛される人間像を模索しなければいけないのですが、それには莫大な費用と時間がかかります。そこでマルぼんは佃煮にするくらいいる普通の人間の最大公約数的存在である、ミスター無価値こと大沼ヒロシさん(11歳)に意見を聞いてみる事にしました。


ヒロシ「これからは双子。双子の時代だね」


 なぜ双子が人気なのか、声優といえば大山のぶ代と小松未可子くらいしかしらない素人のマルぼんにはまるでわかりませんが、とりあえずマルぼんはルナちゃんを双子にすることにしました。


マルぼん「さぁ、いこう。死なない死なない大丈夫」


ルナちゃん「ちょっと、え。その手に持った肉切り包丁はなに? なんなの?」


『プラナリアンZ』。「切ったら再生したり増殖したりで本気でキモい。近寄るな」でお馴染みの生物・プラナリアから作った薬タイプの機密道具。これを飲んだ人は、体の1部が切断してもすぐに再生します。さらに、切断されほう部分も再生し、最終的にはもう1人、まったく同じ人間が誕生してしまうのです。未来の世界では、「野球のメンバーがたりない」「組体操のピラミッドで1人たりない」といった不測の事態で使用されます。


 ルナちゃんには既に『プラナリアンZ』を投薬済みです。あとは増殖させるのみですが、女子小学生に包丁というシチュエーションは極めて危険なので、『母と子がともに仲良く見られるほのぼのな内容』がウリの本サイトとしてはこの先はカット。



『プラナリアンZ』の力により、2人になったルナちゃん。マルぼんは新生したルナちゃんにナルちゃんと命名しました。


ルナちゃん「ルナです」


ナルちゃん「ナルです」


2人「「ふたりはギュルペペ神サマの下僕!」」


ヒロシ「くそくだらねえ」


「これでうまくいったぞなモシ」とかマルぼんが思っていると、
突然ヒロシが暴言をはきました。


ヒロシ「結局ルナ公が分裂しただけじゃねえか。まったく同じ人間が2人いても、それは双子じゃない。双子ってのは同じ顔をしても中身は別物。別の人間なんだ」


ハッとするマルぼん。


ヒロシ「はっきり言うよ。ルナちゃんが2人になっても、それはたんなる『自称・大自然と会話ができる聖女』が増えただけで、そこに萌えはない ! カケラもない! この世界に残された人の優しさと同じくらいカケラもない! だから、ルナちゃんもナルちゃんも誰にも愛されない!」


ルナちゃん「そ、そんな! じゃあ、どうすれば!」


ナルちゃん「教えてくださいよ、ヒロシ…いや、ヒロシサマ!」


ヒロシ「量産。大量生産すればいいんだ。ロボットモノなんかだと、一体しかない主役機よりも、ヤラレ役の量産メカの方が人気があるし、プラモも売れる。1人2人ではなんの意味もないルナちゃんでも、大量に存在すれば、誰かの心を動かす事もあるハズ。増えろ。もっと増えるんだ!」


ルナちゃん「ナルちゃん、包丁! 肉切り包丁!」


ナルちゃん「それよりも、なぜか偶然持っていたダイナマイトで!」


 爆発音が何度も何度も響いたその日。我が微笑町の人口の半分はルナちゃんになりました。


 増殖したルナちゃん。お子様の遊び相手に、家事の手伝いに、強制労働に、臓器移植の素材に、口ではいえないことになど様々なところで活躍し、微笑町でそれなりに重宝されています。


 愛されているかどうかは分かりませんが、みんなに必要とされているのはたしかなので、「まぁ及第点だね」とマルぼんは思いました。ところが、全てがうまくいく筈もなく、とんでもない問題が発生したのです。


 食糧問題です。ルナちゃんが増えすぎたせいで、微笑町住民が食べる食料が底をついてしまったのです。さらに、町議会の方針で山を切り開いてトウモロコシ畑を増やしたために洪水がおこって自体は悪化。


 町民たちはネズミだとかミミズだとか「トウモロコシの粉をうまく調理して米にみせかけたヤツ」だとか「草と木の皮を砂糖水にひたしたヤツ」だとか「市場でおばあさんが悲しそうな目をして売っている、よくわからない肉」だとか「本来なら住民に無償で配られるハズなのに、なぜか市場で高値で売られていた他国からの援助物資」だとか、そんなものを食べて暮らすハメに。


 食糧危機の波は大沼家にも押し寄せました。ママさんは親の形見の着物を米と交換するため遠方に出かけたまま帰ってきません。


ヒロシ「僕がこんなに飢えているのも、みんなルナちゃんが増えたせいだ!」


ルナちゃんが増えた原因の男がなにかほざいていました、マルぼんは無視しました。


ヒロシ「こうなったら食うぞ。増えたルナちゃんを食うぞ!」


ついに発狂し、近くを歩いていた増殖ルナちゃんにかぶりつくヒロシ。「え!? カリバニズム!?」と思われる方も多いでしょうが、増殖ルナちゃんには戸籍がなく人間として扱われているのでなにをしようと無問題です。まぁ、マルぼんはとてもじゃないけど、ルナちゃんなんて食べる気がしませんが。不味そうですし。


ヒロシ「あれ、美味い!?」


マルぼん「え、嘘! ……本当だっ。カレー味!」


おそらくは再生と分裂を繰り返す過程のどこかでカレーが混ざってしまったのでしょう。増殖ルナちゃんは見事にカレー味でした。腹ペコだったマルぼんとヒロシはあっという間に増殖ルナちゃんを平らげてしまいました。くどいようですが、増殖ルナちゃんは増殖ルナちゃんであって人間でないので……


 増殖ルナちゃんの意外な活用法は瞬く間に広まり、微笑町の食料問題は一気に解決しました。それだけではなく、様々な味の増殖ルナちゃんが開発され、やがてそれは名物となって全国に広がり、若者からお年寄りにまで、末永く愛される事になったのです。口をすっぱくして言うようですが、増殖ルナちゃんは人間でありませんから問題ナシです。アニメのキャラクターの形をしたキャンディーとか、そんなノリです。ほら、そう思えば微笑ましくおもえてきませんか?


ヒロシ「やった! これでルナちゃんは食という名のヒロインだね」


マルぼん「ルナちゃん万歳! ルナちゃん万歳!」


 どれがオリジナルルナちゃんでどれが増殖ルナちゃんなのか、マルぼんにはまったく区別がつかなくなっていましたが、とりあえず今回の事件は無事解決しました。


日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「あの頃は……ハッ!」の巻
 マルぼんがとヒロシが「四半世紀したら至福の世界が『来る』『来ない』」という議論をしていると、金歯が己の父親をつれてやってきました。なんでも金歯のパパさん(お歯黒がべッッタリついて心底キモいです)、マルぼんに頼みがあるそうです。


金歯パパ「まろには、この金歯以外に数十人の子供がいるのでおじゃるが、最近どうも子供たちの仲が悪いのでおじゃる」


金歯「昔は兄上や姉上は毎日一緒に遊んで仲がよかったのでおじゃるが」


ヒロシ「金持ちの遊びか。どうせ、蹴鞠とか扇子を投げるヤツとか、捕まえてきた貧乏人の背中に『飛車』とか『王将』とか焼印して『人間将棋でおじゃる~』とか、そんなカンジだろ?」


金歯「黙れ下郎!」


金歯パパ「もっと庶民的な遊びでおじゃるよ。鬼ごっことか、高オニ色オニ、ハンカチ落としにイス取りゲーム。ケイドロ。はさみん。『いつどこでだれがなにを』やオセロ、大嵐やフルーツバスケット。あとは、リアルプラモとか」


ヒロシ「リアルプラモ?」


金歯「墓場から死体を運んできては解体して、解体したパーツを組み合わせて蘇生させて、新しい生命体を作りだすという遊びさ」


 金持ちの倒錯した趣味に吐き気を覚えつつも、金歯の出す金に目のくらんだマルぼんは、機密道具『あのコロン』を貸してあげることにしました。


『あのコロン』は香水タイプの機密道具で、これを噴きつけられた者は楽しかった『あの頃』の心を取り戻す事ができます。


 これで、いがみ合う金歯兄弟に、仲良く一緒に遊んでいた『あの頃』を思い出してもらおうという寸法です。


 数日後。「てめえ、ぶち殺してやる!」と、金歯と金歯パパがマルぼんの家に乗り込んできました。よくみると、金歯一族の私設軍隊が家の周りを取り囲んでいます。マルぼんはとりあえず事情を聞いてみました。


金歯「『あのコロン』を使ったら、仲直りするどころか醜い争いをはじめたのでおじゃるよ、兄上や姉上たちが! すでに銀歯兄上や、ダイヤモンド歯姉上が死に、エメラルド歯兄上が行方不明になった!」


金歯パパ「事と次第によっては、巨万の富を持つ我が金歯コンツェルンの総帥であるまろが、その総力を結集して、そちとそちの大切なものを完膚なきまでに叩き潰すでおじゃるよ」


 『あのコロン』は未来の世界のそれなりに有名なブランドの商品なので、欠陥品ということはないと思ったマルぼんはすこし考え、「金歯一族の皆さんが、『楽しかったあの頃』に一番よくした遊びは?」と聞き返してみました。
『あのコロン』は使われた人の一番印象に残っている『楽しかった出来事』を思い出させるのです。


金歯パパ「…そうでおじゃるな。ううむ。イス取りゲームでおじゃるかな」


 この返答で、マルぼんは全てがわかりました。金歯の兄弟姉妹の皆さんは『あのコロン』の力で『楽しかったあの頃』を思い出し、最も印象深かったイス取りゲームに興じているのです。


金歯パパ「たわけたことを! あんな、血で血を狂ったように洗うイス取りゲームがどこの世界に存在するでおじゃる。そもそもイスなんてどこにもないでおじゃるよ!」


マルぼん「いや、息子さんや娘さんはたしかにイスを取り合っていますよ」


金歯パパ「いったいどんなイスでおじゃるか!」


マルぼん「『巨万の富を持つ金歯コンツェルンの次期総帥の座』という名前のイスです」



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「ヒロシラブストリーリー」の巻
 マルぼんが家で内職の造花作りをしていると、「望まぬ結婚を強いられている」とルナちゃんが訪ねてきました。


 なんでもルナちゃん、今入っている宗教の最高指導者に「今度の合同結婚式で37歳無職の男性と結婚するように」と言われたそうなんです。ところがルナちゃんには心に決めた人がいるとか。


ルナちゃん「私が身を捧げるのはギュルペペ神サマのみ! 魂のステータスを上げて、ギュルペペ神サマとひとつになるのー! なるのー! ムキーッ」


 37歳無職との結婚を逃れるには、合同結婚式の前にギュルペペ神と結ばれるしかないと考えたルナちゃんは、機密道具の力を借りるべく、嫌々マルぼんのところを訪ねてきたのです(ルナちゃんはヒロシの家に近づくだけで、ストレスで体中にブツブツができるそうです)。


 正直、気乗りはしないマルぼんなのですが、ルナちゃんが手土産に「アンコのかわりに札束やら宝石やらが入っている饅頭」をくれたのでなんとかしてあげることにしました。


 マルぼんが用意した機密道具は「ハナサクコトモR」という、「使われた人は、使った人に一生恋してしまう。絶対結ばれる」という強力なホレ薬です。その効果たるや、性別・年齢・種族・身分の差……あらゆるものを飛び越えてしまうほど。これならば、ギュルペペ神とルナちゃんの恋愛だって可能なハズ。


「それはすごいわ!」と「ハナサクコトモR」の効能に感嘆の声を上げるルナちゃん、
詳しい説明も聞かず、マルぼんから「ハナサクコトモR」を奪い取ると、「ギュルペペ神サマ、だぁいすき!」と自宅にある全長35メートルのギュルペペ神の像に使用してしまいました。


 数時間後、ルナちゃんは、ルナちゃんへの切ない恋心によって動き始めたギュルペペ神の像により握り潰され、その短い生涯を終えました。


 その遺体は、まもなく光の粒となって消えうせてしまいました。


 死の直前、何を思ったのかルナちゃんは「ハナサクコトモR」を一気飲みしたのですが、おそらくその効果が発動し、ルナちゃんは自身の妄想の中に存在しているギュルペペ神と結ばれ、まぁ、色々ややこしいことがあって昇天してしまったのだとマルぼんは思いました。


 ルナちゃんが「まぁ、よかったんじゃない?」というコメントしかできないハッピーな末路を迎えて、2度と帰れぬ旅へと出発したので、マルぼんは「ハナサクコトモR」を片付けようと思い、部屋でゴソゴソやっていると、突然、鈍器のようなもので後頭部を殴打されたのです。


 犯人は普通にヒロシでした。ニヤニヤと笑いながら「ハナサクコトモR」の入ったビンを懐にしまうヒロシ。ヤツはルナちゃんの一件をずっと見ていたので、「ハナサクコトモR」の効果を知っているのハズ。「OLの女子寮にある給水タンクにいれてゲヘへ」「ギャルゲーにかけて義妹とか幼なじみとかがいっぱいいるゲームの世界で生きてやるぞ、ウフフ」とか、悪用するのは目に見えています。


マルぼん「ヒロシ、てめぇ、あの薬どうしたよ」


ヒロシ「狂った性欲を持つ大人に高値で売りつけます」


 さすがにヤバイと思ったマルぼんは刺し違えてでもヒロシを止めようと思い、奥歯の奥に仕込んだ自爆装置を発動させました。
町ひとつと多くの尊い命が失われましたが、ビンは割れ「ハナサクコトモR」はそこらの地面に吸収されてしまったので、
ヒロシの狂った野望は阻止されたのでした。


「グスン。売ったお金でマルぼんにプレゼントを買ってあげたかったんだよう」と泣くヒロシを慰めていると、マルぼんは雲の形が変になっていることに気づきました。なんか文字のように見えます。目を凝らしてさらによく見てみると
雲は『ヒロシLOVE』という文字の形をしていました。さらに『ヒロシ大好き』『ヒロシのためなら死んでもいい』という形の文字も発見。


「ハナサクコトモR」を地面に落としたせいで、ヒロシは地球に惚れられてしまったようです。






 今日も空には「ウチはヒロシが一番好きだっちゃ」という文字の形をした雲が浮かび、ヒロシの部屋にはどこからともなく新鮮な果物や綺麗な花がいつのまにか届けられています。どうも地球のヒロシへの愛情表現です。


ヒロシ「いやだよ。僕は普通に恋して普通に死にたいんだ」


心底嫌がっている様子のヒロシですが、マルぼんはこれを利用して成り上がってやろうとか考えていました。


ナウマン象「おい。出てこいよ色情狂」


金歯「よせよ。煩悩が移るぜー」


家の外から、ナウマン象と金歯のヒロシを中傷する声がしました。異性と話しているだけで人間としての扱いを受けない小学生は、とてもハードな人種だと思います。「好色1代男は町から出て行け!」「ウチの娘のお腹の子供は貴様か!」
「近づいたらママにされちゃいますよ」ますます酷くなるヒロシへの中傷。


ヒロシ「ぼ、僕はエロくないよ! 二次元にしか興味ないし! う、うう…」


民衆「エロー! エロー! エロスー! エロ過ぎて泣いてらー!」


ヒロシ「な、泣いてなんかないよー!」


民衆「泣いてる。泣いているー!」


ヒロシ「ヌァイデヌァングワァヌァイヨウー!」


残念ながら、ヒロシは思いっきり泣いていました。涙で顔をグシャグシャにしまくっていました。と、その時。急に雨が降り出してきました。鬼のような勢いです。


大脳「大変でヤンスー! 堤防が決壊したでヤンスー!」


 数時間後、町は濁流に飲み込まれ、多数の犠牲者・家屋倒壊・伝染病で壊滅状態となってしまいました。


ヒロシ「うう。びしょ濡れだよ。…あ、これじゃ僕が泣いていたってこと、誰もわからないぞ。…これって、まさか」


「これで大丈夫ね」という文字の形をとる雲。すべては地球の痒い所に手の届く配慮だったのです。感動するヒロシ。


ヒロシ「僕、地球ちゃんとお付き合いするー!」


 ヒロシが狂いました。




 ヒロシと地球の蜜月は続きます。ヒロシが「温泉はいりたい」と言えば町に活火山が誕生し、ヒロシが「なんか暑い」と言えば町に氷河期が訪れ、ヒロシが「新鮮なお魚喰いたいよ」と言えば魚に足が生えてヒロシの家まで歩いてくるなど、
仲むつまじいことこの上ないです。


 マルぼんは、そんなヒロシと地球の関係を快く思っていない人物がいることに気づきました。ルナちゃんです。一身上の都合により生き返った、ルナちゃんです。


ルナちゃん「ヒロシさんたら、いつも『ルナちゃん大好き』とか『ルナちゃんは僕のもの』とか『というか僕がルナちゃんでルナちゃんが僕』とか言って、下卑た視線を私に送ってくるのに、なによ!」


 嫉妬。嫉妬ですよ、奥さん! このサイト始まって以来の桃色展開に、マルぼんの胸の鼓動も高まる一方ですー!


 嫉妬に狂ったルナちゃんは「地球キモい! 地球死ね!」と叫びつつ、ゴミ捨て場から大量に冷蔵庫を拾ってきて破壊してフロンガスを撒き散らしたり、海を埋め立てて遊園地を建造したり、森林を焼いてはハンバーガーにするための牛を飼育したりと、地球にたいする嫌がらせを連発。


ルナちゃん「ヒロシくんの愚か者! ヒロシくんの愚か者!」


ヒロシ「このメスブタ! 地球ちゃんになにをするー!」


 ヒロシの怒りの鉄拳が、ルナちゃんにクリーンヒット。普段から「ルナちゃんと書いて『ヒロシの嫁』と読むんでしょ?」とか言っているヒロシとは思えない勇ましい姿。どうやらヒロシは本気のようです。




 ヒロシと地球の交際は公然の秘密となったのですが、なぜかヒロシは元気がありません。気になったマルぼんが色々尋ねてみたところ、意外な事実が判明。


 なんと地球には悪質なストーカーがいるのだというのです。そのストーカーは本当にしつこく、何年も何年も地球につきまとっているとか。ヒロシの悩みはそのストーカーについてのことなのだそうです。


「男だったら好きな女の1人や5000人くらい助けてみせろ! 今すぐそのストーカーを呼んでぶちのめしてやれ!」とマルぼんがアドバイスをしました。そうすることで、ヒロシと地球の絆が深まると思ったからです。マルぼんのアドバイスに感じるものがあったのか、ヒロシは地球にストーカーを呼び出すように指示した模様。


 マルぼんが言うのもアレなのですが、愛の力は強力です。ヒロシと地球の愛の力はかならずや困難を乗り越えてくれるでしょう。


テレビ『フレンドリーに語るニュースの時間ですよ、ニュースの時間。なんか月が地球に、鬼のような勢いで接近しているみたいですー。明日には激突するみたいですよ。ドッカーンってなりますよー。アハハ、アハハハ。さようなら人類ー!』


 こうして人類はヒロシと地球の愛の力で滅びたのでした。





人類の歴史…完 次の知的生命体にご期待ください





日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「日本カレー天国」の巻
 マルぼんとヒロシが家でだらけていると、ナウマン象が2つの鍋を抱えて訪ねて来ました。鍋の中身はいずれもカレー。
ナウマン象はこのカレーを食べろとマルぼんたちに強要してきました。


 仕方ないのでマルぼんたちはこれを承諾し、まずはナウマン象が作ったという方を食べました。結果から言いますと、オニのようなマズさ。とてもじゃないけど最後まで食べることができなかったので、マルぼんは隙をみてトイレで捨ててしまいました。後から知ったことですが、捨てられたカレーは下水を通じて川に流れてフナやらザリガニが大量死。その異臭によって450名が病院に運ばれて入院という惨事になったとかならないとか。


 続いてもうひとつのカレー。これがオニのような美味。マルぼんとヒロシは一匹のケダモノと化して、獣欲のおもむくままにカレーにむさぼりつきました。



 狂ったように食い終わったあと、マルぼんはヒロシのお腹が大きくなっていることに気づきました。


ヒロシ「あら? いま蹴った。蹴られたわ!」


 なんと、あまりにカレーが美味かったショックで、ヒロシのお腹に性別の壁を超えて新たな命が宿ったのです。


ヒロシ「いやっ。小学生で一児の親なんて! シングルマザーなんていやよっ!」


 自分のお腹を鈍器で叩こうとするヒロシ。しかし、その手がお腹に振り下げられることはありませんでした。ヒロシは自分のお腹を抱えて泣きました。


ヒロシ「なんで? なんでこんなに愛しいの…? 生れてもいない貴方が、なんでこんなに愛しいの!?」


 このカレーは、情を知らぬ男に愛を教えてくれたのです。本当に美味いものに対し、体は正直です。
最高のカレー万歳! ラブよフォーエバー!


ナウマン象「で、どっちのカレーが美味かった?」


 ナウマン象が出刃包丁を向けて聞いてきたので、マルぼんとヒロシは「とうぜんナウマン象のだよっ!」と満面の笑みで答えました。正直な体より、嘘をつける脳のほうが強いとマルぼんは気づきました。

R>
ナウマン象「実は、このカレーを作ったヤツと料理勝負をすることになったんだよ」


 ナウマン象の発言に、マルぼん思わず茫然自失。どういういきさつで、思わず人権を剥奪したくなるようなマズいカレーを作るナウマン象と、カルト宗教が作れそうなくらい美味いカレーを作る人が対決することになったのかはわかりませんが、
とりあえず負けた方は「闇ルートで腎臓を売りその金で買った人に缶ジュースを1本おごる(余った金は廃棄)」という
罰ゲームが待っているとか。 


ナウマン象「俺も料理の天才児と呼ばれた男だが、正直、このカレーに勝てる気がしねえ。頼む。なにか機密道具を出してくれ」

ヒロシ「マルぼん。ナウマン象だって、ちっぽけだけど生きているわ。力を貸してあげて」


 先日のカレーの影響で愛に目覚めたヒロシの頼みもあり、マルぼんはナウマン象に力を貸してあげることにしたのです。


 マルぼんひとしきり考えて、ある作戦を思いつきました。「グルメグルメ」と世間では言いますが、この世で一番おいしいのは「腹減っている時に食うもの」。つまりは空腹こそ最高の調味料。例の料理勝負の審査員を極限の空腹状態に追い込めば、くそマズいナウマン象の料理もおいしく食してくれるはず。


 思いついたが吉日。マルぼんはさっそく審査員の皆様の個人情報を調べ、光の速さで拉致したり言葉巧みに誘い出したりして、命あるものはゴキブリすらも寄り付かない某所にある隠れ家に監禁しました(当然のように飲まず食わず)


 勝負は明日。時間がほとんどないのでマルぼんは隠れ家に、設置した場所の時間の経過がオニのように速くなる機密道具を設置しました。この機密道具を設置した隠れ家に審査員の皆様を数日間も放置すれば、ナウマン象のカレーが美味しく感じられる極限状態の空腹(数ヶ月間飲まず喰わず)になっているハズ。


 数時間後、マルぼんは隠れ家に行ってみました。審査員の皆様は全員、息をひきとっていました。





 数日後。ナウマン象の料理勝負の日。不幸な、本当に不幸な偶然(マルぼんには罪は多分絶対なし)により審査員は全員他界。


 マルぼんは持ちうる機密道具全てを駆使してなんとか審査員の皆様にかりそめの命を与える事に成功。皆さん、生前の飽食が祟って餓鬼道にでも堕ちたのか「ア~」とか「ヴ~」とか言って、うつろな目をして石ころとか食べていましたが、マルぼんは取るものもとりあえず全員を勝負会場まで連れて行きました。ぶっちゃけ、勝負の行方とかどうでもいいです。


 というわけで始まったナウマン象の料理勝負。最初に完成したのは、例の極上カレーを作った料理でした。
「ア~」とか「ヴ~」とか言って、うつろな目をして料理にむさぼりつく審査員の皆さん。料理だけではたりないのか、皿や調理に使用した道具までボリボリと食べてしまいました。


「見ろよ、審査員たち、まるで狂ったようだ。そんなに美味いのか!?」「あまりの美味さに皿まで食った!?」どよめく会場。ナウマン象、旗色悪し。


  遅れて完成するナウマン象の料理。相変わらずのマズさなのですが、「ア~」とか「ヴ~」とか言って、うつろな目をして料理にむさぼりつく審査員の皆さん。先ほどと同じように、またもや皿や調理に使用した道具にも手を出しました。


「引き分けか!?」誰もがそう思った瞬間、審査員の皆さんがナウマン象に群がり始めました。ナウマン象の手には、味見した時についた料理のカスがひっついていたのです。料理カス目当てにナウマン象に群がった審査員の皆さんは、
やがてカスだけではあき足らず、ナウマン象の熟れに熟れたボディを貪り始め、ナウマン象の悲鳴が会場に響き渡りました。



「己の体すら料理の一部とするなんて」「ブ、ブラボー! ブラボォ!」対戦相手をはじめ、会場に来ていた全ての人々が立ち上がり、現在進行形で食されているナウマン象に惜しみのない拍手を送りました。スタンディングオベーションです! 歓声と拍手は、ナウマン象の断末魔の叫びが絶えた後も続きました。いつまでもいつまでも、続きました。


 ナウマン象は勝ったのです。





日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「あたしの愛したきれい好き」の巻
 マルぼんが家に帰ってみると、主であるヒロシがいない部屋で白装束を来た一団が、ガイガーカウンターみたいなのを使ってなにかを調査していました。


「何用ですか?」とマルぼんが尋ねてみると、「この場所から、ラジオを通して毒電波を送るヤツがいる」との返答。佃煮にするほどいる人々による佃煮にするほどありがちな言葉だったので、マルぼんは無言で彼らを追い出しました。


 それでも白装束ズはしつこく「脳が溶ける」だの「貴様、来世はハエ!」だの言ってきたのでマルぼんは「主に精神面の病気を治すことが目的の、人里離れた山奥にしかない施設(緑色の救急車を多用)」に通報し、マルぼんは静かな生活を取り戻したのでした。


 いざ平安を取り戻してみると、マルぼんは部屋が散らかっていることに気がつきました。ヒロシは買ってきたものはそこらに置きっぱなしにし、ゴミも散らかし放題のダメ人間なのです。底が抜けて1階の部屋にいるママさんが圧死でもしたらやっかいと思ったマルぼんは、部屋の片づけを開始。


 ある程度片付けると、マルぼんはあるものを発見しました。半年前に使用して以来、なくしたとばかり思っていた機密道具『特定の団体に毒電波を送って脳を溶かしたりする機(スイッチ入ったまま)』でした。


 しばらくするとヒロシが帰ってきました。マルぼんは『特定の団体に毒電波を送って脳を溶かしたりする機』を速攻で廃棄し、「貴様のせいで罪もない自己啓発セミナーの皆さんが白い施設おくりだ!」とヒロシを殴り「これからは部屋を散らかさない」ことを約束させたのでした。



 マルぼんが「部屋を綺麗にして」と口をすっぱくして言ってもヒロシは「汚くしまくっていたら科学変化とか起こって、この部屋から新たな知的生命体とか誕生しそうじゃん。僕は新しいアダムとイヴに知恵の実を食べるように強要したいんだ!」と聞く耳を持ってくれません。さらには掃除などほったらかしにして外へ遊びに行こうとする始末。


 そこでマルぼんは『潔癖SHOW!』という機密道具を用意しました。これはとても小さな舞台型の機密道具で、この舞台で繰り広げられるロボットたちのショーを観た人は、綺麗好きになってしまうのです。


 題目は上演ごとに代わり、今回は『そしてトンキーも死んだ(かわいそうな象)』です。マルぼんはいやがるヒロシを柱にくくりつけて無理矢理ショーを観させました。


役者「……トンキーは私の姿を見ると、ふらつきながら前足を上げました。芸をしようとしているのです。芸をすれば、いつものように餌をもらえると思っているのです」

ヒロシ「トンキー!トンキィィィィィィィィィィィ!」


 ショー1回だけでは効果が薄いと思ったマルぼんは、続いて上演された『保健所に連れて行かれた犬や猫がどうなるか知っていますか?(動物愛護団体原案)』『寸劇・黒い雨』など30種類ほどのショーをヒロシに見せました。


 そして、数時間後。ヒロシは立派な綺麗好きへと変貌したのです!。


ヒロシ「汚い…人間は汚い。いやだ…人がいっぱいいる外なんて…いやだ…」
<

 こうしてヒロシは遊びに行くのを取り止めてくれたのでした。掃除などせず、部屋の片隅で震えているだけなのが難点ですが。


 その後、『潔癖SHOW!』の効果でヒロシはキ印がつくほど綺麗好きとなり、色々と問題が起こったりしましたが、マルぼんのカウンセリングでなんとか持ち直したのでした。


ヒロシ「やっとこさ部屋が綺麗になったよ」


今や普通の綺麗好きになったヒロシは、1日かけて部屋を片付けたのです。


ヒロシ「次は家の前を掃除してくるね。あ、ホウキを用意しなくちゃ」


外掃除へと向かうヒロシを、マルぼんは頼もしく見つめるのでした。


 しばらくすると外から絹を裂くような女性の悲鳴。マルぼんが急いで外へ出てみると、ヒロシが包丁片手に大暴れ。


ヒロシ「掃除だ。このホウキで、ゴミ掃除だ!」


マルぼん「ヒロシ! それ、包丁!」


ヒロシ「違う! ホウキだ! 人間という名のゴミどもを掃除する立派なホウキだー!」


 マルぼんのカウンセリングで、ヒロシは最悪の方向へ立ち直ってしまったようです。とりあえずマルぼんは、「落ちていた石」という名前のホウキででヒロシの意識を掃除(特に頭部を念入りに)し、その体を家という名前のゴミ箱へぶち込んだのでした。


 マルぼんの機転で、「意味の分からない事を叫んで通行人に襲いかかり、警察官に取り押さえられた少年A」にならずに済んだヒロシ。マルぼんの薬物や機械を利用した再カウンセリングで精神は落ち着いていますが、なにかあるとまたおかしくなりそうなので、気が抜けません。


ヒロシ「今日は『週刊子供自身』の発売日だよっ!」


薬の表情でニタニタ笑っていた(目は笑っていない)ヒロシが急に叫びました。『週刊子供自身』は、「穀潰し天使」「あの子は蛆虫くん」などの連載漫画や、子供向け芸能ゴシップ記事で人気の雑誌です。


ヒロシ「この前叔父さんにもらったお小遣いをお母さんに預けてあるんだ。返してもらって買いに行こうよ」


『週刊子供自身』はマルぼんも愛読書ですのでヒロシの案に大賛成。2人でママさんのところへ向かったのですが、ヒロシが預けたお小遣いは、ママさんの化粧品へと化けていました。



ママさん「『ママが綺麗になる→金持ちの男性に見初められる→金持ちの新しいパパ誕生』というコンボが炸裂して、ヒロシのためになるのよ」


かなり無理のあることを言うママさん。マルぼんはヒロシが怒りに震えていることに気がつきました。「お母さんは汚いから、この世から掃除!」とか言い出さないから心配だったのですが、その不安は的中。ヒロシはどこからか包丁を持ち出していたのです。


「汚いものは掃除だ!」と包丁を振り上げるヒロシ。もうダメでヤンス!とマルぼんが思った瞬間、なんとヒロシは自分の腹を突き刺したのです。


ヒロシ「こ、こんな汚いおかあさんの血を引いているなんて…耐えられない」


マルぼんの胸に抱かれたヒロシは「これでいい。僕は綺麗なままだ」と呟くと、そのまま息を引き取りました。


マルぼん「馬鹿野郎、自分で自分の命を掃除するなんて、汚い! 最高に汚すぎるよ、ヒロシ!」


そんな感じで物言わぬヒロシに語りかけながら、マルぼんは「我ながら綺麗にまとまったな」と笑みを隠せないのでした。




日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「更新再開のおしらせ」
たてこもり男が「俺が幸せに暮らしているパラレルワールドを創造しろ」とか言い出したので、今日の更新は……って、言いたいことも言えないこんな世の中には、佃煮にした後にドブ川に吐いて捨てるほど溢れている『ひきこもり小学生と未来の世界のチャーミング(自称)なお友だちを人質にしたたてこもり事件』ごときで、いつまでも更新をお休みするのもおかしな話。マルぼんは事件解決にのりだすべく、男と話をしてみることにしました。


マルぼん「で、チミの望みはなんだね? 解放してくれるなら、ある程度はかなえてあげることができると思う実はマルぼんにはすばらしい道具の数々があって、『嫌いなあいつを見ず知らずの女性と勝手に入籍させる』『嫌いなあいつのプライバシーをいとも簡単に入手して、それを記載した怪文書を近所にまきちらす』なんてことは、お茶の子サイサイなんだけど」


男「おで、おでは幸せになりたいズラ。しあわせになって、おでさ馬鹿にした都会もんに一泡も二泡もふかせてやりたいズラ…しあわせになれる機密道具とやらを出してほしいズラ」


マルぼん「あるよ。これ。『幸服』。着ると幸せになる機密道具で」


 と、『幸服』を取り出した瞬間。そこでマルぼんの頭に激痛が走りました。


ヒロシ「(マルぼんの緑色の血がこびりついた、愛用の金属バッド片手に、息をきらせつつ)その道具、みらいから来た段階で、とっとと出せよ!」


男「その服、着れば、しあわせになる、本当、か?」


マルぼん「本当だよ。さあ。その服を着てしあわせになるんだ。そして、ヤスオさんと面白おかしく暮らすんだ。実は機密道具でヤスオくんを家の前まで召喚しているんだ」


男「ヤスオ。ヤスオ。ヤスオと、おもしろ、おかしく…日本語ムズカシイ…ヴー…」


 マルぼんの説得が実り、立て篭もり男(少しだけキャラ設定にテコいれ)は『幸服』を着てくれることになりました。


男「ああ。なんだか心が軽くなってきた。ありがとう。マルぼんくん。おかげで魔性の道へと堕落せずにすんだ。
本当にありがとう」


 憑き物の落ちたような顔をして、男は去っていきました。


ヒロシ「ひどい。ひどいよ。マルぼん。あんな簡単に人生の勝利者(幸せもの)と化せるすっぺしゃるな
アイテムがあったなんてさ」


マルぼん「いや、あれは微妙な機密道具なんだ。たとえば、ヒロシくんは殴られるの好き? 殴られて幸せ?」


ヒロシ「殴られて幸せなワケないさ。不幸だよ、不幸」


マルぼん「ところがだね、世間には殴られることを至高の快楽としている人がいて、わざわざお金を払ってまで殴られいじめられに行く人だってたくさんいるんだ。ヒロシくんにとっての不幸を、幸せと感じる人がいる。ようするに、幸せ不幸せってのは、人それぞれなんだ。『幸服』は着た人の『物事を不幸と感じる心』を奪って、あらゆることを幸せと感じさせる機密道具なんだ」


ヒロシ「不幸がなくなるなんて、最高に幸せじゃないか」


マルぼん「いや、そうでもないよ。だって」


 と、その時。外から激しいブレーキ音。マルぼんが外を見てみると、子供が血を流して倒れています。
子供は、ヤスオくんでした。で、ヤスオくんの横には、親である立て篭もり男。男は、ヤスオくんを見て微笑んでいました。


男「ヤスオ。ヤスオが動かない。ふふ。なんだ。なんか体が温かくなってきた。ヤスオが動かない。幸せ。幸せだ…ウフ。ウフフ。ウフフフフフ。ウフフフフフー! 究極無限にハッピーですぞー!」


マルぼん「だって、あらゆることが幸せだなんて、究極の不幸じゃないか」



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「更新お休みのおしらせ 2」の巻
「俺が不幸なのはすべて運命の女神サマの責任だ。運命の女神サマはカラスを使って俺を監視するのをやめろ。そして、
今すぐ公共の電波で俺へ謝罪しろ」と主張して、猟銃を装備してヒロシの部屋に滞在中の男が、



「へその緒を切った瞬間、母が離婚届に判を」


「幼稚園で友達のお母さんに『あなたのお父さんは淫獣ね』というセリフをはかれた」


「大好きだった担任のよし子先生が、親父の後妻に」


「初めて本気で好きになった女が別の男と子供を妊娠していので本気で落ち込んだけど『真実の愛さえあれば乗り越えられる』と思い直し彼女にプロポーズ。平和な家庭が訪れると思いきや、お腹の子供のパパは自分の親父だった」


「生き別れの母を捜してもらおうと某番組に依頼したら、見つかることは見つかったけど、10人単位で、大量にでてきた」


「今は、弟であり息子であるヤスオと2人暮しだけど、ヤスオは自分をダディと呼んでくれない。親父のことは、
パパ上様という最上級の呼び方をする」


「おまえ(ヒロシ)の顔は親父に似ている」


「だから、おまえ(ヒロシ)死なせてOK?」


など、『第一回僕の!私の!めくるめく不幸自慢大会』を開始したので、今日の更新はお休みです。


 明日はまともな更新をする予定ですが、ヒロシがピンチっぽい(具体的に言うと、口の中に銃口を押し付けられていて、
国家権力がイイ感じの動きをしたらズドンといっちゃうくらいのピンチ)ので、コトがうまく運ばなければ、『任務達成不可で、マルぼん未来に帰還。いままで本当にありがとう』ということになって、永久に更新停止とかになるかもしれません。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「更新お休みのおしらせ」
「俺が不幸なのはすべて運命の女神サマの責任だ。運命の女神サマはカラスを使って俺を監視するのをやめろ。そして、
今すぐ公共の電波で俺へ謝罪しろ」と主張する男が、猟銃を装備してヒロシの部屋に滞在中で、国家権力とマスメディアという名前の野次馬が家を取り囲んでいたりするので、今日の更新はお休みです。

日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「ネタがつきたらロボットものよ」の巻
「巨大ロボットを出して! そして僕に世界を救わせて!」と、帰ってくるなりマルぼんに泣きつくヒロシ。なんでも、金歯の会社が巨大ロボットの開発と量産に成功し、既に地球を狙う下衆どもを星の数ほど撃退しまくっているそうで、それを散々に自慢されたそうです。


 巨大ロボットはあることはあるんですが、みらいのせかいでもかなり高価で、泥水を産湯の代わりに使ってこの世に生を受け、いつも「私はお金を持っていません。私にお金をください。私は哀しい生き物です。私を愛してください。だって私は生きています(I do not have money. Please give me money. I am a sad living thing. Please love me. Because, I am since it is alive.)」というプラカードを持って駅前に立っていることが、毎日を生き抜くための糧を稼ぐ唯一無二の方法であるマルぼんには、とてもじゃないけど手がだせません。


 このことをきちんと説明しても、我慢したら死んでしまう性質のヒロシは理解できず、発作的に「生きていてごめんなさい! 生れてごめんなさい!」壁に頭を打ち付けはじめる始末。仕方なくマルぼんは
なんとかすることにしました。


 ロボットアニメなんかだと太古の遺産として巨大ロボットが登場します。そんな感じで、どこかの遺跡に伝説の巨大ロボットが眠っていないかと思ったマルぼんは、古今東西あらゆるところの伝説を網羅した『世界伝説百科』で我が微笑町に巨大ロボットと関係しそうな伝説がないか調べてみました。そしてついに、微笑町に太古の昔に全知全能の神によって機械仕掛けの神が製造され、しかも今年その機械仕掛けの神が復活するという伝説があるのを発見したのです。


ヒロシ「まさか微笑町にそんな巨神が眠っているだなんて」


マルぼん「巨神は巨大な悪が現われた時に復活って、伝説には書いてあるね」


ヒロシ「巨大な悪ってどんなだよ?」


マルぼん「悠久の時の彼方からやって来て、不思議な道具であんな夢こんな夢をぶち壊す怪生物だって」


ヒロシ「それ…」


マルぼん「その目なによ? その目はなによー!」


マルぼんは微笑町のあちこちに仕掛けた監視カメラ(一戸あたり159個ほどの割合)で町のどこかに異常がないかを調べ、ある場所からとてつもないエネルギー反応があるのを発見。『ちびっ子エデン』。エネルギー反応がでた場所にあった
建物にはこんな看板がかかっていました。どうも孤児院のようです。この地下に巨神が眠っているのかと思っていたら、エネルギーは建物自体から発生していました。


ヒロシ「きっと、この『ちびっ子エデン』の建物自体が伝説巨神なんだよ。なんかのきっかけでロボに変形したりするんだよ」


マルぼん「スフィンクスやら万里の長城やら、深い歴史と神秘のある建物ならまだしも、こんな築数年程度の建物が…」


ヒロシ「考えても見ろよ。スフィンクスも万里の長城も、完成して1年後はまだ築1年。『ちびっ子エデン』以下だったんだよ。この『ちびっ子エデン』も1万年くらい建っていたら築1万年。スフィンクスも万里の長城も裸足で取るものもとりあえずトンズラの歴史と神秘に包まれるわけだよ」


 マルぼんが納得していると、『ちびっ子エデン』の子供たちが話しかけてきました。「お兄ちゃんたち、芸人!?」「ボランティア!?」「ここは狭いけど、僕らの大切な家なんだ。ゆっくりしていってね」とマルぼんたちに絡んでくる子供たち。マルぼんの体は免疫のない人が触れると炎症をおこす危険性があるんですが、お構いなしです。


 子供の1人に「なんか変わったことねえ?」と聞いてみると、「なんか『押すと変形します』と注意書きのついたスイッチがいつのまにかできていた」との返答。マルぼんとヒロシがさっそくそこへ向かうと、たしかにスイッチがありました。そのまま押そうと思ったマルぼんでしたが、ふと「このまま押してもいいのだろか」という気持ちに。


『ちびっ子エデン』。深い事情があり、家族から離された子供たちが集まる場所。彼らにとってここはたくさんの思い出が詰まった大切な家のハズ。そんな思い出の詰まった家を、食卓のある風景を。なにも考えずにロボットにしてしまったいいものでしょうか…マルぼんは悩みました。


ヒロシ「ひゃっはーロボだ、ロボ!」


 迷わずスイッチを押すヒロシ。その瞬間、『ちびっ子エデン』は激しい音をたて、変形を始めました。その激しい音でも「家が! 僕たちの家が!」「やめてー!」という子供たちの悲鳴は掻き消す事ができませんでした。
 数分後、『ちびっ子エデン』の建物は、原型をまるで留めない巨大ロボットへとその姿を変えたのでした。


ヒロシ「よし。こいつの名前は『無敵鉄兵ナイスガイン』だっ。愛と勇気と力と夢と希望と他諸々を背負い、人々の平和を守るため、ナイスガイン見参ー!」


 沈み行く夕陽の光と「僕たちの家を返して!」「ヴァァァァ(声にならない声)」「私たちの思い出を返して!」「出て行け!」「この割れたお碗、さっちゃんのだ!」「(貯金箱を差し出して)これをあげるから、お家を元に戻してよ!」という声援を受け、そびえ立つ無敵鉄兵ナイスガイン。マルぼんはそんなナイスガインにも目もくれず、速攻で逃げ出しました





ヒロシ「マルぼん、敵出して! 敵!」


マルぼん「OK!」


よくよく考えたら、せっかくの巨大ロボット。敵がいないとさみしいと思ったマルぼんは、機密道具『悪発生器』を最高レベルで発動させ、最高レベルの悪を誕生させたのです。



 しばらくすると、ナイスガインの目の前に暗い顔の男が現われました。


男「いま、父を殺したところです…自首しますよ。これから」


マルぼん「…」


男「父はもう助からない病気でした。生きていても、あるのは希望ではなく苦痛。それでも医者は父を生かそうとする。父は私に言ったんです。『殺してくれ』って。私は、これまで親を大切にしたことなんて、これっぽっちもなかった。私の、最初の最後の親孝行は尊属殺人…親殺しだったんです」


マルぼん「(命とは? 生きるって? 生命を裁く権利など、マルぼんたちにはない……。この人は、悪なんかじゃない…)
ヒロシ、この人は…」


ヒロシ「この生きる価値もないろくでなし! くらえ! ナイスガイン踏み潰し攻撃!……よしっ! 初陣勝利ー!」







ヒロシ「勝ったは勝ったんだけどさ、人生に疲れた悪じゃなくて、きちんと、人々の平和をおびやかす巨大ロボットとかを擁している悪とかだしてよう」


マルぼん「仕方ないなぁ、ヒロシくんは」


 マルぼんは『悪発生器』のバージョンアップで、色々とこまかく設定ができる機密道具『悪マイザー3』をだし、「人々の平和をおびやかす巨大ロボットを所持している悪」を呼び出すことにしました。


 で、『悪マイザー3』を発動させてものの数分。ナイスガインの周りには、いつのまにかたくさんの巨大ロボットが集まっているではありませんか。


ヒロシ「おお。皆、同じ姿の巨大ロボット。量産型だ!」


敵ロボ操縦者「そこの所属不明の巨大ロボのパイロット。聞こえるか。我々は地球防衛軍微笑町支部の者だ。そのロボが突っ立っているせいで『日が差さないので洗濯物が乾かない』『日照権! 日照権! 日照権!』『日の光がささないのは政府のせいだ。現政府を打ち倒して、平和と平等が永久に続く志向の理想世界を!』と困っている人がたくさんいる。ただちに撤退しなさい!」


 人々の平和をおびやかす巨大ロボットを擁している悪はマルぼんたちでした。


ヒロシ「僕たち主人公だろ!? ということは、相手は悪。悪なんだ! みんなの平和を守るは僕らさ!  
マルぼん、戦うから武器! ナイスガインの武器だして!」


マルぼん「説明書によると『このロボットは心のやさしい人が操縦する事を前提に造られています。心のやさしい人が相手を攻撃するなんてことはありませんから、武器とか一切ないです。合言葉は非暴力不服従です』だってさ」


ヒロシ「ゲゲーッ!?」


マルぼん「ああ、待って。続きがあるよ。えっと『でも、どうしても戦いときは仕方ありません。相手と一緒に自分も果てるようにがんばってください。そのための自爆装置もありますよ』だって。武器は自爆装置オンリー」


ヒロシ「ないよりマシだっ! 自爆装置発動!」


  微笑町は消し飛びました。消し飛んだということは、2度と平和がおびやかされることもなくなったのです。
焼け野原には、永遠の平和が広がっていました。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「おのれ6月め、おぼえておれ」の巻
「おもしろい人になれる道具だせよ」とヒロシ。なんでも、クラスで一番ひょうきんなヤツが最近大人気だそうで、そいつみたいになりたいのだそうです。


「そんなに皆に笑われたいのなら」と思ったマルぼんは、みらいのせかいの伝説的コメディアンの爪のアカを元に作られた『ワラ式E型カプセル』を渡す事にしました。このカプセルを飲んだ人は笑える人間になれます。もちろん、飲めば飲むほど効果絶大。


「いいものあるじゃないか」と、ヒロシは早速『ワラ式E型カプセル』を飲もうとしたのですが、ふいにその手を止めてしまいました。


ヒロシ「いままで、みらいのせかいの薬を一度に飲んで、散々エラい目にあってきたからね。最初は少しだけしか飲まないことにする」


 上手にふたつに分けたカプセルの片方飲むヒロシ。


ヒロシ「これで僕は適度に笑われる人間になったハズ。ね、マルぼん」


 なぜでしょう。マルぼんにはそんなヒロシがとても愚かに見えました。なんだか哀れみさえ覚えるくらいです。


ヒロシ「なんだよ。なんでそんな慈愛に満ちた目で僕を見るんだよ、マルぼん!」


 必死。必死。ああ必死。ヒロシったら、とっても必死。ウフフ。


ヒロシ「おい、いま笑ったろ! 僕を見て、笑ったろ!」


 ウフフ。ウフウフ。滑稽。滑稽。ああ滑稽。ヒロシったら、とっても滑稽。とまらないマルぼんの薄ら笑い。
『ワラ式E型カプセル』の効果で、ヒロシは鼻先で笑われる人間になったのです。


「やっぱり薬は適量を飲まなきゃダメだよね」。『ワラ式E型カプセル』をスズメの涙程度しか飲まなかったヒロシは、
鼻先で笑われる人間となってしまい大反省。今度は指定された量をきちんと飲んだのでした。


 その結果、ヒロシは西で「犬が居ぬ」と言えばゲリラの爆笑を誘い、東で「馬は美味い」と言えば死刑囚の爆笑を誘い、
北で「猫が寝込んだ」と言えば老人ホームで死を待つのみのお年よりの爆笑を誘い、南で「鳥がトリをつとめる」と言えば葬式会場を爆笑の渦に巻き込んでしまう人間となったのです。


ヒロシ「僕は世界で一番笑いを取れる人間になりたい」

 人々の笑顔がなにかを変えてしまったのでしょうか。突然そんなことを言い出すヒロシ。『ワラ式E型カプセル』を大量に取り出すと、それを一気に飲んでしまったのです。


ヒロシ「どう!? 僕は笑える人間になったろ、マルぼん!」

 なぜでしょう。ヒロシがそう言った瞬間、マルぼんは笑いが止まらなくなってしましました。


ヒロシ「え? 僕はべつにギャグなんて言ってない…」

 プッ…フ、ハハハハハハハハハハハハハハッおもしろい! ヒロシはおもしろい!


ヒロシ「笑うなよ! 大声で笑うなよっ! 僕はなにもしていないぞっ!」

いたたまれなくなったのか外へと飛び出すヒロシ。その姿は最高におもしろく、笑いすぎたマルぼんの腹はそれはもう、オニのような激痛に襲われました。「あ、ヒロシだ。ギャハハ!」「プッ。ヒロシが走っている!」外からそんな声が聞こえてきました。


「ハハハ。ヒロシのヤツ、息をしているよ。」


「ヒロシくん生きてるわ。ウフフフ」


「ヒロシは今年で11歳? ププッ!」


『ワラ式E型カプセル』の効果は「おもしろい人間になる」ではなく「笑われる人間になる」です。『ワラ式E型カプセル』を大量に飲んだヒロシの一挙手一投足は人々の笑いを誘い、その存在はただそこにあるだけで人々の爆笑を誘うようになったのです。


 こうしてヒロシは世界で一番笑える人間になったのでした。あ、今、ヒロシの心臓が動いた。プッ。ププッ。ギャハハハハハハハハハハハハハハッ。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「案外ペットロス」の巻
金歯「この前、パパの知り合いのパーティーに出席したんだけど、素晴らしかったよ。池の水が全部酒になっていて、浮かべた船に乗りながら飲むんだ。木の枝には肉がぶら下がっていて、自由に取って食べていい立食形式。贅沢の味って、こういうことを言うんだろうねえ」



ヒロシ「どんな庶民でも簡単に贅沢の味を堪能できる機密道具だしてー!」


 開口一番ヒロシの懇願。金歯の自慢癖にも困ったモノですが、ヒロシの妬み癖にも困ったモノ。とはいえ、生れてこの方、贅沢といえば家族3人で1杯のかけそばをケダモノのように食べたことくらいのヒロシを不憫に思ったマルぼんは、『味の元ネタ』という機密道具を用意してやりました。


ヒロシ「ふりかけみたいな機密道具だね。ラーメン味にカレー味? あ、ラーメン風味をごはんにかけたら、ごはんがラーメン味になるとか、そんな感じの機密道具だね!」


 ヒロシの推理はいい線なんですが、微妙に外れています。口で説明するより実演するほうが速いと思ったマルぼんは、
昼飯の残りご飯に『味の元ネタ』のカレー味をふりかけてみました。しばらくすると、外からなにか声が。


声1「下にぃ~下にぃ~」

声2「あ、金歯コンツェルンの行列だ! なんで!?」

声3「超レアな香辛料で作られた、金歯一族専用スペシャルカレーを輸送中なんだってさ」

声2「へ~。金持ちは違うね」

声4「資本主義の手先ども、死ね!」

声3「あ、テロリスト」

声1「カレーになにかあったら、輸送班全員とその家族の命が危ない(そういう契約)。とりあえずあの家へ避難だっ」


 しばらくすると、全身傷だらけになった男が、部屋に入ってきました。


男「このカレーを! 我々の命をどうかおねが……って、あ!」


 おそらくは前世がドジッ娘だったのでしょう。入ってくるなり床につまづいて、カレーを部屋にぶちまける男。カレーはもちろん、用意したごはんにもかかり……


男1「う、うああああ!? そんなぁ!? やす子(妻)! ナンシー(娘)! うおあああああああああ!?」


マルぼん「『味の元ネタ』はかけた食べ物の味を変える外的要因を作り出す機密道具なんだ。『味の元ネタ・贅沢風味』ってのがあるから、そいつを使おうよ。ほら、カレー味になったごはん、
おいしいだろ?」


ヒロシ「…涙の味がする」




マルぼん「というわけで、この『味の元ネタ・贅沢風味』を使えば、ありふれた食材も贅沢な逸品に早やがわりなのさ」


ヒロシ「なんかこの機密道具、生理的に嫌いなんだけど」


マルぼん「(無視して)ちょうどここのサツマイモがあるから、これに『味の元ネタ・贅沢風味』を使ってみようね」

ヒロシ「……」


 沈黙=肯定という考えのマルぼんは、ヒロシの無言を「そいつは素敵な考えだ! どんどんやれよ親友!」と解釈した
マルぼんは、さっそくサツマイモに『味の元ネタ・贅沢風味』をふりかけました。


「隣のおばさんが、庭で季節はずれのたき火をするからヒロシくんもどうですか、だって」とママさんが言ってきたのは、それからすぐのことでした。


マルぼん「よし。そこでこのサツマイモを焼いてもらおう!」


ヒロシ「……」


 沈黙=肯定と(中略)マルぼんはサツマイモ片手にヒロシと家を出て、隣のおばあさんの家へと向かいました。確かに隣のおばさんはたき火をしていました。ただ、燃やしているのは落ち葉ではなく、膨大な量の千円札。


おばさん「お芋さんをもってきたの? 焼いてあげるわね。安心して。燃やしているのは綺麗なお金。欲望に汚されていない、綺麗なお金だから」


マルぼん「札束で焼きいも! こいつは贅沢だねっ」


 戸惑うヒロシ。マルぼんは代わりにサツマイモをおばさんに差しだし、焼いてもらいました。


おばさん「おいしい? おいしいはずよね。だってこれは綺麗なお金。この前亡くなった、私の息子の保険金。……なんで、なんで死んだのや、ボラシニコフ(息子)!!」


マルぼん「こいつは贅沢の極みだね。贅沢の味はどうだい、ヒロシくん!?」


ヒロシ「…涙の味がする」





『味の元ネタ・贅沢風味』を使って身近なものを贅沢な味にして堪能しまくったヒロシ。


 最初はなにか食べるたびに「…涙の味がする」としかいわなかったヒロシも、回を重ねるごとに、「既に半年も雨が降らず、絶望的な水不足になった故郷を救うべく立ち上がった男が、己の命と引き換えにやっと手にいいれたコップ1杯の水」なんて極限の逸品を食しても「カルキくせえ」なんて感想しかいえない嫌な大人に成長したのでした。


ヒロシ「もっともっと、贅沢な味を堪能したいな」


マルぼん「『贅沢風味』ではこれ以上は無理だね…」


ヒロシ「さらに凄い『味の元ネタ』はないの?」


マルぼん「『必要以上に贅沢風味』ってのがあるけど…これ、正常に効果がでないらしくて販売中止になったヤツなんだよ」


ヒロシ「問題ないよう。よし。さっそくこのオニギリにかけて」


 ヒロシが『味の元ネタ・必要以上に贅沢風味』をオニギリにかけた瞬間、ママさんが血相を変えて部屋に飛び込んできたいいました。「パパが、あちこちの消費者金融から金をかりて失踪した!」と。


 言わずもがな。それからの年月は地獄そのものでした。ヒロシは落ちぶれ、59歳になった現在でも家ナシ職ナシ家族ナシの根無し草。常にヤクザの影に怯え、本名を隠して各地の公園を転々。食事も1週間ほど取っておらず、公園のベンチで餓死寸前です。


ヒロシ「死ぬんだ。俺はこのまま死ぬんだ…」


少女「おじさん、どうしたの大丈夫?」


ヒロシ「……」


少女「わかった。お腹が減っているのね。だったら、私のお弁当あげる」


 少女がヒロシに渡したお弁当は、オニギリでした。オニギリにむしゃぶりつくヒロシ。


ヒロシ「う、うまい…うまい」


少女「昨日の残りごはんで作った、ただオニギリだよ。そんなにおいしいわけないわ」


ヒロシ「ただのオニギリでも、今の俺には十分すぎるんだよ。ああ、贅沢。なんて贅沢なんだ」


『味の元ネタ・必要以上に贅沢風味』の効果で、ヒロシは「たとえ残飯でも、食べれば贅沢と感じる人間」になったのでした。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「ネタが尽きたのでトーナメントにょろ」の巻
「これ、僕の新しい友達なんだ!」


ヒロシが某ファーストフードのマスコット人形を持って帰ってきてマルぼんに言いました。「もう限界だ、この子」とマルぼんは思いました。


 ヒロシには友達はいません。


彼の友達はパソコンのモニターの中にいる美少女と、拾ってきた無機物と、脳内にいる住人だけです。マルぼんとは家主と居候の関係ですし、いつものメンバーもヒロシとは「他人以上知り合い未満」といった間柄で、損得勘定がない場合はまるで付き合いがありません。


 このまま「周りと強調できないのである意味オンリー1」な人生を歩んでいくと、ヒロシが人様に迷惑をかけるダメ人間になるのは目に見えているのですが、マルぼんにはどうすることもできません。


 以前、人権団体を通じてヒロシに友達を作ってやった事もあったのですが、ヒロシは「殺すなら殺せ!」
「僕を殺す? ふ。地獄の女神は僕がお気に入りらしいな」「命を奪っても夢だけは奪い去れないぞ!」「(マルぼんは指さして)こいつを殺せよ!」「(いつものメンバーの個人情報を公開して)こいつらならいいよ!」「全人類を滅ぼしてもいいから、僕だけは!」と意味の分からない事を言って追い返してしまいました。マルぼんには、もう策がないのです。


 そんな時、マルぼんは一枚の新聞広告を発見しました。


<地上最強団体決定トーナメント>参加団体募集!


と書かれたそのチラシを見て、「微妙な関係の方々の仲を深めるには、共通の目的や敵を作ることが一番である」とマルぼんは気づきました。そしてマルぼんは、ヒロシに内緒でトーナメントへの出場を申し込んでしまったのです。


<恒例地上最強団体決定トーナメント>は、マルぼんたちの住む微笑町が町おこしの一環として毎年開催する武闘会です。チーム戦であり、「5人1チーム」という決まりさえ守れば誰であろうが出場資格があります。


 優勝してもたいした賞品は出ない上に、年を追うごとに死傷者行方不明者の数が増加しているにも関わらず、それなりの歴史と知名度があることから毎回かなりの団体が参加を表明するのです。


 ヒロシといつものメンバー(ナウマン象、金歯、ルナちゃん、大脳)にこのトーナメントに参加してもらい、友情を深めてもらおうというのが今回の作戦。ところが、当のヒロシは泣いて出場を拒否。たしかにパソコンのマウス以上の重さのモノを持ったことがなく、目にゴミが入っただけで体の穴と言う穴から血を噴出して意識不明となる虚弱体質を絵に描いたような生物であるヒロシに、格闘トーナメント出場なんて無理な話だとマルぼんは思いました。


 とはいえ、甘やかしてばかりもいられないので、マルぼんは泣き言を止めようとしないヒロシをクロロホルムで眠らせて
トーナメント会場に運びました。その他いつもの連中も、「就職先を紹介する」「お父さんが急病ですよ」「この町のことなら詳しいから、私が案内しましょうか?」「タバコの火を貸してください」などと言って連れ出し、会場へと連れて行くことに成功したのでした。


 なんでもありの<恒例地上最強団体決定トーナメント>。いよいよ開会式なのですが、出場予定のヒロシ+いつもの連中(ナウマン象、ルナちゃん、金歯、大脳)は、クロロホルムの影響が抜けず、ヨダレを垂れ流してうつろな目をしている状態なので、出席はマルぼんのみです。


 大会運営委員会会長の「当方では一切の責任を負いません」という開会の言葉に続いて国旗掲揚・国歌斉唱なのですが、ここで「君が代日の丸の強要反対!」「沖縄から米軍基地は即時撤退せよ!」と、自称平和団体が乱入。会場は騒然となりました。「おもしろいことになりそうだ」とマルぼん、久しぶりに血が騒ぎました。


 開会式が終了し、マルぼんが控え室に行ってみると、ヒロシたちは正気を取り戻していました。


マルぼんが事情を説明すると、連中は「俺たち小学生ですよ!?」次々と罵声と非難のアメアラレ攻撃。


 マルぼんだって勝つ見込みのない戦いに参加するほど愚かではありません。たしかにヒロシたちは小学生ですが、そこら中にボウフラのように存在するドラッグと文明の垢にまみれた小学生とはワケが違います。たくさんの不思議な事件・冒険に巻き込まれ、そこら中に佃煮にするくらいに存在する金と名誉欲にまみれた社会人など小指で逝かせることのできるほどの成長を遂げているのです。


「そういえば、戦争反対のために地雷地帯の走り抜けとかしたっけ」


「医者がいなかったから、私たちだけで50歳代男性の心臓のバイパス手術を敢行したこともあったわ(結果は伏せておきます)」


「知人女性を殺して食った精神異常者を、みんなで力を合わせて社会復帰させたこともあったねえ」


「よし。このトーナメントで優勝して、僕らの力を腐敗した社会に見せてやろう!」


「おー!」



 マルぼんが説明すると、皆、自分たちの力を自覚してくれたようです。こうしてヒロシたちは第一試合である『微笑町猟友会』との戦いに臨むことになったのでした。


「町の猟友会なんて、小指で捻ってやるぞ!」


「「「「うおおー!」」」



 数分後、ヒロシチームは『微笑町猟友会』によって全員射殺され、初戦敗退が決定しました。やっぱ、小学生とか無理です、無理。




 その後、とりあえずみんな生き返ったので、似たような他のトーナメントに参加することに。


「もういやだ」「勘弁しろよ」「僕のバックには大物が」と不平を漏らす一同ですが、マルぼんは「こいつらの友情を深めるためだ」と涙を飲んで、トーナメント出場を強要したのでした。


 トーナメント第1回戦。ヒロシチームの敵は、『魔界虐殺同好会』といういかにも強そうなチーム。当然、ヒロシたちに勝ち目などカケラもありませんが、マルぼんは前回の轍を踏まないように一計案じています。


 マルぼんは『発狂らっきょう』という、食べた人は発狂するらっきょうタイプの機密道具(未来の世界では徴兵逃れに使用されます)を用意し、先鋒であるナウマン象に飲ませました。


 試合開始。『魔界虐殺同好会』の先鋒が、発狂して「うー」とか言っているナウマン象に容赦なく襲いかかります。


「酷い!」。ナウマン象が攻撃された瞬間、会場から次々と声があがりました。声の出したのは、先の大会の開会式で
「君が代日の丸の強要反対!」と暴れていた方々。マルぼんが自腹で今大会に招待していたのです。


「まともな判断ができない人(精一杯に綺麗な表現)を一方的になぶるなんて!」


「まともな精神じゃない人ってある意味純真な天使(最上級に美しい表現)。そんな天使の白く美しい翼を力任せに
もぎ取るなんて、畜生にも劣る行為だ!」


「こんなことをする人間がいる国だ、きっと過去にも他の国に酷い事を(中略)謝罪と賠償!」



非難の声に耐えかねた『魔界虐殺同好会』は降参。マルぼんの考えた新奥義『仁拳擁護』が炸裂したのです。
マルぼんたちは一回戦を突破し、その調子で勝ち進み、ついに優勝したのでした。


 帰り道。優勝トロフィーを抱えたヒロシたちは笑顔など浮かべ、
楽しそうに会話をしていました。なんだかんだで仲が深まったのです。遊びに行く約束なんかしていたので、マルぼんも混ぜてもらおうと会話に参加することにしました。


マルぼん「マルぼんも行きたいな」


ヒロシ「…くんなよ」


ルナちゃん「ヒロシさん、そんなの無視。無視」


金歯「そうだよ。そんなのと話したらヒロシの口が腐る」


脳髄(うろ覚え)「そうでヤンス。ヒロシにもしものことがあったら大変でヤンス」


ヒロシ「み、みんな。僕を心配してくれているの?」


ナウマン象「ウー(おれたち友達だろう)」


ルナちゃん「あんな得体の知れない怪生物と暮らしているヒロシさん、立派だわ」


「微妙な関係の方々の仲を深めるには、共通の目的や敵を作ることが一番である」マルぼんは今回の事件の最初の方でそんなことを思ったことを、思い出したのでした。


日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「そろそろ家に帰ってゲームするんだ」の巻
金歯「うちのパパが所属するヌーディスト地下サークル専用のビーチが今日海開きなんだ」


ナウマン象「ヌヌヌヌヌヌヌヌヌーディストビーチ!? 俺も行きたい!」


ルナちゃん「誰もが生れたままの姿! 素晴らしいわ金歯さん! アタシもお供させて!」


金歯「もちろんさ。2人は無料で、招待はおろか、サークルのVIPメンバーにもしてあげるよ。あ、ヒロシはダメだからな。泳げないし」


ヒロシ「マルぼん! 泳げるようになる機密道具出して!」


帰ってくるなりマルぼんに泣きつくヒロシ。原因は上記のようなことがあったからなのですが、ヒロシになんでもできるようになって欲しいマルぼんは、『不沈海パン』という機密道具を用意しました。


マルぼん「こいつを装着すれば、水に入っても沈まずに浮いたままになる。これで溺れる心配がなくなるから、泳ぎの練習をすればいいんだ」


ヒロシ「すごいやマルぼん! よし、僕は『不沈海パン』で色々な泳ぎをマスターするぞ。そして、金歯どもが発狂して山奥の施設で余生をすごすことになるくらいのヌーディスト組織を築いてやるンだ。僕は裸界(らかい)の王になる。裸王になってみせる! 人類よ、服を脱ぎ捨てろー! 人類よ、アダムとイブに戻れー!」


 興奮して大声で叫ぶヒロシ。そんなヒロシを、マルぼんは頼もしく見つめるのでした。


 数時間後。マルぼんとヒロシはさっそく泳ぎの練習をするべく家をでました。すると、なにか様子が変。近所の人々の、ヒロシを見る目がまるで汚らわしいなにかを見るそれと同じなのです。マルぼんは、ヒロシの部屋の窓が全開なことに気づきました。ヒロシの裸王宣言、近所に筒抜け。


近所の人A「また大沼さんとこのヒロシくん…ひそひそひそ」


近所の人B「うちの子を近づけさせないようにひそひそひそ」


近所の人C「町内会にかけあって、いっそ町からひそひそひそ」



 さすが『不沈海パン』。水に浮く前に、近所からヒロシを浮かせてしまいました。ヒロシはきっと泳げるようになると、マルぼんは確信しました。

 その後、白い眼にも負けず、『不沈海パン』で、水泳名人を志すヒロシ。その心意気はたいしたもので、
あっという間にクロールや平泳ぎをマスターしてしまいました。ところが、無理がたたったのか『不沈海パン』は破れてしまい……


ヒロシ「なんてことだろう。マルぼん、新しい『不沈海パン』を出してよ」


マルぼん「その必要はないよ。なぜなら、『不沈海パン』なんて機密道具はこの世に存在しないから。それは、ただの中古の海パンさ」


 驚くヒロシ。実は今回の件、ヒロシが本当に泳げるようになるためにマルぼんと金歯たちが仕組んだプロジェクトだったのです。


ルナちゃん「ヒロシさんは水を怖がって、自分は泳げないと思い込んでいただけなの」


ナウマン象「その証拠にほら。立派に泳げるようになったじゃないか」


金歯「泳げるようになったからには、ヒロシもボクらヌーディスト地下サークルの一員さ」


 いつのまにか現われた金歯や、ヌーディスト地下サークルの皆さんが、ヒロシを胴上げし始めました。もちろんみんな、ヌードです。


みんな「ヒロシワッショイ!」


みんな「ヌーディストワッショイ!」


ヒロシ「み、みんな! みんなありがとう! 愛しているよー!」


???「そこまでだ!」


 感動の場面に水を差したのは、いつのまにかその場を取り囲んでいた国家権力どもでした。




国家権力「国が定めたヌーディストピート以外での集団無許可ヌード行為の現行犯で全員逮捕だ!」


 次々と連行されていくヌーディストたち。


国家権力A「金歯コンツェルンの御曹司が、ヌーディスト地下サークルの主要メンバーという情報はつかんでいたのだが、
証拠がみつからなかった。そんな時、御曹司の友人が泳ぎの練習をしていると聞いて、しばらく監視して様子を見ていたのだが…まさにビンゴだったな」


国家権力B「警部どののおっしゃるとおり、大沼ヒロシを泳がせて正解でしたね」


 実在しないのに、結果的にヒロシを「泳がせること」に成功した『不沈海パン』の効果は絶大だと、マルぼんは思いました。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「かくしかくされいきていきたい」の巻
 ヒロシが大きな麻袋を抱えて帰宅してきました。


ヒロシ「うわーん、マルぼーん!」


マルぼん「なんでしょうか」


ヒロシ「ナウマン象の給食費をガメて株を買ったんだけど、大損したのがバレで、怒ったナウマン象に殺されそうになったんだけど、反撃して逆に死なせちゃったー!! 遺体はこの麻袋の中なんだけど、バレたら投獄されるよー!!」


マルぼん「ちょうどよかった。カモン」


ロボ「イエス」


ヒロシ「このロボは?」


マルぼん「『隠兵くん』。どんなものでも確実に隠し通してくれるロボなのさ。モノであろうが秘密であろうが隠し通してくれる。実際今も、ママさんに頼まれて、キミの健康診断の結果の通知を隠している」


ヒロシ「 僕の隠したいのは、事実! ナウマン象を地獄送りにしたという罪! 罪も当然、隠せるのだろうね」


マルぼん「罪であろうが罰であろうが、隠せるさ! な!」


隠兵くん「もちろんです」


ヒロシ「なら、その具体的な方法を示せ。方法を! 仕組みを! なぜそうなるのかというメカニズムを!」


隠兵くん「企業秘密なので無理です」


ヒロシ「おしえろよ!」


隠兵くん「企業秘密!」


ヒロシ「おしえろ! こちとら人生がかかってんだ!」


隠兵くん「自爆!」


 隠兵くんの自爆で消し飛ぶ、マルぼんとヒロシと隠兵くんと麻袋。


 マルぼんは、己の秘密ですら隠し通した隠兵くんの効果は絶大だと思いました。草葉の陰で。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
ヒロシの仲間たち22 「24年間テレビ」の司会者
 24年間ぶっつつけで生放送を行い、番組終了時までに10億円の寄付を集めなければ、関係者とその一族郎党は市中引き回しの上打ち首獄門という過酷なチャリティー番組『24年間テレビ』の司会者。最初こそ、物珍しさから順調に募金が集まっていたものの、開始1週間で視聴者に飽きられたため、終了直前でも寄付金はまるで足りず。最後は家族を守る為、闇の人身新売買組織に公開身売りを行い、臓器の売却代でなんとか目標金額達成を果たした。


主な登場回……第42話「愛で地球を救えたら」、第77話「やつらの足音が聞こえた!」

日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「くさ」の巻
 微笑町は、今年も異常気象。一般的な成人男性の倍はあろうかいう大きさの、名も知らぬ謎の草が生い茂り、とにかく生い茂り、あちらもこちらも草! 草! 草!という状況!


町長「このままではいただけない。よし。下級町民どもを総動員して、草刈をさせろ」


 当然下級町民のカテゴリーに入る大沼家をはじめとするおなじみのメンバーどもは、「休日はただ仕事や学校がないだけの日」という勢いで、草刈をすることになりました。


ヒロシ「マルぼんのだしてくれた『全自動草刈ガマ』の力で草を切るのは非常に楽なんだけど、この草はいったいなんなのだろう」


マルぼん「さぁね。全然わかんない。とにかく大きいから、周りのようすがまるでわかんないや」


ヒロシ「うん。ここでなにかあったら、ちょっとわかんないよね」


ナウマン象「ぎゃー!!」


ヒロシ「なんだなんだ!? あ!」


ルナちゃん「きゃー!」


 ナウマン象が背中に包丁が突き刺さった状態で亡くなっていました。


 人の身の丈ほどの大きな草むらにまぎれて行われたためか、犯行を目撃した人はいませんでした。


マルぼん「こんな草むらにまぎれて行われた犯行じゃなければ、だれか気づいていただろうになぁ」


ヒロシ「わかった。この草の名前。『どさ草』だ、どさくさ」




日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。