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Author:大沼ヒロシ
大沼ヒロシと申します。ブログはじめたての初心者です。どうぞよろしく。

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「ボタンひとつで休日出勤が終わる道具だして!」の巻
 ヒロシが「うへ、うへへ」と目を泳がせて帰ってきました。どうやらなんらかの理由で精神が夢と希望のワンダフルワールドへと旅立ってしまったようなので、マルぼんはお手製の気付け薬でヒロシを復活させ、理由を尋ねてみました。


ヒロシ「5百円玉を拾ってしまったんだ…」


 ラッキーなことだとマルぼんは思ったのですが、ヒロシは拾った5百円玉を握り締めてガタガタと震え、失禁までする始末。マルぼんがさらに尋ねてみると、ヒロシは図書室で借りたという一冊の本を差し出してきました。


『ラッキーの数は限られている』というタイトルのその本には、「人間が一生で起こるラッキーの回数は決まっている」といったことが書いてありました。


ヒロシ「こ、このところやたらとラッキーなことが続くんだ。宿題忘れても叱られないし、やたらとお金を拾うし。電車で美女のお尻を揉みに揉まれた。このままのペースでラッキーなことが起こりつづけたら光の速さでラッキーの回数がなくなって、
僕の晩年はラッキーなことがカケラも起こらなくなる惨めなものになるに違いないんだ。きっとお嫁さんも貰えずにずっと独身で、身よりもなく一人暮らしの上に友達も寄り付かなくなり、60代も後半にさしかかった頃にやっと運命の女に出会えたと思ったら、それは僕の貯金を狙うヤクザの情婦で、最終的に僕は凄惨な暴行の末に殺されて山に埋められて朽ち果てるんだ。い、いやだ。ぼ、僕はそんなの嫌だぁ…… 怖い怖いラッキーが怖い。殺して、いっそ殺してー! 殺せー! さぁ、殺せー!」




 数日後。親戚のおじさん(を名乗る見知らぬ輩)がやってきてヒロシにお小遣いをくれました。これはラッキー。


ヒロシ「いやっ!」


 ラッキーの恐怖に耐えられず、発作的に舌を噛み切るヒロシ。幸いにも山岳救助隊の経験があるマルぼんの応急手当によって一命を取り留めましたが、これから先に同じ事があった場合、命の保障はできません。


 そこでマルぼんは『運庫(読み方は皆様におまかせしますです)』という機密道具を出してやることにしました。この道具は、ラッキーなことを貯めることのできる機密道具です。


 ラッキーなことが起こったときに『運庫(くどいようですが読み方は皆様に一任)』についているスイッチを押すと、そのラッキーはキャンセルされて起こらなかったことになり、その分のラッキーが『運庫(読み方自由)』に蓄えられるのです。蓄えたラッキーはいつでも自由に使うことができますが、長く貯めていれば利息がつき、蓄える前よりイイ感じのラッキーになりますし、こまめに蓄えたラッキーをまとめて一気に使い、超すごいラッキーをおこすことができます。


ヒロシ「これで晩年も安心だね!」


 さっそく『運庫(マルチ読み方システム)』のスイッチを押して、『お小遣いを戴いた』というラッキーをキャンセルするヒロシ。


「貴様! 俺の金をいつ盗んだ! この泥棒猫!」おじさん(を名乗る一面識もない輩)が突然部屋に乱入してきて、金属バッド他様々なモノを用いて、ヒロシに殴る蹴るの暴行。ラッキーがキャンセルされた結果なワケですが、殴る蹴るされているヒロシは「ラッキー貯まってる……げへへ、貯まってるー!」と満面の笑み。マルぼんは、その光景を見て心底微笑ましく思いました。




 機密道具『運庫』を持ったヒロシは、マルぼんと一緒に外に出ました。


ヒロシ「ラッキーを貯蓄。ラッキーを貯蓄。げへ…げへへ」


 まさに鬼。貯蓄の鬼であります。そんな貯蓄の鬼とマルぼんが歩いていると、目の前に宝くじが落ちていました。調べてみるとなんと五千円が当選している宝くじ! これはラッキー!


ヒロシ「はい、キャンセル。ラッキー貯蓄」>
そう言ってなんの迷いもなく『運庫』のラッキーキャンセルスイッチを押すと、貯蓄の鬼は宝くじを破り捨ててしまいました。


ナウマン象「ああ、俺様の落とした宝くじを破り捨てるなんて!」


突然現われるナウマン象。


ナウマン象「あの宝くじ、五十万円当たっていたんだぞ!? 体で支払え!」
こうしてヒロシとマルぼんはナウマン象によって
『原子力発電所内部を雑巾一枚だけで掃除する』というバイトをすることになったのです。


ヒロシ「ラッキー貯蓄完了。晩年は安泰。晩年は安泰」>
バイトの影響で早くも晩年を迎えつつあるヒロシがニッコリと笑いました。


 機密道具『運庫』を持ったヒロシは、歯茎から血を出しつつ調子にのっております。


ヒロシ「ラッキーを貯蓄。ラッキーを貯蓄してバラ色の晩年。うへ…うへへ」


 まさに鬼。貯蓄の鬼であります。そんな貯蓄の鬼とマルぼんが歩いていると、冷蔵庫とかテレビとか使用済みの注射器とかガイガーカウンターとか硫酸ピッチとか誰かの胸のあたりを撮ったレントゲンとかマネキンのように見える妙に生々しいモノとかヘドロとか犬の死骸とか近づいただけで紙の毛が抜ける中身不明のドラム缶とかが沈んでいる誰かの心のように汚い近所のドブ河で、金歯が溺れているではありませんか。

 

 マルぼんと貯蓄の鬼が助けてやると金歯は大喜びで、なんとマルぼんたちに「その豊富な財産を駆使して、一生涯続く安定した生活」を保障してくれたのです。ああ、ラッキ-!


ヒロシ「このラッキー、キャンセル。運を貯蓄します」


まよわず『運庫』のラッキーキャンセルスイッチを押すヒロシ。その途端、ドブの奇跡的な汚さの影響で金歯はミュータント化し、通行人や見物客に襲いかかり始めたのです。駆けつけた警官隊に銃弾の雨を浴びせかけられ「キュ~…」と哀しそうな鳴き声を上げながら、ボロボロの体を引きずってどこかへ向かう金歯。目的地にたどり着くと金歯は力尽きたのですが、
そこは自分の家。金歯はミュータント化しても自分の家を覚えていたのです。


ヒロシ「やったー! ラッキー貯まったよー! やったー!」


大喜びのヒロシ。





「ママさんが麻薬密売組織壊滅のバイトの最中、敵の銃弾を受けるもヒロシとマルぼんの写真の入ったロケットに命中したので一命を取り留めた」



「パパさん(三代目)は手術に成功したものの医師のミスで体内にメスを忘れられたが、メスは殻のようなものに包まれていたので一命を取り留めた」



「地球に仕掛けられた惑星破壊装置が作動したと思ったら、偶然にもタイムふろしきがかかっていたので大丈夫だった」



「登校途中にぶつかって『痴漢!』『なんだとう!』と口論になった女の子が、実は自分のクラスに来た転校生で、最初はいがみ合うも、そのうち…そのうち2人は……」




と、今日は様々なラッキーが起こりましたが、ヒロシは全部キャンセルしました。


 結果、ヒロシの身の上には「ママさんとパパさん(三代目)、一命はやっぱり取り留めることができませんでした」「地球も破壊されました」「転校生の女の子とは仲良くなるどころか、口論の末に彫刻刀で刺されました」とアンラッキーなことがたくさん起こりましたが、貯蓄の鬼畜と化したヒロシの情念は、ついに『運庫(どのように読んでいるかよければご一報ください)』の限界ギリギリまでラッキーを貯める事に成功したのです。


ヒロシ「…ちょっと使ってみようかな、運」


「老後の幸せ」「素敵な晩年」「笑顔の永眠」と口癖のように言っていたヒロシが言いました。


ヒロシ「いいやいいや。使っちゃうよ!」


生来の根性のなさが災いしてせっかく貯めに貯めた運を使うことにしてしまったヒロシ。『運庫』の「貯めた運を一気に使う」ボタンを躊躇なく押してしまいました。


ヒロシ「ど、どんなラッキーなことが起こるのかな?」>
マルぼん「『運庫』の限界まで貯まっていたから最上級のラッキーがおこるかも」


 しばらくすると、ヒロシの机の引出しにあるタイムマシンから誰かがやってきました。ちいさな、子猫の獣人の女の子。なんとそれは、マルぼんの住む『みらいのせかい』を統治する偉大なる国王陛下の愛娘であるネコマッ・シグラー様だったのです。


 やんごとなきお方の登場に興奮したマルぼんは、思わずネコマッ・シグラー様の靴を舐めるという怪行動にでてしまったのですが、光の速さで我に返りました。


ネコマッ・シグラー「ヒロシというものはどの者じゃ?」


やんごとなき存在のネコマッ・シグラー様が、これまたやんごとなき声で言いました。マルぼんが土下座しながらヒロシを指さすと、ネコマッ・シグラー様はやんごとなきその御足で、やんごとないことこの上ない歩き方をし、下賎極まりないヒロシに近づきました。


ネコマッ・シグラー「そなたがヒロシか。…よし」


ヒロシ「は、はい…って、え!? ぎ、ぎゃあああああ」


ネコマッ・シグラー様はそのやんごとなきお口で、ヒロシにかぶりつきました。馬鹿なことにヒロシは抵抗したのですが、お付きの衛兵に取り押さえられ、なすがままに食されていきます。


 マルぼんの住む『みらいのせかい』では、王族の血となり肉となりその命を散らすことが無上の幸せとされています。『みらいのせかい』の機密道具である『運庫』は、『みらいのせかい』の基準で最高級のラッキーをヒロシに与えたのでした。

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日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)

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