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大沼ヒロシ

Author:大沼ヒロシ
大沼ヒロシと申します。ブログはじめたての初心者です。どうぞよろしく。

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「グランマの思い出」の巻
 マルぼんが帰宅すると、ヒロシが「僕は望まれぬ子なのだ。そうに違いないのだ」と荒れていましたが、マルぼんは「ヒロシは望まれぬ子だよね」と常々思っていたので無視しました。


 そんなマルぼんにヒロシはキれて保健所に電話などしようとしたので、仕方なく事情を尋ねると、自分の写真を収録したアルバムがまったくないのだそうです。そのことから色々と推測した結果、自分は望まれぬ子であるという結論に至ったとか。


 マルぼんはヒロシの写真が収録されたアルバムを見たことあるので、ヒロシの単純な物忘れであると思うのですがヒロシは自分の非を認めようともせず、「悪いのは後の事を考えずに自分を生んだ親だ!」「僕は人間になんて生れたくなかった」
「生まれ変わるなら、私は貝になりたい」と周りのもの全てに憎しみをぶつけるのみ。


 そこでマルぼんは『脳内USBケーブル』という機密道具を出しました。これは脳とパソコンを繋ぎ、脳に記憶されている思い出などをパソコンで見られるようにする機密道具です。これでアルバムに関する記憶を見てみようという寸法です。非常に便利な道具ですが、脳に直接ケーブルを接続するので発狂するくらいの痛みが伴うのが難点。


「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


 ヒロシの悲鳴があまりにも大きかったので、隣近所から苦情が来ました。


『脳内USBケーブル』でヒロシの脳内に記憶されている思い出を、パソコンで見たりアップしたり世界に流したりしつつ、ヒロシが「ないですよ?」と言い張るアルバムに関する記憶を探すマルぼん。ついに努力が実り、アルバムの場所を察知したのでした。


 ようやく発見したアルバムには、「はじめてのお使いでカレーの材料を買いに行ったら、なぜか50万円もする羽毛布団と40万円もする象牙の印鑑の契約書を持って帰ってきて、暴力が伴うくらいこっぴどく叱られて泣いているときに撮られた写真」「友達と一緒に撮ったら、ヒロシの下半身だけがまるで『はじめから存在していない』かのように見事に写っていなかった写真(撮ってから3日後、ヒロシ両足骨折)」「入学式の日に両親が離婚して養育権で揉めたので、仕方なく弁護士と一緒に校門の前で撮った写真」「下校途中に行方不明になり、1週間後に300キロ離れた山奥を朦朧としながら歩いているところを地元の猟友会に保護された時に撮られた写真」など、ヒロシの思い出がたくさん詰まっていました。


 そんな中に気になる写真が1枚。品の良さそうなおばあさんが、1人で写っている写真です。「僕のおばあちゃんだよ」とヒロシ。既に故人だというおばあさんは、ヒロシをたいそう可愛がってくれたとか。


ヒロシ「おばあちゃん。大好きだったおばあちゃんにもう一度会いたいよ!」


 ヒロシの涙まじりの言葉に、このサイト始まって以来の美談誕生を予見したマルぼんは喜んで協力することにし、
情報を集めるべく、もう一度『脳内USBケーブル』を使うことにしました。


「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


 ヒロシの悲鳴があまりにも大きかったので、隣近所から苦情が来ました。

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 不思議な事に、ヒロシの脳内にはおばあちゃんに関する記憶はまるでありませんでした。「きっと悲しい別れかたをしたりして、無理矢理脳内から思い出を消去したんだ!」とのたまうヒロシ。


 驚いた事にヒロシは、名前やいつ頃亡くなったかなど、おばあちゃんに関するありとあらゆる情報を覚えていなかったのです。ある程度情報を集めたら、タイムマシンで直接会いに行けるようにしようとマルぼんは考えていたのですが、これでは手も足もでません。


 ヒロシの脳に期待できないと察知したマルぼんは、ある機密道具を思い出しました。写真に使うだけで、写っているモノの詳細や現在の状況が分かる『写真詳細マシン』です。これでおばあちゃんの情報を集めることにしました。


『梅嶋 千代』。これがヒロシのおばあちゃんの名前で、現在は老人ホームに住んでいる……なんと存命中ということが判明!


ヒロシ「思い出した! おばあちゃんが老人ホームに入るのがイヤでイヤで仕方がなかった僕は、『悲しいくらいなら、ぬくもりなんていらない! 思い出なんていらない! 僕以外の人間はみんな不幸になれ!』と自らおばあちゃんの思い出を忘却の彼方に捨て去って、『おばあちゃんは死んだ』と自分に思い込ませたんだ!」


 このサイト始まって以来の悲しい事件です。マルぼんとヒロシは、早速おばあちゃんが入居している老人ホームへと向かいました。受付で面会の申し込みをし、おばあちゃんの部屋へ向かうマルぼんとヒロシ。おばあちゃんは、部屋にあるイスに座り、本を読んでいました。


ヒロシ「おばあちゃん!」


おばあちゃん「はい? どちらさま?」


ヒロシ「僕だよ、孫のヒロシだよ!」


おばあちゃん「…失礼ですが、私にはヒロシなんて孫はいませんよ」


ヒロシ「え?」


おばあちゃん「そういえば、昼ご飯はまだかしら。お腹すいちゃって」


ヒロシ「ええーっ!?」


 ようやく出会えたヒロシのおばあちゃんは、孫の顔も名前も思い出せず、「昼ご飯はまだかしら」というほぼ確定なセリフを吐き、キョトンとした表情でマルぼんとヒロシを見ています。


「おばあちゃん。僕のこと忘れたの?」とヒロシが泣きついても、「忘れたもなにも私の孫はルナという名前で……」と答えるだけのおばあちゃん。…ルナ?


「ヒロシさんにマルちゃんじゃない」


 部屋の入り口に、ルナちゃんが立っていました。ルナちゃんはおばあちゃんに「昼ご飯は少し遅れるって」と伝えると、
マルぼんたちに近づき「うちのおばあちゃんと何をしているの?」と言いました。


 顔面蒼白になったヒロシは、例の写真を取り出して「こ、この人は僕のおばあちゃんだよ!?」と訴えましたが、
「この写真、なくなったと思ったらヒロシくんがパクっていたのね。この薄汚い泥棒ネコ!」とルナちゃんに切り返され、閉口。


 マルぼんが咄嗟に『脳内USBケーブル』でヒロシの脳とノートパソコンを繋ぎ、その場で詳しい事情を調べる事にしました。調査は難航しましたが、マルぼんはネットで拾った『誤って脳内から消去してしまった記憶を復元してパソコンで見れるようにするフリーソフト』等を活用し、ある記憶映像を発見したのです。


 その映像では、幼いヒロシが1人の老婆に近づくところから始まっていました。老婆は髪を禍々しい紫に染め、全身を派手な金色の服で身に包んでいるケバい姿でした。


幼いヒロシ『おばあちゃーん』


老婆『気安くおばあちゃんと呼ぶんじゃないよ! この蛆虫小僧!』


幼いヒロシ『だーいすき』


老婆『近づくんじゃないよ! あの男の血を引いている人間が!』


幼いヒロシ『おばあちゃーん♪』


老婆『目的は金か!?』


幼いヒロシ『おこづかいくれるの?』


老婆『母親ばかりではなく、アタシまで不幸にする気かい!』


幼いヒロシ『ワーイ! ワーイ!』


老婆『この悪魔! この悪魔!』


 静まりかえる一同。ケーブルを外されたヒロシは、近くを歩いていた別のおばあさんに「あなたこそ、僕のおばあさんだ。僕のやさしいおばあさんだ」とか言って抱きついていました。その目はとても純粋で、ヒロシは相手のおばあさんを本当のおばさんと思い込んでいるようでした。


 やさしいおばあさんを造る機密道具なんて、マルぼんは持っていません。




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日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)

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