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Author:大沼ヒロシ
大沼ヒロシと申します。ブログはじめたての初心者です。どうぞよろしく。

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「やったね! マルぼんが刺された日」の巻
「悪魔め! この悪魔!」


 ブシュ!


 というワケでマルぼん、散歩の途中、腹部を刺されてしまいました。通報で駆けつけた警察官によって犯人はすぐに逮捕。ところが、蓋を開けてみればその犯人はヒロシ一家の隣人である権田原さんの奥さん! なんと
顔見知りによる犯行だったのです。


 権田原さんの奥さんは常日頃からマルぼんを目の敵にしており、顔を合わせる度に「ウチのツトムがいつまでたっても大学に合格しないのは、あんたのせい」「テレビの音がうるさい!」「電波をヤメロ電波をヤメロ電波ヲヤメロデンパヲヤメロ」
「シネシネシネシネシネ……」と言いがかりをつけてきたり、無言電話・中傷ビラ撒き散らし・ヒロシ宅に向けて大音量でラジオやラジカセをかける・自分で自分の足をフォークで刺して「マルぼんに噛まれた」と警察に通報、など悪質な行為を繰り返していて、凶行の前兆は見え隠れしていたのですが、まさかこんなに思い切った行動にでるとは、マルぼんもビックリです。


 こんなことを言うのもなんですが、マルぼんは人様に迷惑をかけたことなどカケラもありません。暇さえあれば、世界から戦争という戦争がなくなればいいと願っていて、争いをおこす人を一族郎党ごといつか皆殺しにしてやろう、その死体を煮て焼いて食ってやろうとか考えたりしている、究極の平和主義者です。権田原さんの奥さんの憎悪も逆恨みというやつだと思うんですか。まったく。弱いものが泣きを見る世の中なんて、間違っていますよね!


 母親のしでかした許されざる凶行を謝罪するべく、ツトムさんがマルぼんを訪ねてきました。ツトムさんは華も様々な意味で恥らう浪人生(目標は医大)。その浪人生活も今年で13年目に突入しようというのに、マルぼんやヒロシと昼間から全力投球で遊んでくれるナイスガイです。


 そんなツトムさんを、マルぼんは責める気にもならないので、マルぼんは慰謝料50万円で許してあげる事にしました。謝罪と賠償が済んだら、マルぼんとツトムさんの被害者と加害者の家族という関係はオシマイ。いつもの友達同士です。マルぼんとヒロシは、さっそくツトムさんと遊ぶ事にしました。


「最近気がついたんだけど、俺って浪人生に納まる器じゃないよな」


テレビゲームをしていると、ツトムさんがこんなことを言い出しました。


「13年も大学に合格しないけど、それって俺の勉強不足とかが原因じゃないと思うんだ。ホラ、基本的に俺って『やればできる』タイプだろ? 合格しない筈がないじゃん」
自分で自分のことを「やればできるタイプ」と言う人は、総じて「やってもできない」「やろうともしない」人だと思うのですが、マルぼんは黙っていました。


「それなのに合格しないのは、きっと神が『ツトムは大学に行くべきじゃない』と思っていたりして、運命を操作しているんだと思うんだ。因果律ってやつ? 俺にはもっと、偉大なる道がある筈なんだよ。俺はその道を…本当の自分を模索していきたいと、最近思い始めてさ」


アニメにかぶれた中学生みたいなセリフです。


「でさ、早速『自分探し』を始めようと思ってさ、昨日ババア(マルぼんを刺した人)に『予備校辞める』って言ったら……ババア、なぜ知らないけど突然キレて」


……雲行きが怪しくなってきました。


「奇声をあげて、包丁持って飛び出していったんだ。その後、マルぼんを刺したんだと思うんだけど、なんでキレたんだろ。まぁ、俺は100%原因じゃないだろうけど」


マルぼんは、傷口が開いたのも気にせず、ツトムさんをボコボコしました。





 昨日、マルぼんがありとあらゆる機密道具を駆使してボコボコして「今後一切我が家への立ち入り禁止」を申し付けた筈のツトムさんが、いけしゃあしゃあとやって来ました。


「仕事紹介してよ」とツトムさん。


マルぼんは「こいつ正気か?」と思ったんですが、話を聞くとツトムさんにはマルぼんへの賠償金50万円を支払う能力がなく、今から稼がないといけないらしいんですが、ツトムさん生れてこの方仕事というものをしたことがないので(現在の収入はおこづかい)、どうやって探せばいいのかわからないのだそうです。


 賠償金をもらえないのも釈なので、マルぼんはバイトを探してやることにしました。


マルぼん「えっと、家庭教師。週3回。1回3時間で時給1500円」>
ツトムさん「生徒は女子小学生?」


マルぼん「男子中学生」


ツトムさん「俺は家庭教師に納まる器じゃないからパス」




マルぼん「ファミレスのウェイター。深夜は時給が高いんだってさ」


ツトムさん「そこは塾帰りの女子小学生は来るの?」


マルぼん「知らないよ」


ツトムさん「俺はファミレスのウェイターに納まる器じゃないからパス」




マルぼん「スーパーのバイト」


ツトムさん「そこは、お菓子を求める女子小学生は頻繁に来る?」


マルぼん「……さぁ」


ツトムさん「俺はスーパーのバイトに納まる器じゃないからパス」




ツトムさん「なぁ。もっとさ、俺みたいば男が好みのタイプの女子小学生がたくさん来るファンシーショップのバイトとかないの?」


 どうもツトムさんは、刑務所とかサナトリウムとか、そういうものにピッタリ納まりそうな器の人間のようです。


ツトムさん「まぁいいや。もうマルぼんには期待しない。今、俺クラスの人間にピッタリな仕事を思いついたから」


 ツトムさんはテレビの上を指さしました。そこには、ヒロシが買ってきた食玩のオマケ……昔の特撮ヒーローの人形が飾ってあります。


ツトムさん「俺はヒーローになるのさ! 伝説の剣や鎧を装備して、悪を倒して金を稼ぐ! 俺にピッタリ!」


 その伝説の剣や鎧を探すのはマルぼんの役目なのか。ヒーローが給金を貰ってもいいのか。マルぼんは色々思いました。

 ツトムさんか賠償金を頂戴するには、ツトムさんを働かせなければならず、そのツトムさんは「ヒーローしかやらないもん」「伝説の装備と悪の組織を用意しないと働かないもん!」「水道の水をコーラにしなきゃやーだー!」と30代の男が言うには
どうかだろうかと思うことを言い張っています。


 そろそろパソコンを買い換えたく、まとまった金の欲しいマルぼんはどうしても賠償金が欲しかったので、ツトムさんのヒーロー稼業に力を貸してあげることにして、「気持ちエクスカリバー(未来の100円ショップで売っている、それなりに強い聖剣)」「悪の組織探知機(近くにある悪の組織を自動的に発見してくれる)」といったツトムさんにピッタリな道具を貸してあげることにしました。


 2つの機密道具を抱えて、スキップまじりで飛び出して行くツトムさん。


 半日ほど経つと、ボロボロになって帰ってきました。


ツトムさん「『探知機』の指し示すところへ行ったら『日本とは国交のない某北の国の窓口機関』とか『政教分離を無視している例の宗教の会館』とか『なぜか入り口に監視カメラのある大物歌手の講演会本部』とか『無口な中年の男女が多数、人目をはばかるように暮らしているマンション一室(火気厳禁で当然のようにカーテン閉めきり)』そういうところばかりだったぞー!?」


 どうも『悪の組織探知機』はリアルな悪の組織ばかり探知してしまったようです。

ツトムさん「というか、もっと弱い悪の組織を探せよ!」


マルぼん「『悪の組織探知機』を調整したから、大丈夫だよ」


ツトムさん「じゃあ、もっと強い装備くれよぉ! 昨日のヤツじゃ、町の生涯アウトドア生活主義者一人にも負けたんだぁ!」


マルぼん「え!?」


 昨日、マルぼんがツトムさんに貸した「気持ちエクスカリバー」は、未来の世界の100円ショップで子供でも買える粗悪品ですが、21世紀ではそれなりの威力(一振りで半径10キロ以内が10年間草木1本生えない状態になる)はあります。
それを持ちながら、それなりの組織とは言え普通の人間にも勝てないツトムさんって……。マルぼんは人間という生き物の底の部分を見たような気がしました。


ツトムさん「とにかくさ、装備しただけで世界最強になれて、全世界の女子小学生が惚れてしまうようなドリーム溢れる武器を用意しろよぉ! でないと賠償金払わないぞぉ!」


 ツトムさんの汚れたドリームが心底むかつきましたが、賠償金をもらえないと困る(新パソコン見積もり済み)マルぼんは、ツトムさんのために適した武器を探してやることにしました。


ヒロシ「そういえば、学校の裏山にあるダンジョンに、かつて町を救った勇者の使用した武器があるとかないとか」


 地味に今回の件に関わっていたヒロシの情報です。マルぼんは一人、学校の裏山のダンジョンへと向かいました。 





 大冒険の末、マルぼんは『かつて町を救った勇者の使用した武器』を発見したのでした。マルぼんが見つけてきたのは、以下の4つ。


次元をも切り裂く聖剣『スフィルディアス』


ありとあらゆる精神攻撃を防ぐことのできる『イディルヘルム』


ありとあらゆる攻撃から装備者を守る『ヴァリアアーマー』


装着した者は神の如き速さを得ることができる『アルマーブーツ』



 いずれも驚異の威力を持った武器で、ツトムさんも「早く装備させてよぉ!」と大喜び。「あわてないあわてない」とマルぼんはツトムさんを落ち着かせ、ひとつづつ装備させてあげました。


マルぼん「これが、次元をも切り裂く聖剣『スフィルディアス』だね」


ツトムさん「……どこからどうみても単なる錆付いたナタなんだけど」


マルぼん「ありとあらゆる精神攻撃を防ぐことのできる『イディルヘルム』」

ツトムさん「……どこからどうみても単なるストッキングなんだけど」


マルぼん「ありとあらゆる攻撃から装備者を守る『ヴァリアアーマー』。敵を油断させるため、装着しても目立たないようにできているんだって」


ツトムさん「……黄ばんだブリーフ?」


マルぼん「装着した者は神の如き速さを得ることができる『アルマーブーツ』」


ツトムさん「靴下だろこれ。しかも、キティちゃんのワンポイント入りの小さいお友達用のファンシー靴下……」


 全てを装備したツトムさん(頭にストッキング、体は黄ばんだブリーフ1枚、足は可愛らしい靴下、手にはナタ)は、まさにヒーローと呼ぶに相応しい勇姿です。


ツトムさん「これ、どうみても変態……」


マルぼん「重要なの中身! 外見にこだわるなんて、小者の証拠ですぞ」


ツトムさん「そ、そうだよな! そう中身だ中身! よし、これでありとあらゆる悪を滅ぼして、国から金をせしめてやるぞ!」



 道具で「出刃包丁はエクスカリバー」とか洗脳しないで済む分、ヒロシより楽だとマルぼんは思いました。


 すばらしい伝説の武器を装備し、まさに向かうところ敵なし友人とか家族もなしのツトムさん。ポージングをとるツトムさんをマルぼんは見守っていたのですが、放置していた「悪の組織探知機」が悪の組織を探知した証である「ビービー」という音を発しました。


ツトムさん「きた! 悪の組織だ! 行くぞマルぼんー!」


 マルぼんはツトムさんのお誘いを丁重にお断りして、小型監視カメラと監視モニターで参加することにしました。飛び出して行くツトムさん。


「キャー!」絹を裂くような女性の悲鳴。悪の組織の毒牙にかかったわけではなく、ツトムさんの姿に驚いたようです。


ツトムさん「悪の組織はすぐ近く! その角を曲がったところだ!」


「悪は皆殺しだぞう!」と次元をも切り裂く聖剣『スフィルディアス』(パっと見ナタ)を振り上げながら角を曲がるツトムさん。そこにいたのは、町の植物の手入れをボランティアでしてくれている町内老人会の皆さんでした。


「その人たちは隣町とのゲートボールの試合に遅刻して、組織的に相手をイライラさせた悪の組織だね」と、モニターを通してツトムさんに教えてあげる親切なマルぼん。前々回くらいに「もっと弱い悪の組織を!そして一握りの愛を!」というツトムさんに要望に答え調整した結果、「悪の組織探知機」は小さな悪の組織しか発見できなくなっていたようです。


「ど、どうしよう……」振り上げたナタもさっきの「皆殺し」発言も引っ込みがつくハズもなく、うろたえるツトムさん。そんなツトムさんを、通報で駆けつけた警官が包囲。


「ツトムさん! 装備している武器の安全装置を解除するんだ!」第3者による悪用を防ぐため、伝説の武器には安全装置がついています。これは、装備している者がパスワードとなる言葉を声高々に叫ぶ事により解除され、マルぼんはそのパスワードが書かれたメモをツトムさんにすでに渡しています。


「よ、よし。このメモだな、え~っと……よし、行くぞ安全装置解除……!」メモを取り出し、パスワードを読むツトムさん。


ツトムさん「『俺は神だ! 人間ども頭が高いー!』」


 大空に響く、安全装置解除のパスワード。


警官「こいつは本物だ! 一斉に取り囲め!」


ツトムさん「『俺は神だ! 人間ども頭が高いー!』『俺は神だ! 人間ども頭が高いー!』」


 マルぼんは、賠償金はあきらめることにしました。


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日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)

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