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大沼ヒロシ

Author:大沼ヒロシ
大沼ヒロシと申します。ブログはじめたての初心者です。どうぞよろしく。

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「真夏のサンタクロース」の巻
 突然サンタクロースが来訪。


 サンタはなにやら怒った様子で「なんでオマエの家には煙突がない!」と、マルぼんやヒロシに詰め寄ってきました。


「時期、間違ってますよ」とそれとなく諭してみたんですが、納得してくれず「俺はトナカイを2頭ばかし殺して喰ったことがあるんだぜ」「サンタの服がなぜ赤いか。教えてやんよぉ!」と凄むのみで、聞く耳を持ってくれません。


 幸いにも「煙突のない家に煙突をつくる」機密道具があったので、『作るから、今日は帰れ」と適当に約束したんですが
サンタは去り際に「酒とタバコとドラッグと卑猥な音楽に犯された子供たちに夢を与えるのも大変なんだぜ。感謝しろ!」と意味の分からない捨てゼリフを残していきました。とりあえず、警察にだけ連絡。




 翌日。煙突は設置しましたが、サンタの野郎は来ませんでした。


 どうやら、ルナちゃんやナウマン象の家にもサンタは来ていたようで


「本物のサンタだけど、寒いのが苦手で冬場に来ない」


「宣伝のピンクチラシをあちこちに貼る」


「高価なプレゼントをねだる子供の手に火のついたタバコをおしつける」


「プレゼントは決まって卑猥な大人の玩具」


「愛車のソリはマフラーが改造してあり、走行中に迷惑な騒音を撒き散らす」


「プレゼントを入れるために用意された靴下の臭いを嗅ぎ、勝手に持ち帰る」


「訪れた部屋の机の下に鼻くそをつける」「自宅にゴミを溜め込んですごいことに」


「人様の子供を『悪魔の水を飲み、悪魔の煙を吸う悪魔の子』呼ばわりする」


「トナカイに賃金を支払わず、訴えられている」


「プレゼントを受け取ったら多額の料金を請求される」

「被害者の会がある」


など、よくない噂を色々聞きました。


 とりあえず、警察に自宅周辺への警備を要請。


 その翌日も、サンタは来ませんでした。


 そのかわり「国際俺たちサンタクロース!会」というサンタクロースが集まる団体から電話があり、謝罪と「あのサンタクロースから資格を剥奪して、会から除名した」という旨を伝えられました。


 マルぼんは、サンタクロースに資格があったことが気になったので色々聞いてみたんですが、サンタクロースには3級から1級までのランクがあり、3級は玩具の類を、2級は拳銃・大麻など法律で認められていないアイテムを子供たちにプレゼントすることができるそうです。


 1級がプレゼントできるものは、ここではとても書けないので割愛。でも、マネーの香りがぷんぷんしました。




 さらに翌日も、もサンタは来ませんでした。というか、来る気配すらありませんでした。


 さすがに不審に思ったので、ヒロシと一緒に煙突を調べてみることに。


 サンタは、煙突の途中に引っかかっていました。物言わぬ姿で。


 駆けつけた警察によると、死因は「断定はできないが、たぶん心臓発作」とのこと。


 その後、サンタは被疑者死亡のまま、家宅不法侵入と強盗未遂で書類送検されました。


 悲しい生き物ですよね、人って。


 あと、マルぼんは、来週からサンタクロースの専門学校に通うことにしました。今年の冬、皆さんの家に行っちゃうかも。



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日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「無残! 漫画家を父に持つ」の巻
ヒロシ「マルぼん、こちらクラスメイトの針野むしろさん」


むしろ「こんにちは。針野むしろです。マルぼんさんの話は、ヒロシさんから聞いています。『とんだ厄介者を抱え込んじまったもんだ!』とか、そういう話」


マルぼん「あ、どうも…」


ヒロシ「むしろさんのお父さんは漫画家なんだ。おもに『ある日、さえないボクのところに幼馴染の女の子が…』『ある日、さえないボクのところに双子の美少女が…』『ある日、さえないボクのところに許婚の美少女が…』『ある日、さえないボクのところに血の繋がらない妹が…』『ある日、さえないボクのところに血の繋がらない姉が…』『ある日、さえないボクのところにメガネっ娘で有名なクラスのいいんちょが…』『ある日、さえないボクのところにメイドさんが…』『ある日、さえないボクのところに女サンタが…』『とりあえず、登場する女の子は全部ボクに惚れている』といった青少年の心をつかんで拘束するような内容の漫画を描いておられる」


むしろ「実はマルぼんさんにお願いがあるんです。父のことなんですか…」


マルぼん「そんな漫画ばかり描く親、いやだよね。わかるーわかるー。はい、証拠が残らない薬」


むしろ「いや、そうじゃなくて」


マルぼん「はい、発見されない場所を記した地図」


むしろ「いや、そうじゃなくて」


マルぼん「はい、賠償金を請求されなくなる薬」


むしろ「いや、そうじゃなくて」


マルぼん「ネタが、ない?」


むしろ「そうなんです。父は最近スランプ気味で…『ネタがない! ネタがない!』と叫びながら原稿用紙をモシャモシャ食べ、インクをグビグビ飲むくらい精神的にヤバめなんです」


マルぼん「ネタって『さえないボク』のところにくる美少女を考えればいいだけじゃないの?」


むしろ「それだけじゃ駄目なんです。父は『ポスト手塚治虫は俺』とか本気で思い込んでいて。『二代目手塚治虫』『手塚治虫(再生)』みたいな名前に改名しようとして揉めて、色々なところにそれにふさわしいネタを求めているんですよ」


ヒロシ「頼むよ、マルぼん。むしろちゃんの願いを聞いてやってよ。むしろちゃんはメガネを外すと美少女なんだ!」


 ヒロシの恋路をかなえてやるのもいいかと思い、マルぼんは機密道具をだしてやることにしました。


マルぼん「『ネ探知機』。そこらじゅうに散らばっているネタになることを探知し、その現場まで案内してくれる機密道具さ。こいつでネタを探せばいい」


むしろ「これでネタを探しましょう!!」


『ネ探知機』を持って、2人は外へと飛び出していきました。


ヒロシ「探知機が反応している。裏山のほうからだ。裏山にネタになりそなものがあるんだ」


むしろ「行きましょう!」


ヒロシ「到着したぞ。あ、誰かいるぞ」


むしろ「あれはルナちゃんね」


ヒロシ「ルナちゃんのほかにも、なんか白装束の人たちがいるね。
穴掘っている…」


むしろ「その穴になんか埋めてるね…あれ…あれって…」


ルナちゃん「見られた…!!」


白装束A「見られた…」


白装束B「見られた…」


白装束C「見られた…」


2人「!!」




マルぼん「あ。『ネ探知機』の詳しい設定を説明してねえや。ネタの種類を設定する機能があるんだ。『ギャグ漫画』と設定すれば、ギャグ漫画用のネタを探知する。たしか今の設定は……『グロ漫画』だったかな」




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日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「残酷! クイズ王」の巻
 ヒロシのクラスに転校生がやって来たそうです。


 転校生は小学生にしてクイズ王の栄冠に輝いたという天才男子生徒。


 クラスの女子は「キャーキャーダイテー!」「アナタノシソンノコサセテー!!」と黄色い声をあげていたそうで、それは、
ヒロシの憧れるルナちゃんも例外ではなかったとか。


 クイズ王の方もルナちゃんに一目惚れしたようで、「君を見るとドキドキするこの気持ち、なーんだ?」とキザなクイズをルナちゃんに出題していたそうです。


 ヒロシは思わず吐血するほどくやしかったようですが、あらゆる面でクイズ王に負けているので、なにも復讐する事はできないようです。


ヒロシ「なんか道具だしてよ、マルぼん」


 とりあえず、名前を書く部分が空白になっている中傷ビラ千枚を渡しておきました。


 ヒロシ、クイズ王の中傷ビラを町中に貼っている所を目撃されたそうです。しかも本人に。


ヒロシ「クイズ王のヤツ、僕の中傷ビラを見て凄く深くため息をついたんだ。それで『僕は勝った!』と思ったんだけど、クイズ王、『1人では増えないけど、たくさんの仲間が集まれば増えていく大切なもの、なーんだ? ……答えは、友情だよ、大沼くん』なんて言いながら、なぜか可哀想なものでもみるような顔をして僕を見つめたんだよ。変だよね。勝ったのは僕なのに」


マルぼん「人間として負けているよ、それ」


 人間として生き物として、クイズ王にボロ負けのヒロシを不憫に思ったマルぼんは「とりあえず、なんでもいいから勝負を申し込んでこい」とアドバイスしました。


 男の勝負に打ち勝てば、ヒロシは人間として、ひとまわりもふたまわりも大きくなれることでしょう。


ヒロシ「クイズ王のヤツ、勝負を受けて入れてくれたよ! 勝った方が、負けた方から好きな臓器をいただけるという条件で!明日、空き地に特設リングを設けて、観客も集めるんだ! 」


マルぼん「でかした! で、なんの勝負?」


ヒロシ「クイズ!」


マルぼん「バカかおまえ」


 というワケで、今日はヒロシとクイズ王の男のクイズ勝負です。


 ルールは、互いにクイズを出しあって、相手を「3回答えを間違えるor答えられない状況」に追い込んだ方が勝ち。


マルぼん「こうなったら、意地でも先行の権利をゲットして、絶対に答えられない必勝必然な無敵クイズを間髪入れずに叩き込むしかないな」


ヒロシ「勝負は今日の午後からだよ。クイズを考える時間なんてないよ」


マルぼん「延期してもらおうか。ヒロシ、クイズ王に土下座してきなよ」


ヒロシ「ぼ、僕にだって、小指の先ほどのプライドはあるぞ!」


マルぼん「なら仮病とか」


ヒロシ「今の僕、これまでにないくらいに元気一杯だよ」


マルぼん「なら仕方ないね。プスッ」


ヒロシ「注射!? なに打ったのさ!?」


マルぼん「未来で流行している『感染したら高熱が続いて、頭が割れるように痛くなり、耳からなんか小さな虫がゾロゾロでてきて、脳内に変な声が聞こえるようになり、一時間ごとに背が一センチずつ縮み、頭がはげ、家族がどこかよそよそしくなり、自転車が少し目をはなしただけでパンクしていて、体中の毛穴から膿が滲み出てきて、さらには子供ができたら尻尾とか羽がはえているという後遺症が残る風邪』の1日体験版」


ヒロシ「な、なんてことを。……なんか、頭がクラクラしてきて……うっ」


マルぼん「ヒロシ、気絶したか。体験版だから命に別状はないよ」


 ヒロシの犠牲によりできた時間を一刻一秒も無駄にするわけにはいかないので、マルぼんは、クイズ王への連絡をすませ、さっそく無敵クイズを考えはじめました。


 そして、気絶しながらも全身痙攣を繰り返し、穴という穴から体液汚物垂れ流し状態のヒロシを見て、マルぼんは必勝必然の「無敵クイズ」を思いついたのです。


 というわけで、今日こそヒロシとクイズ王の男のクイズ勝負です。


 マルぼんとヒロシが会場に行くと、すでにたくさんの観客がおしかけていました。


 みんなクイズ王に惚れこんだ連中ばかりで、ヒロシのファンは皆無のようです。


ナウマン象「ヒロシ、死ね!」


大脳「クイズ王閣下、万歳!」 


金歯「クイズ王閣下! かっかぁー! キーッ(興奮しすぎて気絶。救急車登場)」


 おなじみの面々も、長い付き合いのヒロシをあっさりと見捨てた模様。


 そうこうしているうちに、クイズ王が会場に到着しました。


 周辺小学校の綺麗どころで結成されたギャル神輿にふんぞり返りながら登場したクイズ王は、尋常じゃないくらいの美少年。ヒロシが妬む気持ちも分かる気がしました。


クイズ王「大沼ヒロシくん。私はね、君とはよい友達になれる気がしていたんだよ」


ヒロシ「黙れ! ぼ、僕はおまえを倒して、主人公としての威厳を取り戻すー!」


 マルぼんは、そんなものないと思いました。


クイズ王「…フッ。まぁ、いい。残念だけど、私は雑魚を倒すのに全力を尽くすタイプなんだ」


ヒロシ「あ……全力はちょっと……えへへ。できればハンデを……ハンデをお願いします」


クイズ王「……なら、先攻の権利を君に譲ろう」


 先攻さえゲットできたらあとはこちらのもの。マルぼんの考えた必勝必然無敵クイズで、クイズ王を打ちのめすだけです。


審判「試合開始~」


ヒロシ「それじゃあ、第1問いくぞ!」


クイズ王「さぁ、きたまえ」


ヒロシ「第1問! 最近、僕の叔父さんが、急激に痩せたので病院へ行ったら『胃潰瘍です』と診断されたらしいんですけど、なぜか家族を呼ぶように言われて、さらには『すぐに入院するように』言われてしまったそうです。最近は食欲もなくなり、ベッドから起き上がることもできなくなり、目はかすんで、ロレツがまわらなくなり、妙に友人親戚が見舞いにくるようになったとか。さて、このあと叔父さんはどうなってしまうでしょう?」


 騒ぎ始める観客たち。


 これこそ、マルぼんが考え出した「答えるのがはばかれるクイズ」です! その生々しい問題内容は、まともな神経を持っている人は答えることができないはず!


 この勝負、悪いけれどもらいました!


クイズ王「死ぬ。多分、末期の胃がんだろうから、まちがいなく死ぬ。転移もしているでしょうね。
この段階まできたら、痛み止めのモルヒネも効かないんじゃない?」


ヒロシ「答えられただと!?」

 ヒロシは、とっておきの「答えるのがはばかれるクイズ」をクイズ王にあっさりと答えられ、その上、見事正解されてしまいました。


 その後、当然のようにクイズ王の出題にヒロシは答えることができずに万事休です。


クイズ王「大沼ヒロシくん。さぁ、二問目を出題したまえ。どんな問題でも、私は解いてみせるよ?」


 挑発するクイズ王。ヒロシはしばらく考えて、意を決したように言いました。


ヒロシ「死後の世界はあるかないか、どちら?」


 あまりといえばあまりな内容のクイズに、爆笑する観客たち。マルぼんも、これはダメだと思いました。しかし。


クイズ王「……わかりません」


 クイズ王には効果的だったのです。思いっきり効果的だったのです。


クイズ王「わ、私にわからないことがあるなんて。認めん。認めることはできん。……確かめてくる」


 クイズ王は、隠し持っていた青酸カリを発作的に飲み干し、そして


(中略)



 ヒロシ、不戦勝。完。

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「マルぼんのペット大好き!(後編)」の巻
 こんにちは僕、大沼ヒロシです。マルぼんが出て行ったっきり帰ってこないので、今日は僕が更新を担当させていただきますね。


 マルぼんと一緒に出かけた父さんの話だと「マルぼんは、テニススクールで知りあった、過労死した銀行員の未亡人といい仲になって、相手の家でヨロシクやっている」らしいんですが、僕にはそんなこと、一言も言ってません。水臭いな、マルぼんのヤツ。ちぇ。


 さて。話は変わりますが、その父さんが犬を連れて帰ってきました。


「取り引き先のお偉いさんから預かって」と頼まれたらしい「数々のコンクールでグランプリを総なめにした」素晴らしい犬なんだそうですが、僕にはどうしても人間のおじいさんにしか見えませんでした。


 しゃべるし。二足歩行するし。「ばあさん! 太郎と花子に妹か弟を!」と叫びながら母さんに抱きつくし。母さんまんざらじゃなさそうだし。エロゲーかっての。


 でも、父さんは「人間のじいさんみたいだから珍しい犬なんじゃないか」と言うのみ。犬に詳しい父さんですから、まぁ、正しいんだろうと納得することにしました。


 それに人間に似ていたら、母さんの悪い癖(犬食い。四本足のものはイス以外なら何でも食う主義)もでないでしょうし。ねえ? 母さん。


母さん「ヒロシは『ひかりごけ』って映画知ってる? 『生きてこそ』は? 『食人大統領アミン』は? あ、『ハンニバル』ならメジャーだから知っているでしょう?』


 母さんは、なぜか聞いたことのないような映画のタイトルを羅列しました。


 この映画の数々になんの共通点があるのか、僕にはさっぱりわかりません。


 とにかく、わが家から1人の家族が去り、1人……じゃなくて1匹の家族がやって来たのです。これからよろしくネ! 『古沢甲三(72歳)』!




 わが家の新しい家族、子犬の『古沢甲三(72歳)』。


 僕は、残念ながらこいつとは仲良くなれそうにありません。


 ごはんはこぼす、夜に外を徘徊する、亡き妻の名を叫びつづける、僕を息子の太郎と勘違いする、犬小屋にいれていたら近所に変な噂をたてられるなど、いいことがまるでないのです。


 僕は、マルぼんの帰りを待ちつづけることにします。マルぼん! 僕らの友情は無敵だ!


 今も、僕のことを太郎と間違えて、なにか差し出してきました。


古沢甲三(72歳)「太郎や。愛しい愛しい太郎や。お小遣いを上げよう。この貯金通帳から、いくらでもおろしなさい」

僕「わーい! 古沢甲三(72歳)だーいすき!」

 
 みなさん知っていますか? 家族の絆も金で買えるのです。


 しかし、僕ら大沼一家(除くマルぼん)と古沢甲三(72歳)の蜜月は、唐突に終わる事になってしまったのです。





 マルぼんが、刑事や警官を連れて帰宅。


 国家の犬たちは逮捕礼状を見せると、父さんに手錠をはめ、あっという間に連行してしまいました。


 古沢甲三さん(72歳)の誘拐と、マルぼんへの殺人未遂の容疑だそうです。


僕「マルぼん。古沢甲三さん(72歳)は子犬じゃなかったんだね」


マルぼん「できれば直感で分かって欲しかったね。友人としては。それから、パパさんは多分、罪に問われない種類の人間だから安心しとけ」


 罪に問われない種類の人間? さっぱりです。


 しばらくすると、古沢甲三さん(72歳)の家族が、老人ホームの職員さんと訪ねてきました。


古沢甲三さん(72歳)の息子「父がお世話になりました」
 

僕「古沢甲三さん(72歳)、老人ホームでもお元気で」


ホームの職員「あ、そういえば、今月の入所費用、まだ払ってもらってないです」


古沢甲三さん(72歳)の息子「父の通帳から引き落す事ことになってる筈ですが」


僕「古沢甲三さん(72歳)は、つ、通帳とか、も、持ってなかったです。ハイ」


ホームの職員「それじゃあ、家族の方に引き取ってもらうしか」


古沢甲三さん(72歳)の息子「え? それはちょっと……ちょっとですね、女房が嫌がって。子供も受験で」


 僕は「家族」という集団の、黒い部分を垣間見ました。少し大人になった気がしました。


 で、結局、古沢甲三さん(72歳)はどうなったかというと……


古沢甲三さん(72歳)「太郎! 太郎! ばあさんはどこかね!?」


 まだ、うちにいるのです。


日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「マルぼんのペット大好き!(前編)」の巻
 マルぼんが家で「ギラギラ」という漫画を読んでいると、見慣れない中年男性が「マルぼん力を貸してくれ」と飛び込んできました。


 本気で誰か分からなかったんですが、本人が思い出のアルバムを交えて説明してくれたので、3時間ほどでヒロシの本当のパパさんということを思い出しました。


パパさん「マルぼん、実は捨てられていた子犬を拾っちゃってさ……」


 パパさんは酒もタバコも女もシャブもしないマジメな人間なんですが、ただ一つだけ趣味があって、それが動物愛護なのです。


 若い頃は、近所の捨て猫を家に集めて繁殖するのを放置し、近隣住民と血みどろの乱闘騒ぎを繰り返していたらしいです。


 しかし、結婚後はその癖も控えめになったそうで、なぜかといいますと、


マルぼん「パパさん。ママさんのこと忘れたの?」


パパさん「別に忘れたわけじゃないんだけど……」


 ママさんが原因なんです。


 ママさんも、パパさんに負けず劣らずの動物好きなんですが、それが普通の人の「動物好き」と意味が少しちがって、
「見ていてカワイイ」「抱きしめたい」という意味の「好き」ではなくて、「おいしそう」「からあげかな? それとも天ぷらがいいかな?」という意味の「好き」なんですよね。


 少し前、マルぼんたちの町から野鳥や野良犬野良猫、果ては飼い犬飼い猫が一斉に姿を消して、ワイドショーなんかで
取り上げられたことがあるんですが、真犯人はママさんでした。


 日記ではあえて省いたんですが、マルぼんも居候開始当初、おいしく食されかけたりしましたよ。


 そういうことを知っていながら、パパさんは子犬を拾ってきたのです。


 そしてその始末をマルぼんに押しつけようというのです。


 しかしまぁ、マルぼんも哀しき居候。


 パパさんのために一肌脱いであげることにしました。


 マルぼんとパパさんは、一緒に子犬を隠しているという某所へ行きました。


マルぼん「捨てられた動物に、もっともふさわしい里親を見つける機密道具があったりするんですよ。ところで、拾ったのはどんな子犬なんです?」


パパさん「それが種類はわからないんだ。でも、人間の言葉をしゃべれるんだ」


マルぼん「ああ。泣き声が『ゴハン』って言っているように聞こえる、とかそんな感じの。よくテレビでやってますよね」


パパさん「いや。そんなレベルじゃないんだ。本当に人間の言葉をしゃべったり、さらには歌ったりするんだよ」


マルぼん「へえ……そいつはすごいですね」


 マルぼんの世界では、この間のルナちゃんの事件で使った一連の機密道具や、動物の声帯を改造する技術もあるので、人語をかいす犬も珍しくありません。


 そんなこんなで、マルぼんたちは子犬がいるという某所に辿りつきました。


パパさん「ほら。あそこにくくってあるのが、その子犬だよ」


 パパさんが指差した方向には、縄で柱とつながれた子犬が。


 子犬は、なぜか、2つの足でしっかりと大地を踏みしめ、仁王立ちしています。


子犬「ワシは……ワシはまだ昼飯を食ってないぞ! ……なんだ。あるじゃないか。太郎! 花子! 飯をくうときはきちんと正座しなさい……ムシャムシャ(落ちてたコンクリートの破片にかぶりつく)。うん。おいしかった。ところで昼飯はまだか!? 昼飯をよこせ!? ……畜生。ワシを舐めよって……歌うぞ! ホンゲー♪ バーさんはどこだ!? ワシの盆栽は無事か!?」


パパさん「よく見たら、人語をかいすどころか二足歩行するし、亡き連れ合いの思い出にも浸ったり、趣味の盆栽の話もしているね。太郎? 花子? 子犬なのに子供がいるのかな? すごいな」


マルぼん「……」


パパさん「あ! 近所の老人ホームの名札をしているね。「古沢甲三(72歳)」だって。人間みたいな名前だよね。そこで飼っていた犬かも」


マルぼん「パパさん。パパさん。あのですね、これは子犬じゃなくて、単なるおじいさんですよ? 徘徊老人ですよ?」


パパさん「ははは(爆笑)。マルぼん。おもしろいこと言うなぁ。こんなおじいさんがいるハズないだろ?」


マルぼん「こんな子犬がいるハズないと思うマルぼんは、おかしいですか?」


パパさん「おかしい。オニのようにおかしい。僕のかかりつけの精神病院、紹介しようか? あ。保険がきかないか(嘲笑)」


マルぼん「精神病院? かかりつけ? そこらへんをもっと詳しくおねがいします。ママさんとヒロシは、そのことはご存知?」


パパさん「ワーワー聞こえないーきーこーえーなーい」


マルぼん「……とにかく。名札に書いてある老人ホームに連れ行きましょう」


パパさん「!! マルぼんは、僕と『古沢甲三(72歳)』の仲を引き裂くつもりか!?」


マルぼん「え? いつのまにそんな仲に!?」


パパさん「畜生! 未来に帰れ! この薄汚くて異臭放つ不要な扶養家族が!」


マルぼん「あまりといえばあまりな言い草ー!」


パパさん「貴様を始末して、古沢甲三(72歳)をうちのペットにするー!」


マルぼん「いやー! いーやー! 鈍器を振り回さないでー! うっわー! ああー!」


ドガッ!!




                                                                つづく

日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「そういえば『同級生2』ってスーファミ版もあったなぁ」の巻
  なんとなくアンニュイな気持ちになっていたマルぼんに、ヒロシがにじり寄ってきました。また頼みごとのようです。


マルぼん「なにかね?」

ヒロシ「ジブリが嫌っているような声優声でしゃべって、家事が得意で、僕のことをお兄ちゃんと呼んでくれて、僕が他の女の子と仲良くしていたらなぜか不機嫌になって、実は血の繋がりがなくて、結婚とかできる妹をだしてー!」

マルぼん「親に頼め! 親に」


ヒロシ「それもそうだね。ママー! 妹を貰ってきてー! 養子ー! 養子ー!」


ママさん「もう。ヒロシったらー。これ以上、養子を増やしても仕方ないでしょう!」

ヒロシ「それもそうだねー。あははー。あれ? 養子って?」


 マルぼんはとりあえずヒロシに詳しい話を聞いてみたんですが、金歯のヤツがプラモ好きの従兄弟に作ってもらったメカ義妹を自慢してきたらしく、ヒロシはそれがうらやましくてしかたなかったそうです。


 とりあえず、敵状視察ということで、ヒロシと2人で金歯を訪ねてみると、本当にいるんですよ、メカ義妹。


 まぁ、ギャルゲーに出てくる感じじゃなくて、「アシモ」みたいな感じだったんですけど。


金歯「外見なんて関係ないんだ。可憐(メカ義妹の名前)はボクの妹さー」


可憐「ハイ。オ兄サマ」


金歯「もちろん愛しているし、結婚もするつもりさー」


 なんでこう、片寄った思想の人たちは「義妹=恋愛対象」という思考なんでしょうか。


金歯「可憐もボクを愛しているよな?」


可憐「ピーガガガ……愛? 愛……愛、リカイフノウ……」


金歯「な、なに!?」


可憐「愛、リカイ、フノウ。愛トハ何デスカ? オ兄サマ?」


金歯「そんな……そんな! 可憐! 愛していると言うんだ。ボクを愛していると言うんだ!」


可憐「愛リカイ、フノウ。愛、リカイ、フノウ……」


金歯「愛していると言ってくれー!」


 よくわからない展開になったから、マルぼんたちは帰ることにしました。


 昨日の金歯と可憐ちゃんのやりとりを見て、義妹を諦めたらしいヒロシ。


 ぶっちゃけた話、「義妹製造機」なんて機密道具は高く手が出ないので、マルぼんはホッとしていたんですが意外な人物が「義妹をゲットできる道具だせ!」と詰め寄ってきたんです。


 ナウマン象でした。


ナウマン象「ガキ大将には妹がいて、溺愛しているというのは素晴らしい設定だろ。俺のあだ名のせいでマンモス子とかあだ名がつけられて『お兄ちゃんのせいだよぉ』とか言われたりする。最高だよな。だから妹がたまらく欲しいんだ。欲しくて欲しくてたまらないんだ。マジで欲しい。本気で。いなきゃ死ぬ。義妹いなきゃ死ぬ。むしろあの世で義妹と一緒に暮らす。あの世で2人で暮らすんだ。お兄ちゃんとか呼ばれて。あ、一心同体。死後の世界は自由だから(予想)むしろ俺と義妹が一心同体。俺が義妹。義妹が俺。表裏一体これいかに。いいな。うん。いい。コレに決めた。よし。死のう。俺、死ぬぞ。カリよこせ! 青酸カリ! いまだ! 自決チャンス!」


 ナウマン象になにがあったのか、ヒロシとは比較にならないほど重症のようです。


 仕方ないので、マルぼんは未来のコミケで入手した同人機密道具を貸してやることにしました。


 マルぼんがナウマン象に貸したのは「コマッタト木のカミダの実」という、「謝罪キック賠償パンチ」という同人サークルさんの作った同人機密道具です。


「コマッタト木のカミダの実」は、南米の核爆弾実験跡地に生えた奇形の木から取れた実で煎じて服用する事により、服用者の妄想が現実になるかもしれないという機密道具です。


 ただ、ちょっとやそっとで妄想が現実になる訳ではなく、普通の人が服用しても、軽くトリップする程度(その状態で町でうろついたら逮捕)。


 服用者の妄想が重症であれば重症であるほど、妄想癖が精神疾患の領域に近ければ近いほど、妄想が現実になる可能性が高いのです。


 昨日、精神病院の患者談話室にあるフリーノートみたいな戯言を言っていたナウマン象ですから、容易に使いこなすことができるでしょう。


 さっそく煎じて、摂取用の注射器と一緒にナウマン象に渡してあげました。


マルぼん「血管にブスっといくんだ。間違っても空気が入らないようにネ」


ナウマン象「どうでもいいけど、マルぼんの機密道具は薬状のものばっかだな」

ヒロシ「ねえマルぼん。今日学校でね、ナウマン象がみんなを屋上に呼び出してね」


マルぼん「どうせ義妹の自慢でもされたんでしょ」


ヒロシ「ちがうよ。いきなりみんなの前で注射器を取り出して、なぜか手馴れた様子で腕にプスっと」


マルぼん(ナウマン象。妹誕生の瞬間をみんなに見せつけるつもりなんだな)


ヒロシ「怪しい薬だったんだろうね。変なこと叫んでさ、ナウマン象。『妹! 俺の妹! 料理が得意で、俺をお兄ちゃんと呼んで、俺が他の女の子と話していたら嫉妬して、俺が危なくなったら身を呈して庇ってくれて、俺とほとんど一心同体! 俺の義妹!』。トリップってヤツなんだねー」


マルぼん「それかどうなったの? 妹は出現した?」


ヒロシ「いや。なんか急に苦しみだしたかと思うと、そのまま倒れて病院へ運ばれたんだ」


マルぼん(ナウマン象でも「コマッタト木のカミダの実」は使いこなせなかったかー)


 なんてヒロシと話していると、マルぼんとヒロシに電話が。


 相手は金歯で、なぜかナウマン象の入院している病院でした。


ヒロシ「え? ナウマン象の膝に人面疽ができた? しかもしゃべって『お兄ちゃんー』とか言ってる? なんだよそれ。さっぱりわかんないよ」


「一心同体~」の妄想が現実になっている所をみると、どうやら「コマッタト木のカミダの実」の効果がでてきたようです。


 ナウマン象の幸せ者!


 人面疽ができたというナウマン象を見舞いに、マルぼんとヒロシは病院へ行きました。


 ナウマン象は尋常じゃないくらい痩せていましたが、意識は不思議とはっきりしていて、マルぼんたちに膝にできた人面疽を紹介してくれました。


ナウマン象「これ、俺の妹のカオリ。顔しかないけど、カワイイだろ?」


人面疽のカオリちゃん「はじめまして。カオリです。お兄ちゃんは私の自慢!」


 どうやらナウマン象が理想とする妹の要素『俺(ナウマン象)とほとんど一心同体』が叶ったようです。


 マルぼんがしばらく呆然としていると、女性の看護師さんがやって来ました。


看護師さん「ナウマン象さん。お注射ですよー」


人面疽のカオリちゃん「!! お兄ちゃんに近づかないでー!! ゲエエエッ!!」


 カオリちゃんは、口(に当たる部分)から、なにか灰色に光る液体を吐き出し、看護師さんにぶちまけようとしました。


 看護師さんは、慣れた様子で液体を避け


看護師さん「危ない危ない。これ、硫酸なのよね。昨日も若い看護師がやられたの」


 この行動、どうやら、ナウマン象が理想とする妹の要素『俺(ナウマン象)が他の女の子と話していたら嫉妬』『俺(ナウマン象)が危なくなったら身を呈して庇ってくれる』のようです。


看護師さん「そういえばナウマン象さん。昨日の深夜、炊事場で食事作ってたでしょ。ダメよー勝手に食べたりしたら」


ナウマン象「え? 俺知らないけど?」


人面疽のカオリちゃん「それやったの私だよー。ちょっとお兄ちゃんの体を借りちゃったのー。ごめんね。ちょっと生命エネルギーもかなり消費しちゃったー」


ナウマン象「こいつーアハハハ!」


 どうやら『料理が得意』の部分の模様。


 その後、ナウマン象は急に意識不明となり、集中治療室に運ばれていきました。


 愛する妹と成仏できるなら、ナウマン象も本望でしょう。


日記 | 11:10:54 | Trackback(0) | Comments(0)
「ルナちゃん、道端で」の巻
 古いビデオに録画されていた『ムツゴロウと愉快な仲間たち』の影響をモロに受け、必要以上な動物愛護の精神に目覚めてしまったルナちゃんに頼まれて、マルぼんは『動物と自由に会話できる機密道具』を貸してあげました。


ルナちゃん「これでペットのカナリアのピーちゃんに、偉大なる尊師のお考えを教えてあげられるわー!」


 ところがルナちゃん、1時間ほどすると、何も入っていない鳥かごをもって、道具を返しにきたんです。


「ピーちゃんが! 可愛いピーちゃんが! 私のことズベタって呼んだの! ブスって呼んだの! 〇〇〇(差別用語)って呼んだの!あんなのピーちゃんじゃないよー!」


 人間にも色々な性格なヤツがいるように、動物にも色々な性格のヤツがいるハズ。ルナちゃんの愛するピーちゃんは、残念ながら性格が悪かったみたいですね。


 中になにもいない鳥かごから察するに、ショックを受けたルナちゃんは、ピーちゃんを逃がしてしまったみたいです。


 とか思っていると、ルナちゃんの歯になにか挟まっているのが見えました。鳥の羽でした。


「いつもイニシエーションをしている私の体って清らかでしょ。だから、ピーちゃんも清めてあげようかと思って」



 ルナちゃん、今度は「植物と会話できる機密道具よこせ!」と言い出しました。


ルナちゃん「動物とかダメ。時代は今、植物よ植物。さっきアスファルトの裂け目から咲いて、排気ガスに耐えている健気なタンポポを見つけたの。そのタンポポに、尊師の(以下略)」


 道具は貸してあげることにしたんですが、今回はマルぼんもルナちゃんの道具使用に付き合うことにしたんです。


 で、2人して健気なタンポポのところへ行き、さっそく「植物と会話できる機密道具」を使ってみたんです。


ルナちゃん「タンポポさん。私の言葉わかるかしら」


タンポポ「痛い……」


ルナちゃん「え?」


タンポポ「痛い痛い! アスファルトに体挟まって痛い痛い! 死ぬ! 助けて! 助けて! おかーさーん! 死にたくないー! あっあっ体ちぎれちゃうー! ああー!」


ルナちゃん「……」


タンポポ「排気ガスキツイ排気ガスキツイ! 苦しい苦しい! 死ぬ! 助けて! 助けてー! おかーさーん! いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 死んじゃうぅぅぅぅぅぅ!」


 断末鬼の声をあげてしおれるタンポポ。


 ルナちゃん、タンポポをむしりとると、自分の口に詰め込み、


「いつもイニシエーションをしている私の体って清らか(以下略)」  



ヒロシ「ルナちゃんが『動物も植物も信用できない、時代は無機物。素敵なお地蔵さんに尊師(以下略)』とか言ってたよ」

マルぼん「『無機物と会話できる道具だせ!』とか言ってなかった?」


ヒロシ「『未来の怪生物なんて信用できねえ! 科学より奇跡! 神の奇跡! 奇跡の力で意思の疎通も楽々成功!』とか言ってたよ」


マルぼん「……それで?」


ヒロシ「『私の想いが通じた!』とか言って、お地蔵さんとなんか話していた」


マルぼん「……」


ヒロシ「最後は『宗教の違い』がどうとかでお地蔵さんを罵倒しはじめて、持っていたハンマーで粉々にしちゃって、『いつもイニシエーションをして(以下略)』とか言って、欠片を食べ始めたんだ。ルナちゃんったら、いったいどうしたんだろうね?」


マルぼん「……そっとしとけ。そっと」



 ルナちゃんが夜の墓場をうろついている所を警察に保護されたそうです。


 もうおわかりでしょうが、ルナちゃん、警官に連れられながら「動物も植物も無機物も、実体を持つものはクソ! 21世紀は霊! 自縛霊! 成仏できない霊に尊(以下略)」とか叫んでいたそうです。


 さっき、コンビニに行く途中、マルぼんは電柱の前でうずくまっているルナちゃんを見つけました。


 そこはよく事故が起こり死者もたくさん出ている場所で、花束やお菓子、ペットボトルのジュースやワンカップ大関がいっぱい供えられている場所です。


 そんな場所でうずくまりながら、ルナちゃんは、お供え物を勝手に飲み食いしつつ、電柱に向かってなにかブツブツ話をしてたんです。


 ルナちゃんはようやく話が通じる相手が見つかったようです。


 例えそれがルナちゃんにしか見えない相手でも、ルナちゃん自身が幸せならそれでいいなとマルぼんは思いました。


 ところで、ルナちゃんが話している相手は、(生前は)どんな人だったんでしょうか。


 それとなく、2人(?)の会話に耳を傾けてみました。


ルナちゃん「へー。本当は歌や踊りがしたかったの。今の仕事についたのも、お父様が同じ職に就いていたからなんだ。
ストレス発散で、ついつい昔の彼女とか親戚とか粛清しちゃったけど、後をどうするか考えないって?え? 部下の方が有能だから、自分の存在意義がないって?そんなことないよー。元気だしなよ。あなたの国の大学生が、あなたの髪型真似しまくってるんでしょ? すごいじゃん!」


 ルナちゃん、その人生きてますよ。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「詰め替え用」の巻
ヒロシ「マルぼん、この前借りた『血がついても、その箇所につければ、ルミノール反応がまるででなくなる洗剤』、なくなっちゃったよー」


マルぼん「そうか。よし、空になった容器を貸してみな。詰め替え用の新しいヤツをいれてやるから」


ヒロシ「へえ。みらいのせかいも、洗剤は詰め替え用なんだね。詰め替え用かーいいよねー。限りある資源を大切しようというあの発想は、僕、大好きだなー。こういう方式がもっともっと広まればいいのにね」


黒服「ヒロシさん。あなたのお母さんが、借金をしてですね」


ヒロシ「はい」


黒服「ようするに、あなたが担保で」


ヒロシ「ボクはどうなるのです」


黒服「臓器をそっくりいただいて、よその病気の人に移植させていただきます」




日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「微笑小の掃除大臣」の巻
夏休み。ある登校日のこと。


委員長「あ、大沼さん、どこへ行くの!」


ヒロシ「どこって、自由という名の翼で、人生を華麗に飛び回ってくるのさ」


委員長「大沼さんは教室の掃除当番よ! サボる気なの?!」


ヒロシ「僕という存在を縛る権利は、誰も持ち合わせていないんだ。たとえそれが神だとしても。」


 ヒロシは教室から逃走してしまいました。

委員長「まったく、あのウスラトンカチ! 当番でもなんでも
守ったためしがないわ。大沼さんだけじゃなく、彼とつるんでいる連中もそう」


 ルナちゃんは知り合いの家をまわってただひたすら布教、金歯は蹴鞠、ナウマン象は「『風林火山』で高坂弾正がついに武田家に仕官したので、そのシーンを何度も何度も観ては、武田信玄と高坂弾正のこれからの絡みを妄想する。その絡み
の高坂弾正の部分を全て己に入れ替えてさらにヘビーな妄想する」という趣味でそれぞれ忙しく、当番にあたっていても掃除をしたことがありません。ようするに、人間のクズどもです。


委員長「なんとか、あのウスラトンカチ一派に、きちんと掃除をさせることができないかしら」


マルぼん「いい感じの機密道具がありますよ。その名も『絶対当番表』」


 未来の世界では『約束と金庫は破るためにある』と言われるくらい人間のモラルが低下しており、当然、当番なんかが決められていてもきちんと守る人はいません。そんな事態をなんとかすべく作られたのがこの『絶対当番表』。こいつで決められた当番の仕事は、どんなダメ人間でも体が勝手に動き、必ずやり遂げます。


マルぼん「こいつを教室の掃除当番の表に使うといい。ヒロシどものきちんと掃除をするようになるよ」


委員長「ありがとう、いつも勝手に学校に浸入しているマルぼん」


 そんなわけで、委員長は『絶対当番表』で教室の掃除当番表を作りました。


委員長「これでチームウスラトンカチの連中もきちんと掃除を行なうようになるわね」


先生「たいへんだ。すぐに避難しろ。学校が爆発する!」


委員長「ええー?!」

"
 おろか者が非常ベルのスイッチと自爆ボタンを間違って押してしまったため、微笑小学校は爆発。学校だった場所を中心とした半径数キロは草木一本残らない焼け野原と化してしまいました。幸い、怪我人は1人もでませんでした。怪我人は。


委員長「やれやれ。これじゃあ教室掃除の当番どころじゃないわね」


マルぼん「いや『絶対当番表』の効果は絶大だから、ウスラトンカチ友の会の皆さんは、必ず教室の掃除をするよ」



委員長「だから、掃除する教室が存在しないのよ。校舎を建て直すにも、先立つものがないらしいし。あら、電話だわ。もしもし。え、校舎の建て直しが決まったって? 工事資金を寄付してくれた人たちがいたって? 寄付をしてくれたのは……大沼さんたち?!」


マルぼん「掃除する教室がなくなったのなら、新たに造りなおせばいい。これが『絶対当番表』の効果だよ」


委員長「でも、腹が減ったらきのねっこをしゃぶっているような大沼さんたちがどうやってお金を。え? 全員、臓器を売り払ったですって?」


マルぼん「……」


 数ヶ月後。校舎は無事建て直されましたが、教室の掃除をするはずのご存じ! ウスラトンカチ一家の皆さんの姿はそこにはありませんでした。ああ、命短し恋せよ子ども。


生徒A「この前、学校に教科書を忘れたから取りに戻ったんだけど、誰もいない教室からさ、人の気配がしたんだ。話声とか、ホウキで床を掃く音とか、雑巾を絞る音とかして……怖くて速攻でトンズラしたよ」


生徒B「もしかして、三階のあの教室? あの教室、白いモヤモヤが漂っていたり、写真を撮ったら見知らぬ人の顔が映っていたりするんだよな。あと、掃除をさぼってもいつの間にか掃除が行われていたり」


  

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「タイトルなし」の巻
ヒロシ「ふう。大汗かいたぁ。早くシャワーを浴びたいな」


マルぼん「ちょうど、シャワーをいい感じに改造したところだよ」


ヒロシ「なんだか細かいスイッチが無数についているぞ」


マルぼん「色々なものを浴びることができるシャワーに改造したんだよ。マズはこのスイッチ。こいつを押すと、普通のお湯がでる」


ヒロシ「ああ。ちょうどいい湯加減だ」


 気持ちよさそうにシャワーを浴びるヒロシ。


マルぼん「このスイッチを押すと水がでる」


ヒロシ「冷たっ」


マルぼん「このスイッチを押すと」


ヒロシ「なにもでないよ? あ、なんだかポカポカと暖かくなってきたぞ」


マルぼん「春の暖かな日差しがでてくるんだ。自宅にいても、健康的な日光浴が楽しめるんだよ」


ヒロシ「お湯とかだけじゃなく、日光を浴びることができるなんて素敵っ」


マルぼん「様々な性癖の持ち主に対応できるように、牛乳とかコーラとかが出てくるスイッチもあるよ」


ヒロシ「このスイッチは? なんだかわからないけど、押しちゃえ」


マルぼん「あ、それは、硫酸がでてくるスイッチ」


ヒロシ「ぎゃー」


 自宅の風呂場でなぜか硫酸を浴びたバカな小学生の話は瞬く間に広まり、大沼宅には取材の人が大挙して押し寄せました。マルぼんは、お湯や日光だけでなく、世間の注目も浴びることができる『色々なものを浴びることができるシャワー』の効果は絶大だと思いました。



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「目標」の巻
前回までのあらすじ

転校生のゴメス新井氏に破れたナウマン象は、なんとか逆襲するべく修行を開始。
しかしゴメス新井氏は急死して、その短い生涯を終えてしまう。目標を失ったナウマン象は…



ナウマン象「なんかもう、すべてにやる気を失った。死にたい」


ヒロシ「ナウマン象が、僕の部屋でその命を絶とうとしているよ。なんとかしてよ、マルぼん」


マルぼん「倒すべき相手を失ったから、一気に気が抜けてしまったんだな」


ヒロシ「ナウマン象、他に殺したい相手とかいないの?」


ナウマン象「いない。だから死ぬ」


ヒロシ「こりゃ重症だ!」


マルぼん「仕方がない。仮想敵を作ろう」


ヒロシ「仮想敵? どこぞの大国が常に想定しているような、仮想敵?」


マルぼん「そうそう。仮想でも倒すべき敵ができていれば、ナウマン象だって立ち直るはずだ」


 マルぼんとヒロシは、早速、ナウマン象のために仮想敵を作ってやるべく活動を開始しました。


ヒロシ「ナウマン象の家の前の電柱の陰に、大量のタバコの吸殻を捨てておいたよ。これで何者かが長時間、電柱の陰にいたようにみえる」


マルぼん「マルぼんは、『洗脳マシン』でナウマン象の妹を洗脳して、ことあるごとに『最近、誰かにつけられているみたい』と言わせるようにしたよ」


ヒロシ「ナウマン象の部屋に侵入して、適当に家具を動かして、何者かが物色してきたかのように装ったよ」


マルぼん「『フェロモン製造機』で作った『いかにも怪しい黒服の男が自然と集まってくるフェロモン』をナウマン象に家の周りに散布しておいたよ」


マルぼん「『銃痕シール』。銃痕みたいなシールで、これを壁とか窓に貼ると、たちまち何者かが銃撃してきたかのように見える。これを大量に、ナウマン象の部屋の窓に貼ってきたよ。」


ヒロシ「手持ちの猛毒をナウマン象の晩飯に密かに混入してきたよ。で、ナウマン象の目の前で、偶然を装ってその食事を溝に捨てて、溝の生き物が死に絶えるのを見せてきた」


マルぼん「これだけやれば、ナウマン象も『新たな敵が現れた!』と思うようになるだろうね」


 その後、ナウマン象は「お母さん以外、みんな敵!」とか言って家に引きこもり、
頭から布団をかぶって動かなくなり、その人生のほとんどを自室で過ごしてその障害を終えました。


 マルぼんは、今回使用した機密道具の数々の効果は絶大だと思いました。



日記 | 15:38:54 | Trackback(0) | Comments(0)
「ヒロシVS大人」の巻
大人「空き地に集いしジャリども。俺は大人だ。貴様らより年上だ。年上は神だ。俺をたたえろ!」


ヒロシ「うわー。かわいそうな大人だ」


ルナちゃん「人生が不自由な大人ね」


大人「うるさいぞジャリども。貴様らなど、俺の想像力にかかればたんなる○○○(あまりにも卑猥なので自主規制)だ」


ナウマン象「こいつ、本格的にアレだな」


大人「そこのガキ大将っぽいやつ、俺の好みのタイプ」


ナウマン象「い、いやぁぁぁぁ!?」



ヒロシ「とうわけで、僕らのパラダイス・近所の空き地(私有地)が、限りある命を無駄に消費している大人に占領されちまったんだ。ナウマン象は心に傷を負うし。ねえ、マルぼん。いい感じの機密道具を貸しておくれよう」


マルぼん「『がっ鯛』。この鯛の身を食べた人は同じ身を食べた人と合体する。合体して誕生した新しき存在は、合体した2人もっともイカした能力をそれぞれ受け継ぐ。しかも、その能力は以前よりもはるかにパワーアップしているんだ」


ヒロシ「へえ。今、この鯛をナウマン象と大脳に食わせたんだけど、その場合は」


マルぼん「ナウマン象の暴力と、大脳の小賢しさを兼ね備えた新人類が誕生するね」


ナウマン脳「俺様はナウマン脳でヤンスよ! ナウマン脳でヤンスよー!


ヒロシ「あなたの攻撃力いかほど? 頭脳は?」


ナウマン脳「攻撃力は、ヤンキー夫婦のわが子にたいするしつけ(本人たち曰く)と同等。頭脳は歴史に関してはかなり玄人(戦国時代と幕末と中国の三国時代限定)でヤンスの」


ヒロシ「よし。その攻撃力(ヤンキー夫婦がおもに『しかっても泣き止まなかったから』という理由で行うしつけと同等の攻撃力)で、例の大人をいい感じで仕置きしよう」 


ナウマン脳「無敵ぃ無敵ぃ!」





大人「ラ、ラブレター。ラブレターが来たよ……生まれて初めて、生まれて初めてだよ……」


『子供と本気で争う、あなたの無邪気さステキです。町はずれのパチンコ屋の駐車場にきてください。車で』


大人「というわけでやってきたぞ、駐車場。ああ、俺はようやく大人の階段を登ることができるんだな」


ナウマン脳「かかったでヤンスな、親戚内の鼻つまみもの!」


大人「貴様は!? うっ。車が動かない。ドアも開かないぞ!? しかも、車内がくそ暑い!」


ナウマン脳「ふふふ。自分の車でひからびるがいいでヤンス!」


大人「た、たすけてっ。たすけて!」


警官「きみ、なにをやっている!」



ヒロシ「というわけで、ナウマン脳は国家権力に屈服し、作戦は失敗しましたとさ。もうダメかもね」


マルぼん「最強の攻撃力と最高の頭脳をもってしても、国家権力にはかなわないか……よし。もう一人合成させよう」


金歯「そいつはいいアイデアでおじゃる。今後の展開も読みやすいでおじゃる」


マルぼん「そうだね。ところで金歯。この魚の身でも食べなよ」


金歯「わあ。ステキでおじゃるー。もぐもぐ。ギャー!(合体したときに発した絹を裂くような悲鳴。合体は出産と同じくらいの痛みを伴うともっぱらの評判)」




金のナウマン脳「俺様は最強の攻撃力と最高の頭脳と、罪を犯してももみ消せるマネーパワーを兼ね備えた新人類・金のナウマン脳でヤンスおじゃる!


ヒロシ「こんなんでいけるかなあ…」


マルぼん「いけるいける!」


金のナウマン脳「素敵ぃ素敵ぃ」




大人「ラ、ラブメール。ラブメールが来たよ……生まれて初めて、生まれて初めてだよ……」


『子供と本気で競い合って、おまえけに劣勢の、あなたの儚さステキです。あなたの住むマンションのベランダで待っていてください』


大人「というわけで待っているぞ、自宅。ああ、俺はようやく大人の階段を登ることができるんだな。にしても、寒くなったなあ」


金のナウマン脳「かかったでヤンスでおじゃるな、町内のブラックリスト!」


大人「貴様は!? うっ。 窓が開かない!? さては鍵をかけたな!?  さ、寒い。たすけてたすけて!」


警官「なにをやっている!?」


金のナウマン脳「なんですか。この印が見えませんか」


警官「ゲゲー!? その印は金歯コンツェルンの…逃げろ! クビにされるぞ!?」


マルぼん「やった!」


ヒーロー「なにをやっている!?」


大人「あ、ヒーローさん、僕をたすけて」


金のナウマン脳「お、俺様は子供を襲うアレな大人を成敗しているだけで」


ヒーロー「よし。死ね!」


金のナウマン脳「ンギャー!? 掃除の間に出てもらっていただけですようー」



ヒロシ「歩いているだけで近所の人に自警団結成されそうなくらいアレな外見の金のナウマン脳を使うのが無理な話だったんだ。もうダメだ」


マルぼん「最強の攻撃力と最高の頭脳をもってしてもイカす権力をもってしも、正義のヒーローにはかなわないか……よし。もう一人合成させよう」


ルナちゃん「そいつはいいアイデアだね。お約束の展開だし」


マルぼん「そうだね。ところでルナちゃん。この魚の身でも食べなよ」


金歯「わあ。ステキでー。もぐもぐ。ギャー!(合体したときに発した絹を裂くような悲鳴。合体は爪と指の間に針を刺すのと同じくらいの痛みを伴うともっぱらの評判)」



金のナウマン脳ちゃん「あたし様は最強の攻撃力と最高の頭脳と罪を犯してももみ消せるマネーパワーと、萌え外見を兼ね備えた新人類・金のナウマン脳ちゃんでヤンスでおじゃる!


ヒロシ「萌えるけど、男だろ?」


マルぼん「いけるいける!」


金のナウマン脳ちゃん「大胆不敵ぃ大胆不適ぃ」」






金のナウマン脳ちゃん「ピンプルランプルペラドンナ ポイズンタッチで
無価値な人間 蛆虫になあれ!」


大人「ヒェー」


ヒーロー「可愛い子が人間を蛆虫に変えているけど、可愛いからきっと正義だ」


金のナウマン脳ちゃん「悪は滅んだ」


ヒロシ「なんかもう。魔法とか使ってるし。設定とかむちゃくちゃだし。もうダメだよ…」


マルぼん「なんだよ。この前から、いやにネガディブな発言が目立つな、ヒロシくん。合体もしてないのに偉そうなこと極まりない」


ヒロシ「どうでもいいや。どうでもいいや」


マルぼん「むかつくなあ。おい、この残りの身を食って合体してよ。どんな能力が現れるのか見てやるから」


ヒロシ「ギャー」



金のナウマン脳ちゃん(ややヒロシ)「ぼ、僕は最強の攻撃力と最高の頭脳と罪を犯してももみ消せるマネーパワーと
萌え外見と、生きているのが苦痛で仕方がないほどのネガティブな性格兼ね備えた新人類・金のナウマン脳ちゃん(ややヒロシ)です……。生きていてごめんなさい。散ります。命散らせていただきます……ピンプルランプルペラドンナ ポイズンタッチで自爆!」


マルぼん「しまった。ヒロシのイカした能力はネガティブさだったんか!」


ドォォォォォォンという轟音とともに、金のナウマン脳ちゃん(ややヒロシ)は星になりました。肉片と化しました。それから、マルぼんはひとりぼっちになりました。


日記 | 17:21:13 | Trackback(0) | Comments(0)
就職記 第1話「竹内うね、死す」
目次


 2014年8月。某県某市薄笑町在住の、無職・竹内うねさん87歳が息を引き取った。うねさんと二人暮らしをしていた孫の竹内少年(10歳)は、うねを荼毘に付した後、学校で担任の教師に今後の身のふり方を相談するのだった。


竹内「先生。これで僕も天涯孤独。これからは生活保護をうけて、ひとりで生きていくのですね」


担任「ばかもの。小学生一人が生活保護を受けれるものかよ」


竹内「すると、僕は施設へ?」


担任「施設はないな。おまえ、天涯孤独とか言っているけどさ、きちんといるじゃねえかよ、身内」


竹内「え」


担任「うねさんの妹だって人から、さっき連絡があったぞ。おまえを引き取りたいって。たしか名前は……」


竹内「もしかして。たね。竹内たね、ですか」


担任「そうそう。その、たねさんだ。竹内たねさん」


竹内「……」


担任「どうした」


竹内「終わった」


担任「は?」


竹内「おわったわー!! 僕の人生おわったわー!! 早くも来世に乞うご期待だわー!!!」


メガネ「竹内。そのたねさんとやらが苦手なのでヤンスか」


 不安定になった竹内を心配して声をかけたのは、彼の親友であるメガネくん。


竹内「苦手ってもんじゃないよ。たねさんはたまにうちに泊まりにくるんだけど、僕のことを親の敵のように毛嫌いしているみたいで、色々といやなことをしてくるんだ」


メガネ「それは聞き捨てならんでヤンスな! よかったら話してみてほしいでヤンス」


竹内「僕が風呂に入ろうとするとね、『綺麗に洗うかどうかみてやる』とか言って、無理やり一緒にはいってくるんだ」


メガネ「ほう」


竹内「僕は自分で洗えるのに、やたらと下半身を洗おうとしてくるんだ」


メガネ「ほうほう」


竹内「夜、僕の布団に寝ぼけて入ってくることもあった。何度言っても入ってくるし、あれは寝ぼけなんかじゃないよ。やたら密着してくるし、あれは僕を暑さで眠らせないようするための作戦だ」


メガネ「ほうほうほう」


竹内「『間違えた』とか言って、僕の箸や歯ブラシを勝手につかうし」


メガネ「ほうほうほうほう」


竹内「たねさんが帰った後は、僕の下着が大量になくなっているし。嫌がらせ隠しているに違いないよ」


メガネ「う、うらやましいいいいいいいいいいいいいいい!!」


 興奮するメガネくん。彼は早熟だったのです。


担任「メガネよ。うらやましいって言うけどよ、相手は87歳の人の妹だぜ。それなりの年齢やで。冷静になれよ」


メガネ「それはもちろん承知の上で、うらやましいいいいいいいいいいいいい!!」


 繰り返すようですが、彼は早熟だったのです。熟女もいけるくらい早熟だったのです。


竹内「うらやましいってなんだよ。こちとら真剣になやんでるんでえ!」


メガネ「メンゴメンゴ」


担任「たねさんからの伝言あるぞ。『明日、迎えに行くので、いらんものは捨てに捨てて、身ひとつで待っておくように。本気の身ひとつ。服もなしの、ガチ身ひとつ」


メガネ「うらやましいいいいいいいいいいいいいいい!!」


竹内「身ひとつになる意味はよくわからんですが、明日には転校ってことですか!」


担任「そうやなぁ」


 突然の転校の知らせに、事の成り行きを見守っていた同級生たちが騒ぎだす。なお、個人情報保護の関係で、登場する小学生の名前はすべて彼らにつけられているあだ名で表示いたしますことをあらかじめご了承ください。


うずら焼酎「いくらなんでも急すぎる!」


子どもホステス「大人の横暴よ!」


入道結石「諸行無常!」


プーチンもどき「手紙かくぜ! 返事くれよな!」


もつアップル「神も仏もあるものか!」


おかっぱニャンにゃン丸「先生なんとかならへんの!?」


 同級生たちの声も、転校がショックな竹内少年の耳には入らないのであった。つづく。


                                                                  第2話へ






就職記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「ヒロシ、強いコーヒーもいいけど優しいミルク(意味深)も素敵なの」の巻
ヒロシ「暑い。暑い。暑い!! なぜにわが部屋には冷房がないのか!」


マルぼん「ママさんが、新しいパパさんになる予定の人の気をひこうとプレゼントしてしまったからね」


ヒロシ「マルぼん、冷房だして!」


マルぼん「自分で買えばよろしいでしょう」


ヒロシ「僕、いま100円しか持っていないの」


マルぼん「あきらめな」


ヒロシ「そうだ。あれだしてよ。『未来百貨店通販マシン』。あれ、どんなものでも買えるだろ。『100円冷房』とか買えるかもしれないだろ」


マルぼん「さすがにないと思うけど、まぁ、出してみるか」


『未来百貨店通販マシン』は、『買えない物はない。あるならもってこいや、クソども!』でお馴染みの未来百貨店の商品が、どんなものでも通販で購入できる機密道具。


通販マシン「はい、未来百科店であります!」


ヒロシ「あの、100円で買える冷房とかあります?」


通販マシン「ありますあります! すぐに送るであります!」


マルぼん「あるんだ!」


 そんなわけで、未来百貨店から
『100円冷房』が送られてきました。


ヒロシ「100円の商品なのに、きれいに梱包されていますね」


 ビリビリと包装紙を破るヒロシ。中から出てきたのは


おじいさん「はじめまして、ご主人様」


 団扇を持ったおじいさんでした。


おじいさん「冷房としての役目、精一杯、努めさせていただきます」


 ヒロシを団扇で扇ぎ始めるおじいさん。


マルぼん「なるほどな。未来の世界では人口が飽和状態で、人の命がミジンコより安いから。それに団扇を持たせて冷房というわけですか」


おじいさん「パタパタ。ご主人様よ、涼しくなあれ。パタパタ。ご主人様よ、涼しくなあれ。うっ!」


ヒロシ「おじいさんが倒れた! おじいさんが倒れた!」


 倒れたおじいさんは、病院へ搬送され、入院しました。当然身寄りがないので、ヒロシが毎日、つきっきりで看病しています。病院はとても冷房が効いていて涼しいそうです。


 マルぼんは、100円でヒロシを涼しくしてくれた『『未来百貨店通販マシン』の効果は絶大だと思いました。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「根性があればなんでもできるのか」の巻
ヒロシ「夏休みの宿題、カケラもやってねえ!!」


マルぼん「まだ8月に入ったばかりだし、死ぬ気でやればなんとかなるよ」


ヒロシ「死ぬ気にならないといけないなら、死ぬ」


マルぼん「根性を見せろよ!!」


ヒロシ「先生にこの身をまかせたら、宿題をやらなくても許してもらえるかな」


マルぼん「そんな犠牲を払うなら努力しろよ!!」


ヒロシ「努力ウゼー超ウゼー」


 この根性ナシを修正しなければ、おちおち帰省もできない。近所の未亡人の家に遊びに行くこともできない。そう思ったマルぼんは、みらいのせかいで根性ナシをシめるために使われているステーキを用意しました。


 このステーキは『フクツノト牛』という牛の肉を使用したステーキで、食べると不屈の闘志が身につくという健康食品です。


ヒロシ「肉うめえ。肉うめえ」


マルぼん「どうだ。なんか根性がついてきたろ」


ヒロシ「う…痛い…痛い…おなかが…!!」


 ヒロシは病院へ運ばれ、緊急手術となりました。


医師「う。すごい。腹の中が悪っぽい腫瘍だらけだ。こりゃ痛いはずだよ。すぐに切除しないと」


医師2「ゲゲェ!? 切ったそばから腫瘍が再生します」


医師「切っても切っても再生する!? なんだ、なんだこの腫瘍!!」


医師2「切ってもすぐに再生…なんて根性のある腫瘍だ。これじゃどんどん腹痛は激しくなるぞ」


医師「根性のある腹痛…これが本当の……」


「腹痛の闘志」




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「ヒロシ、Age35恋しくて」の巻
マルぼん「なんだこの、大量のパンフレット。全部宗教関係じゃないか」


ヒロシ「最近さ、なんか生きる目標を見失っているんだよ。仕方ないから、宗教にココロの拠り所を求めようかと思ってさ」



マルぼん「宗教はよしときなよ、金がかかる。それより、説明書を発行してもらえばいい」


ヒロシ「説明書?」


マルぼん「この『説明書製本機』に爪とか体の一部を放り込むとだな、その人の『説明書』を発行してもらえるんだ。説明書には、その人の人生のあらすじや、登場人物。コントローラーによる操作方法が記載されている」


ヒロシ「そのあらすじに、生きる目標が書かれているんだね。おもしろい。さっそく発行してよ、僕の説明書」


 そんなわけで、マルぼんはヒロシの説明書を発行しました。


ヒロシ「どれどれ。さっそく『あらすじ』を…」



199X年、名門金歯一族の子供として誕生したヒロシは、金に目がくらんだ大沼そば彦・うどん子夫婦によって、
病院から誘拐された。



ヒロシ「……」


マルぼん「あ、いや…そうだ、登場人物紹介を見てみようよ。な?」



根坂道人

大沼夫婦と結託し、ヒロシの誘拐を企てた金歯家の使用人で…
 


ヒロシ「……」


マルぼん「……」


ヒロシ「コントローラーによる操作方法を見せてよ。『殺す』のコマンドを調べたい」




日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)

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