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大沼ヒロシ

Author:大沼ヒロシ
大沼ヒロシと申します。ブログはじめたての初心者です。どうぞよろしく。

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「ヒロシは名ピッチャー!?」の巻
ヒロシ「最近は野球選手、それもピッチャーになりたいという思いがふつふつと湧いてきました。その想いの強さは、あの日、僕から家族を奪った戦争に対する憎しみと同程度であると、もっぱらの評判です。」


マルぼん「努力しなよ、努力は美しいよ。かわいいよ。かわいいは正義だよ」


ヒロシ「僕は理想と努力とマズい飯は大嫌いなの! 戦争と同じくらい嫌いなの!」


マルぼん「機密道具を出せと?」


ヒロシ「イエス! イエス! 名投手になれる機密道具を! この場に出しておくれよ!」


マルぼん「『なゲル』。このゲルを利き腕に塗れば、『投げる』という動作がとても上手に行えるようになる」


ヒロシ「すばらしい機密道具!」


 さっそく『なゲル』を利き腕に塗り続けるヒロシ。そうしているうちに。


ヒロシ「ぼぼぼぼぼぼくの利き腕が、なんかこう、、なんかこう、君の悪いメタモルフォーゼを遂げた! まるでタコの足みたいだっ」


マルぼん「ああ、副作用だな」


 今回の件で、ヒロシは、マルぼんを含めた『現代に生きるちょっと不思議な生物』全体に、「安易に道具や魔法の力に頼ってもいいものか?」という疑問を投げかけたのでした。


 疑問とかを投げかけられるようになったヒロシ。マルぼんは『なゲル』の効果は絶大だと思いました。



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日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「さようなら今世」の巻
 午前中、大脳が久しぶりに遊びに来ました。


「ボクは世の中は腐っていると思うでヤンス」「ボクにもなにかできることがあると思うでヤンス」と、なにやら壮大なことを語る大脳、「ヤンス」という安易なキャラ付け語尾がつくようになったせいか、妙にやつれた様子。


「そういえば学校は?」とマルぼんが不審に思っていると「トイレ貸して」と部屋を出て行ってしまいました。


 しばらくすると、ヒロシたちがすごい勢いで帰宅してきました。


 なんでも、大脳が「ベロたんなんでも入門シリーズ14・キミにもなれる! 即身仏入門」という本を残して、消息を絶ったというのです。


 直後、ママさんの叫び声、「大脳くんがトイレに入ってでてこない!」
 混沌とした21世紀に嫌気がさし、世の中に警鐘を鳴らすべ即身仏への道を決意した大脳。


 なぜか大沼家のトイレをその場所に選び、立て篭もっておられます。


 さっきから、大脳が鳴らしていると思われる鐘の音が鳴り続いています。


 説得をすることにしたマルぼんたちは、まず「ベロたんなんでも入門シリーズ14・キミにもなれる! 即身仏入門」で、即身成仏について学ぶことにしました。


 即身仏とは、自分の意志で生きながらミイラになるという仏教でも最高レベルの修行です。


 最初は、山に三年間篭り、米・麦・アワ・キビ・大豆を断つ「五穀断ち」というものを行ないます。


 次は「十穀断ち」。


 五穀断ちの五つに、トウモロコシ・イモ・ヒエ・小豆・ソバの計十穀を三年間断ちます。


「十穀断ち」を終えたら、水をひたすらに飲み体を清める。


 最期は空気穴のあいた桶に入って土に埋まり、死ぬまで鐘を鳴らしつづける(止まったらオダブツ)。


マルぼん「これで3年たったらミイラになっていて、即身仏完了」


ヒロシ「でもなんでウチの家のトイレにはいるのさ」


大脳「申し訳ないでヤンス」


 トイレの中の大脳が口を開きました。


 大脳は、かなり前から即身仏のことを決意していて、その準備を進めてきていたそうです。


「五穀断ち」「十穀断ち」を終えたところで、大脳は即身仏のことを家族に話したそうなんですが、家族は猛反対。


 大沼家のトイレに立て篭もったのは、両親に認めさせるためだとか。


大脳「両親がどうしても反対するのなら、ネットで調べて作った『周囲5キロ以内の生き物という生き物が死滅し、10年間、草木一本生えなくなっちゃうガス』で自爆する覚悟もできているでヤンス」


ヒロシ「通報! 母さん警察呼んでー!」
 通報で駆けつけた警官から、マルぼんたちは思いもよらぬ事実を聞かされました。


 大脳が大沼家のトイレに立て篭もったのとほぼ同時刻、町の各地で世を儚む系小学生が「即身仏になる」と立て篭もる騒動が同時多発しているというのです。


 そんな時、ヒロシのクラスの連絡網から新しい事件の一報がはいりました。


 ヒロシの同級生の中でも、フトシ君や炭水化物山くんといった、学校のよく言えばポッチャリ型、悪く言えばデブ、もっと悪くいえば生活習慣病直前な連中が、刃物片手に給食室に立て篭もったというのです。


 彼らは給食の残りを食べ散らしながら、教師や家族の説得に耳を貸そうとしないとのこと。


 町の各地で即身仏事件を起こしているのは、大脳と同タイプの「勉強はできる」ガリ勉タイプのこどもたちであるということが判明しました。


 即身仏になろうとするガリ勉たちと、給食室に立て篭もるデブたち……2つの事件は、なぜ同時に起こっているのでしょうか。マルぼんは必死で考えてみましたが、さっぱりわかりませんでした。


 ガリ勉たちとデブたち。共通点もあるとは思えません。


ヒロシ「しかし迷惑な連中だよね。ヤツらのせいで、来月開催予定の運動会は中止らしいよ」


 運動会? 中止?


 ……ガリ勉は運動が苦手、デブも運動は苦手。


 まさか。


 給食室に立て篭もったデブたち(突入した機動隊によって全員逮捕。動機は「腹いっぱいたべたかった」)のせいで、「即身仏になるとか言っている連中は、運動会をサボりたいだけ」ということになり、周りの人たちも「なりたきゃなれよ、即身仏」といった感じで、大脳たちのテンションも下がりっぱなし。


 我が子に失望した親御さん達も子供たちの即身仏化をあっさりと了承し、「それならば」と町も動き出しました。


 町役場の前にアリの飼育セットの巨大なヤツを建設して、即身仏志望の皆サマに入ってもらい「リアルタイム即身成仏の見れる町」として、町の観光名所にすることにしたようです。


 さっきマルぼんも見てきたんですが、大脳たちも「もう止めたい」「助けて。マジで」と照れ隠しなどしていましたが、望みがかなって嬉しそうでした。

日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「そんな2人の日曜日」の巻
 今日はみんな(マルぼん除く)で金歯の家に遊びに行きました。金歯の家にはシャーマンをやっている従兄弟が来ていて、金歯は彼のことをやたらと自慢してきます。


金歯「僕の従兄弟、救いの神さまを召喚する事ができるんだ」


ナウマン象「本当かよ~」


金歯「本当さ。さぁ、シャーマン。みんなに神さまを召喚してあげて」


従兄弟「ウンババ~(考えに考え抜いた呪文)! はっ!」


神「こんにちは」


ナウマン象「すげえ! なんか心がスっとした!」


ルナちゃん「私はなんてちっぽけなことで悩んでいたのかしら!」


金歯「これが救いというものだね。ムヒョー」


ヒロシ「ぼ、僕も僕も! はやく僕にも救いの手を差し伸べて!」


金歯「ごめん。この神は3人用なんだ。ヒロシの分の救いはないよ」


ナウマン象「ヒロシはもう帰れよ。ああ、もっと光を~」


ルナちゃん「ヒロシくんはもう帰ったら? 主よぉ私は浄化してぇ」


 ヒロシは泣きながら金歯の家を飛び出しました。金歯のいじわるで、ヒロシは愛憎や欲望が入り乱れた混沌の21世紀をなんの救いもなく生きていくハメになったのです。こうなったら頼れるのマルぼんしかいません。


 家に帰り「僕の魂を救済してくれる神さま出して~」とマルぼんに泣きついてみると、マルぼんは読んでいた漫画から視線を外す事なく、無言でなにやら豆のようなものをヒロシに渡してきました。説明書によると「ヤオヨロ豆」という機密道具だそうで、これを食べると世界中のあらゆる神からランダムで選ばれた1人が出現し、ひとつだけ願いかなえてくれる道具だとか。


 ようするに「これで魂であろうがなんであろうが好きなだけ救ってもらえ!」ということのようです。


 ヒロシは早速「ヤオヨロ豆」を飲み「神こい神こい」とひたすら念じつづけました。そうこうするうちに小1時間。部屋に煙が充満したかと思うと、中から絶世の美女の顔が浮かび上がってきたのです。女神! 女神ですー!




「僕と一緒になって下さい」。


「救ってください!」と言わなくちゃいけないのに、気づくとヒロシはこう言っていました。女神さまの美しい顔を見た瞬間「同棲開始→未来の怪生物追放→桃色同居生活」という未来予想図が脳内で構築され、口が勝手に動いていたのです。


「OKですよ」。あっさり承諾してくれる女神さま。ああ、女神さま。女神さま! これで明日からこのブログも「女神さまと暮らす」にサイト名変更ですよ! マルぼん? 死ねよ。


「それじゃあお邪魔しますよ」と言いながら煙のなかからでてきた女神さまは、頭部だけでした。正確に言うと、頭部に蛇の尻尾がついているだけの「巨大人面オタマジャクシ」としか形容できない存在でした。まるで邪神のようです……。崩れ行くヒロシの脳内未来予想図。ヒロシが呆然としていると、異変は起こりました。


煙が充満して振り向こうともしなかったマルぼんが、気づくと石化していました。


テレビやらパソコンやら電化製品が勝手についたり消えたりします。


雲ひとつなかった青空を、黒い雲が包み「ゴロゴロ…」と雷が。


「キャー! 突然町中の女性が妊娠したー!」
外から聞こえるとても説明的な叫び声1。


「キャー! 突然町中の動物が性転換したー!」
外から聞こえるとても説明的な叫び声2。


「キャー! マリア象が目から血の涙をながしたー!」
外から聞こえるとても説明的な叫び声3。


「キャー! 終末時計が一気に3分進んだー!」外から聞こえるとても説明的な叫び声4。


「キャー! 実はノストラダムスの例の予言が示す日が今日ということが唐突に判明したー!」外から聞こえるとても説明的な叫び声5。


 どう贔屓目にみても、邪神のようです。いろいろめんどくさくなったので、ヒロシは寝ました。


 翌朝。朝ご飯を食べようと台所へ行ったら、お母さんが赤ん坊になっていました。昨日、降臨した邪神ちゃんは、ヒロシの行くところ行くところについてきては災厄をばら撒いているので、そのせいだと思います。


「ごはんできましたよ、ヒロシさん」。台所のテーブルには、頭と尻尾だけでどう作ったのか、邪神ちゃんの作った朝食が並んでいました。一見普通の和食ですが、実際は「知能を持った焼き魚の活け造り(焼かれているけど生きていて、そのずば抜けた頭脳を活かして『熱い…熱いよぉ』『早く殺して!』『人間のすることか』と苦しみや憎しみを訴えてくる)」とか邪神っぽいものだったのでヘコみました。


 頼みの綱の自称「未来の世界からやって来た素敵な素敵なお友達」は昨日から石化したままで何の役にも立たないので、現状を打破する手段がありません。そうこうしているうちに学校がはじまる時間。今日はテストがあるので、さらにへコんでしまうのヒロシなのでした……


「テスト、イヤですか?」。登校途中、当然のようについてきた邪神ちゃんが言いました。「そりゃそうさ」とヒロシが答えると邪神ちゃんはどこかへと飛んでいってしまいました。 学校につくと先生や生徒たちが倒れていました。みんな皮膚が黒くなり苦しそうです。


「なんかペストが発生したらしいからしばらく学校閉鎖らしいわよ」
近くにいたルナちゃんが言いました。


「今日の給食、プリンがあったんだけど残念だ」
ナウマン象が残念そうに言いました。


「うちにペストのワクチンがあるから、みんなおいでよ。あ、3人分しかないからヒロシは遠慮しろよ」
金歯が言いました。


 去っていく3人の後姿を見つめていると、いつのまにか近くに邪神ちゃんが存在していました。「これで学校休みですね。テストもありませんね」。全ては邪神ちゃんの思いやりの賜物だったのです。思わず胸が「キュン♪」としてしまったヒロシは、無言で邪神ちゃんを抱きしめてしまいました。邪神ちゃんとひっついた部分の皮膚が煙をだしてただれはじめましたが、ヒロシは邪神ちゃんをより強く抱きしめるのでした。


 翌朝。昨日のことがあったせいか、照れくさくて邪神ちゃんをまともに見ることのできないヒロシです。邪神ちゃんも照れくさいらしく、ヒロシと目が合うと顔を赤らめてどこかへ飛んでいってしまいます。そとから爆音と悲鳴がしましたが無視、無視、無視。



 石になった自称「未来の世界からやって来た素敵な素敵なお友達」は河原に、赤ん坊になってしまったお母さんは教会の前にそれぞれ放置してきたので、家はヒロシと邪神ちゃんの2人きり。この状況も照れをレベルアップを助長している様子。


 ヒロシとしてはもっともっと邪神ちゃんとスキンシップを測りたいのですが、がんばって話しかけてみても「義理とはいえアナタなんてお兄ちゃんなんて認めないもん!」とか「許婚なんて親が勝手に決めただけよ」とか言ってすぐにはぐらかされてしまいます。


「ひょっとしたら嫌われたのかも」とヒロシが落ち込んでいると、ふいに右の掌に激痛がはしりました。見てみると掌に傷ができ、そこから流れる血はまるで文字のようで「ゴメンネ」と読み取れました。どうやら、奥手な邪神ちゃんの精一杯の意思伝達手段のようです。


 ヒロシがあさっての方向を向いたままの邪神ちゃんに「気にしてないよ」と言うと、今度は左の掌に激痛・出血。血は「アリガトウ、ダイスキ」という文字の形。


 ヒロシがあさっての方向を向いたままの邪神ちゃんに「僕もだよ」と言うと、今度は右足に激痛・出血。血は「ウレシイ」という文字の形。


 ヒロシがあさっての方向を向いたままの邪神ちゃんに「僕もうれしい」と言うと、今度は左足に(以下略)。


 こんな感じで一日中邪神ちゃんと言葉と血文字のキャッチボールに興じていると、ヒロシはあることに気づきました。立っていると頭がフラフラし、気を失いそうになるのです。恋です。恋にちがいありません。ヒロシはきっと、邪神ちゃんに恋をしているのです。

 恋に生きる毎日とは、たとえそれが平凡でも素晴らしいものだと思います。今日もヒロシは邪神ちゃんとの蜜月を楽しみにしつつ、いつものメンバーと登校です。



ルナちゃん「親戚のおばさん、生れてきた子供にツノとか尻尾とか生えていたんですって」


ナウマン象「俺の姉ちゃんは生れてきた子供が光の速さで成長し、すでに老衰で危篤状態なんだ」


金歯「ウチのメイドは生れてきた子供の第一声が『生んでくれって誰が頼んだ』だったそうでおじゃる」

 平凡。平凡。本当に平凡な毎日。邪神ちゃんの影響で、少しファンタスティックになっている気もなきにしもあらずですが、なんの変哲もない平凡な1日最高。


ルナちゃん「そういえば、隣の未亡人は生れてきた子供が豚だったって。最近はヘンなことが多いよね。」


ナウマン象「知り合いの釈迦族の王様は、生れてきた子供がいきなり『天井天下唯我独尊』と言ったかと思うと、東門から出ると哀れな姿の老人に、南門から出ると病人に、西門から出ると死人に、北門から出ると修行者にそれぞれ出会い、生老病死から救われたい一心で、女房子供を捨てて出家したらしいよ」


金歯「そういえば某国の軍のお偉いさんをやっている叔父さんに聞いたんだけど、ペストの蔓延を防ぐため、この町がミサイルの標的になっているんだってー」


ナウマン象「へー」


ルナちゃん「某国ってば、だいたーん」


金歯「でさ、ウチの家、新しいシェルター造ったんだけど、今からみんなで入りにこない? あ、シェルターは3人用だから、
ヒロシの分はないよ」


 某国のミサイルが我が町に飛んでくるとか飛んでこないとかでヤバい状況です。ヒロシはいっそのこと邪神ちゃんと
悲しみも苦しみもない幸せな空想の世界へでも旅立とうかと思いはじめていると


マルぼん「なにを困っているんだい、ヒロシくん」


 いつのまにか元に戻り、家にも戻ってきていたマルぼんが事情を訊ねてきました。
ヒロシがこの状況にいたるまでの経緯とミサイルの標的になっているという現状を説明すると、
マルぼんはニタリと笑うと「良い道具がある」となにやらスイッチのようなものを取り出してきました。


ヒロシ「これは……まさか迎撃ミサイルの発射スイッチ!? これで飛んでくるミサイルをちぎっては投げちぎっては投げするんだね!」


マルぼん「こんなこともあろうかと、世界の主要都市にしかけておいた自爆装置の起動スイッチさ。一斉に爆発すると、地球上の生物という生物を死滅させ、向こう千年草木1本生えない状態にする威力があるんだ。へ、へへ……マ、マルぼんたちだけ死んでたまるかっての。人類皆兄弟。地球家族。みんな死ぬ時は一緒ー! ウヒャーッハハハハハハハハハハハハハ!」


 どうやらマルぼんはミサイル襲来という現実を直視できず、復帰早々、一足先に「悲しみも苦しみもない幸せな空想の世界」へ旅立ってしまったようです。


「ミサイル発射されたって。あと2時間で着弾。ヒロシもはやくシェルターに入りなよ。あ、シェルターなんてないか(笑)」こんなメールが金歯から届き、いよいよ終末の時は近づいているようです。


邪神ちゃん「あきらめないで……」


 沈黙を保っていた邪神ちゃんが、そう呟いて飛んで行きました。

 飛んでいった邪神ちゃんは、その命をエネルギーを力に変えて、ミサイルと某国を消滅させたのでした。


「悲しまないで……私はアナタの中で生きているの」。邪神ちゃんのそんな声が、聞こえた気がしました。


 そう。そうなんです。邪神ちゃんは死んだワケではなく、ヒロシの中で生きているのです。生き続けていくのです。
ヒロシは邪神ちゃんに笑われないために、立派な大人になる決意をしました。


ルナちゃん「あれ、ヒロシくん。なんかお腹大きくない?」


ナウマン象「本当だ。弟が生れる寸前のウチの母ちゃんみたい」


大脳「これは…(聴診器で僕のお腹を調べつつ)。ヒロシのなかで新しい命が息づいているでヤンス! あっしの診たてでは、あと1時間くらいで腹をブチやぶって誕生するでヤンス! 生命の神秘でヤンスー!」


 邪神ちゃんは、文字通りヒロシの中で生きていたのでした。めでたしめでたし。





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「おまけのうどん子ちゃん!」の巻
マルぼん「ういー。ジャンクフード(塩分盛りだくさん)とジュース(砂糖盛りだくさん)買ってきたぞー」


ヒロシ「てめえクズか? この菓子もこのジュースも、なんのオマケもついてねえだろ。オマケのついていねえ菓子なんてクズなのだよ! 理解できてるの!? 屑」


マルぼん「な、なんだと! なんだとー!?」


ヒロシ「実際、機密道具というオマケのないマルぼんなんて、たんなるやっかいものだろ」


マルぼん「ワ! すごい説得力!」


 結局説得されたマルぼんは、色々なものにオマケ(利子)をつけることができる機密道具を用意することになったのです。


マルぼん「『オマケ石』。たとえばこの石をママさんに持たせて出かけてもらう。すると、帰ってきたとき、ママさんはオマケ…つまりお土産を持っている」


ヒロシ「母さん、たしか今日出かけるハズだし、この石を持っていってもらおう」


 こうして『オマケ石』を持って出かけていったママさん。数時間後、ママさんは帰ってきましたが、お土産なんて持っていませんでした。


ヒロシ「とんだ食わせ物だよ、この宿六は!」


マルぼん「ごめんなさい。ごめんなさい!」


 折檻を受けるマルぼん。『オマケ石』の効果が絶大であることは、十月十日後に判明するのでした。



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「さよなら僕の幽霊」の巻
ヒロシ「ルナちゃんと僕の結婚式が昨日、僕の妄想の中で行われました。妄想とはいえ契りあった2人。現実にもある程度の進展があってもよいものではありませんでしょうか。というわけで、未来に残そうよ! 2人の愛の結晶!」


ルナちゃん「サイコ野郎、切実にうざい。私は今から、クラス一の天才・槍杉さんの絶対音感を堪能しに行くから放っておいて。というかヒロシさん、『ルナちゃんの半径300メートル以内に近づいたら一族郎党全員宦官になる』という判決が下りているはずよ。じゃあね」


ヒロシ「ぜぜぜぜぜ絶対音感。い、今もてるのは絶対音感ですか」

 
 以上のようなことがあり、ヒロシは帰るなり「絶対音感になれる道具だして」と泣きついてきました。自分なりに色々やったのか、耳から血が。


マルぼん「はい。『即席絶対音感発生マイクロチップ』。このマイクロチップを脳に埋め込むと、いつでもだれでもお気軽に絶対音感になれる。早速、埋め込み手術を開始しよう」


そして。


マルぼん「どうだい、ヒロシくん。絶対音感になった気分は」


ヒロシ「ふふふ。わかる。わかるよ。たとえば風の音がどんな音名なのか、わかるよ」


マルぼん「へえ。で、風はいったいどんな音なんだい?」


ヒロシ「ふふふ。聞いて驚くな。『エロ課長め、色目使いやがって』だ」


マルぼん「……」


ヒロシ「あ、この風は『あのクソ野郎ブチ殺してやる』。その風は『よい成績のとれないウチの息子。本当に俺の子か!?』。西から吹くこの風は『謝罪! 賠償!謝罪! 賠償!』」


 ヒロシのいつもよりハードな怪行動を不審に思ったマルぼんは、『即席絶対音感発生マイクロチップ』のパッケージを確認してみました。


 パッケージには『即席絶対音感発生マイクロチップ』ではなく『即席絶対怨感発生マイクロチップ』と書いていました。


 
『即席絶対怨感発生マイクロチップ』は、脳に埋め込むと世に溢れる怨念を聞くことができるようになる機密道具…


ヒロシ「このラジオのノイズは『なんで助けてくれなかったんです、先輩…』という音だ。うふうふ。うふふ」

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「きらめけ、二人の時」の巻
 学校へ行くと、ナウマン象が異様にやつれ果てていてビックリしたヒロシ。


 明らかに体が、おもに内蔵が、特に胃のあたりが悪そうだったので、心配したヒロシは「家族が妙にやさしいとか、そんなことない?」とそれとなく話を聞いてました。


 すると意外な事実が判明。


 どうやらナウマン象、好きな人がいて、その相手のことを思うと、眠れない上にごはんが喉を通らないそうなんです。


ヒロシ「肉と名がつくものなら、人肉だってたいらげるともっぱらの評判だったナウマン象がなあ」


 ナウマン象の恋愛話といえば、数日前、学級新聞で「メスゴリラと熱愛発覚」とか報じられていましたが、本人曰くそれは真っ赤な嘘で、きちんとした相手だとのこと。


 放課後、その好きな相手を紹介してくれるというので、ヒロシはナウマン象と一緒に下校することになりました


 二丁目のタバコ屋さんの角を曲がってすぐのところ。ほらあの人だよ、と言って、ナウマン象が赤面しながら指差したのは、犬でした。セントバーナードでした。


「三代目繁栄号男五郎丸種植って名前らしいんだ。子供が三頭もいるらしいんだけど、前の奥さんと死別したらしいの。結婚した時、あたいのことをママって呼んでくれるかな?」


 色々と突っ込みたいところはありましたが、とりあえずヒロシは、ナウマン象の性別と種族を越えた恋を応援する事にしました。応援すると決めたからにはなにかしてやるのが人の情、ということでヒロシはマルぼんにナウマン象のためになるイイ感じの機密道具を出すように詰め寄ってみました。事情はさして説明しないことにしました。頭が変と思われるだろうし。


 マルぼんは「どうせ女の子と付き合っても選択肢がないと会話もできないだろう。へへへ。」と変な勘違いをしていましたが、ヒロシが刃物をちらつかせながら事情を説明したら、「ぼっちゃん許してください」とすぐにわかってくれました。


 そんなわけでマルぼんが出してくれたのは『死愛(しあい)』という道具。


『死愛』は、恐怖心からくる心臓の鼓動を近くにいる異性への恋心と脳が勘違いしてしまうという『釣り橋効果』を科学的に分析し実用できるようにした機密道具らしいです。

 シール型になっている『死愛』をつけられた人は、感じた恐怖心を近くにいる異性への恋心に強制変換され、感じた恐怖心が強ければ強いほど、恋心も強くなるとか。


 文字通り死ぬくらい怖い目にあったら、一緒の墓で永眠できるどころか、来世も一緒になれるくらいの愛をゲットできるのだそうです。


 その効果に半信半疑だったヒロシは、隙をついてマルぼんに『死愛』を貼りつけ「さっきマルぼんが飲んだお茶に、農薬をたらふくいれといたんだけど」と嘘をついてみました。


 マルぼんは涙をダラダラながして「散々尽くしてきた結果がこれかー!」とか「おかーさーん」とか叫んでいましたが、次第に頬を赤く染めて「ね、ねえ。ヒロシくんはやっぱり、ルナちゃんのこと、好き、なのかな?」「ヒロシのくんの隣に、マルぼんの居場所があったらいいな」「ン~(目閉じて唇を突き出してくる)」とか言いながら、ヒロシの膝をイヤらしい手つきでさすったりしてきました。


 その後も、マルぼんはヒロシが入った直後のトイレに長時間立て篭もったりしていたので、『死愛』の効果は不快になるほど絶大なようです。


 その効果が十分に確認された『死愛』を、ヒロシはナウマン象にプレゼントしました。


 説明を聞いたナウマン象は「恐怖心をあたえまくちゃうわよー」と大喜びで、三代目繁栄号男五郎丸種植さん(セントバーナード。三頭の小犬の父犬)の元に向かったのです。


 しばらくすると、ナウマン象から泣き言の電話がかかってきました。


「いままでガキ大将として周辺の子供たちに恐怖をあたてきたあたいだけど、いざ好きな人の前になると、どうすればいいかわからないの。おねがい、ヒロシ! あたいに、恐怖というものを教えて頂戴!」


 ヒロシは、僕自身が怖いと感じることばを思いつく限りナウマン象(心は乙女)に教えてあげました。


「僕らの町に〇〇はいらなーい! 〇〇はでていけー!」


 三代目繁栄号男五郎丸種植さんの前で、昨日ヒロシの教えた「危険な言葉(〇〇の部分は危険なので、マルぼんと相談の末、本気で自主規制)」を叫びながら、『建設反対』とかかれたプラカードを掲げ、「これ、読んで下さい!」と〇〇に関する有害性(独自調べ)がたくさん書かれたビラを通行人に手渡しているナウマン象。


 見ているこちらが怖くなる、このブログ的にも危険な運動です。


「一部役人の利潤のために〇〇を建設するなんて許せない! でていけーでていけー!」


 必死に運動するナウマン象ですが、性別と種族の壁の悲しさか、三代目繁栄号男五郎丸種植さんにはまるで通じていない様子で、三代目繁栄号男五郎丸種植さんは寝転んでアクビなどしています。


 やがて、三代目繁栄号男五郎丸種植さんの飼い主あたりの通報を受けたのか、警察が駆けつけ、ナウマン象をパトカーに乗せて連行していってしまいました。


 なぜか警察署とは正反対の方向に走り去っていったそのパトカーは、心なしか他のパトカーとは姿かたちが違っているように見えました。


 さらによく目を凝らしてみると、パトカーもどきには「○○のマーク」がくっきりと刻まれているではありませんか。


 もしその時のヒロシが『死愛』をつけていたら、速攻で近くを歩いていたおばあさんとかに惚れていたかと思います。 




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「マルぼん過労死」の巻
 
 昨日、マルぼんが吐血して倒れました。


 血は緑色でなにやらドス黒い煙を出していて気持ち悪いことこの上ないのですが、ナイチンゲールの再来を自称するヒロシは、学校の授業で習った応急手当を、覚えている範囲(「大丈夫ですか。意識はありますか」と話しかける、のみ)で実施。だいたい4時間強続けましたが、マルぼんの意識は戻りませんでした。


 せっかく来てくれた救急車も、マルぼんを乗せた瞬間に乗務員の方が泡を吹いて倒れてしまって役にたたなかったので、背負って近場の病院へ。


 お医者様は「(人間かどうかさっぱりわかんねえ生物もってくんな。ボケ。こんなの分かるわけねえよ。適当でいいや、適当で)過労ですね。安静にしてください」と診断してくれたので、とりあえず一安心。


 さきほどヘトヘトになって帰宅したヒロシですが、放置していたマルぼんの血から出火。家が灰になっていました。幸いにもパパさんは彼女と、ママさんは彼氏と、ペットのジョン(人間)はどこかの馬の骨と外出していたので無事でした。諸事情で、生まれてから十年間ほど地下の座敷牢に監禁されていたヒロシの双子の兄もいなくなっていたのでたぶん無事。外れることのない鉄仮面を被り、足には鉄球がつけられています。目撃されたかたは、ぜひご一報を。

 
 翌日。現代医学の進歩のおかげでしょうか、入院したばかりのマルぼんは、もう退院が認められました。意識も戻っていないのに。


 お医者さんも「とっとと帰ってくれ! 二度とこないでくれ!」と太鼓判を押してくれました。


 ヒロシはマルぼんを背負い、仮住まいである親戚の家へ行くことに。


 忙しいのか、看護師さんによるお見送りなんかはなく、少しさみしい気分。


 そういえば、さっき病院の前を通りかかったんですけど、宇宙服みたいなのを着た謎の人らによって完全封鎖されて立ち入り禁止になっていましたよ。


 なんでも「現代医学からは考えられない未知のウイルスによる院内感染」が起こったとか。怖い怖い。


 ところで、ヒロシの腕に怪しげなブツブツがたくさんできているんですけど、なんなんでしょうね。


 退院したマルぼんですが、車イスに乗ったままピクリとも動かず、時折「あ、妖精さんだ。出動を要請~」とか、「おかあさんオバケを生まないで」とか、「オッス! オラ……オラ……オラ誰だ!? なぜここにいるんだ。なぜ生きているんだ。若さ、若さってなんだ!?」とか、「世界から夢がなくなったら、ミミンキーモモが死ぬ。そしておまえも死ぬ」とか、「月へお嫁にいきたいりゅん!」とか言うだけの、生ける屍と化してしまいました。


 なんとかしたいと思ったヒロシは、同級生の闇医者に相談してみました。


闇医者「過労やから、温泉でも行けば治るやろ」


ヒロシ「温泉!」


 温泉に行かせてやろうにも、ヒロシは親戚の叔母さん宅にやっかいになっている身分。さきだつものがありません。


 崩壊した我が家にかけられていた保険金を使うわけにもいかず、万事休す。


 と思いきや、叔母さんの家の仏壇から偶然に、まちがいなく偶然に、胸をはって言えるほど偶然に、まるで漫画みたいに偶然に、天文学的数字な低確率で発生した奇跡としか思えないほど偶然に、事実は小説より奇なりという言葉を地でいくほど偶然に、結構な大金を発見したんです。


 というわけで、今日からマルぼんは温泉へ。愛人のナタリアも一緒です。


 出かける先、マルぼんは僕にスイッチのようなものを手渡してきてこういいました。


「このスイッチを押したら、マルぼんはどこにいても駆けつける。まぁ、義務だし。仕事だし。我慢できなくなったら押してくれ。でも、できれば押してほしくないなぁ。せっかくの旅行だし。というか、押すな。押したら腕の一本や二本や三本は覚悟しとけよ? 将来、子供ができたとき、羽とか尻尾とか生えているのも覚悟しとけよ? あん? わかってんのか? ああん? 返事をしろや、このときめききらめきクレイジーボーイ!」


 まぁ、できるだけスイッチは押さないように努力してみようと思います。


 そんな矢先、部屋にゴキブリが。

































 マルぼんの休日は、1分くらいで終了しました。完。


日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)