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大沼ヒロシ

Author:大沼ヒロシ
大沼ヒロシと申します。ブログはじめたての初心者です。どうぞよろしく。

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「諸事情で今日はお花見の話をしたいと思います」『おい。事情ってなんだよ』「……話せません」『いやだね。事情を話すまで、今日のマルぼんと暮らすは始めさせないよ』「お願いです。お願いですから事情は、事情だけは」
ヒロシ「ひゃっほうー! 今日は花見だぜえ!」


マルぼん「町長の体調がすぐれないから、今年は『花見をした者は処刑』だってさ。桜も、特殊な薬品(人体に触れたら光の速さで大学病院へ行かねばならぬ類)で咲かないようにされたよ」


ヒロシ「そ、そんな! そんなー! いやだ、いやだ。処刑されてもいいから花見をしよう!」


マルぼん「花見するにしても、桜が咲いていないんだって」


ヒロシ「それをなんとかするのが、貴様の役割であろう。だせよ、ご自慢の道具ってやつをよー」


マルぼん「『春まさかり』。このまさかりで傷をつけられた植物は、たとえ今が夏であろうが冬であろうが『今は春まっさかりだ』と勘違いし、花を咲かす」


 ヒロシは「春まさかり」を持つと外へと飛び出して行きました。咲かなくなった町内の桜の木に、春を取り戻すために。



警官A「きみ! そこのきみ! まさかりを、そんな凶器を持ってどこへ行くんだ」


ヒロシ「春を取り戻すため、公園へ。僕は春の使者なのですー」


警官B「取り押さえろー!」


ヒロシ「はなしぇーはなしぇー余は春の使者であるぞー」


警官A「やれやれなんとか取り押さえることができたか。しかし最近、こういう輩が増えたなぁ」


警官B「春だしな」


 マルぼんはヒロシまで春まっさかりにしてしまった「春まさかり」の効果は絶大だと思いました。




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日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「ツッコミ名人・金歯」の巻
ナウマン象「俺は将来、夜空に輝くお星様になるんだ。そして60億の人類を宇宙から見守るんだ」


金歯「へえ」


ナウマン象「……」


金歯「どうしたでおじゃるか」


ナウマン象「今すぐ俺の目の前から、去れ! その汚い顔を二度と見せるな!」


金歯「ええー!?」


 そんなわけで、典型的なガキ大将と腰ぎんちゃくの関係だったナウマン象と金歯がついに破局しました。


金歯「意味がわからないでおじゃる。ナウマン象の珍妙な話に相槌をうっただけで、コンビ解消だなんて」


マルぼん「きっとだね、ナウマン象はキミにツッコミを入れてほしかったんだよ」


金歯「ツッコミ、でおじゃるか?」


マルぼん「世に、星の数ほど『ガキ大将とその腰ぎんちゃくコンビ』はある。ガキ大将と腰ぎんちゃくを養成する専門学校もあるくらいだ。そのコンビたちの頂点にたつのは、もちろん、某歌手志望のガキ大将とその腰ぎんちゃくのコンビ。その頂点コンビに勝るとも劣らないコンビがあるのをご存知か」


金歯「知らぬ」


マルぼん「八百屋の1人息子のガキ大将とその腰ぎんちゃくのコンビなのじゃ。このガキ大将は、ことあるごとに野菜ネタでボケをかまし、腰ぎんちゃくはすかさずそのボケにツッコミを入れていたのじゃよ。このやりとりは本当におもしろくて、このコンビは主人公を凌ぐ人気と存在感を手に入れていたんだよ。ナウマン象は、キミと2人で、このコンビのような『ボケとツッコミ』の関係になりたかったでないかの」


金歯「そうだったのでおじゃるか。ナウマン象のやろう、水臭い……素直に『僕にツッコミを入れてください。別の意味での突っ込みもいれてください。そして末永く愛してください』と言えばいいのに」


マルぼん「それができないのがナウマン象ってやつなのじゃよ」


金歯「朕は、ぜひともナウマン象の思いに答えてやりたいのでおじゃるが、残念ながら笑いのセンスは皆無。ナウマン象がボケても、それにすぐさまツッコミを入れることができるかどうか……」


マルぼん「そんな時のために、機密道具さ。『ツッコ実』。この実を煎じて服用すれば、おかしいところ、おもしろいところに出くわしたとき、体が自動的にツッコミを入れるようになる」


 金歯は『ツッコ実』を煎じて飲むと、「待っていろナウマン象」と、外へととび出しました。


「きゃー通り魔よー」


 死んだ魚のような目をし、首のあたりに蝶ネクタイをつけている以外はほぼ生まれたままの姿の男が、ナタを持ち、「おでは勇者だどぉ」とか叫びながら、道を歩いていました。逃げ惑う通行人たち。


「朕も逃げないと」と思う金歯でしたが、体が勝手に動き、男に近づいていきます。


金歯「なんで全裸に蝶ネクタイやねん!」


 金歯が右手で男にツッコミを入れたのと、男がナタを振り上げたのは同時でした。


 マルぼんは、社会的におかしいところにもツッコミを入れる『ツッコ実』の効果は絶大だと思いました。




日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「虫けら帽子 その5 完結編」の巻
『虫けら帽子』の故障により、いるだけでまわりにキカイな現象を巻き起こす存在となってしまった僕。


テレビの中から美少女が出てきて「結婚して!」


パソコンのモニターから美少女が出てきて「結婚して!」


見覚えのない幼なじみが朝迎えに来て「結婚して!」


壁のシミが女の顔になって「結婚して!」


 僕はまだ人生の墓場には行きたくはないので、当然のようにマルぼんに助けを求めました。


マルぼん「故障とかはどうにもならないから、専門家を呼ぶよ」


 マルぼんが携帯でどこかへ連絡すると、宇宙服のようなものに身を包んだ一団が部屋へとズカズカと入り込み、怪しげなカプセルのようなもに僕を押し込めようとします。


マルぼん「その国の人は色々と研究熱心だから……きっと助かるよ…うん。助かる」


 宇宙服の一人から貰った現金を数えながら、つぶやくマルぼん。


 その後もなにやらブツブツ呟いていたようですが、僕はカプセルの中に完全に入ってしまっていたので、よく聞き取れませんでした。


 でも僕は、僕のことを第一に考えて専門家を呼んでくれたマルぼんへの感謝の気持ちを隠すことができませんでした。


 ありがとうマルぼん! キミにあえてよかった! 僕の財産は全てマルぼんにあげますー!


 ※ここ数日の日記は、ヒロシが書きかけで残したものと実際に起こった事実を元に、マルぼんが書いたものです。
ヒロシの独白部分など、マルぼんが「こうだろうなぁ」と適当に想像して書いた部分が多々ありますが、ご了承ください




日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「虫けら帽子 その4」の巻
 ハードディスクを取り返しナウマン象の家から凱旋帰宅する僕でしたが、その帰りの道ですごいことに気づきました。


 ナウマン象に殴られたショックで『虫けら帽子』の効力調節機能が壊れ、効力を下げることができなくなったのです。しかも、深く被りすぎて脱ぐ事もできない始末。


 僕は『近くにいるだけで不快極まりない気分になる、この世の醜さという醜さが全て集まった存在』になっているので、通行人のみなさんが次々と苦しみ始めます。


 発作的に舌を噛み切ろうとする人まで現われたので、あせった僕は壊れている効力調節スイッチをとにかく無我夢中でいじり続けました。


 すると、上手い具合にいったようで、苦しんでいた人々は持ち直し、なんとか最悪の事態を避けることができたのです。


 そのかわりか、やたらと変なことが多くおき始めました。


 公園の桜が、僕が近くを通っただけで満開になりました。


 野良猫が突然しゃべりはじめました。


 登校途中にぶつかった高校生と女子高生の人格が入れ替わりました。


 すれちがった子供が一瞬で老人になってました。


 帽子を深く被った人と出会い頭にぶつかったと思ったら、それは仕事の多さに嫌気がさしてコンサート会場から逃げ出してきた人気アイドルで、ひょんなことから僕と彼女のプチ「ローマの休日」が始まったりしました。


 すれ違った妊婦が突然出産しました。


 生まれた子供には角とか尻尾とか翼とか生えてました。


 どうやら僕は『近くにいるだけで不快極まりない気分になる、この世の醜さという醜さが全て集まった存在』ではなくなったようですが、それすらも超えたよく分からない存在になってしまったようです。


『虫けら帽子』の効果は、ちょっと行き過ぎのようです。




日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「虫けら帽子 その3」の巻
 僕はあっという間にナウマン象宅に辿り付き、黙ってナウマン象の家へと入りました。


 虫けら以下の存在になっている僕にナウマン象は気づいていたようですが、例のごとく僕の存在を無視。


 これ幸い、と僕はナウマン象のパソコンに接続されているハードディスクに手をかけました。


ナウマン象「なにをしやがる! 虫けら野郎!」


 突然ナウマン象大激怒。『虫けら帽子』は虫けら以下の価値になるだけで、透明人間になっているわけではないようです。ナウマン象はマウントポジションをとると、僕を殴り始めました。


僕「堪忍してけろ! 堪忍してけろー!」

ナウマン象「この虫けら野郎! ゴミ野郎! 人間のクズー! 変な帽子を被りやがって!」


 ナウマン象は僕の被っていた『虫けら帽子』に手を触れました。すると……


ナウマン象「うっううっ!」


 突然苦しみだすナウマン象。


ナウマン象「く、くるな! それ以上近寄るなぁ!」


 ナウマン象は『虫けら帽子』の効力調節スイッチに触れてしまったようです。効力がアップした『虫けら帽子』で、僕は『虫けら以下』の存在を遥かに越えた『近くにいるだけで不快極まりない気分になる、この世の醜さという醜さが全て集まった存在』になってしまったようです。


ナウマン象「んキャー!」


 僕の存在に耐え切れなくなったナウマン象は、発作的に2階の窓から外へと飛び降りました。


 こうして僕は、ハードディスクを奪還することができました。


『虫けら帽子』の効果は、言わずもがな絶大のようです。




日記 | 19:00:09 | Trackback(0) | Comments(0)
「虫けら帽子 その2」の巻
『虫けら帽子』を被った僕はハードディスクを取り返すべく、さっそく外へと飛び出しました。


 途中遭遇したナウマン象配下のチンピラたちは、僕を見ても目を合わせようとせず顔をそむけて近付いてきません。


 何人かは「虫けらが」と、僕に因縁をふっかけてきましたが、『虫けら帽子』の効力をあげてやると、顔をゆがめて遠ざかっていきます。


 近くにいたおばさんたちが、僕を見てヒソヒソ話をはじめました。


 僕が近くを通りかかった家の人が、速攻で窓を閉めました。


 子供連れの女性が、僕から子供を庇うような仕草をしました。


『虫けら帽子』の効果は、やはり絶大のようです。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「虫けら帽子 その1」の巻
 みなさんこんにちは。僕、ヒロシです。この間、せっせと貯めたお小遣いで買った外付けハードディスクをナウマン象に奪われてしまいました。


「これでアレもコレも落とし放題だ。ゲヘへ」と下卑た笑いを浮かべるナウマン象に、「まだP2Pとかやってるの。バカじゃないの。早く来てくれ京都府警ー!!」と叫びながら果敢に挑んだのですが、ナウマン象は強い上に、やつに忠誠を誓うチンピラ小学生もたくさんいます。チンピラ小学生のうち、ナイフ使いと手斧使いはなんとか倒しましたが、核ミサイル使いには惜しくも敗れてしまった僕。 おもわぬ抵抗に怒ったナウマン象は、配下のチンピラに僕に止めをさすよう命じたのですが、僕はなんとか逃げ出すことができたのです。


 家に帰った僕は、マルぼんにハードディスクを取り戻してくれるように頼みました。


 するとマルぼんは、ひとつの機密道具を貸してくれたんです。


マルぼん「はい『虫けら帽子』。これを被った人は、周りの人にとって虫けら以下の価値になって、見向きもされなくなる。効力の調整機能もついているよ。これを被ったら、ナウマン象たちも君を無視するようになるから、安全に取り返しにいける」


 僕は『虫けら帽子』を受け取ると、早速装着してみました。するとその瞬間、マルぼんの態度がみょうに余所余所しくなりました。


マルぼん「……」

僕「マルぼん?」

マルぼん「……」

僕「どうしたのさ?」

マルぼん「……」

僕「マルぼ……」

マルぼん「うっさい! 近寄るなゴキブリ野郎!」


『虫けら帽子』の効果は絶大のようです。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「カレー」の巻
 今日は、ルナちゃんの手作り料理が振舞われる昼食会に参加しています!


ルナちゃん「さぁ、ルナちゃんカレーを召し上がれ!」


ヒロシ「おい、今、このカレーに近づこうとした猫が死んだぞ! 猫だけじゃない。犬も豚もマントヒヒもコモドドラゴンも、カレーに近づこうとしたら死んだ!!」


マルぼん「辛いんだ。とてつもなく辛いんだ、このカレー! 命をなくすほど!!」


ヒロシ「いやだよ、死にたくないよ、僕は。まだ若いんだ。夢も希望もあるんだ。でも、嫌われたくないよ、ルナちゃんに。
でも食べなきゃ嫌われる! 前に嫌われたときなんて、ルナちゃんてばヒロシという名札をつけた人形をナイフでズッタズタにしていたんだよ。それだけじゃない。北にヒロシという名のものあれば呪い、南にヒロシという名のものあれば不幸を願い、西にヒロシという名のものあれば葬式にお祝いのメッセージを送り、東にヒロシというものあれば勝手に婚姻届を出す。そんな嫌がらせをくりかえしているんだ! ルナちゃんに嫌われず、カレーを食っても死なない機密道具だして!」



マルぼん「『甘い汁』。この汁を飲んだら、どんなものでも甘く感じることができる」


ヒロシ「ぐびぐび。ぷはー。飲んだよ! さっそくカレーを食す! 甘い! そして美味い!」


ルナちゃん「喜んでいただけたようで、幸いだわー」


ヒロシ「ごちそうさま」


ルナちゃん「ところでね、ヒロシさん。今からね、とってもためになる、体が健康になったりお金が儲かったりするようになるお話の会があるの。ただ2時間、こちらの用意したヘッドギアをつけて、お話を聞くだけの会。なんの危険もない集まりなのよかったら来ない? きっと心が軽くなるわ。当然無料よ。あ、でも、『お金を払いたい』という気持ちになったら、払ってもいいの。どう、来ない?」


ヒロシ「マジで! 行くよ、いくいく!」


 説法会へ行ってしまったヒロシ。マルぼんは、ルナちゃんの言葉とヒロシの警戒心まで甘くしてしまった、『甘い汁』の効果は絶大だと思いました。




日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「諸事情で今日はひな祭りのおはなしです」の巻
 ルナちゃん宅で行われたひな祭りは無事に終了しました。


ルナちゃん「それもこれも、マルちゃんが貸してくれた未来の世界の雛人形のおかげよ。感謝感激あめあられ!」



 友人のメス犬やメス猫、メスゴリラやメスぶた、メス電柱、メス酸素やメス放射能にも喜んでいただいたルナちゃんは、嬉しさからか余ったひなあられをあたりに撒き散らしています。


マルぼん「そういってもらえるとありがたいです。うへへへいたいいたい。アラレをぶつけないでください。アラレを」



 宗教法人でしこたま儲け、毎日、炊きたての白米をたらふく食べているルナちゃんが、なぜわざわざマルぼんに……この薄汚いドブネズミめに雛人形を借りたのか。


ルナちゃん「金さえあればいくらでも豪華なひな人形は手に入るけど、時代はやはり珍しさ。未来の世界の雛人形なんて、誰も持っていないものね」


マルぼん「うへへへ。そうでガスね。うへへへ」


ルナちゃん「それにしても、美しい雛人形よね。もう少し飾っておきたいな」


マルぼん「それはやめておいたほうがよろしいかと」


ルナちゃん「どうして」


マルぼん「こいつは雛人形は雛人形でも、機密道具の雛人形なんですよ。『かたづけるのが遅くなればなるほど、婚期が遅れていく』という効果のある機密道具。あ、でも、効果はそれだけじゃなくて」


ルナちゃん「な、なんですってー」


 ルナちゃん、鬼の形相で雛人形を片付け始めます。その勢いはすさまじく、あっという間に片付け完了。


ルナちゃん「ふう。なんとか速攻で片付けが終わったわ」


マルぼん「片付けるの、早すぎです。こいつのもうひとつの効果は、『片付けるのが早ければ早いほど、婚期が早くなる』というものなんです。今のスピードじゃ、婚期がめちゃめちゃ早くなっていますよ。そうだなぁ、今日か明日くらいです」


ルナちゃん「私、まだ小学生よ。婚期が早くなっても、結婚なんてできないわ」


ヒロシ「ルナちゃん」


ルナちゃん「あ、ヒロシさん」


ヒロシ「これから、町役場で例のクジ引きをやるんだってさ」


ルナちゃん「あ、もうそんな時期なのね。そんな……」


 我が微笑町には鉱山がたくさんあります。鉱山の奥深くには、非常に深い穴があり、この穴には山の神が棲んでいるとされています。微笑町では大昔から、鉱山からいつまでも鉱石が採れることを山の神に祈願するため、1年に1度、春になると、この穴に生贄を投げ捨てる風習があります。この風習はいつのころからか『山に嫁がせる』と言われるようになり、生贄になる町民は男女問わず『山嫁』と呼ばれるようになりました。『山嫁』は、くじ引きによって公平の選出されます。


 ルナちゃんは、ヒロシに連れられてクジ引きの行われる町役場へと向かいました。



日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「大沼とヒロシの、嗚呼! 新天地」の巻
ヒロシ「ルナちゃんの親戚のおじさん、会社で活躍して栄転が決まったんだって?」


ルナちゃん「そうなの。偉大なる尊師のために働いた者だけが行くことができる千年王国……苦しみも哀しみもない、一年中花が咲き乱れている素敵世界への栄転が決まったのよ! ウキー! うらやましいー!」


ヒロシ「いいなぁ。僕もどこかへ栄転したいな。そしたらみんなに自慢できるのに」


マルぼん「飲んだ人は栄転できる『栄転錠剤』ならあるよ」


ヒロシ「マジで! ちょっと貸して! なんだ、一錠しかないの? まぁ、いいけどさ!」


マルぼん「あ、まで。それは一回の服用につき、三錠が基本なんだ。一錠だと中途半端な効果に」


ヒロシ「かまわないよー! ごくっ」


黒服「こんにちはー」


ヒロシ「いつもの人身販売組織の人!」


黒服「あのさーまたキミのおふくろさんがさー。借金でさー。というわけで、今回は肝臓な? そうがっかりするなって。
移植先は、となる金持ちのすげえ美人の娘さん。そんな娘さんの内臓になれるんだから、おまえの肝臓も喜んでいるさ」


 こうしてヒロシの肝臓は、一般庶民の体から金持ちの体への栄転が決まったのでした。マルぼんは『栄転錠剤』の効果は絶大だと思いました。



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「ダディ!」の巻
ルナちゃん「うちのパパってば『娘はあのひげ面の男にだまされている!』とか言って、弁護士と我が教団の被害者の会を設立しちゃったの! もう、レディーの気持ちを理解してくれないんだから!」


ヒロシ「なんだい、それくらい。うちの馬鹿親父なんてな、僕が可愛いと思って家に連れ帰ってきた見知らぬ少女をね、勝手に解放しちまったんだぞ。さすがに温厚な僕も殴る蹴るの暴力よ! 全力DVさ!」


マルぼん「そんなに自分の父親が憎くて尊属殺寸前なら、入れ替えてみてはどう? なんでも入れ替えマシーンという機密道具で入れ替えてあげるよ」


2人「わーい。入れ替えて入れ替えて!」


 というわけで、マルぼんはヒロシとルナちゃんの父親を入れ替えて見ました。


パパさん「おい、メシだぞ。さっさと食いに来いや」


ヒロシ「おい、マル公。普通にいるぞ、あのくそ親父。入れ替わっているとか、そんな事実ないぞ!!」 


マルぼん「『なんでも入れ替えマシーン』の力は絶大だから、入れ替わってないハズは…あ!」


 マルぼんは、以前、諸事情で興信所に知人友人のことを調べてもらった時のことを思い出しました。


マルぼん「ヒロシのパパさんと、ルナちゃんのママさんは大学時代に付き合っていたことがあったんだ。それと、ヒロシのママさんとルナちゃんのパパさんは、同じ職場の部下と上司という関係で……」


ヒロシ「それで?」


 マルぼんは口をつぐみました。貝のように。



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「ジオンに憧れたのはヒロシ」の巻
マルぼん「ん? ヒロシくん、なにを観ているの? ガンダム?」


ヒロシ「僕もエースパイロットになって高給を頂き、家族に楽をさせてあげたい!」


マルぼん「またすぐ感化されて……『僕の考えたジオンのエースパイロット』の小説でも書いてな」


ヒロシ「やだやだやだやだ! 僕、エースパイロットになるんだ、なるんだ!」


マルぼん「んー。さすがにモビルスーツのパイロットにはなれんけど、なんか色々と操縦が上手くなる機密道具なら、ある。
『エースパイロットヘルメット』。これを被れば、なんか色々と操縦が上手くなる。
自転車の操縦とか、女房の操縦とか」


ヒロシ「わーい。これで僕はエースパイロットだよー」


 それから数日後、ヒロシはなにもかに殺害されました。犯人のナウマン象は、半年後に自首しました。


 ナウマン象は


「ここ半年、寝ていても起きていても、血だらけのヒロシが脳内に現れて『痛い痛い』『自首してくれ』と訴えてくる。精神的に追い詰められて、もうダメだ。助けてくれ。助けてください。あああああ。眠りたい。眠れない! ヒロシきゅん許して!」


 と供述しているそうです。


 死しても、見事ナウマン象を操縦してみせたヒロシきゅん。マルぼんは『エースパイロットヘルメット』の効果は絶大だと思いました。

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「大沼ヒロシの『幸せにしてよ!』」の巻
ヒロシ「しあわせにしてよ! しあわせにしてよ! しあわせにしてよー!!」


 ヒロシがまたおかしいです。たすけてください。マルぼんをたすけてください。


ヒロシ「今日、そこのデパートで『ボクも! 私も! 俺も! 貴様も! みんなの幸せ自慢コンテスト(某宗教協賛。参加賞は飲むと病気の治る水。優勝商品は、現世でのあらゆる罪が許され、誰でも極楽に行けるようになる特製免罪符を格安価格の230万円で購入できる権利)』が開催されていたから、参加しようと思ったんだけども……」


 マルぼんはどうでもいいです。


ヒロシ「『YOUはあきらかに不幸な人間だから参加はむり』とか言われて参加拒否されたんだ! 頼むよ、マルぼん! 僕をしあわせにしてよ! しあわせにしてよ!!」


マルぼん「むーりー」


ヒロシ「キーッ!!」


 『表裏一鯛』。未来の世界の汚水でのみ採れる特殊な鯛を加工した機密道具です。この鯛一匹を2人で分けて食べると、その2人は幸せが反比例する関係になります。


 つまり、1人がしあわせになると、もう1人が不幸になるのです。


 この鯛は使い方が難しく、未来の世界では雑魚未満の扱いされており『捕まっていたテロリストがこの鯛を食事出された直後に、誇りを傷つけられたと自殺』という話も残っています。


 戦時中にこの鯛を食わされた捕虜が、戦後、収容所の食事担当者を捕虜虐待で訴えて、その食事担当者は死刑判決を受けて、その不条理さを訴えた著書がベストセラーになり、教科書に採用されたという話も残ってます。


 この『表裏一鯛』を出せと、しあわせ難民のヒロシが言い出しました。


マルぼん「使い方が難しいのですよ、この機密道具は」


ヒロシ「ものは考えようだよ。たとえば『表裏一鯛』を食べた1人が常に不幸な状態なら、もう1人は常にしあわせという状態だろ」


マルぼん「君はくだらないことは、嘘みたいに閃くね」


ヒロシ「はい、マルぼん。ここに、半分を僕が食べた『表裏一鯛』があるから、残りを食べて」


マルぼん「え?」


 こうしてマルぼんは人様に「どうしたんだい、その怪我は」と聞かれたら、「転んだだけです」と答えなければならない立場になったのでした。


ヒロシ「いいかい、今日からマルぼんの寝床はベランダに建設されたダンボールハウスだ」


マルぼん「ふぇい(新感覚の返事)」


ヒロシ「食事はこの硬いパンと、泥のようなスープオンリー」


マルぼん「ふぇい」


ヒロシ「おりゃおりゃ」


マルぼん「やん。ペチペチと叩かないでくださぁい」


ヒロシ「しつけです! しつけでっす!」


マルぼん「ふぇい」


ヒロシ「ようし。『表裏一鯛』の半分を食べたマルぼんが四六時中不幸になったから、もう半分を食べた僕は常に幸福な状態になるぞ」


国家権力「ヒロシは逮捕します」


ヒロシ「ええ!?」>


国家権力「『摂取すると気持ちよくなるけど、嘘みたいに体が悪くなり、夢みたいに中毒性のある魔法の小麦粉』をインターネットで知り合った外国人を通じて入手し、売りさばいたろ!」


ヒロシ「すべて貧しさが悪いんです! 僕は被害者です!」


国家権力「今な、うちの署では『犯罪者さよならキャンペーン(流血もあるよ!)』を好評開催中だ! 生きてお家に帰れると思うなよ」


ヒロシ「なんでや! マルぼんは不幸になったやろ! なんで僕は幸せにならへんのや! 助けておかーちゃーん!!」


 こうしてヒロシは不幸になりました。当然です。四六時中不幸になって、マルぼんはとても幸せなんですから。だってマゾだし。



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「ヒロシのソコヌケ文化功労賞」の巻
ヒロシ「お隣の原さんが逮捕されたって! なんでも、器物破損の容疑だとか。判決は極刑で、即日執行されたって。銃殺刑だって。政治犯みたいでウケるー」


マルぼん「原さんは、たしか陶芸家だろ。出来上がった作品が気に入らなければ、『駄作! 失敗作! 俺の作品じゃない!』と叫んでその場で床に叩きつけて割ってしまうという鬼のような芸術家肌の。それが誤解されたんだな。住民に芸術を愛でる心が欠片もない微笑町に暮らしてしまったのが、原さんの運のつきだね。ご冥福をおいのりいたちまーす」


ヒロシ「このような悲劇を繰り返さぬために、住民どもに芸術を愛する心を植えつける機密道具はないの?」


マルぼん「『芸術家ベレー帽』。芸術を愛するように洗脳してしまう電波が発生させる道具。こいつを被って町をうろうろすれば、住民はみんな洗脳される」


ヒロシ「へえ。心が弱いヤツは、己が芸術家になったと勘違いしてしまうほど強力な電波がでるんだね」


 そんなわけで「芸術家ベレー帽」を被って、町をうろうろするマルぼんとヒロシ。


パパさん「おーいヒロシー!」


ヒロシ「あ、おとうさん」


パパさん「今日はママの出産予定日だぞ。おまえも立ち会いたいと言っていただろ」


ヒロシ「そうだった、そうだった!」


 ママさんが新たな命を誕生させようとしている産婦人科の分娩室へと向かう、3人。


看護師「やたー生まれましたー」


パパさん「うわー。やったー! うわー!」


看護師「男の子です! 旦那さん、早く抱いてあげてくださいね」


パパさん「はい、はい。うわー。赤ん坊って……」


 突然、抱いていたわが子を床に放り投げるパパさん。


ヒロシ「なにするんだ! 劉備気取りかてめえ!」


パパさん「駄作! 失敗作! 俺の作品じゃない!」


 マルぼんは「芸術家ベレー帽」の効果は絶大だと思いました。




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「出馬っ! 大沼ヒロシっ!」の巻
ヒロシ「選挙にでるんだ。ポスターなんかに載せるキャッチフレーズを考えているんだけど、なんか道具ない?」


マルぼん「『キャッチフレー頭』。一見、たんなる切断された人の頭部だけど、起動させた人のあらゆる角度から調べて得た情報を元にして、ステキなキャッチフレーズを作ってくれるんだ」


キャッチフレー頭「それでは、ヒロシ氏のあらゆる情報を元にキャッチフレーズを製作します。しばらくおまちください」


数時間後。


キャッチフレー頭「キャッチフレーズが完成しました」


「絶賛進行中! 僕らのヒロシ」 


ヒロシ「……進行中?」


マルぼん「ほら、よく『俺、体が弱いんデスヨ』とか病気自慢する人いるじゃん。そういう意味合いじゃないの」


ヒロシ「だから、なにが進行中なの?」


 こうしてヒロシは新たなスキル『あと一年』を入手したのでした。




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「ヒロシ、十字架を背負う」の巻
 ヒロシとマルぼんが、夜の繁華街を散策しているときのことでした。マルぼんとはぐれたヒロシは、外国人風の男性に
腕をつかまれました。ヒロシを引きずるように歩き出し、近くの路地裏へと向かう男性。ようするに、ヒロシはいたずらされそうになってしまったのです。


 ヒロシはとっさに、護身用として常に携帯しているバタフライナイフを取り出し、男性の腹の辺りを刺しました。何度も何度も何度も。男性は反撃する間もなく、そのまま動かなくなりました。ヒロシは、人を殺してしまったのです。


ヒロシ「なんとかして~」


 なんとか合流したマルぼんに、いつものように泣きつくヒロシ。


マルぼん「『ドサ草のソテー』。これは未来の世界に生えている『ドサ草』という植物を調理したものなんだけど、これを食べたら都合の悪いことはドサクサにまぎれてうやむやになってしまう」


 ヒロシは差し出された『ドサ草のソテー』をがむしゃらに食べました。食べまくりました。


ドコサヘキサン「あ、大沼! こんなところでなにをしているんだ!」


 路地裏の、死体の前で色々やっていたヒロシとマルぼんの前に現れたのは、担任教師のドコサヘキサンでした。


ドコサヘキサン「おい…もしかしてその倒れているの、死体か? おまえがやったのか!?」


 もうだめだ。ドサクサどころか、普通に知り合いに見られた。ヒロシは、精神鑑定にすべてをかける決意をしました。ところが。


ドコサヘキサン「でかした!」


 ドコサヘキサンは、ヒロシを褒めだしたんです。


ドコサヘキサン「この外国人、Z国のヤツだろ? いやーさっそくZ国の鬼畜を殺すなんて、おまえもなかなかやるじゃないか」


 きょとんとするヒロシ。


ドコサヘキサン「Z国の人間に生きる価値はないからな。根絶やしにしないとなにをしでかすかわからん。おまえも意外と度胸があるなぁ。よし。校長に頼んで、勲章をだしてやるからな」


 20××年。日本は、かねてより緊張関係にあったZ国と戦争に突入。国内では、自警団によるスパイ狩りが行われ始めました。そのドサクサで、ヒロシの殺人はうやむやになったのです。うやむやどころか、表彰モノになってしまいました。


 すべては、『ドサ草のソテー』のおかげです。


ヒロシ「ふう、たすかった」


マルぼん「平和な時の殺人は罪だけど、戦争の時の殺人は勲章ものだからなあ。よかったよかった」
通行人「空襲だー! 逃げろー!!」


 空を見上げると、Z国の国旗が書かれたたくさんの戦闘機が飛んでいました。直後、爆音が響き、ヒロシの意識はそこで途絶えました。



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「ヒロシのコンクリートジャングル 6 完結編 真紅の少年伝説」の巻
 金歯邸の森深くにそびえるボルボックの居城。


「いてえ。いてえよ。助けれておくれよ、ママ……」「苦しい。いっそ殺して……殺して!」マルぼんたちとの戦いで重傷を負った四天王たちが虫の息の状態。


ボルボック「くっ。四天王が全滅とは……ヤツらが攻めてきた時どうすれば……」


爺「ボルボックさま、安心めされい」


ボルボック「爺! 秘策でもあるのか!」


爺「森の民に伝わる伝説の剣があります! それに、四天王より強力な五賢者、さらに強力な八剣王、その上の十聖人、我等森の民には、英傑豪傑がキラ星の如くおります。あのような子供やよくわからない生物が攻めてきたところでビクともしませんわ!」


ボルボック「おお! 俺も知らない部下かいつのまにかそんなに! よし! 小癪な子供やよくわからない生物どもめ! いつでも来い!」


警察「警察だ! 大人しくしろ!」


警察「動いたら容赦なく発砲だ!」


ボルボック「なにー!」


マルぼん「とりあえず通報しました」


ボルボック「戦えよー! 普通そういうもんだろ!」


ヒロシ「うっさい犯罪者」


ルナちゃん「森の民とかいっても、普通に変質者だし」


ヒロシ「餅は餅屋、卑劣な犯罪には警察だっ」




「マルぼんと暮らす ヒロシのコンクリートジャングル」

 完

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「ヒロシのコンクリートジャングル 5」の巻
 ということで、マルぼんたちは金歯宅の森へとやってきました。「どこから調べる?」と相談していると、いつのまにかあの時の裸の男が、ナウマン象をかっさらったあの男が、仲間らしきヤツらとともに、近くに立っているではありませんか。


裸男「よく来たな、汚い金と電磁波とドラッグと資本主義と毒ガスにまみれた未来なき都会っ子ども! 俺は森の民の王・ボルボック!」


ヒロシ「ナウマン象をかどわかしたのはおまえだなー!?」


ボルボック「あの男のことか? あいつには俺の妻となってもらう。俺はホモでデブ専で正太郎コンプレックスだからな」


 人間としてどうかと思うボルボックは、マルぼんたちに敵意剥き出しです。ナウマン象には、「実は38歳で妻子持ちだけど、無職でやることがないから、無許可で微笑小学校に通ってガキ大将を気取っている」という設定がありますが、マルぼんは黙っておくことにしました。


ボルボック「貴様等の相手は、私の配下である四天王がする!」


 ボルボックの近くにいた男たちが、マルぼんたちを取り囲みました。


ボルボック「四天王は自然の力を使いこなすことができる!」


四天王A「俺は土のアイアロス! 土の中を自由に移動できる!」

四天王B「俺は風のプルレキン! 風に乗り、空を自由に飛べる!」

四天王C「俺は水のマリファント! 岩をもくだく水鉄砲が使える!」

四天王D「俺は火の相田四郎! 爆薬のエキスパートだ!」


 襲いかかってくる四天王。


ルナちゃん「危ない!」


 ルナちゃんが持ってきた水筒に入っている液体を、四天王にむかって浴びせかけました。硫酸でした。


ルナちゃん「あたしよりカワイイ女の子がいた時にすぐに潰せるように、いつでも携帯しているのよ! 某有名歌手が舞台中にかけられたのと同じ、伝統と格式の逸品なのよー!」


 マルぼんはどうかと思ったんですが、ボルボックと四天王はナメクジのように這いずって逃げていったので、黙っている事にしました。


 


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「ヒロシのコンクリートジャングル 4」の巻
 ナウマン象誘拐犯森の民(よく考えたら本当に犯人がこいつらなのか疑問)の場所はわからないまま。
マルぼんたちは途方にくれていました。


 事態はまるで進展していないのに、わけのわからない爺とかわけのわからない町の民とか、
佃煮にもならない仲間ばかり増えて、万事休すです。


町の民「ヒッ! ぼっちゃん! ぼっちゃん!」


 町の民のオッサンが、金歯の姿を見て怯え始めました。


金歯「あ。このおっさん、よく見たら財前山さんだ」


 町の民のオッサンは、かつて金歯の家で使用人として働いていた、財前山氏だったのです。


財前山さん「ガタガタブルブル」


 金歯が近付くと、さらに怯えて失禁までする財前山氏。


金歯「あ。ちょっとやりすぎたんだな、あの時」


ヒロシ「なに? 心当たりあるの?」


金歯「昔さ、財前山さんがウチの使用人たちをたらしこんで組合をつくってさ、色々と要求してきたんだけど、
黙らせるためにちょっと過激に脅してやってさ」


ヒロシ「ああ。そういえば昔、金歯の家の使用人が次々と変死する事件があったね。あれか」


 マルぼんは、怯える財前山氏に鎮静剤を投与して落ち着かせ、森の民について知っていることはないか聞いてみました。


財前山さん「裸…いた……家の森に…坊ちゃんの家の森……!」


 そう話すと、事切れる財前山氏。どうも金歯宅の庭にある森林が怪しいようです。

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「ヒロシのコンクリートジャングル 3」の巻
 結局、ナウマン象の居場所はわからずじまい。


道仙人「森の民のことなら、町の民が知ってるハズじゃ! 町の民を捜せ!」


大脳「町の民!?」


ヒロシ「知っているのか大脳!」


大脳「町の民とは、森の民の対である存在でヤンス! 
森の民は『自然と遊び、自然と話し、自然と生きてる』んでヤンスが、
町の民は『町と遊び、町と話し、町と生きてる」んでヤンス!』


道仙人「町の民なら、ライバル的存在の森の民のことを知っている!」


大脳「アッシの愛読書『嘘半分百科事典』によると、町の民は『季節の変わり目に町を徘徊している』とあるんでヤンスが」


道仙人「おう! あそこにいるぞ! 町の民じゃ!」


 そう言って道仙人が指差したところには、ごく普通の男性が立っていました。男性は電柱に向かってなにやらブツブツ言っています。


 マルぼんは、男性に近付いて「森の民」について聞いてみました。


男性「(電柱に向かって)この金で娘さんをボクにください。売って下さい。無理なら、一晩……いや3時間だけ貸してください。それが大事なんです。一番大事なんです。黙ってないでなんとか言ってください!言ってくださいー! 私はこの子の主治医だ! 医者である前に人間だ! 免許はない! 人間であることに免許が必要かー!答えろ! 答えろ神よー! 俺は神だぁぁぁぁぁぁぁぁ。……本当?」


 無視されました。



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「ヒロシのコンクリートジャングル 2」の巻
 マルぼんとヒロシが部屋の片付けに勤しんでいると、ナウマン象の家族が「さらわれたナウマン象を取り戻したら(生死問わず)、現金プレゼント!」というキャンペーンを開始するとの情報が!


 マルぼんとヒロシは、いつものメンバー(カルト・成金・コモノ・デブ)らとともに、ナウマン象救出作戦を開始することにしました。


 とはいったものの、あの「生れたままの姿の男」がどこの馬の骨かもわからないので、何から手をつけたらいいのかわからず、マルぼんたちはどう動けばいいか分かりませんでした。


じじい「間違いない! ヤツは……ヤツは森の民じゃ! まだ生き残りがおったのか!」


 悩んでいたマルぼんたちの近くに、いつのまにか見知らぬじいさんが立っていました。怪しんだマルぼんが身分証の提示を求めてみると。


じじい「ワシは……ワシはこの町のことならなんでも知っている、道仙人じゃ!」

大脳「道仙人!? まさか、実在していたンでヤンスか!?」

ヒロシ「知っているのか大脳!」

大脳「道仙人は、名前どおり道に住んでいる仙人でヤンス! アッシの愛読書『嘘半分百科事典』によると、普段は公園や橋の下で寝起きして、拾った空缶やビンとか雑誌を売る事で生計を立てているハズでヤンス。まさかアッシたちの目の前にいるなんて!」


 道仙人は、ナウマン象をさらった「生れたままの姿の男」に心当たりがあるようで、神妙な顔つきでなにやら語り始めました。


道仙人「はるか昔(ながいので中略)ということで、彼らは森で暮らすことになったのじゃ。そして今、彼らの子孫はこの町に住んでおる。この町にある『古の森』に!」


ヒロシ「古の森……そこにナウマン象をさらったヤツがいるんだね」


ルナちゃん「でも、この町に森なんてあったかしら?」


道仙人「ほら。図書館の先の方にあるじゃろ。大きな池のある」


金歯「その森なら、パパの系列会社が買いとってゴルフ場にしたハズだよ。10年くらい前に」


ヒロシ「ああ。『農薬をまいた』『いいやまいていない』で会社と住民が衝突して、当時の町長がなぜか自殺してウヤムヤになった、あのゴルフ場か」


道仙人「え、なにそれ。全然知らない」


 どうもバカが一人増えただけのようです。

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「ヒロシのコンクリートジャングル 1」の巻
 マルぼんとヒロシが部屋の掃除に勤しんでいると、ルナちゃんがやってきました。


 今回は機密道具を要するようなお願いではなく、ファンシーショップへの買い物について来て欲しいとのこと。


 11月にはいってから、マルぼんたちの町では「ほとんど生まれたままの姿の男がおもちゃ屋やファンシーショップを強襲し、女の子を連れ去ろうとする」という悪質な事件が多発しているので、ボディーガードをしてくれ、ということです。


 ルナちゃんはナウマン象や金歯、大脳や太(大食漢のデブ)まで呼んでいたんですが、マルぼんたちは「部屋のゴミは片付けた。ならば今度は社会のゴミを掃除や。襲い来る変質者を返り討ちにして、肉片にしてやるわ!!」と快く引き受けて、ルナちゃんの買い物に付き合う事にしました。


 で、そんな7人でファンシーショップを徘徊していると、どうみても一連の連れ去り事件に関係のあるであろう生まれたままの姿の男が、店内に乱入してきたのです。


 男はしばらく店内を見回すと、マルぼんたちに目をつけ、ニヤリと笑い、ものすごい勢いでこちらに向かってきました。


「ルナちゃんが危ない!?」と、マルぼんたちはルナちゃんを守るべくスクラムを組み、肉の壁となったのですが、男はナウマン象を攫ってダッシュで逃げて行ってしまいました。


「ナウマン象が攫われた!? 追いかけよう!」という意見はカケラもでなかったので、今日は「また明日な!」と笑顔の解散と相成りました。


 さぁ、家に帰ったら掃除の続きを頑張らなくちゃ!

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