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大沼ヒロシ

Author:大沼ヒロシ
大沼ヒロシと申します。ブログはじめたての初心者です。どうぞよろしく。

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「ヒロシ、地球の未来にご奉仕するにゃん!」の巻
 ルナちゃんが「奉仕活動がしたいから手伝って」とマルぼんに懇願してきました。


 今日は、ルナちゃんの考えたオリジナル宗教では「奉仕の日」なんだそうです。


 別にマルぼんはルナちゃんのオリジナル宗教に興味を持ったわけではありませんが、世のため人のためになるならと
快く引き受けることにしました。


 ということでマルぼんとルナちゃんは、近所にいる身寄りのない、寝たきりのおばあさんの家を訪ねて、話し相手になったり家事を手伝ったりと充実な一日を過ごしたのでした。


 夕方になり、マルぼんがそろそろお暇しようと思っていると、ルナちゃんが床についているおばあさんになにか見せていました。


 それは数百万円もする壺とか印鑑などのパンフレットで、いたるところに「幸運」とか「長生き」とか「至福の快楽が永遠に続く悠久の楽園」とか素敵なフレーズが散りばめられていました。


 マルぼんが呆気にとられているうちに、ルナちゃんはおばあさんから実印の場所を聞き出し、光の速さで壺とか印鑑の売買契約を結んでしまったのです。


 マルぼんがルナちゃんを問い詰めると、ルナちゃんは答えました。


ルナちゃん「この壺と印鑑を持っている人は、ギュルペペ神サマ(註・ルナちゃんの考えたオリジナル神です。特技はラジオから選ばれし者しか受けることのできない指令を出す)の加護が得られるのよ? これ以上の奉仕活動ってある? ギュルペペ神サマだって、信徒が増えてお喜びになっているわ!」


 奉仕活動は奉仕活動でも「ギュルペペ神サマ」への奉仕の日だったようです。




 翌日。またもルナちゃんが現われて「今日も奉仕の日だから手伝え」とマルぼんを外へ連れ出しました。


 昨日はお年寄りでしたが、今日は孤児院だそうで、ルナちゃんはプレゼント用の玩具を大量購入。


 今度は子供が相手なので壺とか印鑑は売りつけないそうなので、マルぼんは手伝う事にしました。


 孤児院についたマルぼんとルナちゃんは、子供たちと遊び、共に唄を歌い、共に踊り、プレゼントを配り、充実した一日を過ごしたのでした。


 しばらくするとルナちゃんは子供たちを大部屋に集めて、映画鑑賞を始めました。


 部屋は暖房がガンガンに効いていて、映画鑑賞中に意識が朦朧とする子供が続出し、マルぼんは彼らの介抱に追われて映画を観ることができませんでした。しばらくすると映画を観終えた子供たちが出てきたので、どんな映画か気になったマルぼんはそれとなく感想を聞いてみました。


子供A「〇〇教も××教も、ギュルペペ神サマの教えのパクりだったんだね」

子供B「ギュルペペ神サマによる千年王国樹立がいまから楽しみだよね」

子供C「ギュルペペ神サマのために殉死したら、酒池肉林が永久に続く世界へ転生できるらしいよ」

子供D「ギュルペペ神サマに祈ったら、老眼が治ったよー!」

子供E「僕、ギュルペペ神サマのためなら、フランスではカルト認定されている某宗教に特攻できるよ。爆弾どこ~?」

子供F「OK! 仏像破壊完了!」

子供G「ジハード! ジハード! ジハード!」


ルナちゃん「みんなギュルペペ神サマのために戦う覚悟ができたみたいで、一安心だよね」


 マルぼんはとりあえず、もしもの時はおまえが率先して奉仕しろと思いました。


 マルぼんは、今日もルナちゃんの付き添いで奉仕活動です。奉仕活動。


 駅前で地べたに座ってダルそうな様子の若者を拉致って、意識を朦朧とさせる薬を投与し、ルナちゃんが徹夜で朗読した『ギュルペペ神サマを称えに称える歌』がガンガン鳴り響く個室に半日ほど入ってもらうと、出てきた時にはすっかり聖戦士。


 もう奉仕活動の形すらしていないんですが、マルぼんは手伝っちゃいました。


 で、そんなこんなで夕方。おとつい・昨日・今日の奉仕活動ですっかりギュルペペ神の虜となった人たちが、ゾロゾロとルナちゃんとマルぼんのもとへと集まってきました。


「ギュルペペ神様最高ー!」「ギュルペペ神様抱いてっ!」と興奮した様子の一同を見て、ルナちゃんは満足顔。


ルナちゃん「こいつらを率いて政府と一戦交えたら、私ってば平成のジャンヌ・ダルク! 歴史の1ページィ! もっと称えて!」


 しかし、一同はそんなルナちゃんに「ひっこめー!」「魔女!」と冷たい態度。


ルナちゃん「な、なんですって! 誰が、誰がギュルペペ神サマの教えを伝えると思って……!」


 一同は一斉に、事態を見守っていたマルぼんを指さしました。


「その人は、私の話し相手になってくれた。ギュルペペ神サマに違いないです!」おとついのおばあさんです。


「その人は、気持ち悪くなった私たちを解放してくれたわ! きっとギュルペペ神サマよ!」昨日の孤児院の子供たちです。


「その人の姿、明らかに人間じゃないし、きっとギュルペペ神サマだ!」今日の若者です。


 マルぼんの異形ボディが、「健康ランドに入店拒否」「動物園に近づいたら、園内の動物が一斉に鳴く」といった百害あって一利なしを絵に描いたようなマルぼんの異形ボディが、事態を変な方向に向かわせてしまったようです。


 ハンカチを噛みながら逃走していくルナちゃんを無視して、一同は「ギュルペペ神様最高ー!」「ギュルペペ神様抱いてっ!」とマルぼんを胴上げしはじめました。


 宙を舞いながらマルぼんは、人に必要にされることのすばらしさを知り、この人たちにできる限りのことをしてやろうと思いました。



 ギュルペペ神ということになったマルぼんは崇め奉られて調子に乗って、信者の方々と町を闊歩。機密道具を駆使して困った人を助けまくって、信者を増やしまくりました。


 助けた人々の感謝の声で心が豊かになったマルぼんは「カルトの信仰の象徴も悪くないかも!?」なんて気分になっていたんです。


 ヒロシとかヒロシとかヒロシとかヒロシとか、うざったいことを全部放棄して、どこかの森で、草花や風を友とし、信者のみなさんや動物たちと静かに暮らすのもいいかもしれません。いや、かもしれないというより、絶対そうしたほうがいいに違いありません。


 思いついたら吉日ということで、マルぼんはヒロシに三行半を叩きつけるため、さっそく家に帰ることしました。


 で、帰宅してみると、家の周りにパトカーや救急車がたくさん停まっていて、周辺は野次馬で溢れかえっていました。


ヒロシ「庭でたき火をしていたら、変な人たちが現われて『ギュルペペ神生誕の聖地で死ねるなら本望~』とか言いながら、次々と炎にその身を投げ出したんだ」

ママさん「マルちゃん。お客様よ。なんでも公安の方だとか」




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日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「ヒロシ、星たちが輝く夜更け」の巻
 最近のヒロシ、実はルナちゃんに魅力を感じなくなってしまったのです。


 昔はルナちゃんが好きで好きでたまらなくて、気をひくために土地を含めた全財産をルナちゃんの好きな宗教団体に寄付してみたり、ルナちゃんの名前を腕に掘ってみたり、自分とルナちゃんの婚姻届を勝手に提出してみたり、ルナちゃん宛の郵便物が自分の家に届くようにしてみたりしていたのですが、今は本気でどうでもよく、時折名前すら思い出せなくなるくらいです。


 そんなワケでヒロシは新しいヒロインを見つけるべくマルぼんにいい感じの機密道具をせがんでみました。


マルぼん「これなんてどう? 『愛米(ラブコメ)』。食べた人は、異性と思わず胸がキュンとしちゃうような出会い方ができ、
末永いお付き合いができるようになるんだ」


 ヒロシは『愛米』を光の速さで摂取して、いつどんな出会いがあるのかワクワクドキドキしていたんですけど、気づけば朝の8時。このままでは遅刻ということで、家の外へととび出しました。


 朝食の木の根っこを砂糖水に一晩浸したヤツを咥えながら、いつもの通学路を激走するヒロシ。ちょうど、家から最初の曲がり角にさしかかった時でした。


女の子「キャ!」


 ヒロシは、角の向こう側からでてきた女の子と出会い頭にぶつかってしまったんです。


 ぶつかった勢いでふっとばされた女の子は、ヒロシと同年代くらいの、とても愛らしい女の子でした。


 で、その時ヒロシはピンときたんです。これが『愛米』の効果だって。




 たぶん、この直後僕はは不可抗力でこの女の子のパンツを見てしまうはずだ。

 それで「パンツ見たでしょ! 痴漢!」「ち、ちがうよ! 不可抗力だよっ!」なんて感じで口論になるんだ。

 でも2人とも遅刻寸前で、その場はうやむやになってしまう。

 僕はなんとかギリギリ学校に間に合い、朝のホームルームに参加する。

 ホームルームでは転校生の紹介が行なわれ、その転校生はさっきの女の子なんです。

「おまえは!」「あー! さっきの痴漢!」「なんだなんだ、オマエたち知り合いかー!(注・先生の発言)」
ってなことになる。

 これ以来、僕と女の子はことあるごとに言い合いをしてしまう間柄になるも、いつしか互いに気になる存在になってしまうんだ。


 ああ。ベタだけど理想的な展開。


 素晴らしい機密道具を出してくれたマルぼんと、僕のウキウキ新生活乾杯!




ゴン


 ぶつかって吹っ飛ばされた拍子に地面に頭を打ちつけた女の子は、打ち所が悪く、まもなく息を引き取りました。

 翌日。昨日の女の子の断末鬼の顔と声が、頭から離れなくなったヒロシ。


 眠れば夢に彼女がでてきて、起きていれば壁のシミが彼女の顔に、物音が彼女の声に感じられ、もう発狂しそう。


 さっき風呂に入ったら尋常じゃないほど髪が抜けたので「こいつはマズい」と思ったヒロシは、マルぼんに相談してみました。


マルぼん「それは恋わずらいだね」


 ヒロシはあきらかに違うと思いましたが、マルぼんが言うならその通りなんだろうと思うことにしました。


マルぼん「とりあえず、アタックあるのみ。彼女に自分の気持ちを素直に伝えるんだ」


 マルぼんのアドバイスにしたがって、ヒロシは彼女のところ(近くの墓地)へ向かい、彼女の墓前に向かって手を合わせ、ありったけの想いを線香に込めて告白したんです。「許してください」って。


 するとどうでしょう。ヒロシの沈んでいた気持ちはとたんに晴れてきて、どんなことでも前向きに考えられるような気持ちになってきたんです。


 帰宅後、しばらく部屋でニヤニヤしていると、テーブルに置いてあったコップが、突然宙を舞い、壁にぶつかって壊れてしまいました。


 そのあとも食器や電気スタンドが飛びかったり、美少女フィギュアの目から血が流れ始めたり、肘になにか金属片を埋め込んだような跡があるのをみつけたり、二時間ばかし記憶が飛んだり、ペットの馬がしゃべりだしたり、マルぼんが急に燃え出したりと怪現象続出。


 ヒロシはピンと来たんです。


 彼女が来てるって。自分に会いに来ているって。


 彼女は、死してなお僕のことを想ってくれているんだ。


 ここでひいては男が廃る。



 ヒロシは彼女の想いを全身で受け止めることにしました。こうして、ヒロシにもついに彼女ができたのでした。


 翌日。ヒロシが彼女ができたことをナウマン象たちに自慢したら、「証拠をみせろ」と詰め寄られたので、昨日の騒動で破壊されたコップや電気スタンド、しゃべる馬、燃え尽きて灰になり物言わぬ体となったマルぼんなどを見せたんですが、信じてもらえませんでした。


 なんとか彼女の存在を示したいのですが、彼女は実体のない霊魂。証拠の示しようがありません。


 いかに霊魂だけの存在の恋人の存在を証明するか悩んだ末、ヒロシは自分で自分の写真を撮ることにしました。


 彼女が近くにいたら、必ずや写真に写ってくれるハズ。


 そんなわけで、パチリと一枚目。写真の右上の方に、小さい光の球体のようなものがいくつか写っていました。


 二枚目。写真全体に霞がかかったように白くなっていました。


 三枚目。写っている僕の方の部分に、覚えのない手が!


 四枚目。後ろの方に人の顔のようなものが。彼女にちがいありません!


 五枚目。僕の左足が、まるでそこにはなにもなかったかのように写っていませんでした。(直後、左足に激痛)


 六枚目。僕自体が写っていませんでした。(直後、体中の毛穴から出血)


 七枚目。写真から、人が(省略)


 八枚目。もうだめで(省略)


 九枚目。たすけ(省略)


 十ま(省略)


 こうしてヒロシは、ナウマン象たちに恋人の存在を証明することができたのでした。

 
 翌日。ヒロシが起きたら、異様に体重が落ちていたり、厄除けのお守りが燃え出したり、髪が全部白髪になっていたり、洗面所の蛇口から血がでてきたり、ペットの馬がしゃべりだしたり、僕が町を歩いてただけで近所の犬が一斉に吠え出したり、見知らぬおじいさんに涙をながして拝まれたりしたんですけど、愛する彼女がいるということを思い出すだけで、幸せで笑顔が絶えません。


 ぶっちゃけ、このまま死んでもいいかな、なんてヒロシが思っていると、誰かが訪ねてきました。


 訪ねてきたのは女の子でした。あの日、登校途中にぶつかった彼女です。今、ヒロシに憑いているはずの彼女です。



彼女「いやー。その節はご心配かけまして。ぶつかった時、一瞬気を失ったわけなんですが、命に別状ないですから。それじゃ!」


 本当にどうでもないようで、元気に走り去っていく女の子。


 よかった。生きていたんですね。ハハハ。


 よかったよかった。ハハハ。 














 今、僕ヒロシのまわりでリアルタイムでラップ現象引き起こしているお茶目な輩は、いったいどこのどいつの霊なんでしょうね。




日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「パジャマ」の巻
 今日は仮病を使って学校を休み、家でゲーム三昧のヒロシです。


ヒロシ「うへへへ。平日の昼間からゲームなんて、僕は世界一の幸せ者じゃないかしら」


マルぼん「ヒロシ。今学校から電話でさ、担任のデモシカ先生が『これをきっかけに長く休まれたら色々問題でして』と、今から見舞いに来るそうだよ」


ヒロシ「ひょえー! デモシカのヤツは『目には目を、歯には歯を、敵対する全てに死を』という主義の持ち主だから、仮病がバレたら、僕ってばすごい惨劇に見舞われるよ! 人としての形を保っていられなくなるやもしれない!! なんとかしてえ!」


マルぼん「『仮病パジャマ』。このパジャマを着た人はね、周りの人には『病気で調子が悪そうな人』のように見えるんだ。ちなみに、パジャマの色によって効果が違ってだね、赤いパジャマだと風で寝込んでいる程度で、黒いパジャマだと事切れる寸前のように見えるんだ。そうね、今の君なら赤いパジャマで十分だろ」


ヒロシ「なら、赤いパジャマをだしておくれよ」


マルぼん「オッケー。って、あれ? ないな、赤いパジャマ。ちょっと待ってね。えっと」


ヒロシ「早く出せって、デモシカがもうすぐ来るよ」


マルぼん「やばい、品切れだ。赤どころか、他の色のパジャマもない」


ヒロシ「な、なんだって!? こちとら、早く着替えようと、生まれたままの姿で待機していたんだぞ、品切れじゃすまない! ほんとはあるんだろ! よし、僕が、この大沼ヒロシがそのパジャマを見つけ出してやる」


 生まれたままの姿のヒロシは、マルぼんの下腹部にある機密道具収納袋に手を伸ばしました。(『機密道具を収納してあるのは、マルぼんの胃』という設定は、近い将来まで忘れてください)。


マルぼん「おい、よせ。さわんな、おい…いや!」


ヒロシ「えへへへ、ここか。ここか」


マルぼん「らめぇ……らめぇぇぇぇぇぇ」


 血走るヒロシの目。吐息が荒くなるマルぼん。


ママさん「ヒロくん、デモシカ先生がお見舞いに来てくれたわよー」



デモシカ「大沼、調子はどーだ?」



 ヒロシの部屋に足踏み入れた2人が見たのは、生まれたままの姿で、よくわからない生き物であるマルぼんの下腹部を
まさぐるわが子の、教え子の姿でした。


デモシカ「重症ですね」


ママさん「はい」


 ヒロシは、鉄格子の付いた車に乗せられて、窓ひとつない白い壁の病室ばかりある山奥の病院へ搬送されていきました。マルぼんは、ヒロシを本当の病気のように見せてしまった『仮病パジャマ』の効果は絶大だと思いました。



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「激ファイト! 遊星から来た兄弟対マルぼんの決闘」の巻
 夕方、マルぼんが帰宅すると、家の中から妙に楽しげな家族の笑い声が聞こえてきました。


 ママさんの離婚以来(正確にはマルぼんが来て以来)、明るい話題の少なかった旧姓大沼家。


 どんな明るい話題があったんだろう、と急いで家に入ってみると、居間でヒロシとママさんが、見知らぬ中年男性と
楽しそうに談笑しているではありませんか。


 マルぼん、すぐにピンとキました。


 たぶんというかおそらくというか、この男性、ヒロシの新しいパパさんにもっとも近い男でしょう。


 マルぼんは「ママさんもスミに置けないな」と薄ら笑いが止まらなくなったんですが、次の瞬間、居間に集った皆さんの発言で、そんな心に秘めたるエロ心を脆くも打ち砕かれてしまったのです。


ヒロシ「え! マルぼんが2人!?」


見知らぬ中年男性「貴様! ワシのマネをして、いったい何者だ!」


ママさん「ヒロシ! 騙されたらダメ! 本物のマルぼんはさっきまであなたと話をしていた、この後藤さんよ!」


見知らぬ中年男性改め後藤さん「その通り! ワシこそが本物のマ……マルなんとかだ!」


ママさん「そうよ! この後藤さんこそ、私のパート先の上司兼マルぼんなのよ! そいつは偽者の中の偽者!」


後藤さん「そうだ! このワシこそが、君のお母さんのパート先の上司で、マ…ル……マルボーンで、君の新しいパパだ!」


ママさん「後藤さん、最後の件、まだ承諾してません……」


ヒロシ「僕とマルぼんは半年近くも同じ釜の飯を食い、泥水をすすってきた仲! どちらが偽者なのか一目瞭然さ! 偽者よ、出て行け!」


 こうしてマルぼんは、帰る家を失ったのでした。ニセマルぼんにより、現在の生活を全て奪い取られたマルぼんは、ふと「偽者晒し上げ光線銃」という、現状を打破するのにピッタリな、誰かの都合でいきなり登場したとしか思えない機密道具があることを思い出し、さっそく未来デパートに注文しました。


「偽者晒し上げ光線銃」が届くまで時間がかかるらしいので、その間、マルぼんは偶然であったナウマン象に事情を話し、彼の家で世話になることになりました。


 ナウマン象の家は、白い屋根と大きな庭のある一戸建でした。


 そして、ナウマン象の家族は、お父さんお母さんに、おじいちゃんおばあちゃん、そしてたくさんの兄弟姉妹、みんな明るくて親切で、マルぼんを温かく迎えてくれたのです。


 ナウマン象の兄弟姉妹たちは、マルぼんを元気づけるためか冗談なんかを言ってくれて、マルぼん、その温かさに心を打たれ、目頭が熱くなってしまいました。


 さらに、ご馳走になった夕食は、中国に伝わるという珍しい肉料理で、これもマルぼんの傷ついた心を癒しに癒してくれた絶品でした。


マルぼん「ごちそうさま。おいしかったよ。これは何の肉なの?」


ナウマン象「うん? まぁ、珍しい肉だよ。そう。珍しい肉」


マルぼん「ナウマン象の兄弟姉妹、みんな明るくていいよね」


ナウマン象「そう? ありがとよ」


マルぼん「あれ? そういえば、ナウマン象って一人っ子じゃなかった? 前に妹が欲しいとかごねていたような」


ナウマン象「……設定が変わるって、よくあることだろ?」


マルぼん「なんか、ナウマン象の兄弟姉妹、何人かいなくなってるね。でかけた?」


ナウマン象「……」


マルぼん「ナウマン象。手に持っているの何?」


ナウマン象「ゴミだ。ゴミだよ。今から捨てに行くんだ」


マルぼん「そのゴミ。子供服だね。……血で汚れてるね?」


ナウマン象「……」


マルぼん「あ。このビデオ。『光ごけ』と『生きてこそ』。」


ナウマン象「……」


マルぼん「……さっきの肉料理、中国の料理なんだよね? 中国ってさ、飢えたときに……親が子を、子が親を」


ナウマン象「……まぁ、血や肉になって生きるっていうし」


 マルぼんは、ナウマン象の家を出ました。


 ナウマン象家のカリバニズムに耐え切れなくなったマルぼんは、今度はルナちゃんの家で世話になることにしました。


 ルナちゃんの家は、町から少し離れた、森の中にありました。


ルナちゃん「お茶とか、どう?」


 ルナちゃんが差し出してきたのは、なんか毛のようなものがたくさん入っている水でした。


ルナちゃん「それ、尊師の御髪入り聖水。飲んだら、癌が治るのよ? コップ一杯3万円もするの」


 マルぼんは、隙を見て聖水をドブに捨てました。


 その後も「尊師の霊力が篭った象牙のハンコ(5万円)」やら「尊師の愛が篭った開運の壺(50万円)」やら「尊師が製作総指揮をとられたアニメ(公開中)」やらの素晴らしさをトクトクと語られたり、「ヒロシくんのお母様が指示している〇〇党の議員は共産ゲリラと繋がっているから投票するな」とか「政教分離はナンセンス」とか「尊師が舵を取れば宇宙船地球号は即エルドラド」などの妄想政治談義というおもてなしを受けて、マルぼん、終始ヘコみっぱなしなんですが、この寒空を外で過ごすのは自殺行為なので、なんとか耐えることにしました。


 そうこうしていると、ルナちゃんの家族紹介タイムがスタート。


ルナちゃん「これがお兄ちゃん」

 そうやってルナちゃんが紹介してくれたパイロットのお兄さんはどうみてもマネキン人形でした。

ルナちゃん「お兄ちゃんは私の自慢なの。国際便のパイロットとして、いつも世界中を飛び回っていて、帰ってきたら私にたくさんのお土産をくれるのよ。そうそう。オーストラリアでアポリジニーの集落へ行ったときの話が傑作で」

 
お兄さんがよほど好きなのか、自慢話ノンストップなルナちゃん。でもマネキン。



ルナちゃん「これが弟の冬彦。猿轡して体をしばってるけど、別に変な意味はないよ? いたずらしたからお仕置しているの」

冬彦「た、たすけ……! 塾の帰りに拉致されて……! グムムッ」


 猿轡をなんとか外して、マルぼんになにかを必死に訴えようとした冬彦くんですが、首筋になにか注射を打たれ、気絶してしまいました。



ルナちゃん「パパ……なんだけど、今体調を壊していて、あっちの部屋で治療中なの。会う?」


『あっちの部屋』からは、現在の人類では発音できないような言葉の呪文と、激しい異臭が漂ってきたので、マルぼんは丁重にお断りしました。



ルナちゃん「あとはママなんだけど……ああ、いたいた。あっちの窓の方見て」


 マルぼんはルナちゃんに指示された窓の方を見ましたが、そこには誰もいません。


 しばらく窓をみていると、窓のガラスの部分から、なにか赤い、血のようなものが浮き出てきました。


 血のようなものは、まるで意志をもつかのように形を作っていき、その形は文字そのものでした。


血文字「い ら っ し ゃ い 。 永 遠 に ご ゆ っ く り


 マルぼんは、ルナちゃんの家を飛び出しました。


 その後、なぜか体中にじんましんができ、下痢が止まらなくなりました。


 ナウマン象(カリバニズム)→ルナちゃん(カルト)と来たので、マルぼん、今度は金歯(資本主義)の家で世話になるこにしました。


 金歯宅は、金持ちのせいかけっこうな噂があるんですよ。「奴隷同士が死ぬまで虎とか熊とかと戦いつづける闘技場があって、月一回、上流階級の人間が集まって観戦している」とか「地下で有名女優の次男とか有名政治家の長男とかアイドルと本当の意味でのお楽しみ会をやっている」とか「水道から出るのがコーラ」とか「金歯一族の開祖の死体が冷凍保存されている」とか。


 前2つの家ではトラウマを負ってしまっただけだったんですけど、今度の金歯宅、そういう噂の真意を確かめる事ができるとあって、マルぼん、ものすごく楽しみなんです。


 ウキウキしながら金歯宅へ行ってみると、門の前で金歯がマルぼんを待っていてくれました。


金歯「門から自宅まで遠いからさ、この馬に乗ってよ」


 金歯の言う「馬」は、どう見ても四つんばいになった女性でした。


 さっそく見せ付けられた上流階級の狂った常識に、マルぼん、早速身が震えてきました。


 と、その時。金歯宅の庭の方から、なにか怒号のようなものがたくさん聞こえてきました。


金歯宅のメイド「ご主人様! 一揆、一揆です!」


金歯「なに! さては、邸内の農村の連中が! 防衛隊を呼べ!」


金歯宅のメイド「ダメです! 井戸に毒が投げ込まれて、防衛隊は全滅していてます」


 そうこうしているうちに、マルぼんと金歯は、クワやスキ、ナタなどの農具で武装した、農民たちに囲まれていたのです。


農民A「オラたちの作った米を返せ!」


農民B「ワシの娘は、このガキの毒牙にかかって……」


農民C「もうピラミッド(金歯の墓になる予定)造りはこりごりだー!」


 そして、マルぼんたちに一斉に襲いかかる農民たち。


 騒乱のなかでマルぼんは気を失ってしまい、気がついた時には金歯宅は炎に包まれ、農民たちによる大略奪が始まっていたのです。


 金歯とその一族は、事切れた状態で木に吊るされていました。


 噂の真相をたしかめることができず、マルぼんは残念に思いました。

 途方に暮れていたマルぼんの元に、ついに『偽者晒し上げ光線銃』が届きました。


 これさえあれば、あの憎んでも憎みきれないパクリ野郎のどす黒い正体を暴き、マルぼんはいつもの生活を取り戻すことができるのです。


 マルぼんは『偽者晒し上げ光線銃』片手にヒロシ宅へと乗り込みました。


 で、乗り込んでみると、なぜかヒロシやママさん、パクリ野郎だけではなく、ナウマン象やルナちゃん、死んだハズの金歯など、関係者がたくさんいるんですよ。


一同「ドッキリでしたー!」


 なんと、今回の事件は、素晴らしい友たちのささいないたずらだったのです。


ヒロシ「驚いた? 僕が本当にマルぼんを見間違えたと思ったかいー?」


偽マルぼん「ごめんなさい、断れ切れなくて、つい引き受けてしまったのです」


ナウマン象「へへ。うちにいた子供は、親戚の子供なのさ。肉は企業秘密だけどな」


ルナちゃん「うふふ。私が崇めるのは、ギュルペペ神サマ(オリジナル神)だけ!」


金歯「一揆なんて起こるはずだろー? うちと農民の関係は良好なのさ」


 こうして、偽者騒動は、楽しげに幕を閉じたのでした。


ヒロシ「ところでマルぼん。その道具はなに?」


 ヒロシは、マルぼんの持っていた『偽者晒し上げ光線銃』が気になるようです。


 マルぼんは「光線を浴びたものが偽者だった場合即効で爆死」という『偽者晒し上げ光線銃』を説明してあげました。


ナウマン象「おもしれえ道具じゃねえか。この中に偽者なんていないだろうが、暇つぶしに使ってみようぜ!」


 ナウマン象は『偽者晒し上げ光線銃』をマルぼんから奪うと、集まっていたみんなに乱射しはじめました。


 はしゃぐ一同。『偽者晒し上げ光線銃』は偽者以外の人が浴びても無害なので一安心です。


ママさん「ギャーッ!」


 光線を浴びたママさんが爆死しました。


ヒロシ「あ、あの。僕の真実のママンは」


 みんな目をそらしました。

日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
「ヒロシ、艦これに憧れていた」の巻
マルぼん「艦これってなんだろ」


ヒロシ「萌キャラになった日本海軍の戦艦がでてくるゲームだよ。アニメもある」


マルぼん「ヒロシはやってないのかい」


ヒロシ「パソコンがいるんだよ。僕、持ってない」


マルぼん「そうか。じゃあ、あきらめろ」


ヒロシ「うん」



                                  完

























 というわけにもいきませんので、とりあえずヒロシは「僕もコレクションを萌えキャラ化して、キャッキャッウフフしたいです」と駄々をこねました。マルぼんは「仕方ないね」と機密道具を出しました。


マルぼん「この道具を使えば、所有するコレクション(複数のコレクションがある場合は、どれか一種類のみ)が一斉に萌えキャラ化するんだ」


ヒロシ「さっそくコレクションである漫画に使ってみよう」


 そんなわけで、ヒロシの漫画コレクションは萌キャラ化しました。一冊一冊が、それぞれ違うタイプの萌えキャラになるのです。


ヒロシ「うわー『女犯坊』がこんな萌えるキャラにー!! うわー!! 『バキ特別編SAGA』がこんなに好みのタイプにー!!わー。おら幸せだー!!」


マルぼん「よかったね。うれしいね。しあわせだね」


金歯「朕にもその道具をつかわせて欲しいでおじゃる」


マルぼん「いいよ」


ヒロシ「金歯といえば、町内随一の殺人鬼マニア。そのコレクションが萌え化するのには興味があるな。」

 そんなわけで、金歯の殺人鬼コレクションは萌キャラ化しました。


金歯「うわー。『連続殺人犯Oの使っていたベレー帽』がこんな萌えキャラにー!! うわー!! 『アメリカの連続殺人犯Eの作った家具』がこんなに好みのタイプにー!! 朕幸せだー!!」


マルぼん「よかったね。うれしいね。しあわせだね」


町の権力者「私にもその道具をつかわせて欲しい」


マルぼん「いいよ」

ヒロシ「町の権力者といえば、権力を盾にして、歯向かう者や借金のカタに集めた人を奴隷とし、背中に『自分の所有物であることを示す印』を焼印して、コレクション扱いしている恐ろしい男。そのコレクションが萌え化するのには興味があるな」


 そんなわけで、町の権力者の奴隷コレクションは萌キャラ化しました。


町の権力者「うわー。『年貢の免除を訴えてきた村の長老』がこんな萌えキャラにー!! うわー!! 『ローン地獄で落ちぶれて奴隷になった中年男性』がこんなに好みのタイプにー!! 私幸せだー!!」


マルぼん「よかったね。うれしいね。しあわせだね」


某国独裁者「オレにもその道具をつかわせて欲しい」


マルぼん「いいよ」 


ヒロシ「某国独裁者といえば、『すべての国民は俺のもの。俺のコレクションだ』とか言っている狂った男。そのコレクションが萌え化するのには興味があるな。某国のすべての国民が萌えキャラ化するってこと? すげえ! それってパラダイスじゃん!!」


 そんなわけで、ヒロシは独裁者のあとを追い、某国へと飛びました。


 しかし、某国は萌えキャラで満ち溢れてはいませんでした。おっさんはおっさんのまま。なにもかもそのまま。


ヒロシ「どういうことだってばよ」


国民「おい、今から独裁者が駅前広場でギロチンにかけられるってよ」


ヒロシ「え、マジで」


独裁者「……」


ヒロシ「どうしたというのです。なぜ独裁者であるあなたがギロチンに。革命でも起こった?」


独裁者「俺、傀儡だったんだ今の今まで気付かなかった。この国を本当に支配しているのは、忠義ヅラして俺に仕えていた大臣や宦官連中だったんだ。俺は煽てられて、バカみたいにその気になって。世界中に『無慈悲な攻撃くらわしたるで』とか言ってたんだ。国民は俺のものなんかじゃなかったんだ。国民が萌えキャラにならないことで、ようやくそのことに気づいた。気づいて、連中に文句を言ったらこの有様さ。俺はすべての責任を負ってギロチンだ。明日からは、新しい傀儡ができて、同じ日常が続いていくんだ」


ヒロシ「たしかに処刑を見に来た聴衆に、萌えキャラしたやつはいない……あ、いた。一人だけいたよ。バニーガールみたいなキャラになってる」


萌えキャラ「5年前。餓死寸前だった私は、たまたま視察にやってきた独裁者様に、コメを恵んでいただいたのだぴょん。
おそらくは、戯れ。なにかの余興にすぎなかったのだと思うのだぴょん。でも、私はそのコメで命を長らえたのだぴょん。
あなたはたしかに無能で下衆な独裁者。でも、あのときのコメの美味しさは、あなたへの憎しみを抑えてしまうのだぴょん」


独裁者「神様ってのはやさしいな。こんな俺にも、慈悲をくれるのか。ありがとう。幸せな気持ちで死んでいける。今度生まれ変わったら、天使のような独裁者に……」


 その後、処刑はスコーンと行われて、独裁者の首は飛びました。


ヒロシ「なんだ。つまんね。かーえろ」


 帰国したヒロシを迎えたのは、見慣れない萌えキャラ二人。


ヒロシ「なんだ、マルぼんと母さんじゃないの。なんで萌えキャラ化しているのさ」


ママさん「借金のかたに、街の権力者様の奴隷になったのよ」


マルぼん「これから、町の権力者様が将来入られる墓(古墳的なやつ)作りだよ。もちろんお前もだぜ」


 ヒロシは、いつの間にか自分が萌えキャラになっていることに気づきました。よくみると、マルぼんとママさんの近くに町の権力者が立っています。所有物の印をつけるための焼きごてを持って、ニタニタ笑いながら。


日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)

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