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大沼ヒロシ

Author:大沼ヒロシ
大沼ヒロシと申します。ブログはじめたての初心者です。どうぞよろしく。

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「ヒロシと未来魔王の対決 3」の巻
公園で楽しげに遊ぶ子供たちを、ベンチに座ったおばあさんがニコニコと笑いながら眺めています。おばあさんの手には、古い懐中時計が握られていました。

 
 ねえ。おばあさん。その懐中時計には、どんな思い出があるんですか?


おばあさん「これはね、死んだおじいさん……私の夫の形見の品なの」


大切なものなんですね。


おばあさん「ええ。これにはたくさんの思い出が詰まっているの。忘れもしない、あの戦争の最中、あの人と私は結婚したの。無口だけどマジメで、約束は必ず守る人だったわ」


おばあさんは優しい目をして、思い出話を聞かせてくれました。


おばあさん「でもね、新婚生活は1週間で終わってしまったの。徴兵でね、あの人はラバウルへ行くことになったの」


……


おばあさん「出征の日、親戚や近所の人の万歳三唱の中、あの人は宝物の懐中時計を私に渡してこう言ったの。『必ず帰ってきますから。それまで預かっていてくれませんか。ネジを巻いていてくれませんか』って」


……


おばあさん「あの人の死亡報告が、遺骨の入った箱と一緒に届いたのは、戦争が終わって半年経った頃。箱には遺骨じゃなくて砂と『英霊』と書かれた紙だけがはいっていたわ。周りの人は私に再婚を勧めたけど、私はあの人は生きていると信じていた。だって、あの人は『必ず帰ってくる』って私に約束してくれたんですもの」


 それから、それからどうなったんです?


おばあさん「さらに半年後、あの人は帰ってきたの。まるでちょっと近所に出かけていたみたいに『ただいま戻りました』って普通に帰ってきたの。だから私も……」


おばあさんも?


おばあさん「『おかえりなさい』って普通に出迎えたのよ」


 信じあう心。僕はその素晴らしさを、おばあさんに教えてもらえたような気がしました。


マルぼん「おばあさん。これを」


横で黙って話を聞いていたマルぼんが、『キャハ♪ エミちゃん』をおばあさんに手渡しました。その瞬間、懐中時計は一瞬で燃え尽き……


おばあさん「あ! ああ!? 約束が! あの人との約束が! あああっ!」


おばあさんの絶叫が公園に響きました。ごめんなさい! ああごめんなさい!


マルぼん「この懐中時計から抽出された想いの力は……350OP(思い出パワーの略)! 『16歳の高校生男子が、出会い系サイトで知り合った年上の女の連れ子が自分の言うことを聞かないのに腹が立ち、冬場、その子供をパンツ一丁でベランダに放り出す』という行為と同じくらいの殺傷能力だ!」


 ああ。おばあさんの思い出が、そんな生々しい程度の殺傷能力に変換されるなんて……


マルぼん「よおし。この調子でどんどん想いの力を集めるぞ! 行こうぜヒロシ! 戦いは始まったばかりだ!」


おばあさん「返してぇ。あの人を返してぇ」


 すがりつくおばあさんを振りほどき、その悲鳴とも怒号とも判断がつかない声を背中に受け、
力いっぱいかけていくマルぼん。たしかに、戦いはまだはじまったばかりのようです。僕と良心の呵責との戦が。
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日記 | 19:04:30 | Trackback(0) | Comments(0)
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