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大沼ヒロシ

Author:大沼ヒロシ
大沼ヒロシと申します。ブログはじめたての初心者です。どうぞよろしく。

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「マルぼんと暮らすX&Y」の巻
 マルぼんの最近の悩みは、ヒロシたちと金歯の不仲です。

 
 昨日など、ヒロシはみんなで写った写真の金歯ところだけを切り取って集めて、ライターで燃やしながら、なぜかアンニュイな雰囲気を漂わせながら「さよなら。金歯。そして少年だったころ」とか呟いていました。


 友情が壊れていくのを進行形でみるのもマルぼんは辛いので、今日は金歯を呼び出して事情を聞いてみることにしたんです。


金歯「これといって心当たりはないんだけど。何? 最近変わったことはないかって? そうだな。ああ。同じのクラスの新條ってヤツがボクの悪口を言ってたとかでむかついてたんだよ。調べていたら、新條のところの親父が、ボクの叔父さんの会社に勤めていたんで、叔父さんに頼んでリストラしてもらったんだ。
そしたら新條の親父、失踪しちゃったらしいんだ。なんでも家族で高級ホテルで豪華な食事をして、
有名遊園地で楽しく遊んで、そこから先の行方がつかめないんだって。不思議だよね。そういえば、叔父さん、肝硬変を患っていたんだけど、どこの誰かも分からない人から肝臓を提供されて助かったらしいよ。不思議だよね。ハハハ。思い出しても笑えるや。ハハハ。そういえば、この笑い話を話をしてからだよ。ヒロシたちの態度が急変したの」




 ※思うところあり、今回の金歯は一人称が「朕」でもないし、語尾に「おじゃる」もつきません。



 結局、ヒロシたちと金歯の不仲の原因は、一般人には理解不能な上流階級の狂った笑いのセンスだったわけなんですが、さすがに金歯がかわいそうなので、マルぼんは仲直りの方法を考えることにし、「やはりヒロシたちに有効なのはプレゼント」という結論に至りました。


 プレゼントされて嬉しいものといえば、この世にふたつと同じものがないレアアイテム。


 マルぼんは金歯にレアアイテムの類を持っていないか尋ねてみたんですが、金歯が持っているのは「大久保清のベレー帽」「阿部定プロマイド」など、上流階級の倒錯した美意識じゃないと、とてもじゃないが理解できないシロモノばかり。


 仕方ないので、マルぼんと金歯はプレゼントになりそうなレアアイテム求めて町へと飛び出しました。


 しかし、そうそうレアアイテムが見つかる筈も無く、すぐにやる気がなくなったマルぼんたちは「もう、変わった形の石とかでいいや」と近くの公園を捜索。


 で、なんとはなしに公園の池を覗いて見ると、なんか体中に目がたくさんついている魚とか、二足歩行で歩くカエルとか、変な生き物がたくさんいるんです。よく考えたら、この公園の隣って、金歯のパパさんが重役を務めている製薬メーカーの工場があるんですよね。


 それに、よく見たら工場から続いているらしきパイプから、池になんか垂れ流しているんですよ。不自然に青い水とか。


 社会の闇を垣間見てマルぼんが暗い気持ちになっていると、横では金歯が二足歩行で歩くカエル手にかかえて大喜び。


 変なところを触られて気がたったのか、カエルは口から変な液体を、金歯の顔に吐き出しました。


「ギャーッ!」


 顔からケムリがふきだし、悶え苦しむ金歯。


 それを見てマルぼんはひらめきました。


「これだーっ!」

 よく探してみると、首が2つある鳩や翼の生えた猫、角と尻尾の生えた人間の赤ちゃんなどが発見され、変な生き物は池以外にも公園のあちこちに生息していることが判明。


 マルぼんは捕獲したこれらの生き物に「フェロモン(極端にフェロモンが多そうだったり少なそうだから)」と命名し、金歯名義でヒロシたちにプレゼントすることにしました。


 最初は「オラたちが汗水たらして作った米さ奪って、たらふく食っている庄屋の息子なんかと仲良くできねえだ! 村から出て行け!」と金歯を拒絶していたヒロシたちでしたが、グロいけど珍しいフェロモンに満足したようで、最後には金歯との永遠に変わらぬ友情を約束してくれました。


「21世紀の子供はチョロいね!」なんてマルぼんが思っていると、異変はおこりました。


 ナウマン象にあげた首が2つある鳩のフェロモンが、他のフェロモンに喰らいつき、あっというまに食してしまったのです。


 すると、鳩のフェロモンの胴体からボディービルダーのような足がニョキニョキと生えてきました。


 進化です! フェロモンは他のフェロモンを食べること進化するようです!


 このことがきっかけで、町の子供たちの間では、フェロモン同士を戦わせて、勝った方が負けたほうを食すことができるという「フェロモンバトル」が流行し始めました。


 さらに公園以外の場所(おもに製薬メーカーや原発近く)から新種のフェロモンが続々と発見され、「戦わせる楽しみ」「育てる楽しみ」の他に「集める楽しみ」ができて、そのスジの大人のあいだでもブレイク。


 町は、気弱な人が見たら石化しそうなくらい異形な進化を遂げた奇形生物で溢れかえるという、
地獄のような状況に突入してしまったのです。


 フェロモンバトルが流行し、町の情勢は一変しました。


 人間の価値が「フェロモンバトル強いヤツ>>>一般市民>>>>>色々と口でいえない方々>>>>>>>>>>フェロモンバトル弱いヤツ」となり、フェロモンバトルのチャンピオンに耀いた金歯など
「フェロモンに強くない者であらずは人にあらず」とか「パンがなければデザートを食べればいいのに」「(工事現場で働くおじさんを指さしながら)あれ、いくら?」なんて暴言を吐いたり、月を見上げて「この世をば我が世とぞ思ふ望月のかけたる事も無しと思へば」なんてパクリ和歌を詠むなどやりたい放題。


 逆にフェロモンバトルに弱いヤツは「わたしは敗者です。負け犬です。あ、負け犬と同じにしたら負け犬に失礼だから、負け犬未満です」と書かれた看板を持ち歩く事を強要され、町を行くセレブに唾を吐かれたりするんなど、あまりと言えばあまりな扱い。


 ということで今日も、ヒロシは「わたしは敗者です。負け犬です。あ、負け犬と同じにしたら負け犬に失礼だから、負け犬未満です」と書かれた看板をもって帰宅してきました。


 帰ってくるなり、「望めば世界だって、大好きなあの娘の愛だって手に入るくらい強いフェロモンだして~」とマルぼんに泣きついてくるヒロシ。


 マルぼんはいきなり強いフェロモンを用意するなんて外道のすることだと思ったので、ヒロシを促し、
一緒に新しいフェロモンを探しに出かけることにしました。


「フェロモンバトルだ!」


 家を出るなり、マルぼんとヒロシにそう話しかけてきたのは、見知らぬ少年でした。


 変な話です。ヒロシは今、フェロモンなんて持っていないんですか。


「そこ。そこにいるだろ。なんかまるくてグロいやつ!」


 え? マルぼんですか?


 マルぼんをフェロモン扱いした、親の顔を見た後その似顔絵を根も葉もない噂とともにネット上にばら撒きたいくらい失礼極まりない少年は、なおもマルぼんたちの前に立ち塞がりました。


 マルぼんは必死で自分がフェロモンでないことを訴えましたが、少年は聞く耳を持ってくれません。


「オイラのフェロモンは無敵さ!」


 マルぼんは、必死で自分がフェロモンでないことを訴え続けましたが、少年は、やはり聞く耳を持ってくれず、手持ちのフェロモンを繰り出してきました。


「フフフ。オイラのフェロモン・ゴロリラはロリ少女の(特定の方向けの)愛らしさと、とゴリラのパワーを併せもったフェロモン。勝てるはずがない!」


「ウホウホ。ゴロリラネ、オニーチャンガダーイスキ。バナナ。ウホウホ」とか気色の悪い唸り声をあげるゴロリラを無視して、挫けずに自分がフェロモンでないことを訴えました。


「うるせえ! オマエみたいにマルくてグロくて気の弱い人が見たら寿命が縮むようなヤツがフェロモンじゃないわけねえだろ! さっさとオイラのゴロリラと戦え!」


 少年がそう叫んだと同時に、マルぼんの意識は途切れてしまいました。


 しばらくして気がついてみると、マルぼんは隠し持っていた拳銃で、ゴロリラを射殺していたのです。


「なんだ。強いフェロモンはこんな近くにいたんじゃないか」


 沈黙を保っていたヒロシが、そう呟きました。
「他のフェロモンい出会う→即発砲・即射殺」という無敵コンボで、マルぼんとヒロシは連戦連勝。
 

 そして、フェロモンチャンピオンである金歯に挑戦するまでに至ったのです。


 今、マルぼんとヒロシの目の前には、自分のフェロモンを従えた金歯が、不敵な笑みを浮かべて立っています。


金歯「ヒロシ。まさかオマエが、ボクに挑戦す……」


 そんな話など聞いていられないので、マルぼんは金歯のフェロモンに速攻で発砲しました。で、金歯のフェロモンは絶命。


 マルぼんとヒロシは、ついに最強の座を手に入れたのです。


「みんな! 新しいチャンピオンを胴上げだ!」試合を見にきていた観客たちが、マルぼんたちに押しかけてきました。


「ありがとうありがとう」宙を舞いながら、涙をながすヒロシ。


 ああ。ひとつのことを極めると言うのは、なんとすばらしいことでしょう。人生に乾杯。


 マルぼんとヒロシが祝杯をあげていると、他の追随を許さないほど変なフェロモンが家にやってきました。


 全長約4メートル。背中かから大きな翼を生やし、妊婦のように膨らんだ腹には人の口のようなものがついていてニヤニヤと薄笑いを浮かべています。


 手が4本に足が6本あり、頭に至ってはなぜか10個近くあり、その全てが、金歯のそれと同じでした。


「久しぶりだな! ヒロシ! そしてマルぼん!」


 マルぼんたちに呼びかけてくる声も、紛れもなく金歯の声です。


「ボクは負けた。貴様らの拳銃という名の友情に負けた! しかし、ボクは(延々と泣き言が続くので中略)だから、ボクは自分自身がなったのさ。最強のフェロモンに!」


 中略したところを要約すると「製薬メーカーの汚水でフェロモンなんてのができたんだから、原〇から垂れ流される汚水ならもっと強いフェロモンができるにちがないゾ! よおし! こうなったらボク自ら原発汚水を飲んじゃうゾー! ゴクゴク。ウンマーイ! アンマーイ!(注・よい子は金歯のマネをして〇発汚水なんか飲まないでネ。目も当てられない惨事が巻き起こっちゃうゾ! でも『俺は世の中に害悪しか与えないロクデナシの中のロクデナシ、キング・オブ・ロクデナシなんだっ! 母さん、なんで俺を生んだのさ!? ねえ、黙ってないで答えてよ! 母さん! おかーさーん!』なんて悪い子は、ひとおもいに飲んでみてもいいかもネ!」って感じです。


「とにかく、ボクは貴様らに再戦を申し込む。ボクを、史上最強のフェロモンを恐れぬなら、明日、いつもの空き地へ来い!」


 そう言うと、金歯は翼をはばたかせ、いずこかヘ飛び去って行ったのでした。


 今日、マルぼんたちの住む町では、今年一番の寒さを記録しました。


 水たまりに氷が張っていたらしいので「とりつかれたように破壊して遊ぼう!」とマルぼんは外へ出たんですが、そこで絶句。


 町は、フェロモンたちの無残な死体だらけだったのです。


 所詮は、垂れ流しの薬品とか、発癌性バリバリのホルモンとか、ダイオキシンとかで誕生した泡のような命。


 フェロモンは、気温が一定の数値以下になると死に絶える儚い生き物だったのです。


 マルぼんは町の人たちと協力して、フェロモンの死骸を一箇所に集めて火を放ったんですが、町中に異臭が漂い、鼻血が止まらなくなって病院へ担ぎ込まれる人が続出。えらいさわぎになりました。


 とりあえず騒ぎが一段落した後、マルぼんは金歯との約束を思い出しました。


 フェロモンになった金歯のことが気になったマルぼんは、いやがるヒロシを強引に引き連れて、約束の地であるいつもの空き地へと向かいました。


 金歯は、立ったまま息を引き取っていました。


 その顔には満面の笑みを浮かべていて、おそらくはマルぼんたちに勝ったと言う夢でもみながら逝ったのでしょう。


 マルぼんは、金歯の遺体を原子力発電所がよくみえる丘に埋葬しました。


 それから十年たちましたが、金歯の墓には真新しい花が絶えたことはありません。


 マルぼん(まだいる)や、ヒロシや、ナウマン象や、ルナちゃんらいつものメンバーのうちの誰かが、暇を見つけては墓参りをしているのです(大脳は詐欺で服役中のため無理)。


 こうして、壊れてしまった金歯といつものメンバーとの友情は、真実の意味で回復したのでした。


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日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
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