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大沼ヒロシ

Author:大沼ヒロシ
大沼ヒロシと申します。ブログはじめたての初心者です。どうぞよろしく。

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「そんな2人の日曜日」の巻
 今日はみんな(マルぼん除く)で金歯の家に遊びに行きました。金歯の家にはシャーマンをやっている従兄弟が来ていて、金歯は彼のことをやたらと自慢してきます。


金歯「僕の従兄弟、救いの神さまを召喚する事ができるんだ」


ナウマン象「本当かよ~」


金歯「本当さ。さぁ、シャーマン。みんなに神さまを召喚してあげて」


従兄弟「ウンババ~(考えに考え抜いた呪文)! はっ!」


神「こんにちは」


ナウマン象「すげえ! なんか心がスっとした!」


ルナちゃん「私はなんてちっぽけなことで悩んでいたのかしら!」


金歯「これが救いというものだね。ムヒョー」


ヒロシ「ぼ、僕も僕も! はやく僕にも救いの手を差し伸べて!」


金歯「ごめん。この神は3人用なんだ。ヒロシの分の救いはないよ」


ナウマン象「ヒロシはもう帰れよ。ああ、もっと光を~」


ルナちゃん「ヒロシくんはもう帰ったら? 主よぉ私は浄化してぇ」


 ヒロシは泣きながら金歯の家を飛び出しました。金歯のいじわるで、ヒロシは愛憎や欲望が入り乱れた混沌の21世紀をなんの救いもなく生きていくハメになったのです。こうなったら頼れるのマルぼんしかいません。


 家に帰り「僕の魂を救済してくれる神さま出して~」とマルぼんに泣きついてみると、マルぼんは読んでいた漫画から視線を外す事なく、無言でなにやら豆のようなものをヒロシに渡してきました。説明書によると「ヤオヨロ豆」という機密道具だそうで、これを食べると世界中のあらゆる神からランダムで選ばれた1人が出現し、ひとつだけ願いかなえてくれる道具だとか。


 ようするに「これで魂であろうがなんであろうが好きなだけ救ってもらえ!」ということのようです。


 ヒロシは早速「ヤオヨロ豆」を飲み「神こい神こい」とひたすら念じつづけました。そうこうするうちに小1時間。部屋に煙が充満したかと思うと、中から絶世の美女の顔が浮かび上がってきたのです。女神! 女神ですー!




「僕と一緒になって下さい」。


「救ってください!」と言わなくちゃいけないのに、気づくとヒロシはこう言っていました。女神さまの美しい顔を見た瞬間「同棲開始→未来の怪生物追放→桃色同居生活」という未来予想図が脳内で構築され、口が勝手に動いていたのです。


「OKですよ」。あっさり承諾してくれる女神さま。ああ、女神さま。女神さま! これで明日からこのブログも「女神さまと暮らす」にサイト名変更ですよ! マルぼん? 死ねよ。


「それじゃあお邪魔しますよ」と言いながら煙のなかからでてきた女神さまは、頭部だけでした。正確に言うと、頭部に蛇の尻尾がついているだけの「巨大人面オタマジャクシ」としか形容できない存在でした。まるで邪神のようです……。崩れ行くヒロシの脳内未来予想図。ヒロシが呆然としていると、異変は起こりました。


煙が充満して振り向こうともしなかったマルぼんが、気づくと石化していました。


テレビやらパソコンやら電化製品が勝手についたり消えたりします。


雲ひとつなかった青空を、黒い雲が包み「ゴロゴロ…」と雷が。


「キャー! 突然町中の女性が妊娠したー!」
外から聞こえるとても説明的な叫び声1。


「キャー! 突然町中の動物が性転換したー!」
外から聞こえるとても説明的な叫び声2。


「キャー! マリア象が目から血の涙をながしたー!」
外から聞こえるとても説明的な叫び声3。


「キャー! 終末時計が一気に3分進んだー!」外から聞こえるとても説明的な叫び声4。


「キャー! 実はノストラダムスの例の予言が示す日が今日ということが唐突に判明したー!」外から聞こえるとても説明的な叫び声5。


 どう贔屓目にみても、邪神のようです。いろいろめんどくさくなったので、ヒロシは寝ました。


 翌朝。朝ご飯を食べようと台所へ行ったら、お母さんが赤ん坊になっていました。昨日、降臨した邪神ちゃんは、ヒロシの行くところ行くところについてきては災厄をばら撒いているので、そのせいだと思います。


「ごはんできましたよ、ヒロシさん」。台所のテーブルには、頭と尻尾だけでどう作ったのか、邪神ちゃんの作った朝食が並んでいました。一見普通の和食ですが、実際は「知能を持った焼き魚の活け造り(焼かれているけど生きていて、そのずば抜けた頭脳を活かして『熱い…熱いよぉ』『早く殺して!』『人間のすることか』と苦しみや憎しみを訴えてくる)」とか邪神っぽいものだったのでヘコみました。


 頼みの綱の自称「未来の世界からやって来た素敵な素敵なお友達」は昨日から石化したままで何の役にも立たないので、現状を打破する手段がありません。そうこうしているうちに学校がはじまる時間。今日はテストがあるので、さらにへコんでしまうのヒロシなのでした……


「テスト、イヤですか?」。登校途中、当然のようについてきた邪神ちゃんが言いました。「そりゃそうさ」とヒロシが答えると邪神ちゃんはどこかへと飛んでいってしまいました。 学校につくと先生や生徒たちが倒れていました。みんな皮膚が黒くなり苦しそうです。


「なんかペストが発生したらしいからしばらく学校閉鎖らしいわよ」
近くにいたルナちゃんが言いました。


「今日の給食、プリンがあったんだけど残念だ」
ナウマン象が残念そうに言いました。


「うちにペストのワクチンがあるから、みんなおいでよ。あ、3人分しかないからヒロシは遠慮しろよ」
金歯が言いました。


 去っていく3人の後姿を見つめていると、いつのまにか近くに邪神ちゃんが存在していました。「これで学校休みですね。テストもありませんね」。全ては邪神ちゃんの思いやりの賜物だったのです。思わず胸が「キュン♪」としてしまったヒロシは、無言で邪神ちゃんを抱きしめてしまいました。邪神ちゃんとひっついた部分の皮膚が煙をだしてただれはじめましたが、ヒロシは邪神ちゃんをより強く抱きしめるのでした。


 翌朝。昨日のことがあったせいか、照れくさくて邪神ちゃんをまともに見ることのできないヒロシです。邪神ちゃんも照れくさいらしく、ヒロシと目が合うと顔を赤らめてどこかへ飛んでいってしまいます。そとから爆音と悲鳴がしましたが無視、無視、無視。



 石になった自称「未来の世界からやって来た素敵な素敵なお友達」は河原に、赤ん坊になってしまったお母さんは教会の前にそれぞれ放置してきたので、家はヒロシと邪神ちゃんの2人きり。この状況も照れをレベルアップを助長している様子。


 ヒロシとしてはもっともっと邪神ちゃんとスキンシップを測りたいのですが、がんばって話しかけてみても「義理とはいえアナタなんてお兄ちゃんなんて認めないもん!」とか「許婚なんて親が勝手に決めただけよ」とか言ってすぐにはぐらかされてしまいます。


「ひょっとしたら嫌われたのかも」とヒロシが落ち込んでいると、ふいに右の掌に激痛がはしりました。見てみると掌に傷ができ、そこから流れる血はまるで文字のようで「ゴメンネ」と読み取れました。どうやら、奥手な邪神ちゃんの精一杯の意思伝達手段のようです。


 ヒロシがあさっての方向を向いたままの邪神ちゃんに「気にしてないよ」と言うと、今度は左の掌に激痛・出血。血は「アリガトウ、ダイスキ」という文字の形。


 ヒロシがあさっての方向を向いたままの邪神ちゃんに「僕もだよ」と言うと、今度は右足に激痛・出血。血は「ウレシイ」という文字の形。


 ヒロシがあさっての方向を向いたままの邪神ちゃんに「僕もうれしい」と言うと、今度は左足に(以下略)。


 こんな感じで一日中邪神ちゃんと言葉と血文字のキャッチボールに興じていると、ヒロシはあることに気づきました。立っていると頭がフラフラし、気を失いそうになるのです。恋です。恋にちがいありません。ヒロシはきっと、邪神ちゃんに恋をしているのです。

 恋に生きる毎日とは、たとえそれが平凡でも素晴らしいものだと思います。今日もヒロシは邪神ちゃんとの蜜月を楽しみにしつつ、いつものメンバーと登校です。



ルナちゃん「親戚のおばさん、生れてきた子供にツノとか尻尾とか生えていたんですって」


ナウマン象「俺の姉ちゃんは生れてきた子供が光の速さで成長し、すでに老衰で危篤状態なんだ」


金歯「ウチのメイドは生れてきた子供の第一声が『生んでくれって誰が頼んだ』だったそうでおじゃる」

 平凡。平凡。本当に平凡な毎日。邪神ちゃんの影響で、少しファンタスティックになっている気もなきにしもあらずですが、なんの変哲もない平凡な1日最高。


ルナちゃん「そういえば、隣の未亡人は生れてきた子供が豚だったって。最近はヘンなことが多いよね。」


ナウマン象「知り合いの釈迦族の王様は、生れてきた子供がいきなり『天井天下唯我独尊』と言ったかと思うと、東門から出ると哀れな姿の老人に、南門から出ると病人に、西門から出ると死人に、北門から出ると修行者にそれぞれ出会い、生老病死から救われたい一心で、女房子供を捨てて出家したらしいよ」


金歯「そういえば某国の軍のお偉いさんをやっている叔父さんに聞いたんだけど、ペストの蔓延を防ぐため、この町がミサイルの標的になっているんだってー」


ナウマン象「へー」


ルナちゃん「某国ってば、だいたーん」


金歯「でさ、ウチの家、新しいシェルター造ったんだけど、今からみんなで入りにこない? あ、シェルターは3人用だから、
ヒロシの分はないよ」


 某国のミサイルが我が町に飛んでくるとか飛んでこないとかでヤバい状況です。ヒロシはいっそのこと邪神ちゃんと
悲しみも苦しみもない幸せな空想の世界へでも旅立とうかと思いはじめていると


マルぼん「なにを困っているんだい、ヒロシくん」


 いつのまにか元に戻り、家にも戻ってきていたマルぼんが事情を訊ねてきました。
ヒロシがこの状況にいたるまでの経緯とミサイルの標的になっているという現状を説明すると、
マルぼんはニタリと笑うと「良い道具がある」となにやらスイッチのようなものを取り出してきました。


ヒロシ「これは……まさか迎撃ミサイルの発射スイッチ!? これで飛んでくるミサイルをちぎっては投げちぎっては投げするんだね!」


マルぼん「こんなこともあろうかと、世界の主要都市にしかけておいた自爆装置の起動スイッチさ。一斉に爆発すると、地球上の生物という生物を死滅させ、向こう千年草木1本生えない状態にする威力があるんだ。へ、へへ……マ、マルぼんたちだけ死んでたまるかっての。人類皆兄弟。地球家族。みんな死ぬ時は一緒ー! ウヒャーッハハハハハハハハハハハハハ!」


 どうやらマルぼんはミサイル襲来という現実を直視できず、復帰早々、一足先に「悲しみも苦しみもない幸せな空想の世界」へ旅立ってしまったようです。


「ミサイル発射されたって。あと2時間で着弾。ヒロシもはやくシェルターに入りなよ。あ、シェルターなんてないか(笑)」こんなメールが金歯から届き、いよいよ終末の時は近づいているようです。


邪神ちゃん「あきらめないで……」


 沈黙を保っていた邪神ちゃんが、そう呟いて飛んで行きました。

 飛んでいった邪神ちゃんは、その命をエネルギーを力に変えて、ミサイルと某国を消滅させたのでした。


「悲しまないで……私はアナタの中で生きているの」。邪神ちゃんのそんな声が、聞こえた気がしました。


 そう。そうなんです。邪神ちゃんは死んだワケではなく、ヒロシの中で生きているのです。生き続けていくのです。
ヒロシは邪神ちゃんに笑われないために、立派な大人になる決意をしました。


ルナちゃん「あれ、ヒロシくん。なんかお腹大きくない?」


ナウマン象「本当だ。弟が生れる寸前のウチの母ちゃんみたい」


大脳「これは…(聴診器で僕のお腹を調べつつ)。ヒロシのなかで新しい命が息づいているでヤンス! あっしの診たてでは、あと1時間くらいで腹をブチやぶって誕生するでヤンス! 生命の神秘でヤンスー!」


 邪神ちゃんは、文字通りヒロシの中で生きていたのでした。めでたしめでたし。



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日記 | 19:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
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